労働時間とは?残業時間や法律、労基法違反となるケースもご紹介!

近年、長時間労働による過労死や、残業代未払いなどが問題視され、労働環境を見直す企業が増加しています。また、定着率アップや女性の働きやすい環境の促進といった前向きな理由から、積極的に「働き方改革」に乗り出す企業も増えています。

 

こうした勤務環境を整えるうえで重要なのは、企業が労働時間や労働基準法についてしっかりと理解すること。知識不足や誤った認識は、従業員とのトラブルに繋がりかねません。そこで本記事では「労働時間」の基本的な定義から丁寧に解説します。

 

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労働時間とは?

そもそも「労働時間」とは何なのでしょう?勤務時間や就業時間との違い、休憩時間や休日といったワードと合わせて説明していきます。

「勤務時間/就業時間/労働時間」それぞれの意味

まずは、よく似ている下記の3つのワードの違いについて見ていきましょう。

 

■勤務時間

企業が就業規則で定めている、始業~就業までの時間を勤務時間といいます。勤務時間には休憩時間も含まれ、「就労時間」や「就業時間」と同様の意味で使われることが多い言葉です。

 

■就業時間

勤務時間とほぼ同様の意味で使われているのが就業時間です。ただし、求人票などでは「勤務時間」と記載する企業が多いでしょう。

 

■労働時間

勤務時間(就業時間)から休憩時間を除いた時間を労働時間といいます。また労働時間には「所定労働時間」と「法定労働時間」の二つに分けられます。(詳しくは次項で説明します)

「所定労働時間」と「法定労働時間」の違い

続いて、所定労働時間と法定労働時間の違いについても見ていきましょう。 

労働時間の種類の図

■法定労働時間

労働基準法により決められた労働時間が法定労働時間です。原則、「一日8時間(週40時間)以上の労働をさせてはならない」と定められています。

 

■所定労働時間

所定労働時間は企業が設定している労働時間で、法定労働時間内であれば自由に設定可能です。なお休憩時間は含みません。

 

上記のほかに、実際に働いた時間を指す「実労働時間」という言葉も存在し、求人票などでは「実働◎時間」と表記されることもあります。

休憩時間/拘束時間について

企業は労働者に休憩時間を与える義務があります。(休憩時間中、賃金は発生しません)労働基準法第34条によると、休憩時間の規定は下記の通りです。

 

■休憩時間の規定

・実働6時間以上8時間以下:45分以上の休憩時間が必要

・実働8時間以上:1時間以上の休憩時間が必要

 

また企業の監督下にある時間を「拘束時間」と呼びますが、この時間には休憩時間も含まれます。つまり拘束時間とは”始業~就業までの時間+休憩時間”ということになります。

休日について

労働義務のない日のこと「休日」といい、この休日も「法定休日」「法定外休日」の二つに分けられます。それぞれの違いについて見ていきましょう。 

休日の種類の図

■法定休日

労働基準法により企業が労働者に必ず与えなければならない休日のこと。少なくとも週1日は休日を与える必要があると定められています。

 

■法定外休日

「法定休日以外」に与える休日で、所定休日と呼ぶことも。企業が自由に決めることのできる休日であり、祝日や夏季休暇、年末年始休暇なども法定外休日にあたります。

 

なお、これまでに説明した「労働時間」「休憩時間/拘束時間」「休日」等に関する規定・内容は、厚生労働省のホームページにも明確に記載されています。

参考:厚生労働省/労働時間・休日

残業(時間外労働)時間について

決められた勤務時間を超えた労働時間のことを残業(時間外労働)時間といい、詳しい規定は時間外労働協定(36協定)によって定められています。企業はこの労働協定を締結し、届け出を行なわなければ、時間外労働や休日労働を従業員に命じることができないのです。

 

なお、法定時間内の時間外労働を「法定内残業」、法定時間外の時間外労働を「法定外残業」といい、法定外残業のみ割増賃金の支払い義務があります。

 

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時間外労働の上限規制とは?

2020年4月、労働基準法の改正により36協定で定めることができる時間外労働時間に制限が加わりました。

 

原則、時間外労働の上限は「月45時間・年360時間」以内。繁忙期など特別な事情がある場合でも「月100時間未満(時間外労働・休日労働の合計)」「年720時間以内」と定められました。

 

さらに特別な事情がなくても、1年間における時間外労働と休日労働の合計は常に「月100時間未満」「2~6ヶ月平均80時間以内」にしなければなりません。もしこの規定に違反した場合は、罰則を科せられる可能性があります。

<時間外労働の上限規制>

  • 1ヶ月の時間外労働+休日労働の合計時間数が、100時間未満
  • 1年の時間外労働時間は、720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計について、「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」がすべて80時間以内
  • 限度時間を超えることができる回数を「年6回まで」の範囲で協定を結ぶ

参考:厚生労働省 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

労働時間を管理するうえで知っておきたい法律

次に、企業が必ず理解しておくべき労働基準法と労働契約法について説明します。

労働基準法とは

労働者を雇う企業が必ず守らなければならない、労働に関する法律が「労働基準法」です。前述したような一日の労働時間をはじめ、休憩時間、休日、賃金・手当、解雇など、労働にまつわるルールが定められており、企業はこのルールを逸した労働契約を労働者と結ぶことはできません。なお同法律が適用されるのは、正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなどすべての労働者です。

 

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労働契約法とは

2008年3月に施行された、労働契約に関するルールを定めた法律が「労働契約法」で、企業と労働者の良好な労働関係を目的に定められました。さらに2012年8月には同法律の改正があり、このときに加わった「有期労働契約から無期労働契約への転換」「雇止め法理の法定化」「不合理な労働条件の禁止」は重要なルールだといえるでしょう。労働基準法だけでなく、労働契約法を理解しておくことも、労働者とのトラブル発生を回避するポイントとなります。 

働き方改革関連法

2019年4月に施行された法律が「働き方改革関連法」です。労働者が働き方を選択できる、柔軟な労働環境の実現を目的としたもので、同法律により労働基準法・労働安全衛生法・パートタイム労働法・労働契約法・労働者派遣法の5つが改正されることになりました。改正された中でも「時間外労働の上限規制」「有給取得の義務化」「同一労働同一賃金ルール」といった内容が特に重要です。 

労働時間は調整できる?さまざまな働き方を紹介

ここまでは労働時間やそのルール、関連する法律について説明しましたが、企業によって導入している働き方(勤務形態)は異なるもの。状況に応じて、労働時間を調整できるのだろうか?と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。そこで、さまざまな働き方や勤怠管理を行なううえで注意すべき点をご紹介します。

固定時間制

”平日の8:00~17:00(実働8時間)”など、あらかじめ就業規則で決められた時間に働く勤務制度を「固定時間制」といいます。

 

最も多くの企業が導入しているスタンダードな勤務制度なだけに、勤怠管理がしやすいというメリットがありますが、従業員により残業時間に開きが生じてしまう可能性がある点に注意しましょう。1ヶ月のうち、残業が集中する時期が決まっているなど残業発生の傾向が分かっているのであれば、組織体制を見直したり、フレックスタイム制を導入したりするのもいいかもしれません。

変形労働時間制

「変形労働時間制」は繁忙期や閑散期が明確である場合、時期に応じて労働時間を調整できる勤務制度です。平均した一定期間の労働時間が、法定労働時間の範囲内であれば”一日8時間(週40時間)”を超えても問題ありません。なお同勤務制度には、下記の3種類があります。

 

■1年単位の変形労働時間制

1ヶ月以上・1年以内の期間における平均労働時間が、週40時間以内の労働時間になるよう調整するものです。なお、労働時間は一日10時間まで、連続勤務は6日までとなっています。

 

■1ヶ月単位の変形労働時間制

1ヶ月の平均労働時間が、週40時間以内の労働時間になるよう調整するものです。そのため、1週間の平均労働時間が40時間以内であれば、”一日8時間(週40時間)”を超えた労働日があっても問題ありません。

 

■1週間単位の変形労働時間制

1週間の労働時間が40時間を超えなければ、一日10時間を上限に従業員に労働を命じることが可能です。ただしこの勤務制度を導入できるのは、労働者が30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店に限定されているため注意しましょう。

 

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フレックスタイム制

「フレックスタイム制」も変形労働時間制のひとつ。就業規則により設定された総労働時間の中で、始業・終業時間を自分で決めることができる勤務制度です。企業によっては、勤務しなければいけない時間(コアタイム)や、出社・退社が自由な時間(フレキシブルタイム)が設けられています。

 

近年、このフレックスタイム制を導入する企業も増えています。ただし自由度の高い働き方であるぶん、企業側が労働時間の過不足をきちんと管理することが重要です。

 

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裁量労働制

固定された勤務時間帯がなく、出勤・退勤時間も自由という”みなし労働時間制”のひとつです。なお、裁量労働制は決められた職種にのみ適用される勤務制度であり、「企画型裁量労働制」と「専門型裁量労働制」の二つに分けられています。

 

■企画型裁量労働制

事業運営の重要な決定が行なわれる場面で企画、立案、調査、分析を行なうような職種(経営企画や営業企画、人事・労務担当など)が対象です。

 

■専門型裁量労働制

仕事柄、業務遂行の方法を労働者に委ねる必要がある、研究開発、設計、士業、コピーライターといった職種が対象です。

 

裁量労働制は労働時間を従業員の裁量に任せているという点から、オーバーワークになる可能性もあるため、勤怠管理に注意しましょう。

 

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柔軟な労働時間制度によって従業員のエンゲージメントを高める

上記で紹介したように様々な労働時間制度が存在します。もちろん、決まった時間に労働しなければならない仕事もありますが、比較的柔軟な働き方が実現できる仕事もあるでしょう。最近では新型コロナウイルスの影響で、テレワークが普及するなど働き方の柔軟性に注目が集まっています。そのため、よりフレキシブルに働けるように労働時間制度を見直す良い機会と言えます。

 

また働き方の変化によって、従業員の会社に対する愛着も高めることが可能。こうした変化の時代をチャンスだと捉え、従業員満足度を高めていくことが企業の成長につながるかもしれません。

労働基準法違反となるケースと罰則

正しく労働管理を行なっているつもりでも、思いがけない部分が労働基準法違反となってしまうことも。そこで労働基準法違反となるケースと、それに伴う罰則について詳しく紹介します。

「労働条件・給与」に関する違反

■就業規則を従業員に周知しない/就業規則を作成しない

企業は従業員へ就業規則を伝えなければならない”周知義務”があります。また、10人以上の従業員を常時使用する場合、就業規則の作成は必須です。そのため、就業規則を従業員に周知しない、そもそも就業規則を作成しない場合は「30万円以下の罰金」の罰則対象となります。

 

■給料日に給与を支払わない

企業は従業員に対し、給料全額を給料日に支払う義務があります。そのため、給料日に給与を支払わない場合(給料の分割払いも含む)は「30万円以下の罰金」の罰則対象となります。

 

■最低賃金を下回っている

企業が従業員に支払わなければならない時給が最低賃金を下回っていた場合、”最低賃金法”の違法にあたるため「50万円以下」の罰則対象となります。

「残業」に関する違反

■上限を超える残業や、残業代の未払い

36協定で定められた上限を超えた残業があった場合は労働基準法違反となります。さらに、一日8時間(週40時間)を超えた労働の場合は、割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。そのため上限を超える残業、残業代の未払いがあった場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則対象となります。

「休憩時間」に関する違反

■労働基準法通りの休憩時間を与えない

労働基準法では、労働時間が6時間以上8時間以下の場合は45分以上、8時間以上の場合は1時間以上の休憩時間を、従業員に与えなければならないと定めています。この規定に即した休憩時間を与えていない場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則対象となります。

「休日」に関する違反

■週1日以上の休日が与えない

企業は従業員に、少なくとも週1日は休日を与える必要があるため、週1日以上の休日を与えていない場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則対象となります。

世界と比べた時の日本の労働時間

「日本人は残業が多い」「働きすぎ」という印象を持っている方は、少なくないのではないでしょうか。しかしデータで見てみると、実はそんなことはないのです。

 

OECD(世界協力開発機構)の統計により、世界主要国と日本の労働時間を比較したところ、日本の全就業者の平均労働時間は世界22位・1644時間。世界1位・2137時間のメキシコと比べると、年間で493時間、月41時間もの差があるという結果になりました。

 

ちなみに2位はコスタリカ、3位は韓国で、米国は10位の1779時間となっています。世界規模で見てみると、日本は多くの方が感じているよりも「働きすぎ」ではなくなっているといえるでしょう。

 

さらに日本は、労働生産性(従業員1人あたり、または1時間あたりが生み出す成果)が高くないというデータも出ています。これらの結果を踏まえたうえで、単純に労働時間を減らすことが本当に得策なのか、国として考えていく必要があるといえます。このまま労働時間が減り、そして生産性も低くいままであれば…日本の経済の行き先は決して明るくはないでしょう。

参考:世界の労働時間 国別ランキング・推移(OECD)

まとめ

労働時間や労働環境は、企業の信頼に関わる重要な部分です。企業側がそれほど深刻に思っていなかったことでも、労働基準法違反に該当するケースもあれば、労働時間に関するトラブルから裁判に発展することもあります。企業の成長のためにも、正しい知識を身につけ、よりクリーンな労働環境の構築に努める姿勢が大切です。

 

また企業側が労働時間をしっかりと管理することは、従業員とのトラブル防止にも繋がります。タイムカードやICカードといった方法で記録することで、勤怠管理の正確性も上がるといえるでしょう。

 

最後に当然のことではありますが、従業員を長時間無理に働かせることはあってはなりません。しかし【世界と比べた時の日本の労働時間】で触れたように、ただ残業を減らすという策だけでは、会社の成長に歯止めがかかってしまいます。”法定労働時間を守りながら、いかに生産性を高められるか”に重きを置きながら、労働環境を整えていくことが得策なのではないでしょうか。

 

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