社会人インターンとは?優秀人材の確保につなげる今注目の採用手法

安定的な経営を目指す企業にとって、「人材」は何より重視したい資産です。自社の今後を支えてくれる人材を確保し、育成していくことは、企業の生産性や成長性を維持する上で欠かせない要素といえます。しかし人材は、採用すれば必ず定着してくれるわけではありません。手間とコストをかけて採用しても、『イメージと違った』などの理由で早々と再転職されてしまうこともあります。

 

そのようなミスマッチを防ぐ採用手法として、昨今注目を集めているのが「社会人インターン」です。今回は、社会人インターンの概要や、企業にもたらすメリットについてご紹介します。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、求人ボックス 、スタンバイ、Googleしごと検索などの求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、40万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

 

社会人インターンとは

社会人インターンとは、「社会人が現職のまま、別の企業の業務を体験することができる取り組み」のことです。インターンでは現職と異なる環境で働くことになるため「転職前に気になる企業の内情を知っておきたい」「外部の企業のノウハウを学んでみたい」など、現状の環境を大きく変えずに知見を深められるところが参加者側のメリットといえます。

 

加えて学生向けのインターンシップとは異なり、インターン中も報酬が発生する場合が多いことから、収入が大きく減るリスクを抑えながら社会勉強ができるところも人気の理由といえるでしょう。

社会人インターンが社会人から注目を集めている背景

もともとインターンとは、就業前の学生が志望企業の業務を実際に体験するために企画されるのが一般的でした。しかし昨今は社会人のインターンの需要も高く、社会人向けのインターンシップ情報を集めたサイトも続々と登場しています。社会人インターンが社会人から注目を集めている背景としては、以下の点が挙げられます。

自分のキャリアについてよりしっかり考える必要性が出てきたため

「人生100年時代」という言葉に代表されるように、昨今の日本は平均寿命が延び、定年退職の年齢を引き上げる企業も増えつつあります。社会人であり続ける時間が従来よりも長くなったことを受けて、社会人は自分がどんなキャリアパスを描いていくべきなのか、節目ごとに考えていく必要性が増したといえるでしょう。よって転職やキャリアの模索の一歩として、社会人向けのインターンシップに注目する人が増えています。

 

en-gage.net

兼業・副業禁止の風潮が軟化した

従来、日本では兼業・副業を原則禁止とする企業が多く見られました。理由としては、「副業を容認すると本業がおろそかになりかねない」と考えられがちであったことや、従業員の健康に配慮するためなどの理由が挙げられます。しかし厚生労働省が推進している「働き方改革」により、2018年から兼業・副業を容認する流れが生まれました。政府が兼業・副業を容認した主な理由は、「人生100年時代に向けて、社会人一人ひとりのスキルアップの助けになる」「起業のきっかけになる」などです。

 

このような世情から、「本業を続けながら、余った時間を有効活用して副業を始めたい」という人が増えています。自分の新しい可能性を探す場として、社会人向けのインターンシップへの注目も高まっているといえるでしょう。

社会人インターンの4つの種類

社会人インターンは、インターンシップの期間や実施場所に応じて4つの種類にわけられます。それぞれの概要を見てみましょう。

1dayインターン

1dayインターンとは、1日のみ実施されるインターンシップのことです。参加者は企業側が用意した職場見学やセミナー、ワークショップといったイベントを通して、企業の様子を簡潔に知ることができます。1日という短期間のインターンであることから、本業の予定に関わらず参加しやすいところが、参加者側のメリットです。企画側の企業にとっても、1日の短期イベントなので実施しやすく、自社に興味を持っている人と顔合わせができるところが魅力といえるでしょう。

 

ただ、ほぼ単発のインターンであることから、双方にとって一般的な会社説明会以上の収穫はあまり得にくい面があります。たとえば参加者がインターンを通してしっかりスキルアップしたり、就業経験を積んだりといったことは困難です。企業にとってもインターン参加者の仕事ぶりや自社との相性をしっかりチェックできるほどの時間はないため、入社後のマッチ度を判断するのは難しいでしょう。入社前のミスマッチを防ぐ目的で社会人インターンを実施する場合は、後述する短期~長期インターンの企画がおすすめです。

短期インターン

短期インターンは数週間単位、もしくは土日のみの日程を数週間実施するなど、比較的短期で組まれているインターンシップのことです。参加者にとってはインターンとしてフルタイムで企業の業務に参加できる機会であり、本職とは別の環境でスキルアップを目指せるところが魅力といえます。

 

勤務時間についてはインターン先の営業時間に沿うケースが多いものの、社会人のインターンという性質上、企業側が勤務時間を調整することもあります。数週間単位かつフルタイムでインターンに参加することから、場合によっては本職の会社を休む必要性も出てくるため、参加者と企業側できちんと話し合うことが大切です。

長期インターン

長期インターンは、半年以上の長期にわたって行なわれるインターンです。参加者は土日、または本業の仕事が終わった平日の夕方以降からインターン先の企業の業務に携わります。ダブルワークのような形で長期的に業務を担うポジションであることから、参加者は一戦力として扱われることが多いです。本職では得られない経験も積みやすいところが魅力といえるでしょう。企業側にとっても参加者の仕事ぶりをじっくり見ることができるため、双方のマッチ度を事前に知ることができる機会といえます。

 

メリットの多い長期インターンですが、参加者は本職と兼業に近い形で働くことになるため、体力的な負担がかかりやすい面があります。プライベートの時間も潰れやすいため、参加者の家族の理解や、インターン先からのフォローが必要になるでしょう。

海外インターン

文字どおり、国外にある企業や事業所で実施されるインターンです。海外の仕事に興味があり、実際にチャレンジしてみたいという社会人に需要があります。ただ、インターン中は本職を長期的に休まざるをえないことや、基本的にインターン中の生活費は貯金から補う必要があること、インターン中の報酬額が本職より下がることがほとんどであることなどから、実現が難しいことも多いです。

社会人インターンを受け容れる企業側のメリット

参加者当人にとって様々な魅力がある社会人インターンですが、受け容れ側の企業にもメリットがあります。

優秀な人材を確保しやすくなる

1つめのメリットは、優秀な人材を確保しやすくなることです。昨今、多くの中小企業にとって課題になりやすいのが「人材不足」です。国内の労働人口そのものが減っていることや、より自分のニーズに合った職場を求めて転職する人が増えていることから、必要な人手を必要なときに確保することが難しくなっています。

 

このような世情の対策のひとつとして注目を集めているのが、社会人インターンです。「転職」という大きなハードルの前のステップとして広く人材を受け容れる体制を整えることで、人材に気軽に来てもらいやすくなる効果が期待されています。社会人をインターンとして受け容れることで、自社に興味を持っている人材と積極的に接点を持てるようになるところが魅力です。

 

また、優秀な人材が自分のスキルアップのために、社会人インターンを活用することもあります。インターンを通して実務に参加してもらい、お互い働きやすい様子であれば自社に誘うことも可能です。優秀な人材を自社に招くチャンスが増える点も、社会人インターンのメリットといえるでしょう。

ミスマッチを抑えながら新しい人材を獲得できる

2つめのメリットは、ミスマッチを抑えながら新しい人材を獲得できることです。長期の社会人インターンでは、自社の事業や働き方に興味を持っている人材が、期間限定の戦力として実際に働いてくれます。企業はインターン参加者と業務を共にすることで、履歴書からはわからない臨機応変さや、実際の業務への取り組み方を見極めることが可能です。

 

また、企業が参加者の様子や能力を判断するように、参加者も企業との相性や、企業の将来性、人間関係の相性などをチェックしています。実際に実務に参加し、「働きやすい環境だ」「ずっとここで働きたい」と感じた場合は、自社に転職してくる可能性もあるでしょう。

 

採用面接などでは、求職者も企業もお互いにわずかな時間の質疑応答や書類選考だけで相性を測らなければなりません。しかしインターンでは、実際に一定期間を共に過ごすことができます。時間をかけて企業と人材の相性を確かめることができるため、お互いのミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

 

「せっかく人材を採用したのに、会社に合わなかったようでやめてしまった…」ということを防ぐためにも、インターンで実際に自社の社風や雰囲気を体験してもらうのは有効な手段といえるでしょう。

自社の人材の刺激にもなる

3つめのメリットは、自社の人材の刺激にもなることです。インターンで外部の人材を招けば、自然と自社のスタッフとも交流を持ってもらうことになります。自社のスタッフがインターンシップ参加者と情報交換することで、新しいビジネスのアイデアが生まれることもあるでしょう。

 

また、社会人インターンの受け入れ体制を整えることで、自社の人材が社会人インターンに興味を持つこともあります。社内から「インターンに行きたい」と言われた際にすぐ対応できるよう、企業として準備をしておくのがおすすめです。

社会人インターンを受け容れる上での注意点

社会人インターンには様々なメリットがありますが、外部の人材を受け容れるにあたり、注意しておきたいこともあります。まず1つめは、現場の負担を分散させておくことです。社会人インターンの参加者は一時的に自社にやってくる人材ですが、現場では新規人材の受け容れと同じように、仕事を教え、人間関係を築くコストが発生します。社会人インターンのプランを経営や人事があらかじめ決めておき、現場に過度な負担がかからないよう配慮することが望ましいでしょう。

 

2つめは、インターン中にもし損害が生じた場合の保険をかけておくことです。インターンの参加者は業務を通して自社ならではのノウハウや知識を得ていきますが、場合によっては自社設備の損傷や機密漏洩といったトラブルが起こることもありえます。万が一の事態に備えて、補償についてのルールをインターンシップ前に書面で取り決めておくと安心です。

まとめ

社会人インターンの概要や、社会人インターンが注目されている背景、社会人インターンの4つの種類などについてご紹介しました。

 

社会人向けのインターンシップは、参加者にとっても企業側にとってもメリットのある企画です。特に企業側には、経歴上ではなく実務上で優秀と感じた人材を確保しやすくなることや、自社のスタッフが刺激を得る機会を作れるなど、人材の獲得や育成面においてメリットの大きいイベントといえます。気になる方は、自社の採用手法のひとつとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、求人ボックス 、スタンバイ、Googleしごと検索などの求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、40万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

engage

採用ガイド編集部

engage採用ガイド編集部は、人材業界で長く活躍している複数のメンバーで構成されています。人材業界で営業や求人広告ライターなどを経験したメンバーが、それぞれの得意領域を担当し、専門的な知識に基づき執筆を行っています。

engage採用ガイド編集部は「採用に悩む経営者・人事担当者の頼れる相談先」としてこれからも日々情報をお届けしていきます。 ※engage採用ガイドはエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。