いま組織に不可欠なキャリアカウンセラーに関する基礎知識

科学技術の進歩は、私たちの生活に様々な変化をもたらし、仕事にも大きな影響しています。たとえば、これまで人間がやっていたことをAIが代替するようになったり、オンライン化が進み、紙を使う仕事が減ってきたり。私たちの身近な仕事環境でも、変化を感じることが増えているのではないでしょうか。このような大きな変化の中で、個人としてキャリアを考える必要性がさらに高まっています。

 

しかし、自分一人でキャリアを見つめなおして考えることは簡単ではありませんよね。「自分のこれまでの適性を活かせる仕事は何か」「これからも需要がある仕事は何か」。考えれば考えるほど、悩んでしまうこともあるでしょう。そんな時、キャリアに関する悩みや不安に寄り添い、共に今後の方向性を考えてくれるのが「キャリアカウンセラー」です。

 

日々アップデートを求められるキャリアに対する考え方。それに伴い、キャリアカウンセラーの仕事はより重要視され、求められています。キャリアカウンセラーについての基礎知識や導入方法を知ることは、社員の職場定着やモチベーション向上のヒントになるはずです。この記事では、人事であれば知っておきたいキャリアカウンセラーについて詳細にお伝えします。

 

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キャリアカウンセラーとは?

キャリアカウンセラーは、キャリアについてアドバイスをしてくれるプロフェッショナルのことです。仕事は、1日の多くの時間を使いますし、自分の人生を左右するものですから、悩みは尽きませんよね。たとえば「自分に向いている仕事は何か」「自分の強みを生かした職種とは何か」「今の仕事を続けるのも悪くはないけどやりがいを感じられない」など悩むことも少なくありません。

 

しかし、自分1人で考えるだけでは、なかなか答えを見つけられなかったり、堂々巡りになったりしてしまうこともあるでしょう。そんな時に、様々な観点から客観的にキャリアのアドバイスをしてくれるのが、キャリアアドバイザーなのです。スキルアップ、キャリアアップなど自分の仕事人生を充実させるためのアドバイスをする役割を担っています。

「キャリアカウンセラー」と「キャリアコンサルタント」の違い

「キャリアカウンセラー」と検索をかけると「キャリアコンサルタント」や「キャリアコンサルタント技能士」などの似たような言葉も検索結果に表示されることはありませんか?どれもキャリアにかかわる職業ではありますが、名乗るために必要な資格に違いがあります。これら3つの違いについて説明します。

  • キャリアカウンセラ

キャリアデザインの専門家ではありますが、特別な資格は必要ありません。

国家資格ではない民間の資格があるので、資格を取得している場合もあります。

 

  • キャリアコンサルタント

名乗るために国家資格が必須。国は2025年までに「10万人養成計画」を立て、企業での活用を積極的に推進しています。

 

  • キャリアコンサルタント技能士

国家検定である「キャリアコンサルティング技能検定」に合格すると与えられる資格です。基本的には、現役のキャリアコンサルタントがより高いスキルを証明するための検定ですが、キャリアコンサルタント資格がなくても受験できます。

他にも似たような例で、「キャリアアドバイザー」という言葉もよく聞く方も多いと思います。これは「キャリアカウンセラー」とほぼ同じ意味として用いられています。

キャリアカウンセラーが注目されている背景

「キャリアカウンセラー」や「キャリアコンサルタント」など「キャリア○○」とつく資格が多いことからも分かるように、キャリアデザインの専門家に対する注目が集まっています。この背景としては、「雇用環境の変化」が大きな要因といえるでしょう。

 

かつての日本では終身雇用・年功序列が当たり前でした。しかしこのような考え方は、もはや過去のものになりつつあります。たとえば「年功序列」に関して言えば、時代の変化に適応できなければ、会社として成長できないどころか生き残れなくなってしまうため、年齢ではなく実力で評価する会社が増えてきました。また、働き方も多様化し、転職も珍しくなくなっています。一つの会社や同じ働き方にとらわれず、一人ひとりが自分らしく働く時代であるからこそ、能動的に自分のキャリアと向き合う必要があります。

 

そうは言っても「自分に合った働き方がわからない」、「どうやって目標を実現したらいいかわからない」といった悩みもあるでしょう。そのようなキャリアの悩みに寄り添うのがキャリアカウンセラーです。国は、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントを活用して、社員のキャリア形成を積極的に支援するよう企業に求めています。

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企業内キャリアカウンセラーの役割

キャリアカウンセラーというと、「職業の紹介や就職のアドバイスをする人」というイメージがあるかもしれません。しかし最近では、企業内で働くキャリアカウンセラーも増えています。人事・労務・教育関連部門に所属したり、独立したキャリアカウンセリング室に所属したりする場合が多いです。社員と同じ企業に所属することで、職場環境の把握や改善の提案がしやすいのがメリットであるからです。ここでは、企業内キャリアカウンセラーの役割を具体的に紹介します。

社員のカウンセリング

社員に対するキャリアカウンセリングは、キャリアカウンセラーにとって重要な役割のひとつです。

  • そもそも仕事が忙しくてキャリアについて考える時間がなかなか確保できない
  • 自分のキャリアにおける課題への解決策が分からない
  • そもそも、何に悩んでいるかの言語化ができない

上記のように、社員がキャリアについて考える際に生じる悩みは多岐にわたります。そんな一人ひとりの声に耳を傾けて課題を整理することで、解決をサポートするのがキャリアカウンセラーの仕事の一つです。

 

また、最近はテレワークの拡大で明らかに人とのコミュニケーションが希薄になりましたよね。休み時間や、仕事の帰り道に同僚と交わしていた何気ない会話は、仕事のストレス発散になっていたはずですが、今はそんな時間はほとんどなくなってしまいました。だからこそキャリアカウンセラーは、社内でいつでも相談ができる存在として、社員の安心感にもつながっているのです。

問題解決をサポートする

ヒアリングを通して社員が抱える課題や悩みを把握出来たら、解決のサポートをしていきましょう。たとえば、下記のような例をイメージしてみましょう。

  • スキルアップを目指す社員には、これまでの経験やスキルを見える化し、目標達成までのアクションプランを考える。
  • モチベーションの低下に悩む社員には、将来の目標や働き方に対する価値観などを明確にし、今何をすればいいのかを具体的にイメージしてもらう。

自分一人では解決策が分からないことでも、キャリアカウンセリングを通じて一緒に「今何をすべきか」を考えてくれます。それにより、社員の抱える悩みや不安は解消されていくはずです。

職場の状況を改善する

社員の課題や悩みは、時に個人の力では解決できないこともあるでしょう。たとえば、解決するために「職場」という環境そのものの改善が必要になる場合です。「残業が多すぎる」「仕事が単調でやる気がでない」といった悩みが挙げられます。このような職場環境にかかわる問題が最初にクリアになっていないと、その先の話を進めることができません。

 

この場合には社員にとって何が問題になっているか職場の状況を把握し、改善していきます。また、ハラスメントやメンタル面の不調など、別の部署が担当している場合は、関係部署と協力して問題解決にあたります。職場環境を改善することで、一人ひとりが活き活きと働ける環境へ近づけるための取り組みも行っているのです。

人材育成をアシストする

キャリアカウンセラーの役割は、個別のキャリアカウンセリングで社員のスキルアップを後押しするだけではありません。企業におけるキャリア研修の企画や講義による人材育成も担います。このような社員に対する個別カウンセリングや研修などの直接的なアプローチのみならず、対話を通して本人の適性や目標に気づきを与えてモチベーションをアップさせることで間接的に人材育成をアシストすることもキャリアカウンセラーの役割なのです。

社内制度を構築する

雇用環境の変化がキャリアカウンセラーをはじめとするキャリアデザインの専門家の重要性を引き上げたという話は先述した通りです。多様な働き方のもとで、自分らしく働くことができる時代であるからこそ、能動的に自分のキャリアと向き合う必要がある時代です。それゆえに国としても、社員のキャリア形成を支援するための総合的な取り組みをするよう企業に求めています。

 

厚生労働省が発表した「能力開発基本調査」(平成30年度)によると、「キャリアに関する相談が役に立った」と答えたのは、正社員が92.8%、正社員以外で89.8%です。多くの人にとってキャリアに関する相談は有用なものであること、会社の成長にはキャリア形成のサポート体制が大切なことがわかりますね。

 

そのようなキャリア形成のための社内の新しい仕組みをつくる際にも、キャリアカウンセラーが頼りになります。社内にキャリア相談室を設置したり、さまざまなタイプのキャリア研修を行なったりするなど、プロの目で仕組みづくりをアドバイスしてくれるからです。

参考:厚生労働省 「平成30年度『能力開発基本調査』

キャリアカウンセラー導入のメリット

キャリアカウンセラーやキャリカウンセリングを活用することで、企業にはどんなメリットがあるでしょうか?具体的なメリットを3つご紹介します。

新入社員の職場定着を促進できる

キャリアカウンセラー導入の1つ目のメリットは、新卒社員や若手社員の職場定着に効果的であることです。対話の中で、一緒に今までの経験を振り返ることで自分の強みやできることを整理し、そのうえで大切にしている働き方などを確認します。仕事の目的や目指す自分の姿が明確になれば、どうやって仕事に取り組めばいいのか、具体的なアクションをイメージできるようになりますよね。自分のキャリアについて不安がなくなり、進むべき道が明確になればモチベーションのアップになり、定着にもつながります。

中堅社員のモチベーションアップにつながる

キャリアカウンセラー導入の2つ目のメリットは中堅社員のモチベーションアップにつながることです。同じ企業で長く働いていると、どうしてもキャリアビジョンを描く機会が減りがちになってしまいます。日々目の前の仕事に追われているだけでは、仕事の「意味」を見失い、やりがいも感じにくくなってしまいます。そのため中堅社員のモチベーション低下に悩む企業は少なくありません。

 

そんな中堅社員に対し、キャリアの再構築を行ってくれるのもキャリアカウンセラーです。将来の姿ややるべきことを明確にすることで、これから開発・向上させていくべき職業能力の方向が見えてくるのです。管理職につく中堅社員に対しては、昇進する前後の役割や会社からの期待の変化などを聞き、職務や役割などを整理することで管理職としての活躍を後押しします。

育児・介護休業者の復職支援ができる

育児や介護に携わる社員にとって、スムーズに職場復帰できるかは大きな問題です。育児に関しては、復帰後も仕事とのバランスに悩む社員も多いです。そこで、まずは本人の価値観を把握し、望む働き方やプライベートとのバランスについて一緒に考えることが必要です。今後の働き方が明確になれば離職を防ぐことができ、社内の職場復帰率向上にもつながります。

シニア社員のセカンドキャリアを支援できる

人生100年時代では、退職後にどう仕事に関わっていくかを考えることも大切。定年退職後に継続雇用されたり、再就職したりする人も増えました。そこでシニア社員に対してキャリアの棚卸しをするのも一つの仕事です。これまでに培ってきた経験やスキルを活かすため、どのように新しいキャリアを開拓すればいいのかを一緒に考えます。役職定年や再雇用後のキャリアビジョンを考えることで、今の仕事に前向きに取り組めるようになります。

キャリアカウンセラーの導入方法

キャリアカウンセラーを社内に導入しよう。そう決めたら、キャリアカウンセラーを探さなければいけません。その方法は主に2つあります。

外部からキャリアカウンセラーを招く

まず一つ目の方法は、「外部から招く方法」です。その際に気をつけたいことは、「資格の有無」や「実務経験」、「専門分野」をしっかり確認することです。ひと口にキャリアカウンセラーといっても、学校教育、就労支援、転職支援、企業内支援などカバーする領域は幅広いためです。

 

学生向けのキャリア支援を行なっている人と、企業内でキャリア支援を行なっている人では、コンサルティングの内容がまったく違いますので、専門分野が異なる人を招いても、解決したかった問題が解決できない可能性が高くなります。「育児中の社員の離職を防ぎたい」「若手向けのキャリア研修を開きたい」など、どんな問題を解決したいか明確にしておくと、より探しやすいでしょう。

社内でキャリアカウンセラーを育成する

もう一つは、社員をキャリアカウンセラーとして育成する方法です。民間で企業内キャリアカウンセラーの養成講座を設けているところもあります。国も、経営者や企業の人事担当者、上司などがキャリアコンサルタントの資格を取得することを勧めています。企業の内部事情を知る社員がキャリアカウンセラーになることで、より企業の内情に即した提案ができたり、社員との信頼関係が築きやすくなったりするメリットがあります。

キャリアカウンセラーの活用事例

キャリアカウンセラーを導入している企業は数多くあります。ここからは実際の活用事例を紹介します。導入の際の参考にしてみてください。

伊藤忠商事株式会社

キャリアカウンセリング室を設置し、全社員の多様なキャリアに関する相談・支援を行なっています。カウンセラーは全員がキャリアコンサルタントの国家資格保有者。社員一人ひとりと向き合い、上司・部下・同僚との関係や仕事の進め方、将来のことなどを幅広く話し合っています。また研修の一環として、入社後数年の節目ごとに、若手社員全員にキャリアカウンセリングを行なう仕組みを整えています。年間の相談数は500件超。守秘義務を徹底した環境で安心して話し合うことで、キャリア形成に関する気づきが得られることを目指しています。

参考:伊藤忠商事 公式HP

株式会社三菱東京UFJ銀行

行員の自律的キャリア形成をサポートするため、人事部内に「キャリア相談室」を設置。拠点長の経験を持つキャリアアドバイザー(2級キャリアコンサルティング技能士)を配し、行員一人ひとりのキャリア形成に関する相談を受けています。同時に研修などを通じて、人材育成に関する環境整備を行なっています。また人事部とキャリア相談室が軸となってマネジメント向けへの研修を始め、若手育成のための指導担当者制度やメンタリング制度の整備など「人を育てる風土」作をつくり、組織強化を行なっています。

参考:厚生労働省「キャリア支援企業表彰2015好事例集

人材育成にはキャリアカウンセリングが不可欠

働き方が多様になればなるほど、人事が抱える課題も同様に多様化してきています。たとえば、「若手を定着させたい」「ワークライフバランスも推進したい」「ダイバーシティにも対応したい」「シニア社員のセカンドキャリア支援もしたい」…などがあるでしょう。人事が抱える課題は、枚挙に暇がありません。したがって、社員すべてのニーズを把握していくのが難しくなっています。

 

このような課題に対応するためにはまず、社員一人ひとりと向き合い、やりがいやパフォーマンスを高める取り組みが不可欠ですし、本人が描いているキャリア像についてしっかり話し合う必要があります。もちろんすべての希望を実現することは困難ですが、本人の希望するキャリア像を把握していれば、それに近づけるように仕事を与え、能力開発をしてもらうことが可能です。会社として人材を育成し、長く活躍してもらうためには、社員に「この会社であれば成長できる」「自分の描くキャリアに近づける」と思ってもらうことが欠かせないのです。

まとめ

「キャリアを考える」ということは、ただ取り組んでいる目の前の仕事のスキルや出世について考えるだけではなく、仕事をしながら「どんな生き方をしたいか」を考えることです。そもそも「ゆっくり考える時間がない」「自分がどんな生き方をしたいかわからない」という人もいるでしょう。日々の仕事に追われ、現在取り組んでいる仕事のどんなところにやりがいを感じているのか、という目の前のことにすら向き合って言語化する時間もなかなか取りづらいですよね。

 

そんなときに寄り添ってくれるのがキャリアカウンセラーです。社員一人ひとりが望むキャリアを実現させることができれば、仕事へのコミットメントも高まり、企業の組織力も高まっていくことでしょう。今後の企業の成長のためにも、社員の描くキャリア像を把握してみてください。

 

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