有給休暇を年5日取得させないと法律違反ってホント?2020年度最新ルール

有給休暇のルール、きちんと説明できますか? 2019年4月に施行された法改正により「年5日の有給休暇の取得」が義務化されたのはご存知ですよね?

 

「有給が義務化になったの知らなかった…」「どうやって有給取得させればいいの?」と焦ってしまった人は、ぜひこの記事を読んで理解を深めてください。

 

この記事では、そもそも有給とは?という説明から、どうして有給に関する法改正が行なわれたのか、どうすれば年5日取得させられるのか、守らなかったときの罰則はあるのか、企業に負担なく取得させられる方法がないのか・・・などを細かく紹介しています。

 

ぜひご覧いただき、御社の事業運営にお役立てください。

 

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有給休暇とは?

有給休暇とは、正式には「年次有給休暇」と呼び、賃金が支払われる休暇日のことを指します。雇用主は、条件を満たした従業員に対して、毎年一定の有給休暇を付与するこが「労働基準法」によって義務づけられています。

 

それではどのような条件の時に有給休暇を付与しないといけないのでしょうか。次で説明していきます。

付与の条件

有給休暇の付与の条件

付与の条件は、

・雇入れの日から起算して、6ヶ月間継続勤務していること


・その6ヶ月間の全労働日の8割以上出勤していること

 誰でも有給が取得できるわけではありません。ただし上記を満たしている場合は、付与する必要があります。アルバイトでも有給は付与しないといけないの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。次で説明していきます。

有給休暇の対象者とは?

有給休暇付与の対象者は、上記2つの条件を満たす「全労働者」です。全労働者とありますので、有給休暇を取得できるのは正社員だけではありません。条件を満たしている「契約社員」「パート・アルバイト」などにも有給を付与することが、法律で義務づけられています(労働基準法第39条)。

 

使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。

引用:電子政府の総合窓口 e-COV  『労働基準法 第39条』

 

正社員だけに付与すれば良いと思っていた方もいるかもしれませんが、雇用形態は関係なく、条件を満たす労働者全員に付与する必要があるので、気を付けてください。

 

有給休暇の義務化

有給休暇の取得が義務化されていること、ご存知でしょうか? 年次有給休暇は、労働者が希望する時季に取得させることが原則です。

 

さらに2019年4月から法改正があり、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対しては、使用者である企業が年5日は時季を指定して有給休暇を取得させないといけなくなりました。

 

有給休暇の法改正対象者は、下記です。

 

・年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者

※労働者には、管理監督者や有期雇用労働者も含む

 

たとえば、有給休暇を年10日以上付与されているAさんがいたとします。この場合、すべての有給休暇の取得日をAさんが決めるのではなく、5日間は会社が取得日を指定する必要があるということです。

 

Aさんからすると、自分の希望通りに有給休暇を取得したいですよね…。なぜ会社が5日間を指定する必要があるのでしょうか?

有給休暇義務化の背景

じつは労働基準法が改正され、2019年4月から、年次旧休暇を確実に取得させることが使用者の義務となりました。対象労働者は、管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

 

この法改正の背景には、「働き方改革」があります。働き方改革とは、働き手が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようになるための改革。中でも「働き手のニーズの多様化」という課題を解決するため、生産性向上、意欲や能力を充分に発揮できる環境づくりなどが求められています。

 

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こうした背景があり、より働きやすい職場を実現するよう国が動き出しました。そこで取得率が低かった有給休暇の取得率を上げるべく、会社側から5日間を指定して取得してもらうように義務化したのです。

 

たしかにAさんに取得日を任せていた場合は「忙しいから…」「取得しづらい雰囲気だから…」ということで取得が進まない可能性もありますよね。だからこそ会社側から取得日を決めて、有給取得を進めることが義務化されたのです。

 

このような法改正によって少しでも働きやすくなり、多くの人が働けるようになり、国の生産性が上げていくことを期待しているのです。

有給休暇の付与日数

有給休暇は何一缶付与すればいいの?という方は、以下の表を参考にしてみてください。下記は継続勤続年数と有給休暇の付与日数を表した表です。下記を見ると、入社半年から有給休暇が付与され、1年ごとに有給休暇の付与日数が増えていくのが分かります。

 

継続勤続年数 0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

 

たとえば、通常の労働者なら、入社半年で10日間付与され、年々有給休暇の付与日数がが増えていきます。入社6年半になると、20日も付与されることに。勤続が半年の人に比べて倍の付与日数です。

 

有給休暇の付与対象ですが、前述したように、雇用形態は関係ありません。パートタイムやアルバイトなど、出勤日や出勤時間が少ない労働者でも有給休暇の付与は義務づけられています。週の労働日数が4日以内、かつ週の労働時間が30時間未満の労働者でも有給休暇は付与されます。

 

下記の表は、週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の有給の付与日数を表したものです。表を見ると分かりますが、週1日勤務でも、半年間継続して勤めれば、1日有給休暇が付与され、週4日で3年以上勤続すれば年10日付与されるのです。

 

週所定労働日数 年間労働日数 継続勤務年数
0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上
4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

有給休暇に関するルール

時季変更権の内容を紹介しました。ではここで改めて有給休暇の取得に関するルールをおさらいしていきましょう。

年次有給休暇を与えるタイミングは?

年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えることとされています。労働者が具体的な日程を指定した場合には、その日に年次有給休暇を与える必要があります。(時季変更権による場合を除く)。

 

たとえば、Aさんが8月15日に有給を取得したい!と会社に言った場合は、基本的に8月15日に有給を与える必要があるということです。

 

一般的な有給休暇の取得

ただし、その日に多くの人が休む予定になっていて、業務上支障が出てしまう場合などは、会社はAさんに有給取得の日程をずらしてもらえないかお願いする「時季変更権」を使うことができます。

時季変更権を使った有給休暇の取得 

※時季変更権については、記事内で説明していますので、ご覧ください。

年次有給休暇の繰り越し

年次有給休暇の請求権は2年。つまり有効期限は2年です。これは労働基準法第115条に定められています。

 

第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
(経過措置)

 引用:子政府の総合窓口 e-COV  『労働基準法 第115条』

 

たとえば、前年度に取得されなかった年次有給休暇は、失効されず、翌年度に与える必要があります。ただし2年間使われなかったものについては失効されます。

 

不利益取り扱いの禁止

使用者(企業)は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額など不利益な取扱いをしてはいけません。これだけだと少し分かりづらいので、具体的な例を出して説明します。

 

たとえば、「皆勤手当」がある企業の場合。有給休暇を使って休んだから皆勤手当は支給しない…ということは不利益な取り扱いとなります。、また賞与の額の算定などの際、年次有給休暇を取得した日を欠勤または欠勤に準じて取扱うことも不利益な扱いになります。

 

有給休暇の取得は、労働基準法で定められているので、上記のような扱いはできませんので、ご注意ください。

 

会社が有給休暇の取得時季を変更できる、時季変更権とは

先ほどAさんが有給取得したい希望日に対して、会社側から「ちょっとその時期は難しいから別の日に有給取得してくれないか?」とお願いできる時季変更権があるとお話ししました。

 

そう、労働者の指定した日に年次有給休暇を与えたとき、事業の正常な運営が妨げられる場合、使用者に休暇日を変更する権利が認められています。これを「時季変更権」と呼びます。ポイントは、有給休暇の取得を拒否するのではなく、取得する日程を変更してもらうものです。

時季変更権を使った場合の有給取得

 同じ日に多くの人に休まれてしまうと、会社は回らなくなる可能性がありますよね。部署に5名のメンバーがいて、5名とも同じ日に休まれてしまえば、運営できなくなってしまいます。こういう時のために会社は「時季変更権」という権利を使うことができるようにしているのです。

 

ただし、単に「業務が多忙だから」「人員が少ないから」という理由では、時季変更権は認められません。年中忙しいのに、多忙という理由で時季変更をお願いしていたら、いつ有給が取得できるか分かりません。事業運営ができなくなってしまう正当な理由が必要です。

日本の有給休暇の取得率

厚生労働省が2019年に調査した『平成31年就労条件総合調査の概況』によると、1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は、労働者1人平均18.0日となっています。この数字だけ見ると多く感じるかもしれませんが、実際に取得した日数は異なります。このうち、労働者が取得した日数は9.4日で、取得率は52.4%となっています。

 

 

有給取得日数の調査結果

出典:厚生労働省 『平成31年就労条件総合調査の概況』 

 

企業規模別に取得率を見ると、「1000名以上」の企業が58.6%、「300~999名」が49.8%、「100~299名」が49.4%、「30~99名」が47.2%となっています。企業規模が小さくなるほど、付与日数と取得率が下がっていることが分かります。

 

全体でみると、付与日数の半数程度しか有給休暇を取得していません。そう、日本の有給休暇取得率は、世界的に見ても低いという事実があるのです。

 有給休暇を取得を促進するメリット

では、有給休暇を取得を促進することのメリットは何なのでしょうか。3点に分けて紹介します。

リフレッシュすることで、生産性の向上が期待できる

休息なく働き続けることで心身ともに疲弊した状態では、100%の能力発揮は難しいでしょう。仕事を続けるほど、生産性は下がってしまう可能性があります。有給休暇の取得を促進することで、リフレッシュした状態で仕事に臨むことができ、会社全体の売上向上も期待できるのです。

オンオフを切り替えることで、モチベーションアップが期待できる

有給休暇の取得を促進することなく、働きづめの日々になることで、従業員1人ひとりのモチベーション、つまりやる気が低下してしまう可能性があります。充分な休暇を取得させることで、意欲的でクリエイティブな発想を持って仕事に取り組んでもらえるでしょう。リフレッシュされれば仕事にも身が入りやすくなります。

ムリのない働き方ができるので、定着率の向上が期待できる

「休日が少ない」「有給休暇を取得しづらい空気がある」という理由で離職につながるケースも少なくありません。そのため、会社全体として有給休暇の取得を促進するような風土があれば、離職率の低下にもつながります。

 

さらに、新たな人材の採用にも大きな影響を与えます。たとえば、求人情報内で「有給休暇の取得率が高い」という情報は、求職者にとって大きなメリットになります。

 

「ブラック企業」という言葉が普及し、多くの求職者が働き方に敏感になるようになりました。そのためこうした有給を積極的に取得できる環境は、求職者にとって魅力になるのです。

有給休暇のデメリット

一方、有給休暇を取得が進むとデメリットはあるのでしょうか? こちらも併せて紹介していきます。

働く日数が減るので、人件費や売上に影響が出る可能性がある

有給休暇はその名のとおり、給与が発生する休暇ということ。働いていない労働者に対して満額の給与を支払うという制度です。有給休暇を取得する社員が増えるほど、会社にとって費用負担が発生することになります。

 

特に中小企業は労働者が少ない状態で会社の売上をつくっています。そのため、1人が休むことで会社の売上に大きく影響を与えてしまうのです。「納期に間に合わない」「出社している社員の残業が増えてしまう」などのおそれがあります。

有給休暇の制度を守られないと科せられる罰則

・「年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合」
・「使用者による時季指定を行う場合において、就業規則に記載していない場合」
・「労働者の請求する時季に所定の年次有給休暇を与えなかった場合」

この3点に関して、労働基準法に基づき罰則が科せられることがあります。上記2つは30万円以下の罰金、3点目は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という内容です。

 

罰則による違反は、対象となる労働者1人につき1罪として取り扱われるので注意が必要です。ただ、労働基準監督署の監督指導は、原則として使用者の是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただくこととしています。

有給休暇を確実に取得してもらうためには、どうすればいい?

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有給休暇を取得させる義務があり、それを守らないと罰則があることは理解できたかと思います。では、どうすれば確実に有給休暇を取得させることができるのか、その方法について紹介していきます。

年次有給休暇取得計画表を作成する

年次有給休暇をより多く取得するためには、計画的に取得することが重要です。年度別や四半期別、月別などの期間で個人ごとの年次有給休暇取得計画表を作成し、年次有給休暇の取得予定を明らかにすることにより、職場内において取得時季の調整がしやすくなります。

 

有給休暇取得計画表

 

有給取得計画表②

出典:厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説

計画表を作成するタイミングは、基準日にその年の年次有給休暇取得計画表を作成することが重要です。計画表の作成と併せて、年次有給休暇の取得を前提とした業務体制の整備、取得状況のフォローアップを行うことなどで、年次有給休暇を取得しやすい職場づくりに努めることが大切です。

使用者からの時季指定を行なう

使用者からの時季指定は、基準日から1年以内の期間内に適時に行うことになりますが、年5日の年次有給休暇を確実に取得するにあたって、2つの指定方法があります。

・基準日から一定期間が経過したタイミング(半年後など)で、年次有給休暇の請求や取得日数が5日未満となっている労働者に対して、使用者から時季指定をします。

 

・年次有給休暇の取得日数が著しく少ない労働者に対しては、労働者が年間を通じて計画的に年次有給休暇を取得できるよう基準日に使用者から時季指定をします。結果、労働者からの年次有給休暇の請求を妨げず、効率的な管理を行えます。

計画年休を活用する

計画年休(計画的付与制度)は、前もって計画的に休暇取得日を割り振るため、労働者はためらいを感じることなく年次有給休暇を取得できます。使用者も労務管理がしやすく、計画的な業務運営ができるメリットがあります。計画的付与制度で取得した年次有給休暇も、取得義務化の5日としてカウントされるため、多くの事業者で活用されています。

 

たとえば、夏季や年末年始休暇をより長い連休としたり、飛び石連休の間に入れて大型連休にしたり、閑散期に設けたり、誕生日や結婚記念日、子どもの誕生日をアニバーサリー休暇にしたりと、さまざまな方法があります。

計画年休の注意

計画年休の導入には、就業規則による規定と労使協定の締結が必要になります。計画年休を導入する場合には、まず、就業規則に「労働者代表との間に協定を締結したときは、その労使協定に定める時季に計画的に取得させることとする」などのように定めることが必要です。

さらに、就業規則に定めるところにより、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で、書面による協定を締結する必要があります。この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。

詳細については以下、厚生労働省のPDFの18ページを参照ください。

出典:厚生労働省『年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説』

より有給を取得しやすくするために

有給休暇が取得しやすく方法を紹介してきました。さらに、取得しやすくできる方法がありますので、こちらもご覧ください。

半日単位年休

年次有給休暇は1日単位で取得することが原則となります。しかし、労働者が時季を指定したうえで半日単位での取得を希望し、使用者が同意した場合、半日単位で年次有給休暇を与えることが可能です。ただ、1日単位取得の阻害とならない範囲での取得が推奨されています。

時間単位年休

労働者が時間単位での取得を請求した場合、 年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることが可能です。ただし、時間単位年休は計画年休同様、労使協定の締結が必要となります。さらには、「年5日の年次有給休暇の確実な取得」の対象とはなりませんので、ご注意ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。2019年4月の労働基準法改正に伴い、有給休暇の取得に対してさまざまなことが刷新されてきました。

 

年5日の有給休暇の取得は、使用者である企業にとって大きな痛手に感じるかもしれません。しかし、有給休暇の取得を促進することで、従業員の効率化、モチベーションアップ、離職率の低下、採用力向上が期待できるのもまた事実です。ポジティブにこの制度を利用し、御社の健康的な事業運営にお役立ていただければ幸いです。

 

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