フィードバックを徹底解説!意味、メリット、効果的な方法は?

 

フィードバックの意味や目的、方法をご存知ですか?また、フィードバックを自社に効果的に取り入れることはできているでしょうか?ビジネスシーンでよく耳にするフィードバックですが、ちゃんと活用できている会社は実は多くありません。

 

そこでこの記事では、フィードバックの意味を正しく解説し、注目される背景や導入するメリット、そして具体的な実施手順まで幅広くお伝えしていきます。正しく取り入れ、そして活用することで、会社にとっても社員にとっても大きなメリットがあるフィードバック。ぜひ、自社の組織活性化に活かしてみてください。

 

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そもそもフィードバックとは?

フィードバック(英語:feedback)とは、工学用語で、そこから転じて「結果を原因に反映させて、調節すること」を指す言葉です。ビジネスにおけるフィードバックの意味は、「何らかの業務や行動における評価や結果を、その業務や行動をした人に伝えていくこと」です。ビジネスシーンでは具体的には下記のようなケースがあります。

■社内で定期的に実施される評価面談
1ヵ月や3ヵ月、半年などのタイミングで実施される、上司から部下に対する面談はフィードバックの場と言えます。期初などに掲げた目標の達成度を評価して伝えたり、目標に対するプロセスを仕事の進め方などについてアドバイス・指導をすることがこれにあたります。

■消費者や利用者による企業への評価
ある商品やサービスを購入した人や利用している人から、その商品やサービスを提供している企業への評価もフィードバックの例です。消費者や利用者から良い点も悪い点も伝えてもらい、それらの点を踏まえて改良することで、商品やサービスはより良いものになっていきます。

■プロジェクトにおける進捗と課題の共有
複数の社員で協力し、ひとつのプロジェクトに取り組むことはビジネスにおいてはよくあることです。そして、このようなプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーが各工程の作業結果をリアルタイムで把握し、プロジェクトのメンバーに迅速にフィードバックして進めていきます。そうすることで、そのプロジェクトは成功に近づいていきます。

より良い行動・を生むために、業務や取り組みに対しての改善点を相手に伝えることをフィードバックと言います。

ティーチングとの違い

ティーチングは、仕事を遂行するために必要なスキルや知識を相手に伝え、相手にスキルや知識などを身につけさせる方法です。仕事に必要なスキルや知識といった、いわゆる“正解”を教えるため、短期間で確実に成果をあげさせることが期待でき、効率的に教育・指導できると言われています。

 

フィードバックは相手の行動・取り組みに対して、改善点を伝えることでしたが、ティーチングは相手の行動に対してというよりは、直接スキルや知識を相手に伝えることになります。また、ティーチングを受ける側は一方的に伝えられるだけなので、「指示をされなければ動けない」「責任感が芽生えにくい」「モチベーションを維持できない」といったタイプにならないように注意することが必要です。

コーチングとの違い

コーチングは、目的達成のために質問や傾聴などを通じて相手をサポートする方法です。ティーチングよりもフィードバックに近いものです。正解を教えるティーチングに対して、コーチングは質問や傾聴などを通じて相手自身から答えを引き出します。そうすることで、自ら問題を解決できるスキルを身につけさせることや、自主性や主体性が育まれることが期待できます。フィードバックの際も、すぐに答えを教えるよりも、コーチングの観点で、相手に考えさせて、答えに導くほうが効果的だと言えます。

 

ただ一方で、コーチングは基本的に1対1で実施するため、効率が良いとは言いにくいでしょう。また、相手に一定のスキルや知識がなければ、答えを引きだすことに長時間を要したり、答えを引き出せないということにもなりかねません。

ティーチング、コーチングの違い

フィードバックの目的は?なぜ必要なの?

業務や行動における評価や結果を伝えるという意味のフィードバック。ではなぜ、ビジネスにおいてフィードバックが重要なのでしょうか?ここでは、フィードバックの目的についてお伝えしていきます。

組織の成長・目標達成のため

組織の成長や目標を達成するために、フィードバックという手段はとても有効です。たとえば、1ヵ月で◎◎◎万円の売上目標をもっている営業担当者がいたとして、月間売上目標を達成するために、週1回の頻度で上司からフィードバックをされるとします。

 

上司がその週の売上結果を営業担当者に伝えること(=目標達成度合いのフィードバック)を通じて、その1週間の業務や行動の良かった点と悪かった点が洗い出されます。そして、良かった点は継続する(またはブラッシュアップする)、悪かった点は改善することで、目標の達成に近づくことができます。営業部の各自に対してこのようにフィードバックすることで、結果として、組織全体の成長につなげることができます。

社員の成長・定着のため

一人ひとりの社員の成長を促すことや、社員たちの定着を図ることも、フィードバックの目的です。先ほどお伝えした例でいうと、営業担当者へのフィードバックは、組織の成長や目標の達成だけにつながるのではありません。フィードバックを受けた営業担当者は、たとえば提案力や交渉力といったものが向上し、自身の成長に結びついていきます。

 

また、各人へフィードバックすることで、上司は一人ひとりの業務の状況や、仕事や職場に対する心情を理解できます。もしも、「会社を辞めたい」と思っていた場合、その状態を察知できるため、適切な打ち手を講じることで離職のリスクを軽減できることにもつながります。

持続的に成長できる組織・風土を醸成するため

上記でお伝えした通り、フィードバックは組織の成長や目標達成だけでなく、社員の成長や定着率の向上にも有効です。そのため、フィードバックを継続して行なうことは、持続的に成長可能な組織風土の醸成につながると言えるでしょう。また、フィードバックによって個人の成長や社員の定着率向上がなされることで、組織の目標達成に結びついていきます。

フィードバックが注目される背景

ここでは、フィードバックが注目されている背景を説明します。

急速に変化する社会・市場環境に対応していくため

1つ目は、急速に変化を遂げる社会や市場環境に対応していくためです。現在は、ITを中心とするさまざまなテクノロジーが今までにないほどのスピードで発達しています。このような変化に企業が対応していくには、スピーディーに事業活動を推し進めることが欠かせません。たとえば、じっくりと時間をかけて製品やサービスを改善・開発・リリースするのではなく、PDCAのサイクルを早めるなどして、事業展開していくことが大切になってきます。そのためには、定期的にフィードバックを行ない、軌道修正していくことが必要不可欠です。

働く個人の価値観の多様化が進んでいるため

2つ目は、個人の価値観が多様化しているからです。テクノロジーが発展し、働く側(社員)の価値観が多様化している現代は、企業が社員一人ひとりの考え方や価値観を受け入れる姿勢が欠かせません。一昔前までは、企業の考え方や価値観に社員全員が合わせていくということが主流でしたが、現代においてはそうではないということです。

 

そして、社員一人ひとりの価値観を許容しつつも、事業をうまく推し進めていくことに、フィードバックは有効です。定期的に面談し、相手を理解していく中で相手の価値観を知ることができ、また、その価値観を認めたうえで組織の目標をどのように達成していくのかを考えることができるからです。結果として、組織の活性化や風土の醸成につなげていくことができます。

フィードバックのメリット・期待できる効果

ここからは、企業が自社にフィードバックを導入することによるメリットや期待できる効果をお伝えします。

フィードバックのメリット

業務をうまく回せるようになり、生産性をあげられる

フィードバックを取り入れることで、生産性の向上を期待できます。たとえば、1週間に1回、1ヵ月に1回と、定期的に上司から部下にフィードバックする機会を設けることで、業務への取り組み方における良い点や悪い点、改善点が明確になり、より効率的に業務に取り組めるようになります。また、上司から部下だけでなく、社員同士が自然とフィードバックする風土が根付けば、議論やアイデア発信などが活発になり、組織の活性化につながっていきます。

不安や悩みなどが解消されるので、定着率が向上する

社員の定着率の向上(=離職率の低下)も、フィードバックを導入することで期待できます。フィードバックの機会は、業務への取り組み方を改善することだけが目的ではありません。たとえば、社内の人間関係、与えられている仕事量の適切さ、入社前とのギャップ(新入社員は特に)などを確認することもできます。フィードバックの機会で社員の悩みや不安、不満などを把握することで、離職を防ぐ打ち手を早期に講じることができます。

 

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成長を後押しするため、採用活動時のアピールポイントになる

フィードバックの導入は社員の成長につながり、そしてそれは、採用活動においても好影響を及ぼします。求職者が企業を選ぶうえでの重要なポイントの一つに、「自身が成長できるかどうか」というものがあります。特に、向上心がある優秀な若手人材にはその傾向が強く見られます。

 

そして、成長意欲が高い求職者が企業を見極める場合、その会社には成長できる環境があるのか、その会社ではどんな人材が活躍しているのかといった点に注目します。その際に、自社に社員同士が切磋琢磨する風土があったり、優秀な人材が在籍していれば、求職者へのアピールポイントになるでしょう。実際に、互いに成長し合える風土があることや、優秀な人材が在籍していることを求人で訴求している企業は、求めている人材の採用に成功しているケースが多いです。

 

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フィードバックの3つの種類・方法

続いては、フィードバックの種類や方法を見ていきましょう。「ポジティブフィードバック」「ネガティブフィードバック」「サンドイッチ型フィードバック」の3種類がありますので、1つずつ解説します。

3種類のフィードバック

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、前向きな言葉を使ってフィードバックする方法のことです。ネガティブな言葉や表現を極力使わないことで、フィードバックする相手の自己肯定感や意欲、自発性などを高め、成長を促す効果が期待できます。「〇〇するともっと良くなるよ」「今回やったやり方と同じように取り組めばできるよ」などポジティブにアドバイスをすることで、前向きにさせる方法を指します。

ネガティブフィードバック

ポジティブフィードバックの対義語で、否定的な言葉を使ってフィードバックする方法のことです。「否定的な言葉を使う」ということに抵抗を感じられる方も多いかもしれませんが、あえてネガティブな言葉を使うことで、問題点を自分自身で考える力や、状況を打開する力を養えることが期待できます。

サンドイッチ型フィードバック

ポジティブフィードバックでネガティブフィードバックを挟むことから、サンドイッチ型フィードバックと呼ばれています。いきなりネガティブなフィードバックをされると、ショックも大きく、なかなかすべての話を受け入れるのが難しい時もあるでしょう。そういったときはまずはポジティブな話をして、聞く姿勢を持ってもらい、そのあとで、ネガティブなフィードバックをすることで受け入れてもらいやすくします。

 

もちろんネガティブフィードバックで終わると後味が悪いものになるので、最終的には前向きな気持ちになるようにポジティブに終わるのがポイントです。相手のモチベーション低下を最小限に抑えることや、改善点に耳を傾けてくれるといった効果が期待できます。

フィードバックの実施手順

フィードバックの種類や方法をお伝えしましたが、実際に自社に導入する際は、フィードバックを実施する手順を決めておくことが重要です。ここでは、導入の際に押さえておくべきポイントをお伝えしていきます。

実施手順

目的を考える

なぜ、フィードバックを導入するのか。まずはここをしっかりと決めることが欠かせません。目的が不明瞭であれば、取り組みは形骸化し、組織に何のメリットももたらさないリスクがあるからです。目的を決める際には、組織の状況を客観的に見つめ、どんな問題や課題があるのかを発見することから始めましょう。たとえば、新卒入社社員の離職率が高い、中途入社社員の成果があがっていない、営業力が弱いといったことです。

 

そして、問題や課題がわかれば、それを解決することでどのような状態を目指すのかを明確にしておくとよいでしょう。その際は、組織および個人(社員一人ひとり)の双方の視点を持っておくことが大切です。

対象者を具体的に決める

課題と目指すべき状態が明確になれば、次に、対象者を決めていきます。対象者を決める際は、課題と照らし合わせて下記の観点で絞っていくと、対象者が明確になっていきます。「新卒入社or中途入社 / 年齢、入社年数 / 部署 / 職種 / 人柄や志向性、人物タイプ /勤務状況」など、フィードバックの目的とターゲット(対象者)を明確にすることで、大きな効果を期待できます。

実施タイミングを決める

フィードバックは目的により、実施頻度や、実施時間が変わります。新入社員とある程度仕事を任せられる社員を比べると、新入社員のほうが細かく、時間を使ってフィードバックをする必要があるでしょう。相手の経験値や、スキルなどを考慮して、決めていく必要があります。

実施方法を決める

先ほどお伝えした3種類のフィードバック方法の中から、目的や対象者に沿って、適切な方法を決めていきましょう。方法を決める際は、期待できる効果も考慮するとよいでしょう。相手のタイプを見てフィードバックの種類を決めていくのが良いと思います。ポジティブに伝えた方が前に進む人にはポジティブフィードバックを、逆にポジティブフィードバックでは効果がない人ならネガティブフィードバックにするなど、相手の特徴を理解したうえで、方法を決めていくことが大切です。

実施案内をする

実施方法まで決まれば、フィードバックの対象者に案内をします。厳密にルールなどを決める必要はありません。最初は、日程だけをおさえておくくらいで良いでしょう。定期的に話をする機会を増やしていくことで、軌道修正すればOK。まずはフィードバックする時間を作ることが大事です。

実施する

実施をするにあたっての注意は、下記です。相手がフィードバックを受けた後にプラスに動けるように工夫しなければ意味のないものになってしまいますので、目的を忘れないようにしましょう。

振り返り

フィードバックをして終わりではありません。フィードバックする側も成長していく必要があります。まずは自分自身で上手くできたと思う点や改善すべきと思う点を挙げていきましょう。そうして洗い出した改善点については、優先順位をつけながら随時改善し、フィードバックそのもののクオリティの向上を図っていきます。相手を成長させるためには、フィードバック自体を良くしていかなければなりません。

フィードバックのポイント

効果的なフィードバックを実施するためには、下記の点を注意する点があります。

  • 相手の話を遮らずに聴く
  • 相手を追い詰めるようなコミュニケーションをしない
  • 主観が入り過ぎた内容をフィードバックしない

相手に理解してもらい、行動を変えてもらうことが目的なので、できるだけ納得するような前向きな気持ちで動いてもらうことが重要です。そのため、相手の話を遮ったり、追い詰めるようなコミュニケーションは禁物です。相手の話に耳を傾けながら、しっかり改善点を伝え、納得してもらうことが大事です。

フィードバック内容は簡潔に具体的に伝える

フィードバックの内容は、簡潔に具体的に伝えましょう。具体性がないと、どのように行動を変えればよいのか分からず、結局意味がなくなってしまいます。たとえば、部下が取引先との商談でプレゼンテーションをし、うまくいかなかったとしましょう。

 

その際に、「次は良いプレゼンになるように心がけてね」といったフィードバックではいけません。「企画書の内容がわかりにくかったので、取引先に製品のメリットが伝わらなかったんだと思う。次回は企画書で要点を明確にして、資料も見やすくしよう」といったフィードバックであれば、行動改善もしやすくなります。

フィードバックにおけるトレンド

最後に、フィードバックのトレンドを紹介します。フィードバックの効果や効率を高められるので、ぜひ参考にしてください。

360度フィードバック(360度評価)

360度フィードバックとは、上司だけでなく、同僚や部下など、仕事で関わるさまざまな人が対象者を評価する制度です。360度評価とも呼ばれています。360度フィードバックの目的は、評価の納得度を高めることです。評価者が上司だけだと、好き嫌いや主観などが評価に反映されることもあるため、対象者が評価に納得できないこともあるでしょう。しかし、360度フィードバックはさまざまな人から評価されるため、評価の偏りを防ぐことや客観性を担保することにつながります。

 

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HRテックの活用

AIやビッグデータ、クラウドといった最先端のテクノロジーを活用し、HR(ヒューマンリソース)分野(採用、育成、評価など)の業務の効率化や質の向上を期待できるHRテック。現在は、あらゆる製品やサービスが誕生しています。のようなHRテックを活用することで、フィードバックの質の向上を図ることも可能です。たとえば、フィードバックの内容を人事システムに蓄積していけば、これまでの経緯などがわかるため、毎回の振り返りの精度を高めたり、評価対象者の改善点を見つけやすくなったりといったことが期待できます。

 

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まとめ

今回は、フィードバックについて解説してきました。フィードバックは個人(社員)の成長や定着につながるため、ひいては組織(企業)の成長や事業目標の達成にも結び付いていきます。社会や市場の急速な変化、個人の価値観の多様化、雇用の流動化が進んでいる今、フィードバックはますます重要なものになっていくでしょう。「自社にフィードバックを導入したい」「導入しているけれどブラッシュアップの必要性を感じている」といった企業においては、フィードバックを導入する目的を考えることから始め、最適なフィードバック方法を検討していただければと思います。

 

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