ダイアローグとは?リモート時代に必要な組織を強くするコミュニケーション術を解説!


職場のより良い雰囲気づくりに不可欠であり、ときに事業や個人の成長を助けてくれるものといえば、社員同士の『コミュニケーション』です。社員同士がきちんとコミュニケーションを取れている企業は生産性も高くなりやすく、お互いの相談によってよりよいビジネスアイデアも生まれやすくなります。

 

そんな「コミュニケーション豊かな企業」を目指すにあたってぜひ取り入れたいのが、ダイアローグです。今回は、ダイアローグの概要や、雑談・議論との違い、注目されている背景、具体的なダイアローグの進め方などについてまとめました。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、求人ボックス 、スタンバイ、Googleしごと検索などの求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、40万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

ダイアローグとは


ダイアローグ(dialogue)とは、直訳すると「対話」のこと。ビジネスにおいては、「同じ組織に属するメンバー同士が真剣に話し合い、相互理解や新しいひらめきを得る機会」のことを指します。

 

ダイアローグで取り上げられる話題については、組織のポテンシャル向上に役立つものであれば何でも構いません。組織が掲げるモットーそのものへの思いや、組織のありかたに対する疑問、組織が抱えている問題への本音など、これらの対話を通して新しいビジネスのひらめきを得たり、事業成長の壁を打開させるアイデアを得たりすることが目的とされています。

ダイアローグと雑談や議論との違い

ダイアローグと似ているものとしては、雑談や議論があります。いずれも「他人と話す行為」ですが、話し合いに臨む姿勢や、話の着地点が大きく異なるといえるでしょう。

 

雑談は、話のきっかけも着地点も、そのときの気分でとりとめもなく始まって終わる会話のことです。話題の内容もなんとなく選ばれることが多く、話の結論や論理性もお互いに厳密には求めません。場合によってはお互いが好きなことを話し、相手の話を聞き流していることもあります。

 

議論では、話のきっかけを「議題」としてお互いが認識し、話し合いに参加したメンバーの意見をぶつけあいます。最後には「どちらの意見が正しいのか」という結論を出すことから、何らかの反発がある可能性もあるものの、最終的に話の着地点はひとつにまとまります。

 

ダイアローグは、まず話のきっかけを「議題」としてお互いが認識しているところについては、議論と同じです。ただ、ダイアローグでは議論のように、相手の話に反論したり、結論を出すために論破したりすることはありません。参加したメンバー同士が本音で自由に話し合い、お互いの話に耳を傾けて、相互理解を目指すのが対話の大きな特徴です。

 

ダイアローグと雑談・議論の違い

 

雑談、議論、ダイアローグの3つの性質を知ることで、「ダイアローグ」のイメージがより具体的になったのではないでしょうか。

ダイアローグが注目されている背景

では次に、ダイアローグが注目されている背景について見てみましょう。

組織内コミュニケーションの活性化のため

ダイアローグが注目を集めている1つめの理由は、組織内コミュニケーションの活性化に役立つからです。

 

組織においてコミュニケーションは、社員同士の相互理解を深めたり、組織内の課題を洗い出したりする機会として大いに役立ちます。ただ、この「コミュニケーション」そのものが不足している組織が多い傾向にあります。テレワークやフレックスタイム制などが浸透し、社員同士が同じ空間でずっと接する時間も減りつつあるニューノーマル時代において、コミュニケーション不足という課題は今後さらに増えていくことが予想されるでしょう。

 

このような課題の打開策といて注目されているのがダイアローグです。ダイアローグは他者との対話、つまりコミュニケーションに他なりません。ダイアローグを組織的に習慣化すれば、ダイアローグを通してお互いへの理解を深め、普段はなかなか話さない本音を交換しあうこともできるようになります。コミュニケーション不足による弊害を解消するだけでなく、個々や組織のポテンシャルアップに繋がりやすいところも、注目を集めている要因です。

 

en-gage.net

 

en-gage.net

「カリスマリーダーを待つ」以外の打開策として

個人のニーズが多様化するにつれ、ビジネスの形も多種多様になっている昨今。そんな情勢の中で事業を成功させるためには、「このビジネスなら、より多くのユーザーのニーズを汲み取ることができる」という最適解を導き出す必要があります。

 

ただ、運よく自社にそのような才覚を持つリーダーがいるとは限りません。カリスマ的なアイデアを展開できるリーダーが自社にいない場合は、皆で事業の方向性を探っていかなければなりません。その話し合いの手法として、ダイアローグを活用する企業が増えています。

ダイアローグは「リーダーの育成」にも役立つ

ダイアローグは組織に属する一人ひとりの「リーダーとしての視点」を養うのに役立ちます。そもそもダイアローグとは、組織の抱える課題や、これからの事業の方向性、顧客に刺さるビジネスプランなどを組織のメンバーが本音で話し合うものです。話し合いを通して、まだ組織のメンバーが認識しきれていなかった問題を明らかにしたり、新しいプランを思いついたりなど、組織が抱えていた閉塞感を乗り越えるきっかけを得ることもできます。

 

この「課題の洗い出し→解決のための仮説を立てる→試行錯誤し、成功を目指す」という思考プロセスはリーダーに欠かせないものとされており、このプロセスを組織内の多くが身につけることは組織力の向上にも繋がります。自社にカリスマリーダーがいてもいなくても、次世代のリーダーを育成する手法として、ダイアローグを導入する価値はあるといえるでしょう。

組織内の相互理解だけでなく、一人ひとりの自己理解も深まる

加えてダイアローグは、次世代のリーダーの育成はもちろんのこと、一人ひとりの成長を促す手法としても効果的です。理由は、ダイアローグを通して本音で話すことで、一人ひとりが自分の本音とも向き合うことができるから。

 

ダイアローグを通して普段は気づけない自分の本音が口をついたり、誰かの発言を聞いて自分の本音に気づいたりなど、組織内の相互理解をきっかけに自己理解も深まる可能性があります。組織力の向上のみならず、個人の成長を促せるところも、ダイアローグの大きな導入メリットです。

 

ダイアローグの具体的な進め方

ダイアローグを組織で習慣づけるには、具体的な進め方を参加者にきちんと説明する必要があります。ダイアローグの具体的な進め方について見てみましょう。

 

まずダイアローグを行なうにあたり、ファシリテーターを置くかどうかを決めます。ファシリテーターとは、対話がきちんと進むようにフォローしたり、ときに対話が議論としてヒートアップしそうになったときに仲裁したりといった役目を果たす進行役のことです。

 

ダイアローグに慣れていない人が集まると、いつのまにか議論になってしまったり、相互理解を深める前に相手を論破してしまったりすることも増えがちです。ストッパー役がいた方がスムーズに対話しやすくなるため、ダイアローグ導入当初はファシリテーターを置くことをおすすめします。

 

ダイアローグの進め方

フェーズ1:アイスブレイク

では、ファシリテーターの専門家であるアダム・カヘン氏の定義に沿って、ダイアローグが深まるプロセスを見てみましょう。

 

最初のフェーズは、アイスブレイクです。ダイアローグは本音の話し合いですが、「さあ、これから本音で話しましょう」と切り出しても、なかなかそうはいきません。ダイアローグのために集まったメンバー同士の間にまだ警戒心があり、どんなことから話したらいいのか、また誰から切り出すべきか、探り合っている状態です。

 

そんな雰囲気を打開するために、あえて話しやすい雰囲気を作ります。具体的には、自己紹介をしあったり、簡単な連想ゲームをしたり、お互いにインタビューをしてもらったりなど、方法は様々です。ファシリテーターの進行のもと、場の雰囲気が和むまでコミュニケーションを取りましょう。

フェーズ2:話し合い

次のフェーズは「話し合い」です。アイスブレイクを経て、本格的な話し合いに入ります。ファシリテーターが今日話し合うテーマを提示し、本音かつ自由に発言してもらいましょう。発現頻度はできるだけ平等に、全員が意見を出せるようにすることが好ましいです。

 

また、単に意見を言っていくだけでなく、疑問があれば質問したり、「あなたはこう言ったが、私が思うにこのようなケースには当てはまらない。それについてどう思うか」というように、やや反論的な意見を言っても構いません。相互理解の前段階として、お互いの意見をはっきり言い合うフェーズといえます。

 

ただ、話し合いの段階では参加メンバーに本音で発言してもらうことから、意見の対立が起こったり、相手の意見に服従したりといった、いわゆるディベート(議論)のような雰囲気に陥りやすくなります。場合によっては話し手が相手を説得しようとしたり、聴き手が論争の結果を出そうとしてしまいがちです。しかしダイアローグの目的はあくまで対話。進行役は対話が議論としてヒートアップしかけたら、次のフェーズに移行させるよう促しましょう。 

フェーズ3:相手の立場で話を聞く

次のフェーズは「共感的に話を聞くこと」です。聴き手は話し合いで出た意見に対し、「あなたはなぜそう考えたか」を問いかけ、相互理解を深めます。

 

このフェーズのポイントは、一方的に相手の意見を否定したり、自分の意見を押し通そうとするのではなく、相手の立場になって共感的に話を聞くことです。「相手はなぜそう考えたのか」「そう考えたきっかけは何だったのか」を共有しあうことで、固定観念が取り払われやすくなり、相互理解にも繋がります。

 

また、周囲から自分の意見について「なぜそう思うのか」を問われることで、改めて自分自身の本音とも向き合えるようになります。こういった教官による会話により、今までの自分の主張だけでは見えなかった新しい視点が見えてくるフェーズといえるでしょう。

フェーズ4:お互いの意見に共感する、認める

最後のフェーズは「双方の意見に共感し、認めること」です。前フェーズを経ると、ダイアローグに参加しているメンバーには今までにない視点や、相手への共感が芽生えていることがあります。そのような気持ちを共有したり、互いの意見に共感したりする会話が大事です。

 

メンバー同士が共感しあったり、お互いの意見を認めたりすると、話し合いに一体感が生まれます。新しい発想や視点を各々が獲得したところで一連のフェーズをしめくくり、ダイアローグを終了します。

 

もちろん、毎回このようにルールを決めて運用するのは実際のところ難しいかもしれません。その場合、テーマについてアイデアを出し合う「ブレインストーミング」などもおススメです。みんなでテーマについて自由に意見を出し合う場のことを指しますが、各々が拡散型に発言することで、みんながどのようなことを考えているのか分かります。そこで出た良いアイデアを抽出し、さらにそこからみんなで話していく。こうしたコミュニケーションも有効です。

本当に強い組織のコミュニケーションとは?

会社の成長を左右するのが、人材であり、組織の在り方です。強い組織とは、一人ひとりが能動的に動き、能力を発揮していく組織。上司から指示されなくても、能動的に仕事をする社員がいる状態です。また、そうなるためには、一人ひとりが自分の能力を最大限発揮できなければなりません。ここでは強い組織になるためのポイントを紹介します。

心理的安全性を確保する

「心理的安全性」という言葉をご存知でしょうか。組織の中で、一人ひとりが臆することなく、自分の意見を言える状態を指しています。たとえば、「自分は新入社員だから意見は通らないだろう…」と思ってしまう場合は、心理的安全性は高くないと言えます。一般的な企業だと、こうした遠慮が生まれやすいのですが、心理的安全性が高い組織であれば、年次など関係なく、自分の意見を発信できます。

 

こうした状態は、自分の話をしっかり聞いてもらえるという信頼のもとに成り立っています。組織の文化として、誰であっても意見に耳を傾ける、という価値観が醸成されているからこそ、安心して発信できるのです。

 

本当に目指すべきは、組織としての心理的安全性を確保していくことかもしれません。こうしたカルチャーがあれば自然とダイアローグを実現することができ、新しいアイデア創出や問題発見などにつながります。

リモートワーク時代、コミュニケーションはより一層重要になる

新型コロナウイルスにより、リモートワークが普及し、会社におけるコミュニケーションのあり方が変化しています。これまでは、オフィス内で気軽に話ができましたが、リモートワークになり、課題も出ています。これまでのように話ができない…とストレスを感じる方もいらっしゃるでしょうし、組織としてコミュニケーションに課題を感じている方も少なくありません。

 

今後もリモートワークを継続する企業が増えていく中で、組織としてのコミュニケーションのあり方は、今まで以上に重要なものになってくるでしょう。ダイアローグを意図的に導入する、上司と部下の1on1を行なう、バーチャルオフィスを使ったコミュニケーションを活発にする、雑談時間を設けて意図的に会話を増やすなど、今までになかった取り組みを導入していくのが得策です。また前述したように、こういった時代だからこそ、心理的安全性を確保している組織が求められるのではないでしょうか。

まとめ

ダイアローグの概要や、雑談・議論との違い、注目されている背景、具体的なダイアローグの進め方などについてご紹介しました。

 

「ダイアローグ」というと一見難しそうに感じますが、実際にフローを見てみると、「相手への理解を示すこと」をルールとした日常的なコミュニケーションであることがわかります。つい結論や成果を求めがちなビジネスの場において、改めて思い出したいコミュニケーションの形がダイアローグといえるでしょう。組織内のコミュニケーション不足にお悩みの場合は、上記を参考にダイアローグを取り入れてみてください。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、求人ボックス 、スタンバイ、Googleしごと検索などの求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、40万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

engage

採用ガイド編集部

engage採用ガイド編集部は、人材業界で長く活躍している複数のメンバーで構成されています。人材業界で営業や求人広告ライターなどを経験したメンバーが、それぞれの得意領域を担当し、専門的な知識に基づき執筆を行っています。

engage採用ガイド編集部は「採用に悩む経営者・人事担当者の頼れる相談先」としてこれからも日々情報をお届けしていきます。 ※engage採用ガイドはエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。