育成計画とは?強い組織を目指した教育プランの立て方を解説

長く活躍してくれる人材を育成できれば、会社にとって非常に心強いですよね。しかし、”社員を育てる”というのは、難しく、時間がかかるものです。会社が成長していく上で、若手が戦力としてバリバリ活躍してくれればベストですが、なかなかうまくいかないことも多くあるでしょう。

 

そこで、効率的に人材を育成するためにぜひ活用していただきたいのが「育成計画」です。新人が中堅になり、そしてベテランになっていくのを時間に任せるのではなく、計画を立てて行なうことで、社員にとっても会社にとっても良い結果へとつながる近道になるはず。

 

本記事では育成計画が持つメリットから、大まかなプランニングの仕方、そしてレベルに合った育成計画などを説明していきます。社員の育成方法にお困りの企業は、ぜひ参考にしてください。

 

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育成計画とは?

「育成計画」とは、社員を育てるために必要なプランのことを意味します。若手、中堅、ベテラン社員など、一人ひとりが成長していくためには、段階に応じた教育を行なうことが必要です。

 

人材は、経営資源。限られたリソースをいかに有効活用できるかが、企業の競争力を決めます。育成計画がしっかり考えられている会社と、そうでない会社では、会社の成長スピードも異なるでしょうし、業績も変わってくるでしょう。従業員に成長してもらうことで、会社も成長させる。人材という経営資源を有効活用するためにも、育成計画を考えることが大切です。

育成計画が注目された背景

なぜ今「育成計画」が注目を集めているのでしょうか。

終身雇用の崩壊

経済成長を続けていた日本では、年功序列で終身雇用が基本でした。一度就職すれば、社員は安泰。会社も右肩上がりに成長していました。

 

しかし失われた20年と言われているように、バブル崩壊してから日本経済は低迷しはじめます。それにより、徐々に終身雇用を維持することが難しくなっているのが今の日本。転職は当たり前のものになり、より良い条件、会社を求め、人材の流動も激しくなっています。

 

こうした中で、人材をつなぎ止め、活躍してもらい、会社を成長させるのは簡単ではありません。だからこそ人材の育成を考え、活躍・定着してもらう部分を考えなければならなくなっているのです。 

 

少子高齢化による人材獲得競争の激化

少子高齢化によって、働き手が少なくなっているのも影響しています。働き手が少なくなっているということは、少ない人員を多くの企業で取り合っている状況と言えます。つまり、人材獲得競争が激化し、採用が難しくなっているのです。

 

こうした状況なので、社員に辞められてしまうと、採用するのが難しく、損失も大きくなってしまいます。育成計画をしっかり練り、社員を育てていく意識がないと、会社を成長させることが難しくなっている。これが今の日本の状況です。

育成計画を立てることで得られるメリット

それではここから、「育成計画」を立てることで得られるメリットをいくつか紹介していきます。

現状の把握と必要なスキルを確認できる

一つ目のメリットは、社員一人ひとりが自分の現状や、今後必要になるスキルを知ることができる点です。「前に比べてできるようになってきたことが増えたな」「ここが苦手だから次はこれを頑張ろう」というように、育成計画を通して自身の強みや弱みを把握することできます。すると、強みをさらに伸ばし、弱みを克服しようと社員自身も前向きに取り組むようになります。こうした繰り返しにより、スキルや能力を向上することができれば、ゆくゆくは業績アップにもつなげられるでしょう。

社員一人ひとりのモチベーションが高まる

二つ目のメリットは、モチベーションアップにつながるという点です。ただ上から言われた目標を設定するよりも、自身の希望や強み・弱みに沿った目標を設定することで目的意識が芽生え、モチベーションを高くキープすることができるでしょう。社員一人ひとりの目標や課題をクリアにすれば、学ぶべき知識や身につけた方が良いスキルが自然と見えてきます。結果、PDCAを実践しやすくなり、効率よく仕事に向き合うことができるでしょう。

部下とのコミュニケーションツールになる

三つ目は、上司と部下のコミュニケーションツールになるという点です。新人を育成するポジションになる先輩や上司は、「育成計画」を通して部下の様子を見て、「以前に比べて〇〇ができるようになっている」など、成長を把握することができます。そうして部下を褒めたり声をかけたりすることで、信頼関係も生まれやすくなるでしょう。部下の立場からしても、「自分の成長を見てくれている!」とやる気を刺激されるはずです。

もしもの時の引き継ぎがスムーズに行なえる

四つ目は、育成担当者が変わるなど、引き継ぎが発生したときにも役立つ点です。「育成計画」を立てていることによって、一人ひとりが掲げている目標や得意としている分野や能力などをスムーズに把握することができます。

 

また、さまざまなポジションの役職者や上司に育成計画を共有すれば、違った視点からアドバイスをもらうということもできます。それぞれの「育成計画」を通して人材の把握や成長促進へとつなげることができるようになるのです。

育成計画の立て方

では、実際にどのようにして「育成計画」を立てていけばよいのでしょうか。具体的なフローを説明していきますので、自社で導入する際の参考にしてみてください。

育成計画の立て方

1.目標を決める

まずは、目指すべき指針となる目標を決めることから始めます。このとき、気を付けるのは、最終的な目標ではなく、半年後、1年後というリミットを設けて、段階的に目標を設定することです。いきなり「営業成績でトップになる」など、高すぎる目標を掲げても、そこに行きつくまでが長く厳しくなると、モチベーションが下がってしまいます。直近の目標設定を適切なレベルで設定しましょう。

2.今の状態を把握する

次に、現在の状態を正しく把握しましょう。たとえば、「できていることは何か」、「できていないことはあるか」「目標を達成するまでにどれくらいの時間が必要か」などを明らかにしていきます。

 

このとき、1で決めた目標と現在の状態にギャップがありすぎるようであれば、再度目標を見直すことが必要です。状態の把握は、育成計画書を作成してからも定期的に行なうことをおすすめします。

3.必要なスキルを整理する

目標の設定と現状把握ができたら、次は目標達成のために必要となるスキルは何なのかを明確にしましょう。

 

スキルの洗い出しは、ひとりではなく複数人で行なうのが効果的です。というのも、人の意見を聞くことで、自身が思いつかなかったようなスキルや、実は必要のなかったスキルを知ることになるためです。まずは、自分が身につけたいスキルを具体的に挙げていきましょう。また、いつまでに習得するかなど優先順位をつけておくことも忘れないようにしましょう。そうすることで、目標達成までの育成スケジュールを組みやすくなります。

4.スキルを習得するための手段を考える

自分に必要なスキルがわかったら、どのようにすればそのスキルを習得でき目標達成へと近づけるのか、手段を考えていきます。

 

たとえば、「先輩や上司からアドバイスをもらう」「研修を行なう」「話し合いを行なって賛成が多い内容を採用する」など。会社全体で人材育成を成功させるためにも、どのような手段を取るのかは重要です。担当者などとしっかり話し合って決めていきましょう。また、最近はオンラインでの研修なども増えてきているので、これをきっかけに導入を検討してみてもいいかもしれません。

5.育成計画に基づいて実践する

最後に、立てた育成計画を実践しましょう。その結果「こういう方法が良かったかも」「別の手段としてこういうのはどうだろう」など、気づきもたくさんあるはずです。大事なのは、立てた計画をより良いカタチへと改善していくことです。計画を立てて終了ではなく、実践したら見直し、ブラッシュアップしていきましょう。

「育成計画書」に必要な項目

企業ごとの事業内容やビジネスモデルなどに応じて、実際の計画書に作成することも大切なポイントです。Web上にテンプレートもありますので、自社用にカスタマイズしながら独自の育成計画書を作成してみてはいかがでしょうか。ここからは、育成計画書にあれば良い、必要な項目をピックアップしてみましたので、参考にしてみてください。

目標達成までの目安期間

「育成計画」の立て方の項目でもお伝えしたように、目標達成までの目安期間は必要です。入社3ヶ月後、1年後、3年後…というように、この時期までに達成したいという期間を設ければ、実践に移しやすくなります。

明確な目標や基準

「この時期までにはこれをできるようになる」という具体的な目標や基準はマストです。たとえば、「業務内容を理解できている」「先輩のサポートを受けながら業務ができる」「サポートなしでひとりで業務ができる」など。

 

また、1つの目標が達成できたら次へというように、どんどんステップアップしていくことができるような工夫も大切。「何年後までにはステップ1、その1年後にステップ2…」など、段階的に目標を設定して成長を促すようにしていきましょう。

目標達成のために行なう業務・行動

目標を達成するために行なう業務や行動を、ゴールから逆算して設定します。たとえば、目標が「営業としてお客さまに覚えてもらう」ことであれば、そのためにする業務や行動は「先輩と一緒に営業先に同行して挨拶する」などになります。現在の自分が置かれている状態と目標達成までのギャップをなくすために、必要な行動は何かを考えれば設定しやすいでしょう。 

それぞれのレベルに合った育成計画を行なうことが大切

「育成計画」と聞くと、若手や新人を育成するためだと思うかもしれませんが、実は中堅やリーダーなどの育成にも有効な手段です。入社後ずっと同じ内容の計画を立てていては、社員の育成へとつなげることはできません。そのため、社員一人ひとりのレベルに応じた育成計画を立てることが大事です。ここからはレベル別の育成計画の立て方をご紹介していきたいと思います。 

中堅社員向けの育成計画

新人時代が終了し、中堅の域に入ると、業務でもできることが増え将来的なキャリアを考え出す頃になります。「リーダーなど、マネジメント業務に携わりたい」という社員や、「特定の分野で専門性を磨いていきたい」といった社員など、自分の得意分野に沿った希望が出てくるでしょう。そうしたキャリアを叶えるためには、スキルアップ研修やメンター研修などが効果的です。

 

後輩の指導を通して実践的に学べる機会を作ったり、既にスキルを持っている社員から専門的な知識を学べる機会を作ることで、より具体的に将来のキャリアをイメージしやすくなるでしょう。こうしたスキルアップ研修やメンター研修を積極的に行いながら、長期的な育成計画を行なっていくことをおすすめします。

管理職向けの育成計画

リーダーや管理職は組織を引っ張っていく存在ですが、「今後どのようなマネジメントが組織に適しているのか」「組織全体の成果を上げるためにどう進めていくべきか」といった点に悩むことが多いとされています。

 

そこで、リーダーとして必要なスキルを学ぶリーダーシップ研修や経営戦略研修などを取り入れることが有効です。社内に教えられる人材が少なかったり、リソースが限られている場合は、社外の講師に依頼するのも一つの手です。専門家から学ぶことで、現場だけでは気づくことができなかった視点や考え方をべるぶ機会となるでしょう。組織としての成長はもちろん、個々のキャリアを更に伸ばしていくための気づきも得られるはず。さらにステップアップしていこうという想いを途中で折ってしまうことのないように、適切な育成計画を実施してください。

 

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まとめ

腰を据えて働いてくれる社員は、企業にとって頼りになる存在です。会社側も社員一人ひとりの長所を伸ばせるようにサポートしていけば、そんな存在が増えていくはずです。これまであまり育成に重点を置いていなかったなという企業は、ぜひこれを機に「育成計画」を見直してみてはいかがでしょうか。本記事が少しでもその手助けになれば、幸いです。

 

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