ポジティブ・アクションとは?女性が活躍するために企業がすべきこと

近年では、働き方改革が進み、雇用の「形」も一昔前に比べると多様化しています。しかしながら、柔軟なスタイルで仕事ができる世の中になってきていながらも、男性に比べると女性の活躍の場は少ないのが現状でないでしょうか。

 

そこで女性労働者にとって、それぞれの能力を発揮しやすい職場にすべく「ポジティブ・アクション」という取組が政府によって推進されています。本記事では、「ポジティブ・アクション」に関する概要や導入の目的から、具体的な進め方・取組の一例まで、詳しく解説していきます。

※この記事は2021年4月6日に公開した記事を再編集しています

 

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ポジティブ・アクションとは?

ポジティブ・アクションとは、雇用における男女の差を解消し、女性が活躍できる場をさらに広げるための各企業の取り組みを指します。男性も女性もそれぞれが平等に能力を発揮できる体制を整えることは、各企業の生産性向上や質の高い人材確保などにもつながるという考えのもと、厚生労働省を中心とした行政機関で推進されているものです。

 

各企業によって原因はさまざまですが、女性の力が上手く活用できていないケースは現在でも数多く存在しています。たとえば「一定の部署にしか女性が集まらない」「女性の管理職が少ない」など、労働現場の性差による課題を解決するのが、ポジティブ・アクションの主な目的です。

ポジティブ・アクション図

女性の活躍推進状況

令和元年現在、総務省の「労働力調査」調べでは、女性労働力の割合は全体の45.3%を占めています。現状として女性の労働人口は年々右肩上がりに増えており、平成2年時点と比べると約17%増加しているなど、徐々にではありますが改善されつつあると言えるのです。

女性の割合の図

 出典:令和元年 総務省「労働力調査」

 

しかしその一方で、実質的には男女の格差が生まれている状況もあります。具体例を挙げるとすれば、1つは賃金の面です。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、男女間の賃金格差の数値は、年を追うごとに広がっているという結果が出ています。また女性管理職の割合も上昇傾向にはあるものの、男性と比べると圧倒的に低いというのが現実です。

男女の賃金格差の図

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査

ポジティブ・アクションの目的

ではなぜこのポジティブ・アクションが推進されているのか、現在の女性の活躍状況や、ポジティブ・アクションの具体的な目的を説明しつつ、紐解いていきます。

活躍の機会を平等にするため

前述からも分かるように、働く女性そのものは増えていながらも、活躍の場が平等であるとは言い切れません。さらに前項にある賃金格差に関しては、先ほどと同様の厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」にて、役職の違いから来る影響が最も大きいとされています。


こうした課題を解決するためには、ポジティブ・アクションによって企業としての体質を根本から改善し、ただ数値的に女性活躍の場を増やすのではなく、本当の意味で能力発揮の機会を均等にする必要があるのです。

多様性を確保することで、企業、日本経済の活性につながるため

ポジティブ・アクションの目的は、ただ単純に女性を優先させるというものではありません。あくまで男性も女性も、それぞれが個々の能力を正当に発揮して活躍できる環境を生み出していくためのものです。性別に関係なく、適材適所で各々が持つべき力を存分に出せるようになれば、各企業の組織力は一層高まり、さらなる事業発展につながっていくでしょう。


このようにポジティブ・アクションを通して数多くの法人で多様化が進めば、日本経済の活性化の一助になるとも考えられます。

女性の勤労意欲向上

ポジティブ・アクションの取り組みの一つに、雇用における男女の差を解消し、「性別に関係なく能力や成果に応じた公正な評価」があります。そのため、ポジティブ・アクションを導入することは女性社員のやる気を引き出すきっかけとなり、生産性向上に寄与します。 (副次的な効果として、 周囲の男性社員にも良い刺激を与え、組織全体で生産性の向上や競争力の強化につながるメリットがあります。)

 
また、性別に関係なく活躍できる環境を整えることで、女性のライフプラン(結婚、出産、育児)での離職を抑えることができます。女性の継続就業率を高めることは、その人材が持つ高度な能力と豊富な経験を失うリスクを避けることにもなり、組織の生産性の向上への影響を目的に取り組んでいます。

女性のみ優遇するのは男女雇用均等法に抵触しないか?

先ほどの項目から触れているとおり、ポジティブ・アクションの目的は男女平等です。さらに男女雇用機会均等法でも、性別による差別的な扱いは禁じられています。しかし男女雇用機会均等法の第8条では、過去における女性労働者に対する待遇が原因で、現在でも女性が活躍しづらい状況になっている場合は例外とされています。


そのため性差をなくすための取組であれば、女性限定または女性を有利としても問題はありません。現状として実質的には男女の活躍の機会が均等でない事実があるので、この格差を解消する措置であれば違法にはならないのです。 

(女性労働者に係る措置に関する特例)

第八条 前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。

引用:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第8条

ポジティブ・アクションのメリット

それでは各企業がポジティブ・アクションを行なうことで、具体的にはどのような成果が見込めるのか解説していきます。

生産性の向上

まず具体的な解決策を練るためには、現状における課題の洗い出しが不可欠です。そこでポジティブ・アクションを通して、あらゆる面から見た問題点を見つけていくことで、社内の業務改善にも役立てられます。


例えば業務フローや処理方法などを見直して、性別に関係なく誰にとっても仕事がしやすい体制を整えることで、従業員一人ひとりの作業効率アップや負担軽減につながるでしょう。手の空く時間が増えれば、また別の仕事ができるようにもなるのです。

 

さらに個々の能力が正当に評価される社風が強くなれば、女性だけでなく男性も刺激され、男女ともに仕事に対する意欲が高まると考えられます。ポジティブ・アクションを行なうことで、こうした相乗効果にも期待できるのです。

モチベーションの向上

ポジティブ・アクションによって、社内の福利厚生や待遇といった制度を改革することで、女性の労働意欲の向上も見込めるでしょう。例えば女性の場合、出産を控えていると、どうしても仕事を休まなければならない場面が多々出てきます。


このような時の企業側のサポートが手厚くなれば、ライフステージの変化を気にせず働けるようになり、産後に復職する割合も高くなる結果につながるのです。子育て支援などにより、男女関係なく育児をしながらでもキャリア形成がしやすい職場づくりをすることで、性別問わず将来的な不安なく仕事に専念できます。


最終的には、社内全体の労働意欲アップにつながるでしょう。

多様な価値観が生まれる

ポジティブ・アクションによって多様な人材活用ができる体制を確立すれば、それに伴った多様な価値観の創造にも期待できます。例えば商品開発のターゲットに応じて、男女それぞれの考え方を上手く使い分けていけば、よりオリジナリティの高いアイデアが生み出せるでしょう。


市場に合わせて、女性ならでは・男性ならではというように、さまざまな層の社員からの意見を採用していくことで、世間の需要によりマッチしたヒット作ができる可能性も高まります。

ポジティブ・アクションのデメリット&注意点

ポジティブ・アクションの取り組みを行う上で気を付けなければいけない注意点があります。組織にとっては、ポジティブ・アクションを導入するデメリットともいえるでしょう。

男性のモチベーションが低下
ポジティブ・アクションを導入するデメリットとして挙げられているのが「男性のモチベーションが低下する」ことです。特に男性のモチベーションが低下してしまうのは、ポジティブ・アクションを推進しようと、採用や管理職への登用など女性を優遇しすぎる企業です。

女性を優先した取り組みに注力するあまり男性を疎かにしてしまうと、男性からは「能力ではなく性別で判断されている」と判断され、不満が募っていきます。不満の蓄積は仕事へのモチベーション低下に直結します。

そのため、ポジティブ・アクションの導入を検討している企業は女性への取り組みだけではなく、男性側も配慮した仕組づくりが必要と言えます。
女性の昇進意欲は高くない
ポジティブ・アクションを推進していくために女性の昇進意思を無視するのはよくありません。労働政策研究・研修機構(JILPT)が調査した結果によると男性の商品意欲は学歴計で 63.2%。女性は、学歴計で 14.8%と男女間で約50%も昇進意欲の差があります。特に女性の昇進意欲は顕著で、約半数の50%が「役付きでなくともよい」と回答しています。

女性の昇進意欲は高くない


女性の昇進意欲が低い要因は、
「仕事と家庭の両立が困難になる」が 39.8%と 最も多く、「責任が重くなる」や「周りに同性の管理職がいない」などが次いで昇進を希望しない理由として挙げられていました。女性管理職のロールモデルがおらず、昇進した後の家庭責任との両立への不安感が管理職昇進を躊躇させているといえます。

女性の昇進意欲は高くない


この男女間の意識の違いを意識しないまま、女性を優先するような形で昇進をさせてしまうのは男性にとっても、女性にとってもよくない結果を生むため注意が必要と言えます。

 

ポジティブ・アクションの具体例

ポジティブ・アクション具体例の図

以下からは、ポジティブ・アクションとして行なう具体的な取り組みについてご紹介します。

女性の積極採用

まずは女性の活躍の場を広げる根本的な策として、自社における女性労働者の母数を増やすのは有効的です。例えば各部署で女性比率を数値目標として設定するなど、選考の時点で公正な判断ができるマニュアルを作成しておくのも1つの手でしょう。また採用担当者に女性を含めるといった、選考方法の見直しによっても採用における中立性の確保につながります。


そのほか、会社説明会で女性社員の活躍を紹介する・女性が働きやすい制度を整えている旨を求人票に加えるというように、女性の応募数を集める施策もポジティブ・アクションの一例です。

職域拡大

各業務を男性もしくは女性に限定されない体制を構築することで、女性スタッフがより能力を発揮しやすい職場になります。具体的には、男女ともに使いやすい設備や器具を導入し、誰でも作業しやすい仕組みを作るなど。


そのほかにも、例えば女性に任せがちなお茶出しといった対応を男性も担当するようにすれば、業務範囲を性別で分けない環境の確立につながるでしょう。また資格取得やスキルアップの支援をすることで、従業員自身の職域を広げる意欲も高まります。

管理職登用

男女ともに平等に活躍しやすい職場とするには、より公正な人事が欠かせません。そこで評価や昇格の基準を明確にし、個々の能力が正当に認められる制度を整えることで、性別問わず実力を発揮できる環境につながります。


例えば、昇進・昇給の条件を見直し、女性が満たしにくいと考えられるものは改善するなどの策が有効的でしょう。さらには人事評価を担当する社員向けに、考課方法の研修を行なうのも1つの手です。そのほかメンター制度といった、キャリア形成や仕事内容の相談がしやすい仕組みを新たに導入するなどの施策も考えられます。

継続就業のサポート

育児休暇や介護休暇などを取り入れるのはもちろん、男女双方に対して各制度の利用を促す啓発をすることで、その仕組みを上手く活用しながら勤続できる職場作りにつながります。育児休暇などの取得・復職実績が増えていけば、多くの前例があることで誰でも利用しやすい制度になっていくでしょう。


さらには休業で1度職を離れたとしても、昇進・昇給がしやすい人事評価やシステムを確立することで、社員の定着率向上にも役立ちます。

ポジティブ・アクションの取り組み方

ここまでで、ポジティブ・アクションの詳しい概要については把握できたのではないでしょうか。では次からは、実際にこの取り組みをどのように進めていくべきか、具体的なフローも解説していきます。

取り組み方のステップの図

経営トップの意思決定

ポジティブ・アクションが成功するかどうかは経営者にかかっています。上記で説明してきた女性活躍の必要性を理解し、どれだけ本気で取り組めるかが重要だからです。この場合、現場で取り組みを始めるのではなく、求心力のある経営者が決断をし、力を入れていくことを宣言するなどの意思決定が必要になります。


会社として力を入れることが分かれば現場も推進しやすくなり、プロジェクトが前に進んでいくでしょう。実際にポジティブ・アクションの取り組みのきっかけのアンケートでは、企業のトップの方針と答えている企業が多数見られます。

課題設定

ポジティブ・アクションの第一歩としては、まず現状を把握・分析した上で問題点を洗い出すことが重要です。さらには、より客観的なデータを打ち出すためにも、幅広い立場における従業員の意見を集めることが大切。


例えば個別面談によるヒアリング・社内アンケート・グループディスカッションなどにより、さまざまな目線からの情報を集積するのが有効的です。そしてこれらをもとに真の問題点を見極めて、改善すべき課題を設定します。

目標設定

改善しなければならない課題が明確になったら、次はどのような結果を求めるのか目標を設定し、具体的な取り組み内容を決めるステップに進みましょう。例を挙げるとすれば、以下のようなケースが考えられます。

 

「そもそも女性の社員数が少なく、風通しが悪い」

⇒女性スタッフが馴染めるように、女性を増員する採用を行なう

 

「ある特定の部署に女性が集まらない」

⇒人員の配置を変えるための人事異動や教育を実施する

 

「女性社員の離職率が高い」

⇒女性が勤続しやすくなるように、社内の制度や勤務体系を見直す

 

ぜひ上記を参考にしてみてください。

施策の実行

ポジティブ・アクションの詳細な施策が決まったら、それに沿って計画を進めていきましょう。ただしどのような案にも、メリット・デメリットは必ず存在します。施策を推進する中で、何か少しでも課題が見えてきた場合には、すぐにでも解消に向けて計画を修正するのがベストです。そのまま見逃してしまうと、その新たな課題が根づいてしまう可能性もあります。何か上手くいかない場合には、柔軟に手法を変えながら少しずつ実行に移していきましょう。

振り返り・改善

ポジティブ・アクションの実行が進んできたら、ある程度の期間で1度振り返りをするようにしましょう。実際にどのような成果が出ているのか、どの部分が変化したのか、きちんと効果測定をすることで、また次の取り組みに活用できるデータが生まれます。


たとえば、一定の期間ごとに評価や点検をして結果を見比べるほか、レポートを全社的に伝えるといった情報共有により、社内のポジティブ・アクションに対する啓もうにもつながるでしょう。


また振り返りだけではなく、その結果から改善できることを洗い出し、施策をブラッシュアップしていくことが取り組みでは欠かせません。なぜうまくいかなかったのか、どこか課題なのか、うまくいった部分も分析することで再現性をもたせましょう。

ポジティブ・アクションを実現するために企業に求められること

ではこうしたポジティブ・アクションをスムーズに進めていくには、企業としてどのような姿勢を持つべきなのでしょうか。

トップが意思決定をし、社内風土を改善していく

中には古くからの慣習で、性別で差が生まれてしまう社内制度や業務分担が根づいてしまっているケースも少なくないでしょう。長く続いてきたルールや習慣を変えるのは非常に難しく、特にこのような場合ポジティブ・アクションを進めるのは困難です。また職場の体制を大きく変革させるものでもあるため、まずは経営陣の理解を得なければなりません。


そのためにもまずは信頼できるトップの存在の手を借り、女性活躍がもたらす効果を明確なデータで示して、ポジティブ・アクションの重要性を伝える必要があります。社内の風土改革には、権威ある人物がリーダーシップを発揮し、改善の方向へと導くことが欠かせません。

女性社員の意識改革を促す環境整備

ポジティブ・アクションを進めるには、その主役となる女性社員そのものの意識を変えることも大切です。たとえ女性活躍の場が広がったとしても、女性社員たちがその後のキャリアアップや働き方の変化に不安を抱えたままで、積極的な姿勢で仕事ができないようでは本当の意味での成果は出ません。


こうした事態を防ぐためにも、人事や上司によるサポートが不可欠です。安心できるキャリアビジョンを示した上で、担当業務の領域を広げたり発言の機会を増やしたりなどの取り組みを行なうと効果的でしょう。

ポジティブ・アクションを導入している企業例

株式会社ニチレイフーズ

企業概要

冷凍・冷蔵・レトルト食品および缶詰の製造、加工、開発を行う加工食品メーカーであるニチレイフーズ。2012年3月末日時点で社員数に占める女性の割合は26.9%でした。

 

実施の背景と、実施内容、効果

社内意識調査の結果からも女性の仕事への満足度・意欲は男性と比べて低く、女性が活躍できる環境づくりが急務となっていました。そこで、2000年から3年間の時限措置としてポジティブ・アクションを実施。3年間で、女性役職者登用UPを目指し、女性管理職の割合が1.2%から4.7%まで増加。さらに、女性活躍を推進するために、役職登用プラン(プロチャレンジ制度)を導入したり、ワークライフバランス、女性社員の育成などを進めることで、2012年に二チレイフーズの管理職に占める女性の割合は5.4%となり、社員における女性割合も向上しました。

 

en-gage.net

 

不二製油株式会社

企業概要

製菓・製パン素材等を柱にグローバル展開する食品素材加工の大手企業です。社員数に占める女性の割合は14.9%で、管理職に占める女性の割合は1.9%でした。(2011年実績)

 

実施の背景と、実施内容、効果

少子高齢化によって働き手の減少が進む中で、優秀な人材の確保は会社にとって重要なテーマであり、女性の活躍は会社にとっても重要な経営課題でした。1999年初頭のトップが会社の方針として「女性活躍」を打ち出し、積極的なポジティブ・アクションの取り組みがスタート。

 

具体的には、下記を実施しました。

  1. ホームページなどでの女性活躍について情報発信
  2. 女性の面談やキャリア相談などを導入
  3. 月刊社内報を用いた社長対談の掲載や活動報告などによる社内啓発の推進
  4. 育児休業制度、労働時間の短縮措置、子の看護休暇等についてはいずれも法定以上の制度に

実施した結果、女性の平均勤続年数が、3.3歳、3.1年の日、定着率アップ。育児休業取得後の職場復帰率が100%を達成。育児休業取得する男性も10%に。管理職も増えました。

参考:厚生労働省 ポジティブ・アクションの取組事例

採用活動でもポジティブ・アクションを積極的に使おう

男女の均等な機会・待遇の確保の支障となっている事情を改善するために、会社が、女性のみを対象とする、または女性を有利に取り扱う措置は、法違反になりません。

 

 ここでいう「支障となっている事情」とは、過去の女性労働者に対する取扱い等が原因で男女労働者間に事実上の格差が生じていることです。たとえば、男性労働者と比較して、女性労働者の割合が4割を下回っている場合、格差が存在していると判断されます。ただし女性のみを対象とする、または女性を有利に取り扱う措置を講じるには、これまでの慣行や固定的な男女の役割分担意識が原因で生じている格差を改善することを目的としていることが必要です。

 

そのため、現に女性労働者の割合が4割を下回っている場合でも、単に女性を優先したい、有利に取り扱いたいという意図で女性を配置することは、事業主が雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的としていないため、法違反となります。

 

こうした諸条件をクリアしたうえで、積極的に女性を採用していくことが大事です。求人でも、女性社員を優遇する旨を記載し、採用活動をすることは企業の人材確保の観点からは非常に重要な施策。取り組めることはありますので、ぜひチャレンジしてみてください。

まとめ

既存の女性社員が、この先も継続して就業してくれることは、単純に「人材の確保」という大きなメリットになります。さらに多くの従業員が多様に活躍できるようになることで、社内の活性化にもつながるでしょう。そしてそのためには、性別に関係なく、明確なキャリアパスが描けるようサポートする必要があります。また求人においても、女性の受け入れ態勢をきちんと構築して将来設計がしやすい環境を整えておけば、その分採用の幅も広がるでしょう。ポジティブ・アクションは、優秀な人材を集めるには非常に有効なのです。さらなる組織強化をお考えの際には、ぜひポジティブ・アクションに目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

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採用ガイド編集部

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