OKRとは?今注目の業績評価制度の魅力と導入メリットを学ぶ

グローバル化と価値観の多様化が進み、組織に属する人材も流動的になっている昨今のビジネス業界。消費者のニーズも多様化していることから、「誰に、どんなサービスを提供すれば収益が出るのか」という定石さえ目まぐるしく変化しています。そんなVUCAと言われる予測不能な現代で、企業として成長していくために求められるのが、「人材の地力」です。モチベーションと目標意識を持って仕事に取り組み、組織を活性化させてくれる人材の有無が、企業の命運を分けるといっても過言ではありません。

 

「この先も企業として成長していくために、人材のモチベーションをもっと引き出したい!」そう思ったときにまず見直したいのが、人材への業績評価の手法です。これまでにもMBOやKPIなど、人材の育成に役立つ手法として様々な業績評価手法が登場してきましたが、最近はOKRという手法が特に注目を集めています。今回はOKRの概要や導入メリットなどについて紹介していきます。

 

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OKRとは

OKR(Objectives and Key Results)とは、組織に属する全員がある一つのO(objective・目標)に向かってそれぞれ努力し、KR(key result・主要な結果)を積み重ねる目標管理方法のことです。OKRは設定した目標に向けて「部門」「課」「個人」といった階層ごとにそれぞれ目標設定と成果の確認を促すことで、より高い目標達成を実現できるところが魅力です。

 

OKRは、組織全体が「目指すべき大きな目標」を共有し、全員が一丸となって目標の達成を目指します。目標の達成率は100%である必要はありません。達成率は60~70%ほどが目安で、より目標に近づけることができればベスト。さらにOKRの達成率も、個人の評価には反映されません。達成率が個々の評価に繋がると、個人はもちろん組織にとっても「守りを考えた目標設定」になりがちだからです。

 

「部門、組織、個人の目標がリンクし、相乗効果で成長できる」「大きな目標を共有することでストレッチできる」という合理性から、GoogleやLinkedInを始めとして、多くの有名企業が導入しています。なんとなくわかるものの、ここまで聞いて、「それって一般的な目標管理と何が違うの?」と感じている人もいるかもしれません。そこで次では、他の目標設定方法と何がどのように違うのか、説明していきます。

MBOやKPIとは何が違う?他の業績評価手法との比較

 では、OKRは従来までの業績評価手法であるMBOやKPIと、どのような点が異なるのでしょうか。まずは双方の違いをチェックしてみましょう。

 

▼MBO(目標管理制度)

MBOは、主に「上司が部下の目標を管理することで、人材の成長を促す」ことを目的としている評価手法です。その他、以下のような特徴があります。

  • 部下の目標を把握しているのは上司のみになるケースが多い
  • 設定した目標の達成率は100%に近づけることが求められる
  • 結果を出せば昇給などの報酬にも反映されやすい
  • 評価サイクルは年単位か半年ごとが一般的
  • 人事評価としてはスパンがやや長め

▼KPI(重要業績評価指標)

KPIは主に「部署内で目標を共有することで、プロジェクトの達成率を高める」ことを目的としている評価手法です。目標の達成率はMBOと同じく100%に近づけることがベストとされています。

 

MBO やKPIといった従来の評価手法の特徴は、「上司と部下」「部署内」といった、比較的小さなコミュニティの中で目標が完結している点です。また、目標の達成率は100%に近づけることが求められます。目標の進捗が個人の成績にも反映されるため、個人の成長やモチベーションを支えるためというよりは、「人材を評価するための手法」という色合いが強いところが特徴です。

 

一方OKRは、目標の達成率は100%である必要はありません。達成率は60~70%ほどが目安で、より目標に近づけることができればベスト。

 

このようにOKRは、「個人が何を成し遂げたか」よりも、「組織と個人が何を目標に動いているか」に焦点を置いています。個人の成績や達成度を重視したMBO やKPIとの大きな違いは、そこにあるといえるでしょう。

なぜ今「OKR」が注目されているのか?

ではなぜOKRは、世界はもちろん、日本でも注目されるようになったのでしょうか。理由は、「OKRでは思い切った目標設定ができるから」。つまり、組織としてより大きな成長をするためです。

 

現実的なラインでの目標設定では、大きなイノベーションは起こりません。現状の延長線の目標では、ビジネスのスピードが早い今の時代では、企業は成長できなくなっています。現状では到達できないものを目標にし、そこに行き着くためにどう知恵を出すか、どのようにイノベーティブな発想をしていくかという考え方が必要になっているのです。

 

目標の達成率について完璧を求めないOKRは、こうした目標設定が可能です。また、上層部が組織体制の見直しをしたいときにも役立ちます。 

OKR導入のメリット

いまはまだ実現できていない高めの目標を設定し、組織の全員がそれに向かって頑張る「OKR」。この目標管理制度を導入するメリットを、改めて整理してみましょう。

高い目標を立てることで、知恵が出て、業績向上が期待できる

これまでの延長線上で目標を設定していると、大幅な業績向上は望めません。たとえば、行動量を増やしてその分カバーしよう、人材を増やしてその差を埋めようという発想になりやすく、結局従業員に負担がかかったり、本質的に企業が強くなっていかないのです。つまり知恵が出にくいので、大幅な生産性向上には望めません。

 

しかし、OKRは現状では到達不可能な目標をたてることで、発想を切り替える必要が出ます。今のやり方がムリであれば、知恵を出すしかありません。この知恵によって大幅な生産性の向上が期待できるのです。こうした持続的なイノベーションが企業に業績向上につながっていきます。

 

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従業員が成長を実感しやすい

こうした環境に身を置いていれば、従業員としても成長を実感しやすいでしょう。毎年同じことをしていては意味がないので、いつも知恵を出す必要が出てきます。こうしたカルチャーが浸透すれば、従業員一人ひとりが成長を実感しやすくなります。また目標達成の方法を上から教えてもらうのでなく、1人ひとりが考えていく必要が出てくるでしょう。こうした裁量のある環境が出来上がってくるので、イキイキと仕事をし、成長を実感できる。最終的には企業へのエンゲージメントも高くなることが期待できます。

OKRを取り入れたい!運用のポイントとは

では、実際にOKRを組織に取り入れる場合は、どのような点に気をつければよいのでしょうか。OKRを運用する際のポイントを見てみましょう。

目標と、主な成果の設定を明確に行なう

OKRは先に「組織全体の目標」があり、達成のために部署、チーム、個人がそれぞれ「自分に何ができるか」を考えていく形になります。そのため、組織全体の目標設定が何より大切です。

 

OKRを導入する際は、まず組織が目標と成果の設定を明確に行ないましょう。たとえばECサイトの場合、目標(objective)は「サービスの満足度をNO.1にする」。KR(key of result)は、「クレームを0件にする」「ユーザーに毎週〇回接触する」「有益なメルマガを月〇本送る」などが効果的です。

 

目標設定のポイントとしては、目標(objective)は「現状では到達できない目標にすること」。実現が難しい目標にしたほうが、組織の成長の促進につながるからです。「目標に数値を入れないこと」も大切です。組織が掲げる大きな目標の達成度が数値によって明確になりすぎると、個々のモチベーションも停滞しやすくなります。

 

また、KR(key of result)については、逆に数値を入れて、期限も決まっていることが好ましいです。誰が見てもわかりやすい結果にすることで進捗を共有しやすくなり、次のアプローチの作戦も練りやすくなります。

現状維持の目標はNG、ストレッチな目標をたてる

OKRを導入する理由は、大きな成長を望んでいるからです。そのため、現状維持、現状の延長線上の目標設定は意味がありません。Googleによると、60%~70%くらいの達成度のストレッチな目標をたてることが重要だとされています。目標を大きく達成してしまうようでは適しているとは言えません。逆に目標を大幅に下回ってしまうようでは、適切ではありません。60%、70%の達成率になるような目標を立てることが肝になってきます。

フィードバックをこまめに行なう

OKRは、「目標を設定して終わり」ではなく、組織の皆で成果を共有しあうことが大切です。具体的には上司と部下の1on1ミーティングなどを行なうことで、綿密な目標の再設定が可能になります。ミーティングの頻度は毎週が好ましいですが、上司と部下双方の時間を取ることになるため、人材のリソースと相談しながら予定を組むとよいでしょう。

 

組織全体の取り組みにおいても、経営陣がOKRの進行度について定期的に打ち合わせることが大切です。月2回ほどのペースで目標の進捗確認を行ない、必要に応じて修正していくことが組織力の底上げに繋がります。

OKR導入において起こりやすい問題

組織の活性化を促し、個人の成長も支えてくれるOKRですが、「導入さえすれば組織がよくなる」というわけではありません。OKR導入に際して起こりやすいトラブルをご紹介します。

OKRを理解しないまま導入を決めると、混乱を招く

第一に避けたいのが、「なぜOKRを導入するのか」「OKRによって何を解決したいのか」をトップが理解しないまま導入を決めることです。OKRでは組織で達成したい目標を主軸にして動きますが、トップの熱意やコミットがないまま曖昧な目標を立てても、現場の混乱を招くだけになってしまいます。なぜ他の目標管理方法ではなく、OKRが必要なのか。導入することでどういった状態にしたいのか。ここを明確化しておかなければ導入途中でかべにぶつかってしまいます。

現場の責任者に任せきりにし、OKRが機能しなくなる

OKRの導入に際して、現場の責任者に任せきりにするのはNGです。OKRは組織全体が「目標を設定し、成果を確認する」という更新作業によって、達成率を推し進めていきます。つまり、組織運用の手法の中でもコミュニケーションコストとモチベーション、全員の協力が不可欠なのです。一部の人にOKRを任せきりにするのではなく、組織の上層が舵取りをして、定期ミーティングや目標の見直しを提案していく姿勢が必要です。

OKRの目標設定が上層部の独りよがりになる

OKRの導入においてつまずきやすいのが、最初の目標設定のミスです。具体的には、トップが組織の目標を独りよがりに決めてしまうことで、形骸化してしまうことが挙げられます。目標の形骸化を防ぐには、「話し合い」をすることが何より大切です。

 

OKRに関わらず、組織内のコミュニケーションが大切であることは、どの業績評価精度でも変わりません。組織にとってベストな目標を皆で考えられるよう、体制を整えることが大切といえるでしょう。たとえば、一番TOPにワクワクする目標を立てられるかどうかが大事です。それを実現するために、その下のレイヤーが目標を設定するからです。ここが現実的な目標だったり、保守的な目標であると、その下のレイヤーの目標もそれに似たものになっていきます。

 

OKRには多くのメリットがありますが、すべての会社に有用というわけではありません。たとえば、目標の数字を達成させるために、逆算してすべて行動プロセスを立てることができる業務などは、KPIで管理していくほうがスムーズに進むこともあります。

 

「OKRが流行っているから取り入れよう」というのは、組織にとって誤りです。大切なのは、OKRでどんな課題を解決し、組織をどのような状態にしたいのかを明確にすること。その上で「これまでのKPI管理などでは通用しない」と判断できたときに、導入を検討するようにしましょう。

OKRを導入している企業事例

最後に、OKRの導入に成功した企業事例をご紹介します。

Google

世界的なIT企業として名を馳せているGoogle。革新的なサービスを世に送り出してきたGoogleがOKRに着目したのは、同じく世界的なIT企業であるインテルが「社員一人ひとりが優先度の高い業務を取捨選択し、優先するための組織づくり」の方法としてOKRを導入し、改革に成功した実績からだったそうです。

 

Googleは2000年代初頭、OKRの導入を決定。結果、莫大な社員数を抱えている組織であるにも関わらず、「すべての部署と人員が同じベクトル、同じフレームワークで、足並みを揃えて業務に取り組む」という組織づくりに成功しました。

参考:Google re:Work OKRを設定する

メルカリ

国内においてOKRをいち早く導入した企業といえば、「メルカリ」が挙げられます。メルカリのOKR導入は2015年のこと。まだ国内でもOKRの知名度は低く、英語の文献などを参考に運用のプロセスを組み上げたそうです。

 

メルカリのOKRの特徴は、四半期毎に「組織全体」の目標が設定され、それをもとに「各事業」「各部署」「各チーム」「個人」が同じく四半期毎ペースでKRを設定すること。比較的短いスパンでOKRを回すことで、よりチャレンジングな目標設定ができ、進捗の修正もしやすくしています。

 

結果、メルカリでは「今期に集中すべき業務」「今期は後回しにしてもよい」を社員皆が認識できるように。社員が同じベクトルで業務に取り組めるようになり、事業成長のスピードも格段にアップしたとのことでした。OKRの導入に成功した好例といえるでしょう。

参考:DIO OKRのリアルなハナシ 〜(株)メルカリの場合〜

まとめ

OKRの概要や導入メリット、運用における注意点などについてご紹介しました。

 

目まぐるしく変化するビジネス業界の中で生き残っていくためにも、「組織の目標」という軸を全員で共有するOKRは有用な戦略といえます。組織全体でコミュニケーションを取るきっかけにもなり、個人の成長のサポートにも繋がるOKR。「OKRを使ってこんな風に会社を変えてみたい!」という明確な運用ビジョンを持てた際には、導入に踏み切ってみてはいかがでしょうか。

 

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