グローバル人材とは?会社の将来を担う人材の採用・育成方法を解説

昨今では海外のサービスや製品がどんどん流入してきており、さまざまな技術が発達するにつれて、マーケットの広がり方も国や地域による障壁がなくなってきています。特に日本は人口の減少もあり、国内の企業においては、市場を世界的に開拓していくことが今後重要になってくる見込みです。

 

そこで不可欠な存在だと考えられるのが、今回取り上げるグローバル人材。組織の将来に大きく影響するのは、やはりビジネスを進める人材です。ではこれから世界を相手にした事業展開をしていくためには、実際にどのような動きをしていくべきなのでしょうか。本記事ではこのグローバル人材の活用について、詳しく紐解いていきます。

 

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グローバル人材とは

そもそもグローバル人材とは、世界の経済や社会に広く対応できる能力を持った人材を指します。グローバルというと、素養として語学力をイメージされがちですが、もっと幅広いスキルが求められるものです。

 

たとえば海外拠点を運営していくリーダーとなれば、国際的な文化や価値観の違いに理解がなければマネジメントもできません。そのほか海外における販路の開拓や生産体制の構築など、さまざまなビジネスシーンでの活躍を考えると、語学力を含んだ網羅的な実力を持つのがグローバル人材といえます。

国内でのグローバル人材活用の動き

特に日本では、平成後期あたりからグローバル人材に対する注目度が高まってきています。政府としても、総務省や経済産業省など、各行政機関でグローバル人材に関する取り組みが行なわれているのが現状。中でも文部科学省では2011年に「グローバル人材育成推進会議」が設置されるなど、国内の教育にも影響を与えているほどです。

 

ちなみにこの「グローバル人材育成推進会議」では、小学校から国際共通語として英語力の向上を目指す戦略が立てられています。さらに国内企業に対しても、海外に留学する日本人学生を考慮した採用活動の実施など、さまざまな試みが求められている状況です。

参考:産学官によるグローバル人材の育成のための戦略

日本企業のグローバル人材に対する意識

2017年には、総務省による「グローバル人材育成の推進に関する政策評価<評価結果に基づく勧告>」の中で、国内企業のグローバル人材に対する意識調査も行なわれました。その結果によると、7割程度の企業が海外事業に向けた人材不足を実感していることが発覚。さらに約5割が、自社の人材において「国際的な異文化理解の精神が向上していない」と判断しています。

 

つまり日本全体として、各企業が海外事業の展開に懸念を持っている傾向にあり、グローバル人材の育成は社会的な課題にもなっているのが現状です。

参考:総務省 グローバル人材育成の推進に関する政策評価

グローバル人材が求められている背景

ここまでに紹介してきたように、なぜ国全体でグローバル人材が求められているのかといえば、大きな要因としては次の要素が挙げられるでしょう。

 

・国際競争の激化

特にIT技術の発達が著しく進んだこともあり、地域を越えた市場の開拓がしやすくなっています。海外ではスタートアップ企業の勢いも目立っており、世界をマーケットに新たな価値を創出している例も多数。そうした中で日本企業は先ほどの意識調査からも分かるように、海外法人に後れをとっている傾向にあるため、グローバル人材の必要性が高まっているのです。

 

・少子高齢化の進行

日本の人口そのものが減っているため、今後国内のみの消費者を相手にするのは難しくなってくるでしょう。市場の規模がどんどん小さくなる見込みのため、世界にマーケットを広げる必要があると考えられており、グローバル人材の確保が重要視されています。

グローバル人材に必要な7つの能力

それではグローバル人材に求められる能力には、具体的にどのようなものがあるのか以下から詳しくご紹介します。

語学力・コミュニケーション能力

語学力は当然ながら、それに伴って欠かせないのがコミュニケーション能力です。いくら語学が堪能であったとしても、それがきちんとビジネスにおける交渉や情報伝達などに使えなければ意味がありません。さらに伝え方も重要で、日本と海外とでは好まれる言い回しや表現は異なります。相手を不快にさせず、なおかつ認識の齟齬が生まれないような意思疎通を図るためには、高い語学力もコミュニケーション能力も必要でしょう。

行動力

海外事業を推進するとなれば、国内とは全く異なる状況の中で、先行きの見えないまま戦略を進めていかなければならない場面も多いでしょう。前例がない課題や試みに立ち向かうには、やはりリスクを恐れないチャレンジ精神にもとづいた行動力が欠かせません。先の想定がしづらいからこそ、何か失敗があったとしても、どんどん次の戦略で修正・改善しながら活かしていく動きが求められると考えられます。

協調性

もし本格的に海外事業を始めるとなれば、文化もバックグラウンドも全く異なる人間同士が関わり合うことになります。なおかつビジネスを成功させるには、組織のメンバーとの連携も欠かせない要素です。さらに海外事業の中心人物として考えるのであれば、仲間をまとめ上げるスキルも求められるでしょう。組織内の信頼関係を構築していくためにも、周囲を観察して行動したり互いに理解し合ったりといった協調性は、グローバル人材には不可欠といえます。

責任感

どんなビジネスにもいえることですが、明確なビジョンを持ってミッションを完遂させる責任感がなければ、成功には近づきません。特に海外事業では、国内では想定できないようなトラブルに遭遇する可能性も高いと考えられます。それでも行動を止めずに、その都度発生する問題を解決しながら前に進んでいかなければ、事業は発展していきません。自らの使命や立場をしっかりと認識し、ビジネスをけん引していく意志がグローバル人材には必要です。

倫理観

海外でビジネスを展開するのであれば、その拠点となる地域に対する理解が不可欠です。日本とは異なる文化や常識が求められる機会も多くなるため、価値観の違いにも柔軟に対応しながら、物事を判断していかなければなりません。またビジネスマナーも各国で変わってくるので、十分に把握した上でやり取りしていく必要があるでしょう。こうした他国との風習やルールなどの違いをしっかりと認識する倫理観を持って、事業を推進していけるのがグローバル人材といえます。

アイデンティティ

文部科学省が提示するグローバル人材の人物像として、「世界との共生の中で、日本人のアイデンティティをもとに、他国との相乗効果によって新たな価値観が生み出せる」というような内容が挙げられています。国際競争が進んでいるからこそ、日本法人だから展開できる事業戦略は欠かせません。なおかつ他国との相互理解のためにも、きちんと日本の文化を相手に伝えられるようなアイデンティティも必要になってくるでしょう。

グローバル人材の育成に向けたステップ

ここまでに紹介してきたグローバル人材の育成を目指すにあたって、まずは組織として準備しておくべき段階についても解説していきます。

経営計画、事業計画を明確にする

グローバル人材を育成する目的は、基本的には自社の海外事業の成長という場合が多いでしょう。その事業を推進するのは、当然ながら人材です。そのため育成の方向性を決めるためには、まず事業自体をどのように発展させていくのか計画を立てなければなりません。具体的な事業目標がなければ、どれくらいの規模で、どんな人材を必要とするのかも見えてこないでしょう。だからこそ大前提として、経営計画・事業計画を明確にすることからスタートします。

自社に必要な人物像を明確にする

経営や事業の計画が明確になれば、どのような人材を育成すべきなのか、大まかな方針も決まってくるでしょう。そこで次に検討したいのが、自社にとって必要なグローバル人材の具体的な人物像です。たとえば語学力のレベルはどの程度なのか、実際に任せたい業務は何なのかというように、求めるスキルや能力などを詳細に洗い出していきます。自社の海外事業において、各ポストを担う人材について整理していきましょう。

具体的な育成の計画を立てる

どのようなグローバル人材を求めるのか詳しく決まったら、次は育成計画を立てるフェーズに入っていきます。そこでまずは、自社の海外事業に対する現状を把握することが不可欠です。全くのゼロベースからの立ち上げなのか・もうすでに準備段階にいるのかなど、現在の進捗具合によって育成すべき人材も変わってくるでしょう。その上で、どのような人材を対象としてどんな教育プログラムを実施していくのか、具体的なプランニングを行なっていきます。

 

あわせて育成の対象となる、グローバル人材の素養を持つ人材の選定も欠かせません。もし社内からピックアップするのが難しい状況であれば、新規採用も考える必要があります。

グローバル人材の採用のポイント

先ほども出てきたように、仮に海外展開を目標にグローバル人材の新規採用を実施する場合、どのようなポイントに注意すべきなのかについてもご紹介していきます。

語学力に限らず、総合的に判断する

海外ビジネスというと、どうしても注目してしまうのが言葉の壁であり、やはり求めるスキルとして重視したいのは語学力になるでしょう。ただし今までにも出てきているように、グローバル人材が持つべき能力は語学力に限りません。また任せたいポストによっても、採用すべき人材は変わってきます。いくら語学力があっても、ほかに必要な素養がなければビジネスには活かせません。きちんと希望する人物像を明確にした上で、総合的に能力を見て選考することが重要です。

キャリアプランをすり合わせておく

自社としてのビジョンと各人材の人生設計が見合わなければ、採用しても定着しないので注意が必要です。たとえば何年かは海外拠点に常駐する想定はしているもののいずれ日本に戻りたいなど、人材によって考えている将来像は異なります。またゆくゆくはどんなポストで活躍したいのか、希望しているキャリアパスも人材ごとに差があるのは当然でしょう。しっかりとマッチングを図るためにも、まずは選考の時点で互いのプランを共有しておくことも大切です。

 

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任せたい業務は詳しく伝える

海外事業の担当者というと、どうしても求職者にとっては現地拠点に常駐するイメージが強くなりがちですが、もちろん状況によってはそうとは限りません。たとえば国内における現地との折衝役など、海外勤務ではないケースも少なくないでしょう。

 

求職者とのギャップ感をなくすためにも、任せたいミッションはきちんと正確に伝える必要があります。自社と求職者との想定に食い違いがあると、せっかく採用しても定着しない可能性も高くなるでしょう。そのため業務内容に関しても、しっかりと選考の時点で共有しておかなければなりません。

グローバル人材の確保に向けた取り組み例

グローバル人材を確保するにあたり、採用や育成において実際にどのような取り組みをすると良いのか、その一例についても以下からご紹介します。

外国人留学生の採用

実際に経済産業省が各企業に推奨している施策として、外国人留学生の採用によるグローバル人材の育成が挙げられています。

 

ちなみに2016年の調査では、留学に来ている海外の学生の中で、約7割が日本での就職を希望しているというデータも。また外国人留学生は多彩な言語を扱えるケースが多く、語学力が非常に高いため、ポテンシャルにもかなり期待できるのです。たとえば、グローバル人材向けの就職イベントの開催・インターンの受け入れ・大学との連携など。外国人留学生にフォーカスした採用活動を実施するのも良い方法といえるでしょう。

外部研修・e-ラーニングの活用

グローバル人材に向けたより的確な教育を行なうには、外部研修を活用するのも1つの手です。海外ビジネスに長けた研修サービスを提供している事業者もいるため、上手く取り入れながら育成していく方法も良いといえます。また語学面においては、e-ラーニングを利用することも考えられるでしょう。社内で手軽に進めやすく、導入のハードルも比較的低いメリットもあります。

海外研修や留学の推進

やはり海外事業で活躍するグローバル人材を育てるには、現地でさまざまな経験を積むことが有効と考えられます。海外との文化や習慣などの違いも身をもって実感できるため、企業として海外研修を実施するのも良い方法です。また海外にあるビジネススクールに通学してもらい、留学によって必要な能力を磨いてもらうのも1つの手でしょう。ただし費用や人手のカバーといった、あらゆる面を考慮しなければならない点には注意が必要です。

まとめ

グローバル人材を確保することは、日本における社会全体の課題であり、国内の経済を発展させるためのキーパーソンになると考えられている存在でもあります。つまり企業としての事業成長だけでなく、日本全体の豊かな生活を支えるべく、グローバル人材の育成は国内法人に求められている使命ともいえるでしょう。より自社の将来性を高めていくためにも、今後はグローバル人材にも注目した人材活用に目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

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採用ガイド編集部

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