固定残業代をやさしく解説|メリットや導入方法なども紹介!

「固定残業代」という言葉を聞いたことはありますか?「聞いたことはあるけど詳しく知らない」という方も多いのではないでしょうか?もし求人を出したりする採用担当者、経営者であれば、知っておくべき内容です。

 

その理由は、賃金に関わるため、会社と社員の間のトラブルにもなりやすいから。企業側が固定残業代についてちゃんと理解せずに求人を出し、入社後にトラブルになるケースは少なくありません。

 

そこで記事では、固定残業代について徹底解説。固定残業代の意味、固定残業代を職場に導入する方法、導入するメリット・デメリットなどを紹介していきます。ぜひ、最後までお読みください。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、LINEキャリア、求人ボックス、Facebook on 求人情報、Googleしごと検索、Yahoo!しごと検索の求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、30万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

 

en-gage.net

 

 

固定残業代とは

 「固定残業代(こていざんぎょうだい)」とは、企業が一定時間の残業を想定し、想定した残業代を月給に固定で記載し、残業時間を計算せずに固定分の残業代を支払うという制度のことです。「みなし残業代」とも言われています。

みなし残業とは

「みなし残業」とは、裁量労働制に基づいた時間の概念のことです。その遂行方法が、大幅に労働者の裁量に委ねられる一定の業務に携わる労働者について、労働時間の計算を実労働時間ではなく「みなし時間」によって行なうことを認めるものです。

 

一方で、「固定残業」とは一般的に、基本給や手当に、一定の時間外労働相当分に対する割増賃金(残業代)を支払っておくという賃金の支払方法です。

 

固定残業代(みなし残業代)を採用している場合、決められた一定の時間分に関しては、労働基準法で定められている週40時間を超える時間外労働に対する割増賃金や、夜10時~朝5時の深夜割増賃金、休日労働に対する割増賃金を支給しないのが一般的です。

 

ただ、一定の時間分を過ぎた残業時間に対しては、会社は追加で残業代を支払わなくてはいけません。社員が何時間働いても残業代は固定(定額)という認識は間違いです。

みなし労働時間制との違いは

「みなし残業代」と似ているものに、「みなし労働時間制」があります。この「みなし労働時間制」は正確には「事業場外労働のみなし労働時間制」というもので、労働基準法に規定されています。

 

「みなし労働時間制」とは、事業場外の業務に従事することで、労働時間の算定が難しい場合に「特定の時間を労働したとみなす」制度のことです。

みなし労働時間制が適用される職種は?

「みなし労働時間制」が認められるのは、

1)会社の外で働いている
2)会社が実際の労働時間について算定困難である

上記2つの条件を満たしている場合です。

 

そして、添乗員や営業販売、新聞記者、自宅勤務者(在宅ワーカー)などの人たちは、「みなし労働時間制」が適用されていることが多いです。

 

ただ、会社の外で働いているからといって、すべての仕事が、労働時間の算定が難しいとは限りません。下記にあてはまる場合は、「労働時間の算定が困難ではない」とされ、「みなし労働時間制」は認められません。

・何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合


・事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合


・事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場にもどる場合

固定残業代を導入するメリット

続いては、固定残業代を導入するメリットを見ていきましょう。会社のメリットと従業員のメリット、それぞれについてお伝えしていきます。

会社は決められた時間までは残業代の計算が不要になる

固定残業代という制度では、一定時間の残業代を一律で計算・支給できるため、経理面においては賃金処理の手間を省けるというメリットがあります。

社員は残業をしなくても残業代をもらえる

みなし残業代は、あらかじめ一定時間の残業時間を見込んで支給されるもので、実際にその残業時間分の労働をしたのかどうかは関係ありません。つまり、仮に残業時間がゼロであっても、支給されます。

 

そのため、従業員が業務効率を上げて業務を遂行し、労働時間を短縮することができれば、実際に働いた以上の給与を手にできるということです。

固定残業代は、苦情やトラブルになりやすい

給与は、仕事をするうえで最も重要な要素の一つと言えます。そして、固定残業代はその給与に関わってくるため、固定残業代に関する苦情やトラブルは少なくありません。実際に固定残業代をめぐって裁判になったケースも。

 

求人などを出して採用活動をする上では「知らなかった…」では済まないことですので、採用に関わる方は、きちんと理解を深めましょう。

ハローワークでの苦情が多いのが固定残業代

下の2つのグラフをご覧ください。このグラフは、ハローワークにおける、求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に対する申出・苦情の種類別の比率です。

 

ハローワークで苦情が多いもの

出典:厚生労働省 固定残業代

 

賃金に関すること(固定残業代を含む)ことのトラブルは、20%を超えていて、その比率は一番高いものとなっています。

 

そして、下記のグラフは、民間職業紹介機関を利用して就職活動した方の「求人条件と採用条件が異なっていた」という不満の種類別の比率です。

 

ハローワークの苦情2


出典:厚生労働省 固定残業代

 

いずれも、固定残業代を含む賃金に関することがトップという結果になっています。他の種類の申出・苦情、不満に比べてみても、沈金に関することが高い比率となっていることがわかりますね。

 

賃金は求職者にとっても非常に重要な部分。だからこそルールをしっかり理解しておかなければ入社後に不満につながりやすく、場合によってはトラブルに発展しやすいのです。自社がトラブルに巻き込まれないためにも、固定残業代について正しく理解することはとても大切だと言えます。 

固定残業代を導入する際に気をつけるポイント

続いては、自社に固定残業代を導入する際に必要な作業や注意すべきポイントをお伝えしていきます。

1.最低賃金に接触しないようにすること

社員の給与を決めるうえでの大前提ですが、最低賃金を下回る金額を設定することはできません。たとえば、東京都にある企業において、

・1日の所定労働時間が8時間
・1ヵ月の所定労働日数が23日
・1ヵ月の固定残業時間が20時間

だとすると、月給は21万1717円以上にしなければいけません。計算式は下記の通りです。

 

計算式

 

・基本給:18万6392円(東京都の最低賃金1013円×8時間×23日)
・固定残業代:2万5325円(東京都の最低賃金1013円×1.25×20時間)
――――――――――――――――――――――――
・月給:21万1717円(基本給+固定残業代)

 

「求人で最低賃金が守られていなかった…」というのは確認しないと起こってしまいやすいことですが、これは違法。入社した後でトラブルになりやすい問題なので、求人を掲載する際は必ず確認しましょう。

 

こちらに地域別最低賃金の全国一覧が載っているので、自社の最低賃金をきちんと確認されることをオススメします。

2.必ず就業規則や雇用契約書に定めること

固定残業代をはじめ、労働条件は口約束ではいけません。就業規則に定め、雇用契約書などの書面で明示する必要があります。そして、就業規則に定める際は次の4つを規定しなければなりません。

1)固定残業代の金額(計算方法)
2)固定残業の労働時間数
3)固定残業時間を超えた残業の取り扱いについて(超過分の残業代を支給する旨の規定)
4)固定残業代が深夜割増残業代や休日割増残業代も含むのであれば、その取り扱いについて

また、固定残業代を導入している会社が人材を募集する(求人をする)際は、以下の事項を求人票の給与欄に記載し、求職者に明示することが義務付けられています。

・固定残業代を除いた基本給の額
・固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
・固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

 たとえば、次のケースはいずれも、上記の事項が満たされていません。
・ケース1)基本給の中に固定残業代が含まれている
※記載例: 基本給25万円(残業代込み)

・ケース2)残業手当の中に固定残業代が含まれている
※記載例:基本給15万円・残業手当10万円

・ケース3)営業手当の中に固定残業代が含まれている
※記載例: 基本給15万円・営業手当10万円(残業代込み)

3.固定残業代の超過分は支払い義務があること

「固定」という言葉が用いられていることもあり、固定残業代は、従業員が何時間働いても残業代は固定(定額)であるという認識を持たれがちです。しかし、この認識は誤りです。

 

たとえば、30時間の固定残業を設定していて、従業員が40時間の残業をした場合、10時間分(40時間-30時間)の残業代を、固定残業代とは別に支払わなければいけません。

時間外割増賃金をめぐるトラブルに要注意

 時間外割増賃金は給与に関することもあり、苦情やトラブルに発展しやすいです。そのため、たとえば、下記のような点には注意が必要です。

・雇用契約書などには、通常の労働時間の賃金にあたる額と固定残業代の額が判別できるようにしておく。

 

・販売手当や営業手当など、性質的に時間外手当とみなされにくいものを時間外手当とする場合、就業規則での規定や、従業員への十分な説明などが求められる。

 

・時間外労働をした時間や割増賃金の額を、従業員がすぐに知ることができる状態をつくっておく。

求人広告で正しく記載するために

固定残業代を導入している企業が、求人広告で人材を募集する際は、下記3つの記載が必要です。これは、若者雇用促進法により、明示が義務化されています。

1)固定残業代の金額
2)金額に充当する労働時間数
3)固定残業代を超える労働を行った場合、その分の手当を「追加支給」する旨


下記は、固定残業代の場合の給与の書き方の例です。ぜひ、参考にしてください。

例1)固定残業代を含んだ給与の表記例(一般的な表記例)

月給250,000円以上
※固定残業代(38,000円、20時間相当分)含む。20時間超過分は別途支給。

例2)年齢や経験等により賃金が異なるなど、固定残業代が変動する場合

月給260,000円~320,000円(年齢・経験による)
※固定残業代50,000円~70,000円、30時間相当分含む。
※時間外手当は時間外労働の有無にかかわらず、30時間相当分を固定残業代として支給。30時間を超える時間外労働は追加で支給。

例3)固定残業代と営業手当を合算する場合

月給260,000円以上(経験考慮)
※20時間相当分の固定残業代35,000円、営業手当一律20,000円含む。
※時間外手当は時間外労働の有無にかかわらず、20時間相当分を固定残業代として支給。20時間を超える時間外労働は追加で支給。

まとめ

固定残業代は、採用後にトラブルになりやすい項目ですので、しっかり理解しておきましょう。また最近ではIndeedをはじめ、求人を自分たちで作成して掲載できるサービスが増えていますので、固定残業などの理解ができていないまま求人票に書いてしまうと、トラブルになるケースも。自社で正しい情報を書くことがより求められるようになっていますので、ご注意ください。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、LINEキャリア、求人ボックス、Facebook on 求人情報、Googleしごと検索、Yahoo!しごと検索の求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、30万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)