「これまでに挫折した経験はありますか?」「学生時代に苦労した経験があれば教えてください」
自分をアピールしたいエントリーシートや面接で、挫折した経験や苦労した経験をいきなり聞かれても、どう答えたらいいのか困ってしまいますよね。
挫折経験を聞いて何がわかるの?失敗談を話したらマイナスな印象になるでは?と悩む就活生も多いでしょう。しかし、企業が挫折経験を質問するのはあなたの“強み”や“魅力”を知りたいから。その理由を理解することで、対策ができます。
この記事では、企業が挫折経験を聞きたがる理由と、挫折経験をアピールとして伝えるための対策方法を、具体的に解説していきます。
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- 企業がESや面接で挫折経験を聞く2つの理由
- ESや面接で挫折経験を印象良く伝えるためのポイント
- 結論ファーストでまとめる
- 挫折経験が思い浮かばないときの対処法
- エピソード別|挫折経験の例文5つ
- 挫折経験を魅力的にアピールして内定を目指そう
企業がESや面接で挫折経験を聞く2つの理由
自分の挫折経験を考える前に、まずは企業側がESや面接で挫折経験を知りたがる意図を理解しておくことが重要です。表面的な答え方を知るだけでは、質問が少し変わったときにうまく答えることができません。だからこそ本質を知ることが大事です。
企業がESや面接で挫折経験を聞く理由は下記2つです。1つずつ説明します。
- 何かについて努力した経験を知るため
- 仕事で挫折した時に乗り越えられるかを判断するため
何かについて努力した経験を知るため
挫折はただの失敗談とは少し異なります。というのも挫折は「自分でも頑張ったと思えるほど努力したからこそ起こり得ること」だからです。つまり挫折を味わった経験は、何かに本気で取り組んだ経験の裏返しでもあります。「部活動にここまで本気で取り組んでいたなら、粘り強く頑張ってくれそうだ」「挫折したとはいえ、ここまで努力できる人なら会社でも結果を出してくれそうだ」と、挫折経験を知ることで企業は「仕事にも熱意を持って取り組んでくれそうか」を判断しやすくなるのです。
仕事で困難を乗り越えられるか見極めるため
社会人として働くなかで少なからず挫折は味わうものです。たとえば、今結果を出し続けている人も、「新人の時は失敗ばかりだった」「同期の中で一番成績が悪かった」と、うまくいかなかった経験を語ることも少なくありません。成果を出している人に共通するのは、挫折経験や困難があっても必ず乗り越えていることです。挫折して終わるのではなく、挫折を経験してさらに成長につなげる。つまり、大事なのは挫折からどのように奮起するか。企業側は「挫折しても諦めずに踏ん張れそうか」「どんなマインドや方法で立ち上がっていくのか」という点に着目しているのです。
ESや面接で挫折経験を印象良く伝えるためのポイント
挫折経験を伝えて良い印象を与えるためには、ただ挫折を語るだけでは難しいのが現実。
エントリーシートの記入にしても、面接で話すにしても、「挫折経験のどんなところを、どんな構成で伝えるか」がポイントになってきます。
大事なポイントは下記5点です。1つずつ悦明します。
- 挫折する前の状況や目的から伝える
- 挫折した内容や理由を説明する
- 挫折を乗り越えるための行動は具体的に
- 「挫折から何を学んでどう活かすか」も忘れずに
- 結論ファーストでまとめる
挫折する前の状況や目的から伝える
- 挫折をする前に、どんな目的や目標で何を行なっていたか
- 挫折する前はどんな状況だったか
については、早い段階で伝えるようにしましょう。ここで大事なのは、前提や状況はあくまでも挫折経験の話をより分かりやすくしたり、より印象付けたりするための要素であるということ。企業が聞きたい主な部分ではないため、要点だけを押さえ、手短に伝えるようにしたほうが効果的です。たとえば、「私は○○という目標で△△を続けてきました」「私は□□だったので、◎◎を実現するために努力をしていました」といったまとめ方が考えられます。
挫折した内容や理由を説明する
挫折経験を伝えるにあたって、「どんなことで、どういった形で挫折したのか」は、欠かすことのできないポイントです。「どんなところに挫折を感じるのか」も企業からよくチェックされるところなので、簡潔かつ明確に伝わるように意識してまとめましょう。
また「立ちはだかった困難に対してどのように受け止め、どんな分析を行なったか」も、企業にとっては重要な判断基準です。そのため、挫折した事実だけでなく、自分なりに分析した理由や原因も合わせて伝えるようにすると、より印象が良くなります。ただし、他人のせいにしてしまうと逆効果になるので注意しましょう。
挫折を乗り越えるための行動は具体的に
「挫折に対してどんな行動を取ったか」は、その人の個性が最も出る部分であり、企業側としても、挫折経験を聞く中で最も気にするポイントと言っても過言ではありません。挫折を乗り越えるためにした行動と結果は、ぜひ具体的に伝えるようにしましょう。この時、挫折を経験した直後の気持ちと、行動を起こして何かしらの結果が出た後の気持ちを簡単にでも入れられるとより伝わりやすくなりますし、説得力がぐんと増します。
「挫折から何を学んでどう活かすか」も忘れずに
企業側が知りたいことは、「過去の挫折経験を、自社で働いてくれる際にも将来的に活かしてもらえるか」です。だからこそ、伝える内容として、挫折に対する行動まででは不十分。「行動や結果から何を学んだが」までしっかりとまとめた上で、その企業や職種で働くことと結びつけながらアピールしましょう。ここまでしっかり伝えてはじめて、「困難から学びを得て成長できる人材」であることをアピールできると考えてください。
結論ファーストでまとめる
ここまで出てきた内容を、分かりやすい構成に落とし込んでいきましょう。オススメは、「PREP法」に沿って組み立てること。PREP法は、構成がシンプルでまとめやすく、ビジネスでもよく用いられます。PREP法は、「Point(要点)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(要点)」の順で伝えたいことをまとめます。
今回のケースでは、
- Point(要点):自分が何によって、どんな挫折を経験して、何を学んだか
- Reason(理由):挫折経験の前提や理由
- Example(具体例):挫折経験の具体的な内容と乗り越えた方法
- Point(要点):自分がその挫折経験で何を学んだか」
といった順番でまとめると良いでしょう。
挫折経験が思い浮かばないときの対処法
挫折経験を考えるにあたって、「エントリーシートにどんな挫折経験を書けばいいのか分からない」「面接で伝えられそうな挫折経験がない」と悩んでいる方も多いでしょう。そんな方にこそ知っておいてほしい対処法をいくつかご紹介します。
- 外部からストレスを感じた経験を思い出してみる
- 自分の目標に向かって頑張った経験を思い出してみる
- 自分史を書いてみる
- キャリアセンターやエージェントに相談してみる
外部からストレスを感じた経験を思い出してみる
挫折に至るまでの経緯は、自分自身で目標を決め、自分で実行したことだけに限った話ではありません。じつは外的要因からストレスを感じたり、苦しみを味わったりした体験も、挫折経験になり得ます。特に分かりやすいのが、人間関係や環境などが原因となった挫折と、その逆境を乗り越えるために行なった行動。
たとえば、
- 小学校の頃、転校した先でクラスになじめなかったが、保健係になったことでクラスのみんなを気遣うようになり、なじめるようになった
- リーダーに任命されたチームのメンバーが、最初は協力的ではなかったが、一人ひとりと話し合ってお互いの理解を深めていくことで団結できた
といったエピソードが該当しますが、みなさんにも似たような経験はありませんか?こうした体験は、外的な要因を探る視点で振り返ってみると見つけやすくなります。
自分の目標に向かって頑張った経験を思い出してみる
挫折という言葉を聞くと、「何か大きなことに挑んでいることが前提」というイメージがあるかもしれません。ですが実際には、「自分で決めた目標に向かって頑張ったが、失敗した」という経験であれば、どんなエピソードであっても挫折になる可能性があります。自分で立てた目標の達成に失敗したあとに、「もっとこうすればよかった」「次はこうしてみよう」と思って実行したことがあれば、挫折経験としてまとめることを検討してみてください。
自分史を書いてみる
これまでの自分史を書いてみるのがオススメです。
自分史とは、自分の過去から現在までに起こった印象深い出来事を、時系列順にまとめたものです。出来事を挙げていくためのテーマは様々な形で設定できますが、挫折体験を見つけるためには、「頑張ったこと」「熱中したこと」「落ち込んだこと」などに設定し、書き出していくと掘り下げやすいでしょう。書き出す期間は、短すぎても長すぎてもまとめづらくなってしまいますので、小学生から大学生(現在)までにするのが無難です。
キャリアセンターやエージェントに相談してみる
オススメは、大学のキャリアセンターや、就活生向けのエージェントに相談すること。
就活に詳しい第三者の客観的な視点を取り入れることで、自分では気づけない良いポイントが見えてくることもあります。「このエピソード、自分では意識してなかったけど、他の人からは魅力的に見えるんだ!」と気付けるかもしれません。
これは就活生の皆さんに伝えたいのですが、就活は自分の力だけでゴールする必要はありません。誰にも頼らず、自分の力だけで内定を勝ち取ろうとする人もいますが、それは得策ではないのです。むしろ、うまくいっている人はいろんな人の力を借りています。知人・友人、OB・OG…自分だけではわからない問題は他者に聞くことで解決する。大事なのは、解決すること。様々な人の力を借りながら、自分の目標を達成できれば良いのです。
エピソード別|挫折経験の例文5つ
最後に挫折経験を伝える例文を就活生が取り上げやすいエピソード別にいくつかご紹介します。エントリーシートと面接、どちらにも活用できる形にしていますので、参考にしてください。
学業・研究
<例文>
不十分なレポートを提出したことで単位を落としてしまったことです。
大学1年の時、「単位を落とさない」ことを目標にしていたにもかかわらず、レポート提出が必須の授業で不十分なレポートを提出し、単位を落としてしまいました。友人はみんな単位を取っていたため、悔しい思いをしたのですが、その悔しさをバネにして、「再提出では、最低限単位を取れるレポートではなく、高い評価をもらえるレポートを作成する」ことを目標にしました。
まず、友人のレポートを見せてもらい、原因を分析したところ、「締め切りギリギリに取り組んだため、十分な調査や誤字・脱字のチェックができていなかった」「レポートとしての構成ができておらず、単なる感想文のようになっていた」ことが分かりました。
そこで、レポートの書き方に関する本を読んで、もっと身近なテーマで論理立てた文章を書く練習をしてみたり、スケジュールを先に設定して計画的に進めるようにしたりしました。その結果、2回目の提出で単位を取得でき、それ以降の授業でも、レポートで安定して高評価をもらえるようになりました。
この経験を通じて、事前にスケジュールを考えて計画的に進めることの大切さを学んだと共に、伝えるべき内容を筋道立てて伝えるスキルを身につけられたと思っています。
部活・サークル
<例文>
私の挫折経験は、テニス部の大会直前でレギュラー落ちし、大会に参加できなかったことです。
私は、部員30名ほどのテニス部で、高校1年生の時からレギュラーとして活躍していたのですが、高校2年生の時、大会直前の部内戦で成績が奮わず、レギュラーでなくなってしまいました。最初は「練習量も変えていないはずなのに、なぜだろう」と思っていましたが、コーチから「ここ最近、練習に対して気を抜いているように見える」と指摘を受け、レギュラーの座につけているという慢心から、さほど練習に身を入れていなかったことが原因だったと気付きました。
そこで、量より質を優先することを意識し、引き続き練習量は変えない代わりに、実際に大会で試合をしているような心持ちで、一つひとつ全力投球を行ないました。その結果、次の部内戦ではレギュラーに復帰し、次の大会に出場できました。
慣れてきたから、一定の結果を出せているからといって気を抜かず、一つひとつに丁寧に取り組むことの大切さを学びました。この学びは、御社で働く際にも活かしたいと考えています。
アルバイト
<例文>
アルバイトリーダーとして、うまく業務を回すことができなかったことです。
大学3年生の時、大学1年生の頃から働いていた飲食店で店長からお声がけいただき、自分としてももっと責任のある仕事に挑戦したいと思ってバイトリーダーに立候補しました。しかし、担当することになったスタッフへの指示や管理がなかなかうまくいかず、店長から何度も注意されたり、お客様からお叱りの言葉をいただいたりしてしまいました。
現状を打破するために、店長に相談し、うまくいっていない原因を考えると、すべて自分でやろうとしていたことがわかりました。解決策として考えたのは、自分で抱えようとするのではなく、店長や他の方の力も借りること。また、自分以外の人ができるように業務マニュアルを作成することでした。
その結果、店長やスタッフから仕事の成果を評価され、今では新人スタッフの教育も任されるようになりましたし、お客様からも感謝の声をいただいています。お客様に喜んでいただくには、アルバイドリーダーだからといって一人で全てをこなそうとするのではなく、ときには適切に店長やスタッフの力を借りながら、チームとして動いていくという意識が大切だと学びました。
御社で働く際にも、この経験で得た意識を常に持ち、うまく組織に貢献できる人材になりたいです。
趣味・習い事
<例文>
私が挫折した経験は、5歳の頃から習っていたピアノを途中で辞めてしまったことです。
私は、5歳の頃からピアノを習っていて、コンクールへの入賞を目標に練習を続けていました。ただ、何度コンクールに出場しても入賞することができず、通っていた教室が中学校進学で遠くなったこともあって、一度はピアノを辞めてしまいました。
しかし、中学2年生の時、同じクラスの友人が校内合唱コンクールの伴奏を任され、クラスの優勝に貢献したのを見て、「コンクールで入賞することをもう一度目指そう」と決意し、ピアノの練習を再開しました。教室に通っていた他の人と比べると、明らかにブランクがあることは分かっていたので、実際に手を動かして鍵盤を弾くだけでなく、自宅でも理論もしっかり復習するなどして、練習を重ねました。
その結果、高校3年生の時にコンクールに入賞することができました。そのあともピアノは続けていて、今は大学の合唱サークルで3年間伴奏を担当しています。この経験から学んだことは、たとえ一度は諦めてしまった目標でも、強い決意を持った上で再挑戦すれば達成できるということです。
御社では、挫折しても諦めない意思を持ち、挑戦と努力を積み重ねながら着実に成果を上げていきたいと思っています。
インターンシップ
<例文>
私は、インターン内で行なったプレゼンテーションが上手くいかなかった経験から、客観的な視点で原因を分析することの重要性を学びました。
私は、大学3年生の頃、●●業界の企業の企画職インターンに参加しました。
インターン期間中、提案を1回でも採用していただくことを目標にしていましたが、初めてのプレゼンテーションでは企画を検討してもらうどころか、「何を伝えたかったのかよく分からなかった」と厳しい指摘をいただき、ショックを受けました。
しかし「たとえどんなに企画の内容に自信があったとしても、伝えたい相手に適切に伝わらないことには始まらない」のだと気付き、プレゼンテーションのやり方を抜本的に見直すことにしました。そこで重視したのが、「プレゼンテーションを見聞きしてくださっている方々には、どんな風に見えたり聞こえたりしているだろう?」という視点です。
この視点を常に念頭に置きながら、本や動画を通じて、見やすい資料の作り方や伝わりやすい話し方を学びました。毎日最低でも1回は、姿見の前でプレゼンテーションの練習をしたり、練習の様子を録画して、自分で見返すだけでなく、家族や友人にもチェックしてもらったりしました。その結果、2度目のプレゼンテーションでは、「内容も分かりやすくまとまっていたし、話し方や動きもハキハキしていて良かった」と評価していただけ、企画も採用を本格的に検討していただくことになりました。
御社においても、困難に遭った場合には、客観的な視点を持てるような形で原因を分析し、改善を行なっていきたいと思います。
挫折経験を魅力的にアピールして内定を目指そう
一見、伝えたところでマイナスにしかならないようにも思える挫折経験ですが、企業側が知りたがるのには明確な理由があります。
その理由を押さえた上で、この記事で解説したポイントを踏まえて伝えることで、むしろ魅力的なアピールとして活用することも可能になるのです。
「挫折経験」は、あなた自身を成長させてくれた貴重な経験です。「辛かったこと」を探すのではなく、熱中したこと、全力で取り組んだこと、達成感があったことなど。むしろ成功体験を探すのが大切。きっと、成功の前には挫折があったはずです。
挫折経験を探す際は、挫折ではなく「成長」に目を向けると、オリジナルティのある経験談を話せるかもしれません。ぜひ、挫折経験を魅力的なアピールに変えて、あなたの魅力を伝えていただければと思います。
企業の口コミを確認して就活で活用!入社後のミスマッチも防げます!
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※自社調べ(2024年3月時点 口コミ掲載数・口コミ掲載企業数)