ひとくちに企業研究といっても、その重要性や目的を明確にしていなければ、ただの情報集めになってしまいます。大切なのは、自分に合う企業を見つけ、その企業にアプローチするための情報を集めること。そして「内定をもらうため」に取り組むのではなく、入社後の自分の人生を考えて行なうこと。企業研究は、後悔のない就職活動をするために重要なプロセスです。有意義な企業研究を行なえるよう、ぜひこの記事を活用してください。
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- 就活における企業研究とは?
- 就活における企業研究の目的
- 企業研究はいつまでに行なえばいいの?
- 自己分析→業界研究→企業研究の順番を意識する
- 企業研究では何をするの?注目すべきポイント
- 企業研究では他社との違いをチェックする
- 企業研究の具体的なやり方
- 企業研究は、自分の足で情報収集することがオススメな理由
- 企業研究では、企業の長所と短所、両面に目を向けよう
- 集めた情報は、企業研究ノートにまとめること
- まとめ
就活における企業研究とは?
企業研究とは志望する企業について理解を深め、自分の志向とすりあわせること。単純に情報を集めればいいわけではなく、自分の価値観や志向が企業と合うのか判断することが大切です。
就活における企業研究の目的
企業研究で陥りがちなのが「企業のコーポレートサイトを見て、分かったつもりになる」「なんとなく情報を集めて満足する」という状況です。企業研究はただ情報を集めればよいわけではなく、目的を明確化して取り組むことが大切。ではそもそも企業研究は何のために行なうのでしょうか。
自分に合う企業を見つけるため
企業研究の目的は数ある企業のなかから自分の志向に合う企業を見つけ出すこと。しっかりと下調べをしないままやみくもにエントリーしたり、イメージだけで企業を選んだりすると、面接でつまずいてしまうほか、入社後にミスマッチが起こるなど、後悔の残る結果になってしまいます。
就職活動では企業のイメージや知名度だけに振り回されず、自分の目で見て「どう感じるか」を大切にしましょう。また企業同士を比較するためには「なんとなく調べる」だけでは不十分です。基本情報をおさえることはもちろん業界内での立ち位置、競合他社との違いといった観点から情報収集を行ないましょう。
志望動機を具体化するため
もうひとつの目的は、志望動機で伝えるべき内容をより具体化・明確化すること。新卒の就職活動は自分の思いをどれだけ言語化できるかで決まると言っても過言ではありません。「有名企業だから」「待遇がいいから」といった気持ちは、面接官に必ず見抜かれます。
また企業研究が甘いと、「その仕事はうちじゃなくてもできますよね?」と突っ込まれた際、答えられないでしょう。面接官としても企業への理解がない人より、他社との違いを比較した上で「入りたい」と言ってくれる人と働きたいと思うはず。あなたの熱意・本気を伝えるためにはロジカルで納得感のある志望動機が不可欠なのです。
しっかりと企業研究を行ない「なぜこの企業でなければいけないのか」を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
企業研究はいつまでに行なえばいいの?
では企業研究はいつまでに行なえばよいのでしょうか。2024年卒業の場合、就活が本格化するのは2023年の2月〜3月頃。この時期から企業の説明会やエントリーが始まるため、それまでには企業研究にとりかかりたいところです。
早くから企業に興味を持つことで情報も得られやすくなるため、できるだけ早いタイミングで始めることをオススメします。
自己分析→業界研究→企業研究の順番を意識する
とはいえ、いきなり企業研究から始めるのは望ましくありません。ではまず何をすべきなのか?それは「自己分析を行なう」ことです。
そもそも自分の就活の軸が定まっていなければ、どんな会社が自分に合っているのかわかりません。まずはしっかりと自己分析を行ない、自分の価値観を明確化することから始めましょう。志望する企業に何を求めるのかをハッキリさせておけば複数内定をもらったときに優先順位もつけやすくなります。自分にとって譲れない条件は何なのか考えてみましょう。
そのうえで「世の中にはどんな業界があるか」「誰に何をどのように売っているのか」といった業界研究を行ない、その後、個別の企業研究に取り掛かるようにしましょう。
企業研究では何をするの?注目すべきポイント
企業研究はやみくもに情報を集めればよいわけではありません。就活はほかにもやるべきことが多くあり、企業研究に割ける時間は有限であるため、押さえるべきところを押さえて進めていく必要があります。このあと注目すべきポイントを詳しく解説していきます。
企業の基本情報を知る
まずは代表取締役の名前、企業理念、資本金、従業員数といった基本情報を押さえましょう。企業理念は事業に対する姿勢や価値観がわかる、重要なポイントです。また企業によっては、代表メッセージから企業理念がわかることも。トップがどんな考え方を持っているのか、しっかりと把握しておきましょう。
事業内容を知る
次に、「誰に」「どういったサービスを提供し」「どうやって販売しているのか・どのように収益を立てているか」を把握しましょう。企業がどうやって利益を生んでいるのか、ビジネスモデルを理解することで、入社後自身がどう利益に貢献できるかを具体的にイメージできます。このイメージができていれば、面接の際、より論理的で説得力のある自己アピールが行なえるでしょう。
業界内での立ち位置を知る
企業研究においては企業個別の情報を知るだけでなく、業界内での立ち位置を知ることも大切です。競合他社にはどんな企業があるか、それらに比べて優れている点と劣っている点は何か。これを知ることで課題や将来の展望が見えてくるでしょう。
また面接では面接官から「当社の弱点は何か。改善点はあるか」といった質問が来ることも。その際も競合他社との違いや事業戦略をしっかりと理解していれば慌てずに回答できるでしょう。
将来の展望を知る
自身が入社するかもしれない会社だからこそ、将来の展望を知っておくことは非常に重要です。将来の展望については、就職情報サイトや情報誌、新聞などからも情報収集が行なえます。
また、そこから得た情報をもとに「今後この企業がどうなっていくか」を自分なりに考えることも忘れずに。その上で、自身がどう貢献できるかまで言えるようになるとよいでしょう。重要なのは、ただ情報を集めるだけでなく、会社の将来に自分がどう関わっていくかまで踏み込んで考えることです。
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企業研究では他社との違いをチェックする
企業研究は志望動機を形成するのに役立つと言いました。ここで大事なのが競合他社との違いです。志望動機ではなぜほかではなく当社なのかを聞かれるので、違いをしっかりおさえておく必要があります。
たとえばビジネスモデル、会社の価値観・考え方、会社のカルチャー…同じ業界にある会社だとどの会社も同じように見えてしまいますが、よく調べると異なる部分も多くあるはず。
特に働いている人や会社のカルチャーは企業によって異なる部分。ネットの情報だけに頼らず先輩に会って話を聞くなどして、自分の五感を使ってなるべく違いを見つけることも大事です。
企業研究の具体的なやり方
では実際に企業研究を行なう際、どのようにして情報を集めたらよいのでしょうか。ここからは代表的な6つの方法を解説していきます。
コーポレートサイトを見る
企業研究の最初の入り口となるのが、企業のコーポレートサイト。ここでは企業概要・事業内容・プレスリリースなどを押さえておきましょう。企業理念や社員インタビューで印象に残った言葉、もしくは共感できた言葉などがあればメモしておくと志望動機を作成する際に役立てられます。
入社後の働き方をイメージするため、研修や休暇制度、福利厚生なども併せて確認しましょう。また選考フローやスケジュールといった採用情報をチェックすることも忘れずに。今後の就職活動をどう進めていくかイメージを固めておきましょう。
会社説明会に参加する
会社説明会は実際にそこで働く社員の生の声を聞ける貴重な機会。コーポレートサイトだけではわからない情報を得られるためできる限り参加すべきです。質疑応答の時間が設けられていることも多いため事前に質問内容を考えて積極的に質問をしましょう。
まだ企業を絞りきれていない場合は複数の企業が参加する「合同説明会」への参加もオススメです。その際、なんとなく回るのではなく「まだ知らない企業を見つけたい」「同業他社をいくつか比べてみたい」など、しっかりと目的意識を持って臨みましょう。
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社員座談会に参加する
現場社員から仕事の話や職場について詳しく聞きたい場合は社員座談会に参加しましょう。チームや部署の雰囲気などを知ることで、自分が入社した場合、なじめそうかどうかを見られます。社員座談会では最後に質疑応答の時間が設けられていることも多いため、積極的に質問しましょう。詳細で具体的な業務内容・基本的な1日のスケジュール・キャリアパスなどは、とくに押さえておきたいポイントです。
OB・OG訪問をする
より踏み込んだ質問をしたい、ざっくばらんな話を聞きたいといった場合は、OB・OG訪問をしましょう。OB・OG訪問は一対一で行なうことが多いため複数の質問ができるほか、先輩の就活の体験談やエピソードを聞けることも。可能であれば自身の志望動機を聞いてもらい、フィードバックをもらうのもオススメです。入社前と入社後のギャップはぜひ聞いておきたい質問のひとつ。その際、ポジティブなもの、ネガティブなもの両方を聞くようにしましょう。
OB・OG訪問は業務外の個人的な時間を割いてもらうもの。お願いする際のマナーや会ったときの態度などは十分に注意するほか、訪問後は時間を割いてもらったお礼をしっかりと伝えましょう。
インターンシップに参加する
とくに志望度が高い企業に関してはインターンシップにも参加するとよいでしょう。インターンシップでは実務を経験できることが多いため、自身の業務適正を知る貴重な機会になります。具体的な業務フローを知ることで自分が企業にどう貢献できるかをイメージできる点もメリットと言えるでしょう。
社会人としての言葉遣いや振る舞いを学べたり、ほかの学生に刺激を受けたりと、就活へのモチベーションアップにもつなげられるはず。
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経営者の書籍やインタビュー記事を読む
書籍やインタビュー記事には企業理念の元となるエピソードが書かれていることも多いため企業のことをより深く理解したい場合にオススメです。経営者の思いを知ることでどんな人と一緒に働きたいと思っているか、ヒントが見えてくることも。
またコーポレートサイトと違い、経営者の書籍やインタビュー記事は就活生すべてが見ているわけではありません。そのため細かな内容までチェックすることで「そこまで興味を持っていてくれてるんだ」と面接官に熱意や本気度をアピールできる可能性もあります。
企業研究は、自分の足で情報収集することがオススメな理由
企業研究の目的は自分に合った企業を見つけること。そのためにネット以外のところで情報取集することに価値があります。たとえば、OB・OG訪問で自分が気になることを聞けば知りえなかったことも分かるかもしれません。こうした情報から志望意欲が高くなる可能性もあるでしょう。また説明会で積極的に質問をして疑問を解消していくことも大事です。
たしかにハードルは上がるかもしれません。でも本当に自分に適しているのかどうかを見極めるために、ぜひ自分の足で一次情報をとりに行くことをオススメします。「自分の足で行なう情報収集」はほかの人が持っていない情報をつかめるチャンスなのです。
企業研究では、企業の長所と短所、両面に目を向けよう
企業研究を行なう際はどうしても企業の長所にばかり目がいってしまいがちですが、フラットな視点で企業を見極めるためにも長所と短所の両面に目を向けるようにしましょう。
企業側からしても短所や弱点をしっかり理解している学生のほうが、内定辞退や早期退職のリスクが低く、安心して採用ができます。幅広い観点から企業についての理解を深め、万全の状態で選考に臨めるよう準備を行ないましょう。
集めた情報は、企業研究ノートにまとめること
企業研究で得た情報は、できる限り早いうちに文章にまとめておきましょう。情報をまとめる際、ある程度フォーマットを決めておけば同業他社と比較検討がしやすくなります。それを「就活ノート」として活用すれば志望動機やエントリーシート作成の際に役立てられるでしょう。また情報だけでなく、自身が感じたこと・考えたことを気持ちが新鮮なうちに記しておけば、面接直前に見返したり、就職活動で悩んだ際のヒントになったりと、のちの手助けになることも。
ノートのまとめ方に正解はないため、自分自身がやりやすい方法で行なえばOK。「面接前に見返すため、企業の情報を見開きでまとめる」「ページの入れ替えがしやすいよう、ルーズリーフタイプのものを使う」「検索しやすいよう、タブレットやPCに情報をまとめる」など、自分なりの工夫をして集めた情報を最大限活かせるようにしましょう。
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まとめ
企業研究で情報を多く集めただけで、内定に近づくわけではありません。大切なのは必要な情報を集めた上で、自分なりの考えを言語化し、人に伝えられるようになること。
「企業研究ができたか不安」「どこまでやればよいか分からない」という場合は、その企業の志望動機を、就活を経験した先輩や周囲の社会人に聞いてもらいましょう。そこで納得感のある説明ができていなければ、まだ企業研究が足りないと言えるでしょう。
また就職活動においては企業研究と同じくらい、自己分析も大事です。自己分析は就活のなかで深めたり、ブラッシュアップしたりしていくため、一度やって終わりではありません。企業研究に没頭しすぎてしまい、自己分析や面接対策がおろそかにならないようバランスを大切に取り組みましょう。
企業の口コミを確認して就活で活用!入社後のミスマッチも防げます!
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※自社調べ(2024年3月時点 口コミ掲載数・口コミ掲載企業数)