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自己PRの書き方(履歴書でのアピールポイント・例文付き)

応募先の企業に面接の機会をまずもらえるようになることが転職活動の第一関門といえるでしょう。そのチャンスをもらう切符が自己PRの書いた履歴書です。とはいえ、初めての転職活動となると、「そもそも自分の何をアピールすればいいんだろう?」「履歴書で自己PRを書くマナーってあるのかな?」と悩む方は少なくないと思います。

そこで、自己PRを書くために整理すべきポイントを紹介。解説を入れたNG例や例文サンプルも公開しています。ポイントさえ押さえれば、人事担当者に強くアピールする自己PRを書くことが可能です。ぜひ参考にしてみてください。

1.履歴書の自己PRを書く時のポイント。

自己PRの整理すべきポイント。

自己PRを好きに書けば書類通過になるかというとそうではありません。応募先の企業にあった自己PRを整理して書けるように、自己分析し、自身のキャリアを振り返ることからはじめましょう。

自己分析について

人事担当者は会社に貢献してくれる人かどうかを基準にして履歴書を見ています。そのため、「私の長所は◎◎です。このように活かすことができます」とアピールすること大切です。そこで、まずは自己分析して長所を見つけるところからスタート。

探す際のポイントは、「がんばったこと」「成長した」を洗い出すことです。書き出したら、次はそれぞれを物語るエピソードを思い出してみます。どんな課題があったのか。乗り越えるためにどんな工夫をしたのか。誰にどんな影響を与えられたか。どんな成果を上げられたのか。そして、エピソードを比較。発揮された能力の共通点こそが、あなたの強みといえる長所です。また、長所を物語るエピソードは人事担当者を説得させる材料にもなります。

自己PPでは、「その能力を入社してからどのように活かせるの?」という人事担当者の疑問を解消することも重要です。そこで、入社後に取り組みたい業務、求められる能力を自分なりに分析しましょう。業務を理解すると、長所をどういう形で活かせるかまで踏まえてまとめられるはずです。

自身のキャリアについて

中途入社の転職活動と新卒時の就職活動の違いは、社会人経験があること。人事担当者は、早期に活躍してくれそうかを見ています。その判断材料として重要なのが、営業として残してきた実績です。長所を物語るエピソードに実績を盛り込んでアピールしましょう。

営業の実績を語るには、「売上」「粗利」「顧客開拓数」「達成率」などの数字が欠かせません。ただ注意点は、人事担当者が数字のすごさをわかるようにしなければいけないことです。会社として重要視していた数字か、何人の組織で何番目の成績だったのか、全体の平均と比べて自身の達成率はどうかなど、比較情報を加えることで、事前の知識を持たずに読む人事担当者がわかるように数字をアピールしましょう。

とはいえ、強調するほどの実績がないこともあると思います。その場合、シンボリックに取り組んだエピソードを伝えることも方法の1つ。どのようなミッションだったのか。目の当たりにした難しさは何か。乗り越えるためにどんな行動を取ったのか。知識・スキルが発揮された場面がわかるようにアピールするといいでしょう。

 

自己PRの文字数にもポイントがある?

自己PRを書く上で文字数も大事な要素。企業から指定がある場合にはその8割以上で書くのが基本ですが、指定されていなければどれくらいが適切な文字数なのか。

それは、400字程度が読みやすい長さといわれています。400字程度と聞いて「そんなに短く!?」「そんなに書かないといけないの?」と感じ方が分かれるかもしれませんね。そこで、文字数の調整方法を紹介します。

長い時の対処法

アピールしたいことが多岐にわたっているかもしれません。アピール項目が多いほうが良く感じますが、実は逆。印象に残りにくくなってしまうのです。自己PRではアピールポイントをしぼることが重要。1~2個をピックアップしてまとめるとおさめやすくなります。

短い時の対処法

エピソードが薄い内容になっていないかをチェックしてみてください。ポイントは、事前知識がない人事担当にもわかるか。誰に、何を、どのように提案する業務か。困難を乗り越えた時のシチュエーションがわかるか。成果を数字で表せているか。こうした情報を盛り込むと具体性が増し、文字数も長くなります。

 

自己PRのNG例を解説とともに見てみよう。

NG例①

私の前職は鉄鋼材の営業です。顧客となる自動車部品メーカーのニーズを捉え、的確な提案を大切にしてきました。結果、担当となってから2年間、安定した取引を実現。顧客から信頼を得る行動が私の強みと考えています。

【改善すべきポイント】
これは、文字数が極端に少ないですよね。実際、150字程度。原因は、エピソードが薄いことです。「顧客から信頼を得る行動」とは、いったい何か。「顧客のニーズを正確に把握するために毎日訪問していた」など、シチュエーションがわかると、文章の説得力が増します。

NG例②

前職では、新規開拓スタイルの営業として働いてきました。大切にしてきたのは、うまくいかない原因を探り、改善していくことです。顧客と接点を持つ方法は、飛び込み訪問や電話となります。新規開拓先のリストを自分で作成していたため、はじめのうちは手当たり次第様々な業界にアプローチしていました。ただ、アポイントにつながらない現状を見つめ直し、原因と改善方法を検討。そこで、業界をしぼることで多くの企業が共通で持つ顧客ニーズを明らかにし、それに対するアプローチトークを作った上で取り組むことにしました。結果、アポイントの取得につながる件数が増え、ともなって契約件数も増加。コンスタントに月5件の契約を実現し、MVP獲得にもつながりました。成果をあげるためにネックになっている課題を特定し、打ち手を考えることは貴社の営業職でも活かしていけると考えています。

【改善すべきポイント】
事例を挙げているものの、いまいち説得力がない内容に感じられたのではないでしょうか。これは、読む相手を意識していないことが原因。たとえば、何の商材なのか記載がないので、イメージしづらくなってしまっています。また、契約件数が月5件という実績のすごさもわかりません。営業全体の平均の契約件数と比較するなどして、魅力づけることが大切です。

NG例③

カラオケ機器の商社で3年間、営業を経験してきました。顧客先は主に介護施設です。会社としてお付き合いの長い取引先であったため、特に力を入れてきたことは信頼関係の構築。何かあったら、すぐに声をかけてもらえる関係性を築くことができました。また、カラオケ機器と一口にいっても、扱うメーカーや特徴は様々です。提案だけでなく、設置、メンテナンスまで一貫して対応してきました。必要となる知識は多岐にわたりますが、知識習得に向けて貪欲に取り組めることも私の強みの1つです。さらに、一方的な提案にならないように顧客の要望に耳を傾けることに注力したり、100社以上の担当顧客にまんべんなくアプローチするために効率的に時間を使ったりすることにも取り組んできました。私が培ってきた経験は、貴社で担う様々な業務に活きてくると思っています。

【改善すべきポイント】
アピールできることが多いことはすばらしいことですが、自己PRですべてを盛り込むのはNG。どんな人物なのかの印象づけが弱くなってしまうためです。自己PRでは、アピールポイントを1~2つにしぼることが大切。その上で、具体的なエピソードとともに伝えましょう。

 

2.営業職の自己PR、例文サンプル大公開!

例文サンプル①/無形商材で、既存顧客との関係構築に取り組んできた場合。

電気設備工事の営業として3年間携わってきました。私が担当していたのは、10年以上の取引となる5社の建設会社です。付き合いが長いとはいえ、競合との相見積もりになるのが一般的。そこで、まずは見積依頼の声をかけてもらう関係性を築くことが自分のミッションとして取り組んできました。徹底したことは、顧客先の担当者と毎日少なくとも1回は話す機会をつくり、電気設備の工事予定をいち早く掴むこと。十分な人数の職人の予定を先に押さえられ、短納期での対応が可能になるからです。結果、「短納期=◎◎さん」と第一想起される立ち位置を築け、相談ベースで話をいただく機会も増やすことができました。施工の価格や品質で差別化するのが難しい業界ですが、自分の工夫で強みをつくることは可能です。そしてこの強みが顧客からの信頼につながります。業界が変わっても、関係構築の糸口を見つけ、実行してきたことを活かしていけると思います。

 

例文サンプル②/有形商材で、新規顧客に注力してきた場合。

前職は、オフィス機器の営業です。新しい顧客先を開拓する営業スタイルになります。私が顧客開拓する上で注力していたのは、1回の商談でいかに信頼を得るかという点です。アポイントにつながるのは、主にすでにニーズがある企業。1~2回の商談で契約成立となるのが一般的です。つまり、初回の商談が勝負になります。短時間で信頼を得るために工夫したことは、顧客のどんな質問にも即答すること。品番ごとの特徴はもちろん、導入で実現できるコストダウンの目安、他社の導入事例なども常に更新した状態で頭に入れておけるように、毎日インプットする時間を設けてきました。もちろん、インプットするだけでなく、得た情報をわかりやすくアウトプットできるように資料にまとめることも徹底してきました。結果、営業全体の契約件数は月2件が平均でしたが、コンスタントに月4件を実現。新規顧客から信頼を得るために行動できることが私の強みです。

 

例文サンプル③/ヒアリング能力が求められる即戦力募集の場合。

広告の営業を経験してきました。広告といっても扱うのは、テレビCM、新聞広告、販促ツールなど様々。期待できる効果が異なるため、商材の紹介では受注はできません。そこで、クライアントが持つ商品・サービスで課題になっていることは何かを細かくヒアリングすることを徹底してきました。認知度アップなのか、集客アップなのかという違いでも、提案内容が大きく変わるからです。私は、課題を広告で解決できるように、提案前には必ず1時間程度のヒアリング機会を設けてきました。結果、競合プレゼンが当たり前でしたが、毎月のように新規の大型案件を受注。2年連続で売上目標を達成してきました。貴社の営業にはコンサルティング要素が求められます。ソリューション自体が商材になるからこそ、クライアントの課題を的確に捉えなければなりません。私が培ってきたヒアリング能力は貴社の営業に活かせると思います。