就職・転職活動をされている皆様へ
岩本鉄工所は、「鉄工職人集団」を標榜しています。職人にみなさんはどのようなイメージを持っているのでしょうか?手工芸品や大工、左官、庭師、食品ならば寿司をにぎる人を思い出すのではないのでしょうか。最近では、優れた金属加工技術を持つ人が「職人」と呼ばれることが多いようです。
バブルが始まる以前より、私たち鉄工所の仕事は、労働者から、若者たちの職業において敬遠されるようになりました。ただ、板金機械も工作機械も進化し、以前の様な重労働や勘に頼った仕事も少なくなりました。レーザー切断機で切断し、NCプレスブレーキで曲げる。精度がでていますから、その溶接も早く綺麗に施すことができるようになっています。岩本鉄工所が「多品種少量」に対応できるのも、そのおかげです。
そんな中、自動化や完全には無理ですが、無人化が進み、脱職人を目指す会社も出始めました。でも良く考えてみてください。このグローバルな世の中で、機械さえあれば、プログラムを作るコンピュータさえあれば別に日本で作らなくてもいいってことになりませんか?
戦後、日本はものをつくり、それを輸出することで発展してきました。人件費が高騰し、どんどん生産拠点が海外に移って行きました。やっぱり日本人としては残念に思います。私は小松市の基幹企業である鉄工で建設機械の板金部品を40年にわたって作りつづけ、蓄えた技術に若い皆さんの感性を融合し新たな挑戦をしたいと考えています。稲盛和夫さん(現京セラ名誉会長)の言葉の中に「手の切れるような製品作りをする」という言葉があります。「多品種少量」を極め、「最新鋭の機会を使いこなす現代の職人」が私の理想であり、目標です。心を磨き、腕を磨き、皆さんがよろこんでくれる製品を作り続けるには、職人の力、職人の仲間が必要なのです。