チャレンジングなポジショニングで他社の追随を許さない
■南武が世界をとれたワケ
──なぜ南武がGNTとなり、世界を獲れたのでしょうか?
野村:弊社の製品が使用される現場は非常に過酷な環境です。高速、高圧、高温などの悪環境で使用されてるため、大量生産されるような製品ではすぐに破損してしまいます。なので、お客様の現場環境、使用方法、頻度などをしっかりと分析した上でカスタマイズされた高性能で耐久力に優れた製品を作っています。難易度の高い技術も必要とされるし、大量生産できない。それは他社にとってみればとてつもなく高い参入障壁でしょう。
■世界の鴻海(ホンハイ)からもラブコールを受ける
──国内の有名大手すべての2輪・4輪自動車メーカーを始め、その他大手メーカーと取引されていることが技術力の高さを裏付けていますね。
野村:そうですね。他にも実は数年前に鴻海(ホンハイ)の会長テリー・ゴー氏から一緒にやらないかと誘いを受けていました。丁度シャープの買収関連で日本に来ていて、その際に目をつけた幾つかの日本の中小メーカーを集めていて、そのうちの1社が南武でした。鴻海にとっては、南武の技術力が欲しかったのでしょう。
※鴻海(ホンハイ)
2016年にSHARPを買収した、テリー・ゴー氏が率いるスマートフォンや薄型テレビなどの電子機器を受託生産する企業の世界最大手の鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループの中核会社。 2018年6月には米に大型液晶パネルの新工場(約1兆円)を設立。
■『ありがとう』と言ってもらえるサプライヤー
野村:一般的にはサプライヤーって頑張っても「当たり前」って感じなんです。大手企業の下請けは特に。ありがとうどころか、「あれもこれもやってよ、タダでね」みたいなことはよく聞きますね。でも南武の場合はありがたいことに、本気でありがとうと言っていただけことが多いのです。
お客さんが困った時に飛んで行って一緒に原因究明してあげるんですが、それが南武の製品が原因でないケースも多々あるのですが、『ゴメン南武さんじゃなかったね。だけどすげー助かった!ラインが止まると俺も気が気でなくてね”』と感謝されたり、その他には例えば、『ごめんぶっ壊しちゃった。2~3週間かかるよね・・・でも3日で入れて』と言われることもありますが、それら困り事には全力で対応します。
いかに杓子定規な対応をしないで、お客さんのお困りごとを解決しようとするか。それがありがとうと言っていただける訳ですね。過酷な環境下で難易度の高い技術力を必要とされるマーケットを自ら選び、またそういったお客様から選ばれているんです。
要するに、
『技術力を以てお客様の困りごとに応えようぜ』
こういったスタンスが、単純な技術力ではない部分で信頼を得られているのだと思います。