「信じてくれてありがとう」
自分らしさは、尊厳です。
できる限り希望を叶えてあげたい。
私なりに「自分らしく自由な暮らし」を
カタチにできたと思った出来事は、
大手企業の経営者だった
入居者様とのやりとりです。
経営者ということもあり、
自立心が強く自由さに惹かれて
私たちの施設を選んでいただきました。
元気だった頃は施設にも
たくさんの方が遊びに来られて、
外出なども頻繁にされていました。
認知が少しずつ進み、
人と会う回数も少なくなってきた中、
久しぶりに同窓会が
都内であるとのことで、
一人での外出を希望。
正直、悩みました。
危ないからムリですよと
言うのは簡単です。
リスクやいざという時の対応方法も含めて
職員みんなでディスカッション。
携帯電話でこまめに連絡を取るなど、
フォロー体制を万全に整えることで、
一人で送り出しました。
高崎線と宇都宮線の乗り間違えなど、
小さなトラブルはありましたが
夜になって無事帰ってきた時に一言、
「俺のことを信じてくれて本当にありがとう」
と万感こもった表情で
感謝の言葉をいただいた時、
この仕事をやっていて良かったなと思いました。
その後、何度か入退院を繰り返したのですが、
その度にハーウィルを我が家のように感じ、
いつもここに帰ってきたいと
言っていただけたのは
とても嬉しかったですね。
介護はこうあるべきという
枠にとらわれずに、
自分が信じる介護を
しっかりとカタチにできる環境が
ここにあります。