オールラウンドに対応する柔軟性がビジネスマンとして生き残る条件
事業再編を推進し、新しいサービスのリリースも急ピッチで行う同社。エンジニアを中心とする人材の採用にも積極的に取り組んでいる。今後は事業ごとに分社化が進み、ビジネスラリアート社自体はホールディングスとしての機能を強めていくため、一旦は本体で採用した後、各事業会社へ出向、または転籍という流れになるだろう。
同社は、創業以来、一体感のある経営で事業を推進してきた会社だ。もちろん個々の能力は重要だが、それ以上に社員同士のチームワークの良さが強力な推進力となってきた。男女差なく活躍できる環境もそのような風土の中で育まれてきたし、そのような背景があるからこそ、事業再編に着手するまでは、離職率はIT業界の中にあっては非常に低かった。今後も基本的な方向性に大きな変化はない。ただ、事業分野ごとに競争力を高めて行く過程では、事業会社ごとにカラーが分かれて行くのは自然な流れだ。
「長期的なビジョンを達成していくには、各分野に専門特化したスタッフや色々なカルチャーを持った人間が必要です。そのためには1つの箱では限界があります。それも事業ごとに分社化しようと考えた理由の1つです。事業会社ごとのカルチャーを育み、そこにあった人材を配属することで、個々の能力がより発揮しやすく、よりまとまりのある組織を作っていきたいと考えています」(中西氏)。
インターネットインフラサービスを総合的に提供する同社で働く魅力は、やる気次第で活躍できる範囲が広がり、多種多様な経験が出来ることだ。特に将来的にマネジメント側に立ちたいという意欲を持つエンジニアは、幅広い技術や業務を経験することが役に立つ。同社で活躍している人材の多くが、現状維持にこだわらず自分のキャパシティを広げることに抵抗なく取り組める人材である。
「今後柱になっていくクラウドサービス、スマートフォン決済、ドメイン登録管理といったサービスを一括して提供している会社は、国内でも珍しい。ITスキルは陳腐化するのも早いので、生き残るにはオールラウンドに対応できる柔軟性は非常に重要だと思います」(中西氏)。
国内では、近々北海道、福岡にも支店を出す計画があり、各事業会社の支店も各拠点に配置する予定だ。エンジニアも各地に配属することが考えられているので、将来的にはIターン、Uターンも可能だ。また、海外から優秀なエンジニアを向けることも決まっており、今後は彼らが持つスキルやノウハウをエンジニアのテクニカルトレーニングに活かしていく予定だ。そのようなトピックに魅力を感じる人も多いはず。
東京オリンピックが開催される2020年までに国内IPOを、そしてその数年後にはイギリスでのIPOを果たすことが、現在の目標。そのためのシミュレーションは既に出来ており、あとは確実に駒を進めていくだけだ。しかし、それはスタートラインに過ぎない。マーケットに出てから通用するかどうかが勝負だと中西氏は語る。これから約10年、ビジネスラリアートグループでは怒涛のごとく時間は過ぎていく。その渦の中に飛び込むことは、幸せな体験となるに違いない。