完成されたものを、いかに打ち破るか。
人気ブランドだからこその難しい課題に
挑むことは大きな楽しみでもある。
デザイナー 坪内 雅人「メッセージ」
バルコスに入社する前は、東京のアパレルメーカーでレディスファッションのデザインをしていました。家族のことや、将来のことなどを考えて地元倉吉に戻ってからバルコスの存在を知り応募しました。それまで、バッグのデザインをしたことがなかったため、当初は戸惑うことばかりでした。たとえば、見た目ばかりを優先し、持ち手の強度が不足していたり。単純にデザインだけではなく、使い勝手や強度、素材、縫製など、デザインをする上で知っていなければいけない基本的なこと教えてもらい、つくりながらそれらを学ぶ日々を送りました。
現在は「ハナアフ」のデザインを担当しています。最も難しいと感じるのは、「ハナアフ」はデザインも個性もすでに完成されていること。その上で、次の新しさを求めなければいけないことです。「ハナアフ」は、折り紙のようにたたんで形を変えるという大きな特色を備えています。子供と折り紙を楽しんでいる時も、つい「ハナアフ」のことが頭に浮かび、遊びながら仕事をしているような変な感覚にとらわれてしまいます。完成度が高い分、自分の力でどう変えることができるか、挑戦する楽しさを感じながら日々格闘しています。
ファッションというものは、着る人、手にするその人が楽しいと感じることが最も大切だと思っています。ですから、常に楽しさの要素を意識し、デザインしていきたい。「ハナアフ」が特別なバッグではなく、たくさんの人がそれぞれの感覚で自由に楽しめるバッグになればいいと思います。