3Dプリンターの技術開発において第一人者である早野社長からのメッセージ
今でこそ、3Dプリンター(Additive Manufacturing=AM技術)は一般の方々にも知られるようになりましたが、世に広まるまでに、長い月日が必要でした。1987年、当時、私は総合商社に勤務。新たな事業展開の1つとしてAM技術の原点である“光造形法”が社内で取り上げられました。市場調査を行ってシーズやニーズ、収益性などを調べていったところ、非常に可能性の高い技術であることに気づいたのです。
しかし、AM技術を軸に据えた事業を本格化するには、いくつものハードルを乗り越える必要がありました。その1つが、CADの問題です。当時のCADは今ほど性能が高くなく、3Dの造形物をプリントするデータをつくることができなかったのです。私は長い目で見て、事業の芽を育てていきました。学会の設立や研究会を開催して、AM技術の開発に取り組むと共に普及にも努めていったのです。そして、東京都の支援施策を受け、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion=PBF 3Dプリンターの造形法の一つ)技術による造形装置の開発に着手。製品化に成功し、2006年にPBF装置を世に送り出しました。
粉末床溶融結合技術は、樹脂や金属の粉末を溶融・焼結させて造形物をつくる技術です。2006年にPBF装置SEMpliceを世に送り出し、2011年に次世代PBF装置RaFaElシリーズにモデルチェンジして現在に至ります。大量生産品よりも、細かな細工が必要な一品モノに向いており、最終製品に応用していくことができるため、高価な装飾品や繊細なチョコレート菓子に応用することだって可能です。
通常ならいくつもの工程を経てつくられる繊細な製品を、当社の製品のみで細部まで正確に形にすることができます。アスペクトのPBF装置は、ものづくりのあらゆる分野に革命を起こすほどの大きな可能性をもった商品なのです。
可能性の大きなこの市場において、アスペクトの社員は技術開発や製品開発を心から楽しんでいます。ものづくりの楽しさを味わい、PBF装置の提供を通じてお客様のものづくりに貢献する。そんなやりがいが、アスペクトにはあります。
仕事は楽しいもの。だから私たちアスペクトは「仕事を楽しみたい」と思っているみなさんと出会いたいと思っています。私たちと一緒に、世界の産業界に革命を起こすような技術や製品を作り出していきましょう。意欲に満ちた皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。【早野 誠治/代表取締役 社長】