当社の仕事は、主に「壊れて施錠できなくなった扉を施錠できるようにする」ことです。毎日使い続ける錠前やヒンジ（丁番）は、いつか必ず壊れます。玄関が施錠できなくなると外出することができなくなりますし、公衆トイレの扉が施錠できなくなると用が足せなくなります。

こういったメンテナンス市場は、「壊れた箇所を放っておく」ことができないという性質上、景気に左右されにくく、顧客さえ確保できていれば、安定した経営を営むことが可能です。

新入社員は入社後、先輩社員に同行し、ＯＪＴにて教育訓練を受け、多くの作業対象の中で得意な作業対象をまず１つ決めて貰います。その対象に対する作業を単独で行い、その遂行能力が当社の品質と照らし合わせ、合格と評価されたら、専用の社用車を１台貸与します。

１つの作業対象への遂行能力を追求することで、他の対象に対する遂行能力も上がりますので、できる仕事の幅も増えていき、対応できる仕事が増えれば売上も上がり、歩合給も増えます。

鍵の仕事は刺激的です。紛失や故障が原因で発生する比較的平和なご依頼もあれば、中にいる人と連絡が取れないといった安否確認で発生するご依頼や、家宅捜査で発生する警察や国税局からのご依頼、遺産相続のために行うお葬式の最中の金庫開錠依頼など、高い緊張感をともなう現場もたまに入ります。

最近ではテレビでも「開かずの金庫」を開けるといった番組で、鍵業者の技術が注目されていますが、実はそういったカギ開けのご依頼は、数としてはそれほど多くはないため、ビジネスモデルとしては確立しにくいと言わざるをえません。

その理由は、
１）３６５日２４時間体制などで待機すると「人件費などが高くなる」こと
２）依頼を獲得するために露出を図っている「広告宣伝費が高くなる」こと
３）ご依頼件数でこれら経費を割ると「お客様の支払いが高額になる」こと
などから、結果的に、お客様がご依頼を敬遠しがちになるためです。

当社では、需要が安定している「公共エリア」の設備メンテナンス業に軸足を置くことで、安定した経営基盤を作り、従業員の給与や休暇、福利厚生の充実を図っています。公共エリアはそれを管理する法人との業務提携契約が不可欠ですが、提供品質や経営品質を評価され、多くの法人顧客を獲得しています。結果、カギ業者としては異例に短い営業時間を実現しています。