私は大学卒業後、民間企業に就職。その後、結婚、出産などで離転職を繰り返し、31歳の時、新設される加古川はぐるま福祉会の指導員として採用されました。
福祉とは全く無縁の世界から、ある日、突然、採用されたという状況でした。
障害福祉について何の知識もなく、毎日が不安の連続でしたが、いつも思っていたことは、「障害があってもなくても大人になれば働くことが当たり前だ」ということです。しかし、実際の福祉現場は、障害を持つ方の幸せは施設内で安全に楽しく過ごすことが主流でした。
以来、素人ではありましたが、働くことを当たり前にしたいと思いから、働く環境を整えて目の前にいる人と真剣に向き合い共に働き始めました。
私にとって、加古川はぐるま福祉会の「基本理念」はすべての始まりでした。
企業経営者であるロタリアンの皆様の社会奉仕事業として開設された働く施設「加古川はぐるまの家」ですが、障害の持つ人を正しく理解していただくためには相当の時間が必要でした。
それでも人間は誰でも得意や興味・関心はあるはずです。できないことを訓練するという発想ではなく、「得意なことと仕事を合わせる」。「できないことは治具や工具で補う工夫」。「伸びる力を保証するために仕事量を確保する」という働く環境が必要です。
そのためには(1)障害に甘えず、安全に正確に100点満点の仕事をする、(2)効率よく、(3)納期を守る。この3点を死守する中で、企業からも正確な仕事をする施設として認められ、たくさんの仕事をいただけるようになり、今では就労継続支援事業B型としては最高額の45,000円以上の作業工賃をお支払いしています。
しかし「共に働き・共に生きる」ということを実現するためには、地域社会の方々に障害のある方のことを「知っていただく」「慣れて頂くこと」が大切です。施設完結型の支援ではなく、施設という模擬的な働く環境の中では力が発揮できなかった障害の重い方にもご本人の得意を活かす仕事を企業の中で見つけ、会社の方と共に働き能力開発に務めました。そして平成8年からは働き続けるためには生活の安定と、安心して暮らす場の必要性を痛感。これまでの作業訓練、就職支援、職場定着支援、離転職・再チャレンジ支援に加えて、緩やかに働くことや施設入所支援も含め、暮らし全般の支援へと事業拡大し、総合支援施設としてご本人の望む生き方・働き方を丁寧に支援させていただいています。
時代は大きく変わり、制度施策も充実しきました。利用者される方の障害種別やニーズも幅が広く自己理解できていない方も多く、複雑で多様化しています。また重度・高齢化が進む中一人一人の支援の内容も異なりますが、目の前にいるご本人と真剣に向き合い、その方に必要な支援が提供できる職員集団でありたいと願っています。
事業は人なりです。人を思いやる心と気づきを、大切にできる人材確保と人材育成が必要です。そのためにも風通しの良い職場環境と心身ともに健康であるためにワークライフバランスに努めたいと思います。
求職者の皆さんへ
職員は22歳から76歳まで幅広い年齢層で経験の有無も様々です。特別な資格は不要ですが、あればなおよしです。未知の世界への挑戦で不安があるかもしれませんが、家庭的でアットホームな職場です。
「人の人生にかかわる」誇りの持てる大切な仕事です。入職後は先輩職員が丁寧にサポートさせていただきます。「人が大好きな方・気付き、気配りができる方」是非一緒に働きましょう。お待ちしています。