純米大吟醸酒『獺祭』は、「味わうための酒」であるべきだ。私たちはそう考えています。
作り手である私たちは決して、「売れれば何でもいい」とは思っていません。お客様にも「酔えるから」ではなく「美味しいから」「獺祭を飲む時間は楽しいから」という理由で、手に取ってほしい。
誰が飲んでも、美味しいと思える酒を世に送り出したい。いたってシンプルですが、そんな信念を持って、私たちは品質にこだわり続けています。
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■営業活動は、しない。
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美味しい酒をつくっていれば、自然と商品の良さは広まっていく。獺祭を通して、気づいたことです。だから私たちは、営業活動はしません。「獺祭を扱いたい」「旭酒造と一緒に仕事がしたい」といったお声かけをいただき、つながったご縁を大切にしています。
実際に、大手ハンバーガーチェーンのモスバーガーと甘酒のコラボ商品をリリースしたり。全米最大の料理学校であるCIA (Culinary Institute of America)大学と提携し、ニューヨーク郊外に酒蔵を立ち上げたり。美食の街 パリでジョエル・ロブションと『Dassai Joel Robuchon』をオープンしたり。
このように、業界の中で見ても、新しい取り組みにどんどんチャレンジしています。
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■職人の価値を、高める。
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社員の待遇向上にも力を入れています。2021年には、ここから5年かけて基本給を2倍にする施策を打ち出しました。実際に2022年には製造部の大卒初任給を従来の21万円から30万円に引き上げました。
広告宣伝費をかけず、酒づくりに投資する。高品質な商品で高い利益を生み出し、社員に還元する。そんな好循環が実現できているのです。今後もさらなる給与アップを予定しています。
待遇がアップすれば、おのずと優秀な人材を採用できるようになるでしょう。けれど私たちの一番の目的は、職人の価値向上です。酒づくりは決してラクな仕事ではありません。だからこそ、日々懸命に働く職人の待遇を、業界の先頭に立って変えていきたい。そんな想いを込めて、大きな改革に踏み切っているのです。