「他己分析」。就活をする上でよく耳にする言葉です。しかし中には
「他己分析って何?自己分析との違いは?」
「他己分析ってする意味あるの?」
「どうやって他己分析すればいいか分からない」
「おすすめのやり方やツールを知りたい...!」と感じる就活生も多いのではないでしょうか。
私も就活生そうでした。周りの就活生からよく「他己分析」という言葉は聞いてはいたものの自己分析とどう違うのか、そもそもする必要があるのか疑問に感じていました。しかし、自己分析をすればするほど頭が混乱し何が本当の自分か分からない。そこで、客観的な視点で自分を見つめ直すために友人や家族に他己分析を依頼しました。
はじめは自分の評価を聞くのって恥ずかしいし何だか怖いなと思っていましたが、実際してみると、自分が思う自分の強みと他人が思う強みが異なっていたり集団の中での自分の役割を知ったりと、自己分析だけでは気づけなかった意外な自分の一面を知ることができました。
本記事では、他己分析の目的やメリット、自己分析との違いなど他己分析の基本的を解説するとともに、効果的に他己分析をするためのポイントを紹介していきます。また、おすすめの他己分析ツールも紹介するのでこれから他己分析をするという人も、他己分析がうまくできないという人もこの記事を参考に実践してみてください。
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- そもそも他己分析とは?
- 自己分析と他己分析の違い
- 他己分析をする4つのメリット
- 他己分析のやり方・手順
- 効果的に他己分析をするためのポイント
- 他己分析では、どんな質問をすればいいの?
- 他己分析を依頼すべき相手と相手別の質問例
- 他己分析のおすすめなツール
- 他己分析と自己分析をわかりやすく照らし合わせてみよう
- 他己分析をすることで「変化球」の質問にも答えやすくなる
- 他己分析でよくある質問
- まとめ
そもそも他己分析とは?
他己分析とは、他人に自分の長所や短所などを聞き、得られた回答をもとに、より深く自分について分析すること。家族、友人、恋人、部活動の先輩、アルバイト先の上司など、複数の人に自分に関する質問に答えてもらうことで、より多角的な自己分析が行なえます。
自己分析と他己分析の違い
ひとりで行なう自己分析は、自分の過去の経験を振り返り、価値観や強み・弱み、将来のビジョンなどを明確にする方法です。
しかし、他人から見たあなたは、自分の思う姿とはギャップがある場合も。「自分の目線だけでは認識しきれない自分」を知るために行なうのが、他己分析なのです。
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他己分析をする4つのメリット
他己分析をするメリットは下記4つです。
- 自分では気づかなかったことを新たに発見できる
- 自分と他者の評価のギャップを修正できる
- 自己PRの説得力を高められる
- 面接やES対策にもなる
ここからは、なぜ自己分析だけでなく他己分析もすべきなのか、4つのメリットを紹介します。
自分では気づかなかったことを新たに発見できる
「自分に長所なんてあるのかな」と思っても、周囲の人に聞いてみることで、自分だけでは気付けなかった長所が見つかることも。
たとえば寝る前にかならず読書をする、日記を書くなどは「継続力」という強みになります。自分では当たり前に思っていたことも、人からすれば当たり前ではないことは案外あるもの。複数人から同じことを言われた場合は、自信を持って強みと言ってよいでしょう。
短所の場合は、自分では大きな欠点だと思っていたことが、周囲から見るとそれほど重要視されていないというケースもありえます。反対に、複数人に聞いてみて、自分が短所と思うことが挙げられなかった場合は、ほかに短所がある可能性も。他己分析を行なえば、自分だけではわからない新たな発見があるはずです。
自分と他者の評価のギャップを修正できる
自己分析は自分だけで行なうため、主観が入り、自分で思う長所や短所が「思い込み」である可能性もゼロではありません。自分と他者の考えにギャップが生じていることもあるため、そのズレを修正するのに他己分析は効果的です。
たとえば自分では「人見知りで内気」と思っていても、他者からすれば「聞き上手でコミュニケーション能力がある」と思われているかもしれません。他己分析を行ない、自分の認識と周囲の認識のギャップに気づくことで、より自分への理解を深められるのです。
自己PRの説得力を高められる
就活で必ず聞かれる「自己PR」ですが「本当にこれを自分の強みとしてアピールしても大丈夫なのかな」と不安に思うこともあるでしょう。しかし「客観的な他者からの評価」があれば、それが自分の強みとしてより自信を持てるようになります。
また自己PRで大事なのは、自分の考えに説得力をもたせる「具体的なエピソード」。
アピールとなる自分の強みを挙げるだけでなく、それがなぜ強みと言えるのか、相手が納得できるような根拠を示すことが重要です。どんな場面で自分の強みを発揮できたかを伝えられれば、ぐっと説得力のある自己PRに近づくでしょう。
面接やES対策にもなる
他己分析で得られるのは、自分の長所や短所など性格への理解だけではありません。人から見た自分の仕草や表情といった「印象」、つまり自分では意識できない部分にも気づけます。就活の面接においては、どんなことを話すかも重要ですが、それと同じように身だしなみや立ち方、座り方、おじぎの仕方といった視覚的要素もしっかりとチェックされています。
他己分析によって面接官からの見え方も知れるため、身だしなみや仕草、ついつい出てしまう癖など改善すべき点が見つかれば、面接前に対策しておきましょう。落ち着きなく手を動かしすぎてしまう、貧乏ゆすりをしてしまう、髪をさわってしまうなどは要注意です。
また、他己分析はESや履歴書などを自信を持って書く手助けとなります。周囲の複数の人から認められたあなたの特徴は、あなたの本質と言えます。ESの自己PRでは具体的なエピソードをつうじて自分の考え、行動、ものごとへの姿勢を長所としてアピールすることが大切。自己分析・他己分析の両方を行ない、自分の思う強みが他己分析でも挙げられれば、より自信を持って強みを表現できるでしょう。
他己分析のやり方・手順
他己分析の手順は下記5つのステップです。
STEP1. まずは自己分析をする。
STEP2. 質問の内容をまとめた「質問シート」を作成し、回答を依頼する。
STEP3. もらった回答を整理する
STEP4. 知らなかった強みや特徴に関するエピソードを深ぼる
STEP5. 自己PRや長所・短所として実際に書いてみる
「他己分析のやり方は分からない」「他己分析をやった後どうすればいいのかわからない」という方は、ぜひこの手順にそって他己分析を進めてみてください。
STEP1. まずは自己分析をする。
効果的に他己分析をするためにはまず自己分析をしましょう。自分から見た強みは何なのか、どんな長所や短所があるか。まずは自分自身を分析して理解を深めておきましょう。そうすることでブレない自分の特徴に気づけたり、自分から見た自分と他人から見た自分の違いにも気づけます。
逆に自己分析をしないで進めると、他人の意見に流されてしまう可能性も。私は就活生時代、自己分析をする前に他己分析をしたことで相手から言われた強みや特徴に縛られ、その後いくら自己分析をしても言われたことしか浮かばなかったという経験があります。
そのため、皆さんは他己分析をする前に必ず自己分析を行い、周りの意見に流されないようにしましょう。
STEP2. 質問の内容をまとめた「質問シート」を作成し、回答を依頼する。
せっかく他己分析をするのであれば、行き当たりばったりで質問をするのではなく、事前にしっかりと質問内容を固めておくべきです。
質問内容のテンプレートをあらかじめ作っておけば、複数から得られた回答を比較できます。どんな質問をすべきか細かな内容については、後の項目で詳しく紹介するので、参考にしてください。
STEP3. もらった回答を整理する
他己分析を依頼し回答を得られたらそれらをまとめて整理しましょう。ジャンル別に回答を分けて後から見返せるように整理しておくことがおすすめ。
回答はすべて同じとは限りません。例えば、「決断力がある」と「慎重に行動する」という逆の強みが見つかる可能性もあります。その場合は、自己分析での強みと比較しより自分の強みだと言えるものに絞っていくと良いでしょう。また、なぜその違いが生まれるのかを深ぼってみると新しい自分の一面にも気づけるかもしれません。
STEP4. 知らなかった強みや特徴に関するエピソードを深ぼる
他己分析では、自分では見つけられなかった強みや性格などが見つかる場合があります。
自分ではあまり意識したことがなかったけれど、実は自分の一番の強みだったと気づくことも。実際、私も就活生時代、自己分析では傾聴力や協調性が強みだと思っていたが他己分析では行動力が評価されて新たな強みに気づいたことがあります。
もし自己分析と一致しない強みや特徴を回答された場合は、なぜそう思ったのかそのエピソードを具体的に深堀って聞いてみてください。その話を聞いたうえでどちらが本当の強みといえるか考えると良いでしょう。
STEP5. 自己PRや長所・短所として実際に書いてみる
回答を整理し、自分の強みとそのエピソードが明らかになったら、自己PRや長所・短所として実際に書き落としてみましょう。
他己分析でよくある失敗は、他の人からの意見を聞くことが目的となり回答を得られたら満足してしまうこと。私も就活生時代、他己分析で他人からの意外な印象や新たな自分の一面を知って面白いなと感じたものの、聞くだけで満足してしまいその後に活かせなかった経験があります。皆さんには同じ失敗をしてほしくはありません。
他己分析で得られた回答をもとにエピソードを深堀り、自己PRや長所・短所の話に落とし込んでみましょう。もし自己分析では気づかなかった強みが明らかになった場合は、他者から聞いたエピソードがそのまま自己PRなどの選考で使えるか確認してみてください。選考で聞かれる質問には根拠が必要です。もしそのままでは説得力に欠けるなと感じたら、それは自分の強みではないかもしれません。改めて自分が自信をもって伝えれる強みは何か考えてみましょう。
効果的に他己分析をするためのポイント
実際に他己分析を行なう際、注意すべきポイントは下記3つです。
- できるだけ様々な関係性の人にお願いしてみる
- なるべく率直な意見をもらう
- 聞いた後は、自己分析と照らし合わせてみる
せっかくの機会を最大限活かすためにも、ぜひこの項目を参考にしてください。
1.できるだけ様々な関係性の人にお願いしてみる
他己分析はひとりではなく、複数人から意見を聞くことで、より多角的な分析ができる点がメリット。そのため大きく分けて「面識が深い人」「面識が浅い人」の2つのタイプの人に聞いてみましょう。
たとえば友人・恋人・家族など面識が深い人からは長所や短所などを、エピソードを混じえて聞き出しやすく、率直な意見をもらえる可能性が高いです。
反対に、面識が浅い人や知り合ったばかりの人からは第一印象を聞き出しやすいでしょう。採用面接などで会う面接官は、ほとんどの場合は初対面のため、会ったときにどんな印象を受けたかを聞いてみるのは、非常に有効と言えます。
相手それぞれにメリットがあるため、お願いできる相手にはどんどん聞いてみましょう。
【他己分析をお願いする相手別のメリット】
- 家族:子供のころからのエピソードも知っている。短所なども比較的率直に教えてもらいやすい
- 親しい友人や恋人:長い時間を一緒に過ごしているため長所や短所をよく見ている
- アルバイト先の同僚や先輩:あなたが働く姿を見ているため、仕事をする上での姿勢や集団のなかでの役割を見ている
- OB・OG訪問で知り合った人:第一印象や、向いている仕事内容は何かなどを聞きやすい
- 初対面or交流が浅い人:聞く相手が親しすぎるとそれが仇となり、客観性を失うこともあるため、あえて交流が浅い人にお願いするのも手。1日限定のセミナーや説明会などで知り合った人など、その日限りの交流であれば今後の関係に響かないからこその率直な意見をくれる点もメリット
2. なるべく率直な意見をもらう
他己分析を依頼する際は、就活に使うためであると目的をきちんと伝えてから依頼するようにしましょう。もし目的を伝えず自分への評価を聞いても真面目に答えてもらえない可能性があります。
また、他己分析を有意義なものにするには出来るだけ正直に答えてもらうことがおすすめです。短所などは本人に直接言いずらいと感じ答えてもらえないことも。目的をきちんと伝えてなるべく率直な意見を答えてもらうようにしましょう。
3.聞いたあとは、自己分析と照らし合わせてみる
いろいろな人から意見をもらったあとは、その意見だけを鵜呑みにするのではなく、必ず自己分析とも照らし合わせてみましょう。自己分析と他己分析にギャップがなければ、エピソードなどを加えて志望動機や自己PRを考えていきます。
もし自己分析と他己分析に大きなギャップがあった場合も、落ち込む必要はありません。たとえば「優柔不断」という短所が見つかった場合は「慎重」という長所にも転換できるため、強みに変えるチャンスとして活用できます。
もちろん、改善すべきと思う短所があれば、日頃から意識して変えていくことも必要。自分では思いもしなかった短所など、予想外の指摘をされた場合も、それは面接官が抱く印象に近いもの。そこを改善すれば印象アップにつながるため、落胆するのではなく前向きかつ真摯に受け止めましょう。
他己分析では、どんな質問をすればいいの?
他己分析で重要なのは、相手から答えをいかに詳しく引き出すか。たとえば「私ってどんな人かな?」と漠然とした質問では、就活に活かせる有益な回答は得られないでしょう。そのため、ポイントを絞って具体的な質問をする必要があります。このあとは、具体的な質問項目や、どこまで深掘りをすべきかまで解説します。
これを使えば簡単!他己分析で聞くべき質問例
【他己分析ですべき具体的な質問項目】
- 私は、どのような性格をしているか
→面接では、自分の性格を把握できているかを見られています。そのため「自分で自分の性格をどう思うか」に続けて「周囲からはどう見られるか」と聞かれることが多いです。
本人だけでなく、周囲からの意見を聞くことで信ぴょう性が増すから。その際、よく見せようと取り繕えば、面接官には見抜かれてしまいます。自分が話した性格と周囲からの印象、そして面接官からの印象がかけ離れていないことが大切です。
- 尊敬できる点はあるか
→漠然と長所を聞くより、具体例を教えてもらいやすいです。志望企業が挙げる「求める人材」に近い点があればアピールしましょう。
- 私はどんな仕事に向いているか
→社会人で、ある程度あなたのことを知っている人に聞いてみましょう。思ってもいなかった業界・業種が挙がり、自分でも合っていると思えば志望企業の幅が広がります。
- 短所だと思うところはどこか
→相手に本音を言ってもらうため「自分のことを深く知った上で就活に活かしたい」といった意図をしっかりと伝えましょう。短所を指摘されてもショックを受けるのではなく、長所として活かせないか、その特性が短所にならないためにはどんな工夫が必要かを考えましょう。
- 印象に残っているエピソードは何か
→具体的なエピソードについて聞くことは「相手がなぜ自分をそのような人だと思ったのか」の根拠を探ることにつながります。また、エピソードの中にはまだ自分も相手も気づいていない長所が眠っている可能性もあるかもしれません。
さらに、1つのエピソードについて、自分と相手の捉え方が違っていることに気がつくことも。それらのエピソードについて深掘りしていけば、より深い自己理解につながります。
【そのほか質問例】
- 第一印象は?そのあと印象は変わったか
- 集団の中でどんなポジションだと思うか
- 他人に私を紹介するなら、どう紹介する?
- これをしているときは楽しそうor苦手そう
- 成長したと思うエピソードは?
- 企業にとって私を採用する利点は?
ESや面接では、自分が志望企業に採用されるに値すると思わせるアピールが重要。それには自分の魅力について説得力を持って伝える必要があります。
特に面接では、ひとつの質問に対して「なぜそう思うのか」「具体的なエピソードは」といった、さまざまな角度からつっこんだ質問をされます。そのため、他己分析をする際もできるだけ具体例を聞くようにしましょう。そうすることで説得力のあるアピールを作成できます。
質問はどこまで深掘るべき?
他己分析を行なった後は「表には出ていない自身の価値観や思考回路」「価値観や思考回路が構築された背景」について深掘りしましょう。
他己分析は、あなたが外からどんなイメージを持たれているか確認する作業です。これにより自分では気づかなかった一面を知るなど自己分析のヒントになりますが、何より大切な「自分だけにしかわからない価値観や思考回路」を知ることはできません。
前述の通り、面接では「なぜその長所を身につけることができたのか」など掘り下げる質問をされます。ここでしっかりと自分の考えを答えられないと、せっかくの自己アピールも説得力が半減してしまいます。
他己分析の結果をもとに、自分の価値観や思考回路が構築された背景をしっかり考え、言語化できるようにしましょう。
他己分析を依頼すべき相手と相手別の質問例
ここからは、他己分析を依頼する相手として6パターンを紹介します。相手別にすべき質問内容も挙げているため、ぜひ参考にしてください。
- 自分を子供のころから知っている家族
- 親しい友人や恋人
- ゼミやアルバイト先の人
- OB・OG訪問で会った人
- 社会人
- 交流が浅い人
自分を子どもの頃から知っている家族
あなたのことを一番長く見ている家族は、率直で奇譚のない意見をくれるでしょう。自分では気づかない性格や性質など、本質的な部分について話を聞ける点もメリット。身近であなたのことを見てきたからこそあなたの様々な面を知っているはずです。
【質問例】
- 「成長したと思うエピソードは」
- 「集団の中でどんなポジションだと思うか」
親しい友人や恋人
学校やサークル、部活動などで長時間一緒に過ごす友人は、あなたのさまざまな面を見ているはず。質問内容は家族と同じ内容に加え「長所」や「短所」などを聞いてみましょう。親しい友人のため、ふざけた回答にならないよう「今後の人生に関わる就活だから真剣に回答してほしい」旨を伝えること。
恋人には、友人と違う視点から見てくれる相手として他己分析をお願いしましょう。恋人には本来の自分より少し背伸びをして、いいところを見せようとする姿も、相手に配慮した態度と言えます。「素の自分は違うんだけどな」と思う回答があっても、そこも含めて自分の一部として受け止めてください。
【質問例】
- 「長所」
- 「短所」
- 「第一印象は?そのあとどう変わったか」
- 「他人に私を紹介するなら、なんと紹介する?」
ゼミやアルバイト先の人
ゼミやアルバイト先の人たちは、ひとつのことに協力して取り組む仲間であり、集団の中で動くあなたを見ています。ゴールや目標に向けてどう進めていくか・どう乗り越えるかなど、話し合うことも多いでしょう。そういった場面では、あなたの「らしさ」が出ます。
【質問例】
- 「集団の中でどんな役割か」
- 「これをしているときは楽しそう・苦手そう」
- 「成長したと思うエピソードは」
OBやOG訪問で会った人
OB・OG訪問で会った人は、その業界で働く人の目線で他己分析をしてくれます。また、過去数年のうちに就職活動を経験して、その企業に入社しているため、面接官に近い視点で意見をくれるでしょう。
【質問例】
- 「入社前と入社後でギャップを感じたことはあるか」
- 「自分が活躍できそうな仕事内容はありそうか」
社会人
もし長期インターンシップに参加した場合は、その際かかわりのあった社会人に他己分析をお願いしてみましょう。あなたが実際に働いている姿を見ているため、リアリティのある意見をもらえるはずです。
【質問例】
- 「その業界や企業などを志望するに当たって必要な視点」
- 「足りないものや持っている点」
- 「その企業や業界にマッチするかどうか」
交流が浅い人
他己分析は家族や友人など親しい人に頼むべきだと思っている人も多いかもしれません。しかし、出会ったばかりの「交流が浅い人」にも他己分析をしてもらうメリットがあるのです。
就活において、初対面の人に自分がどう評価されるか、どんな印象を与えるかを知ることは非常に重要です。採用面接の面接官はその日初めて会う人のため、短時間で自分がどんな人かをわかりやすく伝えられるようになることが自己分析のゴール。
そのため、出会って日の浅い人に自分の印象を聞いてみることは自分を客観的に見る大きなヒントになります。交流が浅い人やその日限りの付き合いの人は、その後の関係に響くリスクがないため、より率直な意見をもらえる可能性も。
後腐れのない関係の人からストレートな意見をもらえるチャンスとして、1日のセミナーや選考会などで知り合った人には積極的に意見を聞き、自分自身をより磨いていきましょう。
【質問例】
- 「第一印象は?」
- 「どういう性格をしていそう?」
他己分析のおすすめなツール
ここでは他己分析でおすすめのツールを下記2つ紹介します。
- 「お願い!他己分析」
- 「リクナビ他己分析」
「お願い!他己分析」
「お願い!他己分析」は、マイナビが運営している他己分析ツールです。LINEで簡単に友達や家族へ他己分析を依頼することができることが大きな特徴。
質問も事前に用意されているので、自分で質問を考える必要がありません。また、回答は9項目に分けてグラフ化されるので、自分の評価が可視化できるのも嬉しいポイント。
私も就活生時代はこのツールを活用していました。LINEで依頼できるので気軽に使いやすいですし、相手の回答ハードルも低いので答えてくれやすいです。はじめて他己分析をするという就活生におすすめです。
「リクナビ他己分析」
リクナビが運営する他己分析ツール「リクナビ他己分析」。こちらもLINEで気軽に他己分析を依頼できるツールです。「リクナビ他己分析」の最大の特徴は、「タイプ別診断機能」と「フリーメッセージ機能」の2つで構成されていること。
「タイプ別診断機能」とは、簡単な質問に答えると目標の置き方や課題の進め方とコミュニケーションの取り方の2軸で「創造重視」「秩序重視」「調和重視」「結果重視」の4タイプに分けられ、それぞれのタイプをイメージしたキャラクターと一緒に、自分がどのタイプなのか一目で分かるものになります。
「フリーメッセージ機能」は5つの質問に匿名で答えてもらうものです。
自分のタイプを客観的に知りたい、他者から具体的なコメントが欲しいという就活生におすすめです。
他己分析と自己分析をわかりやすく照らし合わせてみよう
他己分析と自己分析を比較するには、ジョハリの窓がオススメ。ジョハリの窓は「自分が思う自分」「周りが持っている自分への印象」を比べることで、本当の自分を見つける方法です。具体的には以下のステップで行ないます。
- 複数人を集めて用紙を用意する
- 19項目から自分に当てはまる項目を書き出す(内容は、他者に見られないようにする)
- 次に他者に当てはまる項目を書き出す
- 以下4つの窓に分類する
自分と他者の両方が選択した項目→開放の窓
自分のみが選択した項目→秘密の窓
他者のみが選択した項目→盲点の窓
自分も他者も選択しなかった項目→未知の窓
開放の窓にあるものは自分と他人の認識が同じ、つまり自分の能力や性格を他者にしっかりと自己開示できていることになります。反対に、秘密の窓が多い場合は、自分の理想の姿をまだ表現できていなかったり、個性を表現できていなかったりする場合も。日頃から行動に起こしてみる・考えを話すなど、積極的に自己表現をしていきましょう。
盲点の窓が多ければ、自分の能力や性格を理解できていない場合がありますが、それを理解し、受け止めるきっかけになります。未知の窓は、現時点で自分にないもので、今後伸ばしていける、取り入れられる能力として前向きに受け止めましょう。
まずは結果を自分だけでチェックし、その後参加者とディスカッションを行なうと効果的です。ひとりだけで考察すると考えが偏ってしまうため、メンバー同士で話し合い、客観的な視点をふまえながら自己理解を深めることが大切。ほかの人の意見を参考にしながら「なぜ他者からこう思われるのか」「自分のどんな行動が原因なのか」について深掘りしてみましょう。
【19項目】
- 頭がいい
- 発想力がある
- 段取り力がある
- 向上心がある
- 行動力がある
- 表現が豊か
- 話し上手
- 聞き上手
- 親切
- リーダー資質がある
- 空気が読める
- 情報通
- 根性がある
- 責任感がある
- プライドが高い
- 自信家
- 頑固
- 真面目
- 慎重
※この項目に必ずしも沿う必要はなく、オリジナルで作成してもOKです。
たとえば、自己分析で自分が思う性格と、他己分析で人から言われた性格をこの項目に入れ込んで、より詳しく分析してみてもよいでしょう。
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他己分析をすることで「変化球」の質問にも答えやすくなる
面接では「あなたの長所・短所は」「将来なりたい姿は」など、ある程度事前に想定できる質問以外にも、変化球の質問が飛んでくることがあります。たとえば「あなたを漢字一文字でたとえると」「動物にたとえると」など。
こういった「答え慣れていない予想外の質問」をされたときに、自己分析しか行なっていないと、慌ててしまうリスクがあります。他者から自分について多くの意見をもらっておき、それを整理することで、こういった質問にもひるまず対応できるのです。
面接では、どれだけ準備しようと当日その場に行くまで何を聞かれるかわからないからこそ、自分について多角的な理解を深めることが重要なのです。
他己分析でよくある質問
ここでは他己分析をするときによくある質問に回答していきます。
他己分析を始めるタイミングはいつ?
他己分析は自己分析と同じタイミングでするとよいでしょう。
就活は早い人だと1・2年生から始める人もいますが、3年生の春ごろから一気に動き出す人が増えます。自己分析も他己分析も早いうちから始めるに越したことはありません。周りも同じころに他己分析をお願いすると思うので、依頼しやすいはず。就活スケジュールを立てて計画的に進めましょう。
他己分析は何人に頼むべき?
他己分析は7~10人くらいを目安にお願いしましょう。お願いする人数が多ければ多いほど、分析結果の精度は高まります。また、依頼する人はなるべく異なる関係性の人を選ぶようにしましょう。
とはいえ、そんなに頼む人がいないという人もいるかもしれません。それでも大丈夫です。少人数の意見でも自分とは異なる視点で自己評価できますし、やらなければ就活が失敗するというわけでもありません。まずは家族や親友など依頼しやすい人に頼んでみましょう。
まとめ
就活のためとはいえ、自分の長所や短所を人に聞くなんて恥ずかしい、勇気がいる、と思う人も多いでしょう。
私も就活生、他己分析を依頼したいけど自分の評価を聞くのは怖いと思って躊躇していました。しかし、いざ依頼してみると自分だけでは絶対に気づかなかった強みや自分の短所を知ることができ、その後の選考でも沢山活用できたのでやっておいて本当に良かったと今振り返って思います。
他己分析は、決してESや面接対策のためだけに行なうのではありません。 他己分析は、長い目で見たときに、自分のことをより深く多角的に理解し、それを適切に企業にアピールし、自分の特性を活かせる仕事につくために行なうもの。すなわち内定を得るためではなく、将来自分に合った仕事につき、イキイキと働くために行なうのです。
そう考えれば、多くの人から率直な意見をもらえる機会は非常に貴重で重要な機会と言えます。この機会を逃すのはもったいないし、のちのちの自分の人生を考えると、やらない手はありません。ぜひできるだけ早い段階で他己分析を行ない、後悔のない就活に役立ててください。
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