「自己分析は大事だと聞くけれど、やり方がわからない…」「そもそも、本当に必要なの?」そんなふうに考えている就活生の方も多いのではないでしょうか。
就活を通じて必ず企業から質問される志望動機や自己PR、自分の長所・短所なども、あなた自身が自分について深く理解していなければ明確には書けません。だからこそ、自己分析を通じて自分と向き合うことが必要なのです。
そこでこの記事では、自己分析の重要性について改めて説明するとともに、自己分析に効果的な「自己分析シート」の具体的な書き方や注意すべき点などについても詳しく解説していきます。
ぜひこの記事を参考にしていただき、自己分析を実践してみてください。
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自己分析なしに就活は始められない
あなたが今、入社を志望する企業があったとして、どのような根拠で入社したいという考えに至ったのか、明確に答えることはできますか?
「ただなんとなく…」では、採用にたどり着くことはできません。志望動機をはじめ、ガクチカや自己PRといった企業からの質問は、全てが「あなたはどんな人なのか?」を知るためのもの。その問いに明確に答えるためには、まずあなたが自分についてよく知る必要があります。人間の行動原理には何かしら一連の流れがあるはずで、それを自分自身でしっかりと把握することが大事なのです。
また、自分というものを客観的に理解することで、本当に向いている仕事や活躍できそうな場所が明確になることもあるでしょう。そうなれば就活の指針も定まるので、エントリーシート(ES)も書きやすくなりますよ。
最短ルートでより良い採用を勝ち取るためにも、まずは就活を始める前に必ず自己分析をしましょう。
自己分析には、自己分析シートの作成が効果的
自己分析する方法はいくつかありますが、一般的なのは「自己分析シート」を作成すること。自己分析シートとは、これまでに自分が経験してきたことや特徴的なエピソードなどを紙に書き出すことで、自分自身を把握するためのツールです。
客観的な視点から自分を振り返りつつ、一つひとつのエピソードを深掘りしていくことで、「自分はどんな強みや弱みを持っているのか」「どんなことに喜びややりがいを感じるのか」「その結果としてどんな仕事が自分に向いているか」などを分析できます。
頭の中で考えるよりも紙に書いて考えを整理することにより、より明確な自己分析が可能になります。そのため、多くの就活生が自己分析シートを取り入れています。
自己分析シートの具体的な書き方
自己分析シートに正しい書き方や明確な正解というものは特にありません。しかし、一例として以下のステップで進めるとやりやすいでしょう。
▼Step1
過去の経験を一通り洗い出す
▼Step2
洗い出した過去の経験について掘り下げる
▼Step3
過去の経験から自分の長所・短所を見つける
▼Step4
過去の経験と将来とを結びつける
ここでは自己分析シート書き方について、上記4つのステップに沿ってそれぞれ詳しく解説していきます。
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失敗しない自己分析|内定をゴールにするのは危険。目的の本質とは? - エンゲージ 会社の評判
Step1.過去の経験を一通り洗い出す
自己分析するにあたって、まずはこれまで自分が経験してきたことを一通り思い出す必要があります。
小学校時代・中学校時代・高校時代・大学時代と時系列で振り返りながら、その時々で頑張ったことや嬉しかったこと、苦労したことなどを箇条書きで洗い出しましょう。
内容は、部活、勉強、趣味、何でもOK。「挫折を味わった」などのネガティブな体験でも、そこから状況を好転させるために取り組んだことがあれば、かえって「強み」になるので、自分史を作成するつもりでできるだけいろいろな出来事を思い起こしてみてください。
Step2.洗い出した過去の経験について掘り下げる
過去の経験を一通り洗い出したら、それぞれの経験について掘り下げていきます。
例えば、「中学3年間で部活を頑張った」のなら、どうしてその部活を選んだのか、週にどのくらい練習したのか、その経験から何を学んだのかまで深く掘り下げてみましょう。挫折した経験や苦労したことなども同様に、何がいけなかったのか、その時どんな気持ちだったのか、どのような行動で克服したのかなど、頑張って思い出してみてください。
そうすることにより、自分がどんなことに心を動かされるのか、という行動原理を把握できます。また、何に対して喜びを感じるのか、その経験は今にどう活かされているか、といったことなども同時に分析できますよ。
Step3.過去の経験から自分の長所・短所を見つける
過去の経験についてそれぞれ掘り下げたら、そこから見えてくる自分自身の長所・短所を探していきましょう。
先の例を踏まえて、長期間にわたって部活動を頑張っていたのなら、「粘り強く努力できる」ということが長所になります。また「プログラミングを独学で勉強した」のなら、「学習意欲が高い」といった長所が挙げられるでしょう。反対に、友人や家族に言われるままにやることを決めてきたのなら「流されやすいタイプ」などと分析できるかもしれません。
日常生活では、自分の長所・短所を意識する機会もそれほどないでしょう。しかし、改めて自己分析を行なうことにより、一歩引いたところから自分を客観視できます。その結果、自分では気づいていなかった自分自身の側面が見えてくると同時に、自分が大事にしている価値観や本質的な思考傾向なども掴めますよ。
Step4.過去の経験と将来とを結びつける
最後に、これまでの工程で見えてきた自分自身を踏まえた上で、改めて将来について考えてみましょう。
具体的な流れとしては、「このような経験がある」→「そこからこんなことを学んだ」→「自分にはこんな強みがある!」→「それを活かせる仕事ってなんだろう?」というイメージです。
また、やりたい仕事が既にある場合は、遡って理論付けすることも可能です。「こんな仕事がしたい」→「そのために活かせる強みがあるか」 →「あるとしたら、どんな経験から得たのか」といった具合に。これができれば、明確な根拠を提示できるので、志望動機や自己PRなどもより具体的に書きやすくなりますよ。
自己分析を行なう際の注意点
自己分析を行なうにあたり、やってはいけないこともあります。ここでは、自己分析の際に陥りがちなミスについて解説していきます。
自己分析シートを書いて満足してしまう
自己分析で多くの人が陥りがちなのが、自己分析シートを書いて満足してしまうことです。
自己分析は就活のスタートラインであり、それが終わってからようやく就活が始まるといっても過言ではありません。自己分析の結果を考慮しながら就活するからこそ、採用に近づくことができるのです。
しかしながら、自己分析シートを書き上げたことで満足し、その結果を就活に反映しなければ何の意味もありません。しっかりと自己分析の結果を踏まえた上で、業界研究や企業研究にステップを進める、志望動機や自己PRを作成するなど、次のアクションにつなげていきましょう。
志望企業が求める人材を意識し過ぎてしまう
志望する企業を意識するあまり、純粋な自己分析ができないケースもよくあります。
自然な流れで志望企業が求める人材像と自己分析の結果がマッチすれば、それに越したことはありません。しかしながら、求める人材像を意識しすぎるあまり、あえて自らを寄せて考えるのは本末転倒。もしもそれで採用に至ったとしても、結果的にミスマッチとなってしまう可能性が高まるだけです。
自己分析の目的は、あくまで本当の自分を理解することにあります。だからこそ、フラットな気持ちで取り組むことが大事。志望企業は一旦置いておいて、素直な気持ちで自分自身と向き合いましょう。
自分の長所/短所ばかりを探してしまう
就活する上でアピールできる長所や強みがあるのは大きなメリットです。しかしながら、自分を良く見せたいあまり、何でも自分の長所に紐づけて考えるのはおすすめしません。
例えば、「一つのアルバイトを大学4年間ずっと続けた」として、「粘り強く継続する力がある」と自己分析することは決して間違いではありません。ですが、より深く掘り下げた時、周囲の仲間に助けられていた、自分にとって都合の良い環境だったなど、外的な要素はありませんか?
自分の長所を見つける作業はもちろん大事ですが、短絡的に考えることで「自己評価が過剰に高い人」になってしまう可能性も。そうならないためにも、より多角的な視点から分析することをおすすめします。
同様に、自己評価が低く自分の短所ばかり探してしまうのも良くない傾向です。「これといって何も成し遂げていないし…」などと考えるのはNG。大事なのは結果ではなくプロセスであり、その時に大事にしていたことや自分なりの価値観などを見出すことこそが、自己分析の本質と捉えましょう。
自己分析の結果に囚われ過ぎてしまう
これまでお伝えしてきたことと矛盾しているように感じるかもしれませんが、自己分析の結果に囚われ過ぎてしまうのはNGです。
自己分析の結果を踏まえて、自分の進むべき方向性を考えることは非常に大事な作業です。とはいえ、「自分はこんな人間なのだから、この業界・この会社しかない!」と過剰に思い込んでしまうのは、自分の可能性を自ら狭めてしまいかねません。自己分析の結果はあくまで目安と捉えておくと良いでしょう。
人間にはさまざまな側面があり、長所・短所も一つではないはず。それならば、志望企業の業界や職種などに応じて、柔軟にアピールポイントを変えれば良いのです。全く異なる業界でも、自分の特性が活かせるポジションは必ずあるもの。内定率を高めるためにも、あえて間口を自ら狭くする必要はありませんよ。
自己分析シート以外にもある|さまざまな自己分析の方法
自己分析の方法として、上記で自己分析シートの書き方について説明してきましたが、他にもさまざまな方法があるのでご紹介します。
登録不要や無料で利用できるものも多いので、自分に向いているものを探してぜひ活用してみてください。
モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、学生時代を振り返って印象に残っている出来事について、波形グラフを使って時系列でその時々の心境などを振り返るもの。具体的な書き方は以下の通りです。
▼Step1
横軸には「時間」、縦軸には「これまでで印象に残っている出来事」を置く。
▼Step2
時系列に沿ってその時々で「心の充実度」を振り返り、プラス寄りならグラフ上部に、マイナス寄りならグラフ下部にマークをつけて、それらを線で繋いで波形を書いていく。
▼Step3
波形グラフができたら、それぞれの出来事ごとに「どうしてそのように感じたのか」「そこから何を学んだのか」などについてグラフに書き込んでいく。
自己分析シートと同様に、取り上げるテーマや出来事は何でも構いません。また、印象に残っている出来事が高校時代からであれば、それ以前は省いてもOKです。
- グラフにすることで自分の感情の動きを可視化できる
- 断片的ではなく、一連の流れで自分の過去を振り返れる。
マインドマップ
マインドマップとは、一つの主なテーマを中心に、そこから連想されるワードやアイデアなどを線でつなげながら、イメージを拡大させる図です。主に企画のアイデア出しや思考の整理をする際に用いられる技法の一つですが、自己分析にも応用可能です。
具体的な書き方は以下の通りです。
▼Step1
図の中央に「自分」と書く
▼Step2
自分について連想するキーワードを思いつく限り周囲に書き出し、中央の「自分」と線でつなぐ。
▼Step3
連想するキーワードについてその理由やきっかけなどを深掘りし、連想するキーワードの周囲に書き出して、さらに線でつないでいく。
▼Step4
同様の作業を連想ゲームのように繰り返す。
- 自分に端を発して深層心理の部分まで掘り下げられる。
- 要素を色分けして書くことで、思考の整理や発想の関連性・連続性なども見出すことができる。
SWOT分析
SWOT分析とは、企業分析で用いられる戦略的フレームワークのこと。自社を取り巻く環境から受ける影響と、それに対する自社の現状を分析しながら、最適なビジネス機会を見出す際に用いる方法です。
SWOT分析のSWOTとは、企業分析に欠かせない4つの要素の頭文字になります。
- 「S=strength」→自社の強み
- 「W=weakness」→自社の弱み
- 「O= opportunity」→自社のチャンスとなる外部要因
- 「T=threat」→脅威となるもの
このフレームワークを自己分析応用した場合、以下のようになります。
- 「S=strength」→自分の長所
- 「W=weakness」→自分の短所
- 「O= opportunity」→会社に対して貢献できること(得意とするもの)
- 「T=threat」→会社に対して貢献できないこと(不得意とするもの)
- 四つの要素に分類するだけのシンプルなフレームワークなので、手軽に取り入れやすい。
- 「貢献できること」「貢献できないこと」の両側面を同時に分析できるので、企業選びに有効。
他己分析
自己分析の結果にさらなる説得力を持たせたいなら、他己分析という手もあります。これは、文字通り「他人の目を通した自分」を知ることで、客観的に自分を理解する手法です。
自分で考えている自分と、他人から見えている自分は、必ずしも同じとは限りません。だからこそ、あえて他人から見た自分を知ることにより、自己理解をより一層深められるのです。
他己分析をお願いする相手は、仲の良い友人や大学の先輩、家族など、あなたをよく知る比較的距離が近い人を選ぶと良いでしょう。また、アルバイト先の同僚や店長、社会人の知人などでも構いません。その人たちから見て、自分はどんな性格か?長所・短所は?人に紹介するならどう紹介する?などを質問してみましょう。
場合によっては、自分で思ってもみなかった側面が見えてくるかもしれません。自分の魅力は自分では気づきにくいもの。もらった意見を前向きに捉えて、さらなる自己分析に役立てみるのも良いかもしれません。
自己分析の結果を踏まえてより良い自己PRへつなげよう
就活は、企業に対していかに「自分がどんな人間か」を知ってもらうかの場。だからこそ、あらかじめ自分自身をしっかりと把握した上で、自己PRにつなげる必要があります。
「自己PRになるような経験やエピソードがない」「長所と言えるほど優れている部分なんてない」そう思っている人ほど、自己分析ができていない証拠。アルバイト、サークル活動、ゼミ、ボランティアなど、自己PRにつながる題材は何でも良いのです。目覚ましい成果はなくても、「メンバーを陰で支えた」「チームワークよく取り組んだ」でも十分な長所になりますよ。
どんな人でも、その人ならではの特性は必ずあるもの。自己分析を通じてとことん自分と向き合い、自信を持って就活することで採用を引き寄せましょう。
まとめ
自己分析は、就活はもちろん「これから先の未来」を考える上でも、非常に大切です。社会人になるこのタイミングで一度自己分析し、自分の長所・短所をしっかり把握しておくことで、より具体的なキャリアビジョンを描けるかもしれません。また、就職後に経験するさまざまなシーンでも、きっと役に立つことがあるでしょう。
また、就活を通じて新たに感じたことや、新しい発見もあるかもしれません。一度自己分析をして終わりではなく、何でも繰り返して自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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- 気になる企業比較で、志望企業の強みと弱み分析
- 入社1年目の先輩社員の口コミチェックで、入社後をイメージ
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