「このたび、一身上の都合で○年○月○日をもって退職致します。」
退職届、退職願いの書き方を調べると、必ずといっていいほど出てくる「一身上の都合」という言葉。退職理由の定型文のため、そのまま書けば良い…というわけではありません。
そもそも「一身上の都合」とは何か。言葉の意味や、「一身上の都合」という言葉が使える時、使えない時の違い、使う際の注意点をご紹介します。正しい退職理由の書き方を知り、円満退職を進めるためにも、本ページをご参照ください。
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1.退職理由の種類
会社に起因する退職理由、自分に起因する退職理由
「退職理由は?」と問われた時、答えはもちろん一人ひとり違いますが、公的な退職理由は大きく分けて、「会社都合の退職」と「自己都合の退職」に分けられます。
●会社都合退職とは、企業の業績不振によるリストラや倒産他、会社側に起因する退職理由
企業の業績不振や倒産などによって、従業員を退職させることや、リストラや早期退職制度に従業員が応募して退職する場合は「会社都合の退職」となります。
●自己都合退職とは、転職が決まった、結婚や遠方への引越等、労働者側で起因する退職理由
労働者が、自身の意志によって決定して、退職する場合は「自己都合の退職」となります。
「どちらにしても退職するので、退職理由なんてどうでもよいのでは?」と思われるかもしれませんが、会社都合の退職と、自己都合の退職では、退職後の扱いが大きく変わります。たとえば、失業保険の受給タイミング。そのほか、転職の面接の際、面接官に与える印象等も違ってくるでしょう。
2.「一身上の都合」の意味とは?
「一身上の都合による退職」とは、自己都合による退職の時に使うことはわかりました。では、そもそも「一身上」とはどんな意味なのでしょうか。
国語辞典によれば、「その人自身の身の上や境遇などに関すること。個人的な問題や事情。※」とあり、自身の身の上に起きた個人的な都合や家庭の事情といった意味になります。会社から退職理由を問われた際には、ホンネでは会社への不満などがあったとしても、この「一身上の都合」と伝えるだけでよく、詳細を伝える必要はありません。
※デジタル大辞泉(小学館)より引用
3.「一身上の都合」が使える時・使えない時
前述のように、「一身上の都合での退職」とは、自己都合での退職時に使います。転職が決まった、独立や起業する、遠方への転居や親族の介護、結婚、出産など、会社側の事情とは関係なく、自身の都合による退職の際に、「一身上の都合での退職」を記載することができます。
一方、自身の都合ではなく、会社側の都合による退職の場合は、「一身上の都合」と記載するのではなく、「会社都合による退職」と記載します。自社の業績不振によるリストラ、早期退職制度への応募など、自身の意志ではない退職の場合は「一身上の都合」は使えませんのでご注意ください。
ちなみに、「自社都合の退職」と、「会社都合の都合での退職」では、失業給付金(手当)を支給されるまでの期間が違います。「自己都合での退職」の場合は、退職後にハローワークへ離職票を提出してから、待機期間7日に加えて、3カ月を経過するまで失業給付金は支給されません。「会社都合での退職」の場合だと、離職票提出後、待機期間の7日は同様ですが、約1ヶ月後から失業給付金が支給されます。
また、失業給付金の支給日数も長く、「会社都合での退職」の場合は、90~330日。「自己都合での退職」では給付日数90~150日となっています。会社都合での退職の方が優遇されていると思われるかもしれませんが、自分の意志とは違う状態での退職と見なされ、生活を保護するための措置です。だからと言って、「自己都合での退職」を会社にかけあい、「会社都合での退職」に変更するよう交渉することは厳禁です。
逆に、事業所が閉鎖されてしまった等、会社都合により退職せざるをえないのに、会社側が「自己都合での退職」で処理をしようとした場合はご注意ください。
4.「一身上の都合」を使うときの注意点
本来、労働者は退職する際、「一身上の都合」以上の理由を伝える義務はありません。
しかし、「一身上の都合」と会社に伝えても、それ以上に詳細を聞きたがる会社もあるかもしれません。納得いかない会社に対して、多くの退職者はタテマエの退職理由を伝えているようです。
エン転職のユーザーに聞いた調査では、会社に伝えた退職理由で最も多かった回答は「結婚、家庭の事情」。ひとことで家庭の事情といってもさまざま。配偶者や両親、子供の問題など、たとえタテマエだとわかっていたとしても会社が踏み込みにくい理由を提示しているようです。次いで、「体調の問題」「仕事内容」が上位を占めています。
しかし、同じ退職者にホンネの退職理由を聞いたところの結果は下記の通り。
会社に伝えた退職理由では割合の少なかった「人間関係」が一番多く回答を集めました。逆に「家庭の都合」「体調の問題」はほぼ最下位。激しいギャップが見て取れます。フリーコメントからは「上司からセクハラ・パワハラに遭った」「同僚との関係が良くなかった」という声が散見され、ホンネを言うに言えない状況にある方も多いようです。
退職理由のホンネを話せなかった理由のトップは「円満退社したかったから」。「話をしても理解してもらえないと思ったから」「会社批判になってしまうから」「建設的な話し合いにならないから」「退職慰留や引き留めにあうから」という理由から、“立つ鳥跡を濁さず”、面倒ごとを避けたい心境は、他人事ではないですね。
しかし、繰り返しますが、労働者は「一身上の都合」以上の理由を伝える義務はありませんので、ホンネの退職理由を言うか言わないかは、ぜひご自身でご判断ください。
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