学校をやむを得ず中退してしまったものの、ネガティブな評価にならないように履歴書を書きたい。そのように考える方もいると思います。
学歴を詐称するのはルール違反のため、「中退」という事実は書くのが鉄則。では、どう書けば面接で印象良く映るのでしょうか。そもそも、「中退」と「卒業」の違いは何なのでしょうか。
今回は、転職する上で悩みのタネになりがちな「中退」の書き方を解説。「学科を変えた」「金銭的な理由」「資格を取るため」など、理由別のテンプレートも踏まえてご紹介します。その先の「面接」を踏まえた書き方を、ぜひ実践してみてください。
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履歴書での「中退」の扱われ方とは?
「中退」は書くべきなのか。
そもそもこの「中退」。履歴書の学歴欄に書くべきなのでしょうか。中には、経歴欄の見栄えが悪くなることを嫌って、書かない方向で行きたい方もいるかもしれません。
ですが、学校名・学部名の後を空白で提出すれば、結局面接で問われることになります。あるいは「卒業」と書いてしまったら、立派な学歴詐称になってしまうことに。
たとえうまく嘘をついて面接に進んだとしても、面接官は質問のプロフェッショナルです。いくつかの質問だけで、本当に卒業したかどうか分かってしまいます。そうなれば、面接での評価は最悪になってしまうでしょう。
つまり、たとえネガティブな理由であっても、「中退」という事実は書いたほうが良いのです。
中退の「理由」は書くべきなのか。
一概に「中退」したと言っても、人によって理由は異なります。だからこそ、前向きな理由・やむを得ない理由で中退した場合には、しっかりその旨を書いておくようにしましょう。そのほうが、選考への影響も少ないと考えられます。
例えば、「海外留学で英語を勉強するために退学」「在学中に親の介護が必要になったため」「経済的に社会人として就業しなければいけなくなったため」といった内容です。一方で、好感が持たれないと判断した場合には、あえて中退理由を書かないという選択肢もあります。
例えば「学校での人間関係に悩んだため」「なんとなく将来が見えなくなったため」「単位を落としてしまったため」といった理由です。その際は、「一身上の都合により退学」と書いておくほうが無難でしょう。ポイントは、面接官から理由に対して好感を持たれるかどうか、マイナスの印象を持たられないかを考えることです。
選考で、有利・不利はあるのか。
以上のように、「中退」という事実は書くのが鉄則になります。その上で、前向きな捉え方をされるような理由を添えれば、不利かどうかを心配する必要はないと言えるでしょう。
人事としては、「この人と働きたい」と思えるかどうかが、履歴書を見る上でのポイント。たとえ中退したとしても、それを隠す人よりも、正直に伝えられる人と会いたいと考えるのは間違いありません。
不自然に空白期間をつくるほうが、選考で不利になると捉えていただければと思います。「正直性」と「前向きさ」を伝えることで、人事担当の心象は良くなるとお考えください。
具体的な中退の書き方は?
高校中退の場合
ここでは、実際に履歴書を書く際の、テンプレートをご紹介します。基本的には、年月日・学校名(学部・学科名)を必ず書き、その後に理由を添えるようにしましょう。まずは、高校を中退した場合の書き方をご説明します。
基本フォーマット
「△年△月 ○○高等学校 中途退学」
記入例
△年△月 ○○中学校 卒業
△年△月 ○○高等学校 入学
△年△月 ○○高等学校 中途退学 家庭の事情により中途退学
(注)「高等学校卒業程度認定試験」か「大学入学資格検定」に合格した場合の書き方について
たとえ高校を卒業しなくても、卒業と同等の学力が認められる場合もあります。例えば、「高等学校卒業程度認定試験(2005年度以前は「大学入学資格検定」)」は、高等学校を卒業した者と「同等以上の学力」があるかを認定する試験のこと。合格した場合には選考においてもプラスになりますので、以下のように記載するようにしましょう。
記入例
△年△月 ○○中学校 卒業
△年△月 ○○高等学校 入学
△年△月 ○○高等学校 中途退学
△年△月 高等学校卒業程度認定試験合格
専門学校中退の場合
基本フォーマット
「△年△月 ○○専門学校 中途退学」
記入例
△年△月 ○○中学校 卒業
△年△月 ○○専門学校 入学
△年△月 ○○専門学校 中途退学 海外留学を通じて英語を学ぶため退学
短大・大学中退の場合
基本フォーマット
「△年△月 ○○短期大学 ◎◎学部 中途退学」
または「△年△月 ○○大学 ◎◎学部 中途退学」
記入例(1)…学校を退学して、そのまま就職する場合
△年△月 ○○高等学校 卒業
△年△月 ○○大学 ◎◎学部 入学
△年△月 ○○大学 ◎◎学部 中途退学
記入例(2)…学校を退学して、別の学校へ入学した場合
△年△月 ○○高等学校 卒業
△年△月 ○○大学 ◎◎学部 入学
△年△月 ○○大学 ◎◎学部 中途退学
△年△月 □□大学 △△学部 入学
リカバリーできる対処法はあるの?
前向きな理由を書くのがポイント。
たとえ「中退」という言葉を書いたとしても、それだけでマイナスイメージにはつながりません。冒頭でもすこし触れましたが、人事担当者は、「その人が会社に入って活躍してくれるかどうか」「入社してから前向きに仕事を選択してくれるかどうか」という観点で選考しています。
つまり、履歴書に関して言えば、中退理由が「前向き」であるかどうかが大切です。「なぜ学校を辞めることになったのか」「なぜ学校を辞めざるを得なかったのか」。そこにあなたの前向きな意志が感じられれば、選考でも印象が良くなります。ここでは具体的な理由の書き方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ケース1:新しい目標に挑戦した場合
今学んでいることとは別のことに挑戦したくなったり、新しい目標が見つかったり、一通り学び終えて早く社会へ出たくなったり。前向きな理由がある場合は、それを「中途退学」の後に記載するようにしましょう。
(例1)
△年△月 ○○大学 ○○学部 中途退学
海外へ留学し、英語を学ぶため退学(イギリスにて実践的な英語力を習得)
(例2)
△年△月 ○○大学 ○○学部 中途退学
進路志望を変更するため退学
(例3)
△年△月 ○○大学 ○○学部 中途退学
社会人としてなるべく早く就業したいと考え退学
ケース2:家庭の事情や病気のためにやむを得ず退学した場合
学ぶ意欲はあったのに、事情によって在学が難しくなる場合もあります。その際は、やむを得ない事情で退職した旨をハッキリと記入することが大切です。
(例1)
△年△月 ○○大学 ○○学部 中途退学
家庭の収入事情により退学
(例2)
△年△月 ○○大学 ○○学部 中途退学
親の介護が必要となったため退学
(例3)
△年△月 ○○大学 ○○学部 中途退学
健康上の理由により退学(現在は完治しており勤務に支障はありません)
面接ではどのように話せば良いのか。
中退について履歴書に記載していると、面接でその理由を聞かれることも多いです。そこでどのように答えれば好印象につながるか、具体的な回答方法をご紹介します。ポイントは、あくまで「ネガティブな退学ではなかった」と伝えること。「新しい目標ができて退職を選んだこと」「学ぶ意欲はあったものの、やむを得ない事情があったこと」などを伝えましょう。下記に数例取り上げますので、ぜひ参考にしてみてください。
ケース1:学校を辞めてすぐに就職活動をしていたケース。
情報系の学科へ通っていたが、システム開発への興味が高まったため、大学を中退した。ソフトハウスで実践的なスキルを身につけたいと思い、就職活動を始めることにした
看護系の専門学校を、手術が必要な病気によってやむを得ず中退した。入院中に医療に関わる仕事に携わりたいという気持ちが増し、改めて学校で学ぶよりも、就職する道を選んだ
ケース2:アルバイトに専念することにしたケース。
コールスタッフのアルバイトに熱中するうち、大学を退学することになった。ただ、アルバイトスタッフのうち全国で売上3位の賞をいただいた。そこでお客様に商品をご案内する楽しさを見出して、今に至る。一貫してコールスタッフの仕事を志望しており、将来は経験を活かしてSVを目指したいと考えている
これだけは注意しましょう
「単位を落としてしまったため」「学校の授業にもともと興味がなく、そのままズルズル辞めてしまった」など、ネガティブな理由を話してしまうと大きな減点になってしまいます。面接の前にしっかり中退理由を説明できるように準備し、臨むようにしましょう。
終わりに
いかがでしょうか。
履歴書に「中退」を書くこと自体は、決してネガティブなことではありません。面接でしっかりと前向きな理由を説明できるように、準備を進めておきましょう。
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