履歴書を作成する際、「賞罰」という項目を目にすることがあると思います。しかし、いきなり賞罰と言われても、何を書いて良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
「学生時代に賞をもらったことがあるけど、書いて良い?」「前職で表彰された経験も書ける?」「スピード違反は罰に当たるの?」「賞罰なし、と書いたら何かデメリットはあるの?」…などなど。様々な疑問が浮かぶ人もいるかもしれません。そこで今回は、賞罰とは何か、何をどのように書いたら良いのか、どこまで書く義務があるのか、など、履歴書の賞罰の書き方を徹底解説します。ぜひ、履歴書作成に役立ててください。
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1.履歴書を書く前に、知っておきたい賞罰の定義
1-1.賞罰とはなにか
「賞」とは、受賞歴や表彰歴。「罰」とは、刑法犯罪での有罪歴です。
この賞罰を履歴書に書く目的から考えてみましょう。「賞」と「罰」で、それぞれ履歴書に書く目的は異なります。「賞」を記載する目的は、言わずもがな自己アピールのためです。一方、「罰」は懲役や禁固などのいわゆる犯罪歴の有無を伝えるためのもの。両者の違いをきちんと認識しておきましょう。
1-2.賞罰の告知義務
続いて、「そもそも賞罰を書く必要があるの?」という疑問にお答えしたいと思います。結論からお伝えさせていただきますと、あなたのお手元にある履歴書に賞罰欄がなければ、書く必要はありません。ですが、賞罰欄があれば書く“義務”があります。
実は、現在のJIS規格に準拠した履歴書には、賞罰欄がありません。なので、JIS規格に準拠した履歴書を使う場合は、書く項目がないので、賞罰に触れなくても大丈夫です。しかし、会社指定の履歴書等を使う場合は賞罰欄があることもあります。この場合は、正直に賞罰を書かなくてはなりません。
前提として、応募者には経歴等について真実を告知する義務がある、とされています。会社が応募者の採否を決める際に、判断材料の1つとして使うのが、履歴書です。労働契約は、入社から退職までの長い期間にわたり継続するので、会社と社員との間には信頼関係がなければなりません。このことから、応募する側は、労働契約を結ぶに当たって真実を伝える義務を負っていると考えられています。
特に「罰」については注意が必要です。もしも、履歴書で申告すべき罰があるのに書かなかった場合、この信頼感関係を裏切ったとして『告知義務違反』となってしまいます。
多くの企業は就業規則で、「入社時に告知義務違反があった場合は、解雇事由に該当する」などと定めています。そのため、賞罰の欄を正直に書いていないと、経歴詐称として内定の取り消しや解雇などの処分を受ける可能性があるのです。
2.賞罰に書く基準
2-1.履歴書に書く「賞」の基準
実は、何かしらの受賞歴があれば何でも賞罰欄に書いてもいいというわけではありません。細かい取り決めはありませんが、一般的に、賞罰欄に書いても良いのは「全国優勝や国際大会レベルの賞」、もしくは「誰もが知っているような有名な賞」が基準とされています。
例えば、スポーツであれば国内大会で入賞以上、文化活動であれば国際レベル、知名度の高い賞であれば直木賞などが挙げられます。それ以外だと、長年ボランティア活動を続けたり、人命救助などの大きな貢献をした方には感謝状が贈られることがありますが、これも官公庁からの表彰ですので履歴書の賞罰欄に書くことができます。
ポイントは、功績ではなく、大会や賞の知名度や規模で判断するということ。誰も知らないような大会や賞での実績であれば、記載するのはオススメしません。また、学生時代の実績などは記載しないのが一般的です。
ただし、「上記の基準には当てはまらないけど、ぜひアピールしたい!」という賞がある方もいらっしゃると思います。趣味などの個人活動での実績は、履歴書の『特技・趣味』の項目に。社内での実績は、『職務経歴書』に記載するようにしましょう。例えば、前職で受賞した『社長賞』などは、職務経歴書に記入することで、自分の経歴を強くPRできるはずです。
「賞」として履歴書に書くことができるもの一例
- 第●回 直木三十五賞
- ●●消防署長より感謝状
- 第●回 ■■全国大会 優勝
「賞」として履歴書に書くことができないもの一例
- 第●回 ■■株式会社 社長賞
- 第●回 ■■県大会 優勝
- 第●回 全国高校生読書感想文コンクール
2-2.履歴書に書く「罰」の基準
「罰」も「賞」と同様明確な決まりはありませんが、基本的には『刑事罰』を書く項目だとされています。刑事罰とは、刑法犯を犯して“有罪判決を受けて科された罰”のことです。懲役、禁固刑、罰金刑などが含まれます。
一方、スピード違反や駐車違反、一次不停止といった「軽い交通違反」は、『行政罰』とされているので、賞罰欄に書く必要はありません。行政罰とは、行政法のうえでの義務を履行しなかった場合に科される罰のことです。
ただし、いわゆる「赤切符」を切られるような重大な交通違反は、刑事罰になりますので、こちらは履歴書に書く必要があります。
「罰」として書く必要があるもの一例
- 悪質、重大な交通事故・人身事故、酒気帯び運転(交通違反点数が4点以上)
- 傷害罪
- 公然わいせつ罪
「罰」として書く必要がないもの一例
不起訴になった事件
たとえ、告訴されていたとしても、示談などで、検察で不起訴となっていた場合。有罪の判決は受けていないので、書く必要はありません。
執行猶予になった事件
猶予を取り消されることなく期間が過ぎた場合、書く必要はありません。猶予期間を経過すれば、刑は消滅します。
裁判中の事件
有罪が確定しているわけではないため、書く必要はありません。
少年犯罪歴
未成年のときの犯罪歴は、書く必要はありません。
「青切符」を切られるような交通事故・交通違反
駐車違反や一次不停止、運転中の携帯電話使用など、交通違反点数が3点以下のものは、書く必要はありません。
懲戒解雇
履歴書に書く「罰」は刑事罰が原則なので、前に勤めていた会社を懲戒解雇になったとしても、それを書く必要はありません。
効力が消滅した前科・前歴
効力が消滅した前科・前歴については、履歴書の賞罰欄に記載したり、面接時に問われても答えたりする義務はありません。以下は、刑の言い渡しの効力が消滅する時期です。
- 懲役刑……服役し、刑期が満了してから10年以上経過したとき。
- 執行猶予…… 執行猶予期間が終わったとき。
- 罰金刑……支払い後5年以上経過したとき。
2-3.職種による「罰」の例外
先程、賞罰欄の「罰」に記載するのは、基本的には『刑事罰』を書く項目だとお伝えしました。しかし、職種によって例外となるケースがあります。
例えば、ドライバー募集。ドライバーを募集する多くの企業は、交通違反歴・交通事故歴を詳しく聞いてきます。このとき、『行政罰』など、「軽い交通違反歴・交通事故歴なら伝えなくてもいい」というのは通用しません。ドライバーとして働く場合、交通違反歴は単なる賞罰の「罰」ではなく、資格に関する重要事項になるので『告知義務』が発生するためです。
またドライバーの募集では、面接時に「運転記録証明書」の提出を求められるケースが多いです。この証明書には、過去の交通違反歴、交通事故歴、行政処分前歴回数、累積点数などが記載されているので、秘匿することはできません。
職種によって重要になるポイントでは、より詳細な罰の経歴の開示が必要となる場合があるので、ご注意ください。
3.賞罰の書き方・見本(サンプル)・ポイント
履歴書に書ける賞罰に該当するものがない場合
「賞」も「罰」も該当するものがない場合は、賞罰の欄に「なし」とだけ記載しておけば問題ありません。 賞罰欄に書くことがない人のほうが多いので、「賞罰なし」と書くことで、特にデメリットはありません。
「賞」を書く場合
具体的な「日付」と「賞の正確な名前」を書きます。必要があれば、賞の詳細を書きましょう。
- 20●●年●月 第●●回 直木三十五賞受賞
- 20●●年●月 ●●消防署長より感謝状(●●の際の人命救助により)
「罰」を書く場合
罰の場合も具体的な「日付」が必要です。また、「懲役●年、執行猶予●年罰 刑期終了」といったように、該当する罰を省略することなく書きましょう。
- 20●●年●月 傷害罪 罰金刑 終了
- 20●●年●月 道路交通法違反(速度超過50キロ以上)で罰金刑
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