業界研究って何? どのように行うのが正解? 就活の最初に行うべきと言われている業界研究。大雑把に業界研究といわれても、具体的に何を行っていいのか分からず困っている就活生は多いのではないでしょうか?
私も就活生時代、何を行っていいのか分からず、なんとなく調べた気になって1日が終わる日もありました。そんな業界研究ですが、目的を明確にして、正しいやり方で行えば就職活動をとても有利に進めることができます。私も正しい方法で業界研究を行うことで、志望動機や自己PRを上手に言語化することができ、選考をスムーズに進めることができました。
この記事では、そもそも業界研究って何?というところから、目的、やり方、まとめ方を解説していきます。
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業界研究とは?
そもそも業界研究って何?
そもそも業界研究とはいったい何なのでしょうか。2ステップに分けて解説します。
1ステップ目が広く浅く行う業界研究です。行うべき時期は、就活を始めたタイミング大学3年生の春がベストです。どのような企業のインターンを受けるか決める際に行いましょう。以下の項目を調べることが当てはまります。
- 各業界の種類
- マーケットの規模とその推移
- ビジネスモデル(どのような課題を解決しているか)
- 代表的な企業の顔ぶれやシェア
2ステップ目が狭く深く行う業界研究です。気になる業界ができるたびに、行いましょう。特定の業界に定めて以下の項目を調べることが当てはまります。
- 業界内の各企業の違い
- 企業相互の資本関係・提携関係
- 業界内での業績推移
- 業界全体の成長の見込み
上記のことを調べることを業界研究といいます。
業界研究の目的は?
では、なぜ業界研究を行うのでしょうか。こちらも、広く浅くの場合と狭く深くの場合のそれぞれに分けて考えてみましょう。
〇広く浅く
世の中に存在する業界と職種の特徴を知り、自分が行きたいと思う業界/職種を見つけるために行う
〇狭く深く
気になる業界/職種を見つけたら、自分がその業界に身を置きたい理由や活躍できる根拠を言語化するために行う
個人的には広く浅くの業界研究がとても大事だと考えています。理由は、その業界自体を知らないと選択肢にすら入らないまま、就活を終えてしまうからです。私の友人に、「就活後にこのような業界あったのか。面白そう。」と、後悔している人がいました。
業界を知らないだけで、本当は自分のやりたいことに合う業界は数多く存在します。自分の知っている枠内で考えるのではなく、知らない世界ものぞくことも大切です。選択肢が増え、納得して内定承諾を行うことができます。就活後に後悔しないように、業界研究はしっかり行いましょう。
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業界研究のやり方は?
実際に、業界研究とはどのように行うのでしょうか。順を追って説明していきます。
すべての業界に目を通して、気になる業界を選ぶ
まずはどのような業界があるのか知るところから始めましょう。世の中の業界を簡単にまとめると以下のようになっています。
- メーカー:モノをつくる
- 商社:モノを動かして利益を得る
- 小売(百貨店/スーパー):モノを消費者に売る
- 金融(銀行/クレジット/証券):お金を動かして利益を得る
- サービス(不動産/物流/ホテル):かたちのないものを売る
- マスコミ(放送/出版/広告):情報を大勢の人に一度に伝達して利益を得る
- ソフトウエア・通信(IT):情報に付加価値をつけて売る
- 官公庁・公社・団体:国と地方公共団体の役所
個人的には、一目見てどのような業界があるのか確認できる、業界地図等の本を買って行うのがおすすめです。業界研究を行う方法については、後ほど詳しく解説します。
その業界のビジネスモデルを知る
気になる業界を見つけることができたら、ビジネスモデルを調べましょう。
ビジネスモデルとは、どんな社会課題を解決しているのか、誰に、どのように役に立っているのかです。具体的には、WHAT、WHO、HOWの3つ、お金の流れを理解することができれば完璧です。
人材業界は、簡単に言うと、仕事を探している求職者と、人を採用したい企業を結びつけ双方のニーズをマッチングさせるビジネスです。お金は企業側からいただくことが多いですが、求職者からいただくモデルもあります。
例えば、企業からお金をもらう求人広告のビジネスで考えてみましょう。人を採用したい企業に対して、自社の求人サイトの広告枠を販売して、お金をいただく。その対価として、求人広告を求人サイトに掲載して採用成功に導く。これが人材業界のビジネスです。採用成功できれば、求職者、企業双方にとってメリットとなり、世の中がより良くなります。
その業界のトレンドを確認する
次に、業界のトレンドを確認しましょう。最も重要なことは、業界全体が不調なのか好調なのかです。市場規模の推移から判断することができます。成長業界に身を置けば置くほど、引く手あまたの人材になれる可能性が高くなります。
業界が下向きの時に、その業界に身を置いた時の成長速度は反対に進むエスカレーターに乗っているようなものです。他にも、業界内でも好調な分野とそうでない分野や今後の課題、動向もチェックポイントになります。
人材業界は市場規模も大きく、成長し続けています。矢野経済研究所の調べによると、2021年度の人材ビジネス(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業)の市場規模は、売上高ベースで前年度比6.9%増の9兆5,281億円であることがわかっています。終身雇用の崩壊などで、転職者の数も増え続け業界としては好調です。
その反面課題が多いのも事実です。少子高齢化への対応や景気による需要変動、キャリア形成の重要化など解決しなければいけない課題は山ほどあります。この課題に対してどのような取り組みを行うかが、企業の生死を決めることになるでしょう。
また、好調な分野にHRテックという業界があります。IT化が進み、ビッグデータなどを活用して課題解決するサービスが増加。これまでは「人材業界=求人サイトを運営する企業」のイメージが強かったが、テクノロジーによって様々なサービスが生まれ、スタートアップ系の企業も多く台頭しています。
たとえば、社員の定着に特化したサービス、組織についてのサービス、面接についてのサービス、など色んなサービスが増え、テクノロジーを駆使して採用や入社後の定着をサポートするサービスが増えています。人材業界に身を置くなら、HRテックに携われる方が成長スピードも速いかもしれませんね。
その業界のビジネスモデルを調べ、求める素質を考える
各業界によって求められる素質が異なります。また、職種も同様です。
業界で共通して必要な素質と職種ごとに必要な素質を考えて言語化しましょう。自分に何が向いているのを考えながら行うとさらに良い。自分に合った業界を選ばないと、選考は通りません。人材業界に求められている素質は知的好奇心が旺盛であることです。多様多種な業界や職種を扱う業界なため、必要な知識量がとても多く、興味を持てない人は厳しいと考えます。
〇営業やキャリアコンサルタントという職種に就く場合
コミュニケーション能力やメンタルの強さも大切です。大きな理由は、無形商材を扱うため信頼を勝ち取ることが第一優先だからです。また、人を扱う仕事なため、思い通りにいかないことも多数あります。この2つは必須と言えるでしょう。
〇企画・マーケティング職の場合
粘り強く取り組める人が適性のある人と言えるでしょう。理由としては、仮説検証や分析をひたすら行うためです。私は理系出身で、仮説検証を多く行い自分の強みを判断できたため、マーケティング職への就職を決めました。
業界トップ3を調べて、違いを見つける
各業界のトップ3を調べてみましょう。同じ業界でも、特徴やビジネスモデルが異なる場合が多いです。この違いを説明できれば、業界理解は深まったといえるでしょう。人材業界の国内総合サービス、売上高ランキングと特徴は以下の通りです。
- リクルートホールディングス: Indeedを傘下にし、HRテック分野に注力。人材業界をリード。海外にも積極進出。
- パーソルホールディングス: コロナにより、doda関連が中心に。アジアを中心に海外進出。
- パソナ: 人材派遣がコア事業。毎年利益を拡大している。
上位3社は求める人物像も大きく異なります。採用ホームページに行って調べてみてください!
似たような業界を調べる
上記で1業界に対する研究は以上になります。ある業界を調べる中で、類似業界や気になった業界を見つけたら、同様に調べましょう。
例えば、人材業界の業界研究でリクルートホールディングスを調べると、人材だけでなくライフスタイルや住宅にも力を入れていることがわかります。もし、ラウフスタイルや不動産業界に興味を持つことができれば調べてみましょう。
調べる業界が多ければ多いほど、自分に合った業界に出会える確率が上がります。私も今の業界に出会ったのは一番に業界研究したものと似ても似つかない業界でした。諦めずに頑張りましょう。
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何を用いて調べる?
業界研究は、何を調べることなのかは分かったけれど、何を用いて調べていいかわからない方もいるのではないしょうか。何を調べるかによって、何を用いて調べるかも変わってきます。是非参考にしてみてください。
本を活用する
本で行う場合は以下のように使い分けましょう。
- 浅く広く→業界地図
- 深く狭く→各業界の本
業界地図は四季報がおすすめです。一目でどのような好調な業界がわかり、広く浅い業界研究をするのにはもってこいです。また、気になる業界を見つけ、インターネットに記載されている情報では物足りない場合は、業界別の本を買うのがおすすめです。就活は何かとお金がかかるため、メルカリなど中古で買うのがおすすめです。
インターネットを活用する
何でもネットに乗っている時代。基本的には、インターネットで全ての業界研究を終わらせることができます。
しかし、信ぴょう性という部分では少し不安が残ります。何でもかんでも鵜吞みにするのではなく、自分で考えて情報を取り込みましょう。個人的にはYouTubeがおすすめです。動画なので話が入ってきやすく、実際に働いている人の声や本音が聞くことができます。
新聞・ニュースを活用する
各業界のトレンド情報などは新聞やニュースで手っ取り早く入手しましょう。面接で気になったニュースを聞かれることがあります。ニュースを見る習慣がない人も、これを機に見てみましょう。
調べたものをどのようにまとめる?
では調べたものをどのようにまとめるべきなのでしょうか。今回は、2つの方法をご紹介します。好きな方で、まとめてみて下さい。
ドキュメントを用いる
ドキュメントに各業界の特徴をレポートの要領でまとめ、スプレッドシートにドキュメントのリンクを貼りつけて管理するという方法です。私は上記の方法を用いてまとめていましたが、とてもおすすめです。
おすすめする理由は2つあります。1つ目は管理が楽な点です。企業研究や選考状況、志望度とも併せてまとめることができ、スムーズに就活を進めることができます。2つ目はネットで調べたことをコピペできる点です。就活は情報や管理しなければいけないことが多く、整理整頓がとても大事になってきます。ぜひ活用してみてください。
ノートを用いる
書くことで、理解が深まるためおすすめです。紙派もの人も少なくはないのでしょうか。整理が楽という点については、ルーズリーフに書き、閉じるのがおすすめです。
業界研究 やり方でよくいただく質問
業界研究について、よくいただく質問をまとめてみました。
公務員 志望はどのように業界研究を行えばよいですか?
安定して働ける、学歴が関係ないという点で、人気な公務員。普通の就職とは大きく異なるため、就活でやるべきことも変わってきます。公務員として働く友人は以下の方法で行ったと聞きました。
- 大学の案内
- 公務員 業界研究に関する本を買う。
- インターネットで調べる。
一般就職と大きく異なる点は、公務員試験があることです。目指すものによって受けるべき試験やその時期が異なります。公務員になることを考えている就活生はいち早く動き出しましょう。
理系就職の場合、業界研究はどのように行えばいいですか?
基本文系就職の人と同じです。しかし大きく異なる点は、大学で行ってきた勉強や研究がどの様に活かせるかを調べることです。研究分野にもよりますが、大学で学んだことを生かすには、業界が限定される場合が多いです。大学の教授や研究室の先輩に話を聞くのが業界研究の近道になります。
まとめ
ここまで業界研究のやり方について解説してきました。業界研究は、就活の第一歩目、基礎の部分になります。怠ってしまうと、自分に合った業界を選ぶことができず、選考や入社後とても苦労することになってしまいます。
私もなんとなく選んだ業界の選考は、志望動機や自己PRをうまく行うことができず、選考をまともに進めることができませんでした。しかし、目的を明確にした業界研究を行い、自分に合った業界の選考を受けるようになったからは、選考突破率もぐんと上がりました。
目的を決めないと終わりがなく、ダラダラと時間だけが過ぎて行ってしまいます。この記事を読んでくれた就活生の方は、このようにならないで下さい。やる気がある今、すぐに行動しよう!
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