「私の強みは、コミュニケーション力があることです」
就職活動において、このように自己PRをする学生は珍しくありません。コミュニケーション能力のある人材が企業からの需要も高いことから、自己PRとしてアピールすることも間違いではないといえます。
ただ、もしコミュニケーション力を自分のアピールポイントとするなら、そもそもコミュニケーション力とはどのようなスキルのことを指すのかを、しっかり把握しておく必要があります。
そこで今回は、ビジネスにおけるコミュニケーション力の概要や自己PRで「コミュニケーション力」を使う際の注意点・言い換え方などを例文とともに解説します。
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- そもそもビジネスにおける「コミュニケーション」って何?
- 学生が勘違いしやすい「コミュニケーション力のある人」とは
- 「コミュニケーション力」を自己PRに使う場合の注意点と対策
- 面接で「コミュニケーション力の有無」が見抜かれる瞬間って?
- 「コミュニケーション力」を問う面接官の質問とは
- 自分の強みは「コミュニケーション力」以外にあるかも?
- 企業の口コミが見られる「エンゲージ 会社の評判」で一歩進んだ就活をしよう!
- まとめ
そもそもビジネスにおける「コミュニケーション」って何?
ビジネスにおけるコミュニケーション力とは、具体的には以下の3つの能力を指します。
- 相手を理解する力
- 相手の知りたいことを、わかりやすくロジカルに伝える力
- 関係性を構築する力
それぞれを詳しく解説していきます。
相手を理解する力
1つ目は、相手を理解する力です。
そもそも「コミュニケーションが取れている状態」とは、お互いの意思疎通がスムーズにできていることを指します。スムーズな意思疎通のためには、まず相手の言葉を理解し、本心を汲む力が欠かせません。
相手の言葉をしっかり理解するのはもちろん、表情や仕草などから本心を読み取る力も、場合によっては必要になるでしょう。
相手の知りたいことを、わかりやすくロジカルに伝える力
2つ目は、相手の知りたいことを、わかりやすくロジカルに伝える力です。
「コミュニケーション力が高い人は説明上手な人」と言われることがありますが、単に説明上手なだけでは、コミュニケーションがうまいとは言えません。大切なことは「相手が何を知りたがっているのかを理解した上で、わかりやすく説明することです。加えて感情論ではなく、ロジカルに説明できればさらに好ましいでしょう。
関係性を構築する力
3つ目は、異なる立場や性格の相手と関係性を構築する力です。
ビジネスシーンでは、初めて会った相手とスムーズに関係性を築き、商談や交渉などを行なうことも多いです。よって相手と打ち解ける人当たりのよさはもちろんのこと、交渉する力や、説得する力なども必要になります。
チームの連携を取るために場の空気を読み、士気が下がっている人がいればフォローに回るなど、人間関係のバランス感覚が備わっている人が「コミュニケーション力が高い」と評価されやすいでしょう。
学生が勘違いしやすい「コミュニケーション力のある人」とは
大学生活においても、コミュニケーション能力のある人は尊敬される傾向にあります。しかし学生生活における、いわゆる「コミュニケーション強者」が、ビジネスにおいても高く評価されるわけではありません。
なぜなら、ビジネスで求められるコミュニケーション力と、学生生活で一目置かれるコミュニケーション力はまったく異なるからです。
たとえば学生が「コミュニケーション力のある人」と感じやすい特徴としては、以下が挙げられます。
- サークルのリーダーとして活躍している
- 大学内に友達が多く、いつも誰かと一緒にいる
- 明るく人見知りしない
- すぐ誰かと仲良くなれる
上記ももちろんコミュニケーション力のなせる技に違いはありません。しかし学生生活では「誰かと交友関係を深める」という、コミュニケーション力の一部しか見えないことがほとんどです。
知識が乏しい相手でもわかりやすくロジカルにプレゼンする力や、利害が対立する相手に交渉する能力など、ビジネスで求められやすいコミュニケーション能力が発揮できるシーンは少ないといえるでしょう。
さらに大学生が交流するのは大学内やサークル内という、能力や趣味が近しい人物同士であるため、もともと仲良くなりやすい環境といえます。よって大学での人脈や、サークルでの活躍をもとに「自分にはコミュニケーション力がある」とアピールしても、面接官には首をかしげられてしまう可能性が高いです。
ビジネスにおけるコミュニケーション力と、学生が感じやすいコミュニケーション力には違いが出やすいことを覚えておくことが大切です。
「コミュニケーション力」を自己PRに使う場合の注意点と対策
既にご紹介したとおり、学生時代の経験をもとに「コミュニケーション力がある」とアピールしてしまうと、面接官に響かない可能性があります。それでも「コミュニケーション力がある」とアピールしたい場合は、伝え方に注意しましょう。
「コミュニケーション力」という言葉は、人によって解釈が変わります。よってまずはコミュニケーション力を自分なりに言い換えて、面接官と解釈を揃えることが大切です。
「コミュニケーション力」の言い換え
「コミュニケーション力」は、具体的には以下のように言い換えられます。
- 相手の本心を汲む力
- 相手の話を聞く力
- 状況を的確に伝える力
- ロジカルに説明する力
- グループの中で調整役となり、意見をまとめる力
- 情報を詳しくヒアリングする力
- 良好な人間関係を築き、維持する力
- ミスをしても即座に解決策を模索する力
- 場の雰囲気に適応する力
「自分にはコミュニケーション力があります」とそのまま言うのではなく、上記のような表現に言い換えて、自分ならではの強みをアピールしてみましょう。
「コミュニケーション力」の言い換えをつかった自己PR例
ただ、「コミュニケーション力」を言い換えるだけでは、相手に具体的なイメージが伝わらないこともあります。そこで大切なことは、「どんなコミュニケーション力があるのか」を言い換えた上で、強みを発揮できたエピソードを添えることです。
エピソードをプラスして伝えることで、相手にも「どのようにコミュニケーションを発揮できるのか」が伝わりやすくなります。
- 私はロジカルに説明することが得意だ。ディベート大会で優勝したこともある。
- 私の強みは「良好な人間関係を築き、維持する力」があることだと思っている。たとえばインタビュー嫌いで有名な画家の取材に成功したことがあり、いまだに交流がある。
上記のように具体的なエピソードを加えて、自分の強みを伝えてみてくださいね。
面接で「コミュニケーション力の有無」が見抜かれる瞬間って?
コミュニケーション力は、自己PRでアピールしたときはもちろんのこと、面接でも注目されやすいスキルです。面接という短い時間でも、面接官に「コミュニケーション能力がない」と見抜かれてしまうこともあります。
たとえば以下のような振る舞いに注意が必要です。
- 聞かれていないことまで長々と話す
- 聞かれたことだけを端的に答える(長々と話す場合との塩梅が難しいが、一言だけでアピールが終わると対話する意思がないと思われがち)
- 相手の顔を見て話さない
- 自分から質問や意見を出さない
「面接官が何を聞きたがっているのか」を念頭に、前向きにコミュニケーションを取るようにしてみてください。
「コミュニケーション力」を問う面接官の質問とは
面接では、自分の振る舞いによって「コミュニケーション力の有無」が見抜かれることもあります。また、質問への実際の答え方から能力を推し量る面接官ももちろん多いです。
コミュニケーション力を量りたいときの質問としては、以下が挙げられます。
■「簡単に自己紹介をしてください」
自己紹介というテーマと、自由に答えられる時間を応募者に与える質問です。どの面接でも聞かれやすい、非常にオーソドックスな問いかけだからこそ、面接への対策度や個性が出やすい質問といえます。応募者のプレゼンテーション能力や人当たりのよさをチェックする面接官も多いので、しっかりと事前に答え方を用意していきましょう。
■どんな人が苦手ですか?また、苦手な人と仕事をしなければならなくなったら、あなたはどのように対応しますか?
苦手と感じる人の傾向や、苦手な人への対処法を問う質問です。苦手な人材の傾向が自社の社風と一致していないかどうかや、苦手な人と人間関係を築く力があるかどうかが見られます。
避けたい回答としては、「苦手な人はいません」「苦手な人とは関わらないのでわかりません」などが挙げられます。なぜこの答え方がNGなのかというと、自分の苦手な人の傾向も、対処法も、面接官に伝わらないからです。
本当に苦手な人がいない場合でも、「あまり苦手に感じる人はいないが、あえていうならこのような人が苦手。一緒に仕事をする場合は、このように対処する」と、面接官が知りたがっている答えを考えてみましょう。
■一人とチーム、どちらで仕事をしたいですか?
コミュニケーションへの積極性を問う質問です。基本的に正直に答えて構いませんが、「志望企業・志望職種のワークスタイルがどちらなのか」を念頭に置いて答えることをおすすめします。
一人でもくもくと作業をすることが多い職種であるにも関わらず「チームで仕事をしたい」と答えると、仕事とのミスマッチを指摘される可能性もありますので注意しましょう。
自分の強みは「コミュニケーション力」以外にあるかも?
本記事を読んで「面接ではコミュニケーション力以外をアピールした方がいいかも」と感じた方は、「自己分析」をしっかり行なうことをおすすめします。
自己分析とは、自分自身の今までの人生を振り返り、将来の展望や、自分の強み・弱みを理解する作業のことです。自己分析を行なうことで「自分の強み」を言語化しやすくなるほか、就職活動の軸を明白にすることができます。
自己分析のやり方や、自己分析に役立つ質問例について詳しく知りたい方は、以下の「就活ガイド」のおすすめ記事をぜひチェックしてみてください。
■自己分析に役立つ110の質問例 |簡単に自分の強みが見つかる!
■失敗しない自己分析|内定をゴールにするのは危険。目的の本質とは?
■自己分析シートの書き方|具体的な手順や注意点について徹底解説
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コミュニケーション力は就活において確かに強力な武器ですが、コミュニケーション力を活かすには志望先企業についてしっかりリサーチし、「どんな人材が最も必要とされやすいか」を把握しておくことが大切といえます。
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まとめ
ビジネスにおけるコミュニケーション力の概要や、学生が勘違いしやすい「コミュニケーション力のある人」の特徴などをご紹介しました。
ビジネスにおけるコミュニケーション力についてしっかり認識しておけば、面接官に好まれやすい自己PRも組み立てやすくなります。
「コミュニケーション力があることをアピールしたのに、面接官の反応はイマイチで内定も出なかった…」。そのような失敗を避けるためにも、上記の内容をぜひ参考にしてみてくださいね。
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