私たちにとって馴染みのある会社が多い小売業界について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?小売業界といってもビジネスモデルや職種が複数存在しています。
そこで今回は小売業界について理解を深められるよう、「小売業界の仕組みはどうなっているのか」「業界内の売上高ランキングはどうなっているのか」「どのような働き方をしているのか」などについて、現場の声をもとに解説していきます。
小売業界に興味がある就活生の皆さんのお役に立てれば幸いです。また、たとえ現時点で興味・関心がそこまで高くない就活生の方も、視野を広げてみることで自分の就活軸に当てはまっていたり、新たな気づきを得られたりしますので、この記事で小売業界の理解を深めてもらえればと思います。
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- 小売業界とは
- 小売業界の市場規模と将来性
- 小売業界の職種3選
- 小売業界の売上ランキングtop5(日本)
- 小売業界の働き方の口コミ
- 小売業界の給与・年収の口コミ
- 小売業界の成長・働きがいの口コミ
- 小売業界の気になる会社の口コミを調べよう!
- まとめ
小売業界とは
小売業界について販売するイメージはあっても、具体的な部分をきちんと理解できていない就活生も多いと思います。そこでまず小売業界がどういうビジネスモデルなのか説明します。
小売業界のビジネスモデル|どうやって収益をあげているの?
小売業界は製造された商品を業者から仕入れ、管理したものを個人消費者に届けている業界です。販売価格から商品の仕入れ価格(原価)を差し引いた分が小売業界の利益となります。
商品を安く仕入れ、付加価値などをつけて仕入れ値より高く販売することで収益をあげる。これが小売業の基本的なビジネスモデルです。
小売業界といっても商品を幅広く取り扱っている百貨店から、洋服や家電などを専門的に取り扱う専門店など多岐にわたって存在しており、中には製品の企画製造から販売までを一貫して行っている(SPA)会社もあります。仕事内容としては仕入れ、販売、販売支援、営業を行っています。詳しくは「小売業界の職種3選」をご覧ください。
小売業界の市場規模と将来性
続いて小売業界の市場規模や将来性について理解を深めましょう。2020年のコロナ禍以降推移はどう予想されるのか、将来性についても説明します。
小売業界の市場規模
小売業界の市場規模は、経済産業省によると74兆8,110億円。これは他の業界と比べても上位の大きさです。詳細は百貨店・スーパーが9兆8,642億円、コンビニエンスストアが5兆8,311億円、専⾨量販店3業態(家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター)が7兆6,819億円、その他(衣服や自動車など)が51兆4,338億円となっています。
(参考元:2022年上期小売業販売を振り返る|その他の研究・分析レポート|経済産業省)
小売業界の将来性
続いて小売業界の変動値やトレンドをもとに将来性を見ていきましょう。変動推移では経済産業省が述べている⼩売業販売額の変動要因分解(業種別)を見てみると、以下2つが述べられています。
- 2022年上期の⼩売業販売は「⾃動⾞⼩売業」「機械器具⼩売業」等が減少したものの、「燃料⼩売業」「各種商品⼩売業」「医薬品・化粧品⼩売業」等が増加し、前年同期⽐1.5%の増加。
- 価格要因で販売額が⼤きく変動する傾向がある飲⾷料品⼩売業と燃料⼩売業を除くと、前年同期⽐0.3%の増加。
⼩売業販売額の伸びは全体的にみて上昇傾向にあることがわかります。
(参考元:2022年上期小売業販売を振り返る|その他の研究・分析レポート|経済産業省)
トレンドに関してはECサイト利用率の上昇だけでなく、国際競争力を維持しようと優秀な人材の引き止めるために大幅な賃上げを行うことも近年注目されています。また仮想空間上でショッピングを行えるメタバース販売や小売企業が培ってきた販売・運用ノウハウや顧客情報などを他の小売企業へサービスとして提供するRaaS(Retail as a Service)なども注目され始めています。
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小売業界の職種3選
続いて小売業界ではどのように働くのか理解してみましょう。今回は職種別にバイヤー、販売、販売支援の3つに分けてご紹介していきます。
①バイヤー
1つ目はバイヤーです。バイヤーは商品の仕入れ・発注・検品などを行う職種です。商品展開のコンセプトを考えて流行の商品を取得するための情報感度や担当する地域の顧客分析力、消費者のニーズに合う商品を安く仕入れるための交渉力を必要としています。
②販売
2つ目は販売です。販売はスーパーマーケットや専門店などで来店客の対応を行う職種です。来店客のニーズに合った商品を提案するためのヒアリング力や商品購入のための提案職を必要としています。
店舗責任者(店長)になると現場の仕切り役として現場の統括やスタッフ教育の業務を担いますし、スーパーバイザー(エリアマネージャー)になると担当エリアの複数店舗を管理して各店の店長とコミュニケーションをとったり、売り上げ増加の戦略や店舗業務についてアドバイスを行ったりします。
③販売支援
3つ目は販売支援です。販売支援は販売を促進するための業務を行う職種です。ライバルとの差別化をどう図るのか、新規商品や新規店舗をどう作るのかなどのマーケティング戦略やイベント・キャンペーンの企画、CM・チラシの企画など商品を売るための裏方業務を行います。
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小売業界の売上ランキングtop5(日本)
日本の小売業界について、現在売上高の順位はどうなっているでしょうか?経済メディアを運営している株式会社日本経済新聞社を参考に最新(2022年11月)の売上高を見ていきましょう。
(参考元:売上高ランキング :ランキング :マーケット :日経電子版)
1位:株式会社セブンアンドアイホールディングス
1位は株式会社セブンアンドアイホールディングスで売上高は8兆7497億5200万円です。
株式会社セブンアンドアイホールディングスはセブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂などを傘下に持つ日本の大手流通持株会社です。公開された有価証券報告書によると、株式会社セブンアンドアイホールディングスの平均年収は739万円です。
2位:イオン株式会社
2位はイオン株式会社で売上高は8兆7159億5700万円です。
イオン株式会社は千葉県千葉市美浜区中瀬に本社を置く、日本国内外300余の企業で構成される大手流通グループ「イオングループ」を統括する純粋持株会社です。公開された有価証券報告書によると、イオン株式会社の平均年収は約856万円です。
3位:株式会社ファーストリテイリング
3位は株式会社ファーストリテイリングで売上高は7兆2130億900万円です。
株式会社ファーストリテイリングはユニクロをはじめ、ジーユー、セオリーなど複数のブランドを世界中で展開する世界のアパレル製造小売業の会社です。有価証券報告書によると、株式会社ファーストリテイリングの平均年収は963万円です。
4位:株式会社パン・パシフィックインターナショナルホールディングス
4位は株式会社パン・パシフィックインターナショナルホールディングスで売上高は2兆1329億9200万円です。
株式会社パン・パシフィックインターナショナルホールディングスはディスカウントストア「ドン・キホーテ」の展開を主力とする国内小売最大手の一角となる日本の持株会社で、 国内外で699店舗(2022年6月末)を展開している会社です。公開された有価証券報告書によると、株式会社パン・パシフィックインターナショナルホールディングスの平均年収は約605万円です。
5位:株式会社ヤマダホールディングス
5位は株式会社ヤマダホールディングスで売上高は1兆6193億7900万円です。
株式会社ヤマダホールディングスは群馬県高崎市に本社を構え、家電量販店ヤマダデンキを中心とするヤマダグループの持株会社です。公開された有価証券報告書によると、株式会社ヤマダホールディングスの平均年収は約537万円です。
小売業界の働き方の口コミ
続いて小売業界ではどのような働き方をするのか、実際に働いている人の声をもとに見ていきましょう。今回は小売業界で特に成長を見せている企業を厳選してご紹介していきます。
株式会社ファーストリテイリング
<女性/スタッフ/現職/新卒入社/在籍21年以上/正社員>
(勤務時間・休日休暇)
完全週休二日、8時間を超えた勤務時間については1分単位で残業代が出ます。また、店舗により繁閑の差が激しいこともありますが、残業は多くて月~50時間(最繁忙月のみ)、少ないときはほぼゼロです。店舗でのポジションや希望の伝え方にもよりますが平均して10~30時間程度だと思います。
通常月は残業35時間の上限が設けられており、きちんと本部がモニタリングしているためオーバーすると該当社員へのケアや、状況により本人、上司へのペナルティが課される場合もあります。サービス残業についても処分対象です。
半期8日の休暇取得が義務付けられており、年5日消化必須の有給休暇、週2日の高級を組み合わせれば長期休暇を取ることも可能です。海外旅行のため2週間の休みをとった方も過去いました。土日祝の休みにくさはありますが、事前にきちんと伝えて居れば通常の店舗なら対応してくれると思います。私自身、好きなアーティストのライブのために事前に申告した土日祝の休みは全て受理されています。勤務時間、休暇取得自体は全社の制度としてかなりきっちりしていますが、ストレスなくそれを活用できるかは店舗によるという部分が大きいです。
(多様な働き方支援)
リモートワーク不可、シフト制なので勤務時間はその通りになります。正社員は副業不可。個人的に副業不可である意図がよくわからないので、国からの働きかけで早く許可されるようになってほしいと思います。
(引用元:ユニクロの働き方(勤務時間・休日休暇・制度)の口コミ)
株式会社ニトリホールディングス
<男性/役職者/現職/新卒入社/在籍6~10年/正社員>
(勤務時間・休日休暇)
シフト制のため、急なシフト変更もないようにする方針だが、現場ではやはりかんぜんになくすことは難しいためそれなりの覚悟は必要。年末年始の休みは店舗で働く限りまずありえない。
(多様な働き方支援)
店舗勤務はリモートワークはありえない。妊娠されている方など、時短勤務についてはかなり優しく扱われるので安心できると思う。
(引用元:ニトリの働き方(勤務時間・休日休暇・制度)の口コミ)
株式会社ファミリーマート
<女性/店舗勤務/現職/中途入社/在籍6~10年/正社員>
(勤務時間・休日休暇)
年間休日は120日です。祝日も基本的には休みですが、土日+祝日(+大晦日、元日)が120日を超えると、どこかの祝日が全社休日ではなくなります。大体ゴールデンウィークのどこかとクリスマスは祝日であっても出勤日になっていることが多い印象です。(クリスマス時期は繁忙期のため)
シフト勤務の場合も祝日勤務の場合代休を取得できます。代休が溜まっている場合、まず代休を消化しないと有給休暇を取得することができません。休日/祝日出勤の場合、時間当たりの給与支給額は130%になりますが、代休を取得すると代休空所が適用されるため130%支給はなくなります。
(多様な働き方支援)
現在もリモートワークをしている部署はあるかもしれませんが、最終的にはリモートワークは無くなる方針のようです。
(引用元:ファミリーマートの働き方(勤務時間・休日休暇・制度)の口コミ)
小売業界の給与・年収の口コミ
次に小売業界における給与・年収の評価について現場で働いている社員の声を見ていきましょう。
株式会社ファーストリテイリング
<男性/パタンナー/現職/中途入社/在籍16~20年/正社員:400万円>
(給与制度)
一般的な企業としての基準値はクリアしていると思います。
(評価制度)
学歴に関わらず活躍することができる。本人にやる気と体力、あと運があればステップアップも可能です。ただし店長以上の職務となると激務であるので責任と覚悟が必要である。ほかのアパレルに比べると給与水準も高く、給与にやりがいを感じる社員も多く見られた。
昨今のユニクロブーム、良質で低価格の商品を購入しようとお客様がたくさん来店していただける。特に土日祝に関しては限定商品目当てに朝から並ばれる方も多い、地域に愛されているお店である。全国に直営店とフランチャイズ店があり、フランチャイズ店では、同じユニクロではあるが別会社が運営しているので、ユニクロ社員といっても、それぞれである。
別会社が運営している場合は、勤務規定などは別会社のものとなるため、給与、賞与などはその会社によって異なるので、ユニクロだからと言って給与が高いとは限らない。店長の経験をしていると、その辺のアパレルのエリアマネージャークラスの仕事が習得できるので、転職しても給与が減ることは少ないが本人のスキルによるところである。管理、リーダーシップなど学べるところの多い職場である。
(引用元:ユニクロの年収・給与の口コミ )
株式会社ニトリ
<男性/役職者/現職/新卒入社/在籍6年~10年/正社員:650万円>
(給与制度)
全国転勤ということもあり手当はある。小売の中では貰っている方だと思う。
(評価制度)
評価は上司によって加減が変わるため、同じやり方で働いていても評価は変わる。つまり、上司の当たりはずれで評価が変わってくる。
(引用元:ニトリの年収・給与の口コミ)
株式会社ファミリーマート
<男性/スーパーバイザー/現職/新卒入社/在籍3年~5年/正社員:530万円>
(給与制度)
ほとんどの新卒者は入社後店長を経験、その後スーパーバイザーになる。基本給は少なく、時間外手当がみなしで5万円ほど支給されるが、土日早朝深夜関係なく店から連絡がくるため、休日は1秒も存在しない。
(評価制度)
担当店の近くに競合店が出店されれば売り上げが下がるので業績評価も下がる。
全ては運。実力は関係ない。
(引用元:ファミリーマートの年収・給与の口コミ)
小売業界の成長・働きがいの口コミ
最後に小売業界の人・業界の成長や働きがいに関する口コミについて見ていきましょう。
株式会社ファーストリテイリング
<男性/商品計画/現職/新卒入社/在籍11年~15年/正社員>
(成長・キャリア開発)
アパレル企業のため、この会社で積み重ねた経験は小売店でしか活かせない傾向である。実際のところ、他社への転職者を見ると同業種が多い。英語公用語化を十年前から明言しているため、英語習得の支援制度はある。また、海外事業への赴任の際にかなりの金額の駐在手当が出るため、地域によるが上手くはまれば数年駐在したらかなりの貯金ができてしまう。
(働きがい)
アパレル業界、小売業界ではグローバル企業らしく、システムなどはかなり進化している。こういうところはお金を惜しまないため、ずっと先頭を走りつつある。また、世の中の変化に適応する力はあるため、こういう視点では誇りを持ってもいいかと感じる。
(引用元:ユニクロの成長・働きがいの口コミ)
株式会社ニトリ
<男性/店舗運営部/現職/新卒入社/在籍3年未満/正社員>
(成長・キャリア開発)
いろんな業種の部署があるため配属されればそれにちなんだ専門的な知識や経験を積むことはできる。転勤が非常に多い。希望した地域に配属されない場合もある。新たな土地で成長できる場合もあれば、難しい場合もある。
(働きがい)
入社一年目から複数のパートナーをマネジメントするようになる。計画を立てて作業の指示を行うことができるため、リーダーシップやマネジメントをしていることを感じることができる。
(引用元:ニトリの成長・働きがいの口コミ)
株式会社ファミリーマート
<女性/店舗勤務/現職/新卒入社/在籍3年未満/正社員>
(成長・キャリア開発)
入社してから2年間は研修期間です。店長として店舗勤務をしつつ、年に2、3回本社の研修に参加します。
(働きがい)
1年目から店舗の経営を任せてもらえるので、非常にやりがいがあると思います。店長になると、アルバイトの採用から発注、売り場作りまで、自分の裁量でお店作りをすることができるので楽しいです。
(引用元:ファミリーマートの成長・働きがいの口コミ)
小売業界の気になる会社の口コミを調べよう!
上記以外にも小売業界の企業はたくさん存在しています。小売業界以外にも自分の気になる業界の企業で働いている人は「どう評価しているのか」また「どのように働いているのか」について調べてみるといいでしょう。その際におすすめのツールをご紹介します。
企業の口コミなら「エンゲージ 会社の評判」
企業の実際の声を知るためのおすすめツールは「エンゲージ 会社の評判」です。
「エンゲージ 会社の評判」では普段企業が隠したくなるような情報も見えるように作られており、実際に働く現場の声を見ることができるようになっています。以下の項目に関して、企業の良い面もそうではない面も把握することで企業研究の質を高めていきましょう。
- 福利厚生・オフィス環境
- 企業カルチャー・組織体制
- 成長・働きがい
- 事業展望・強み・弱み
- 働き方(勤務時間。休日時間・制度)
- 女性の働きやすさ
- 入社後とのギャップ
- 年収・給与
実際に私は、企業選考前と選考中の2場面で「エンゲージ 会社の評判」を用いていました。選考前では気になる企業が良さそうかどうか、エントリーするかどうか判断するために用いていました。働く環境や企業カルチャーなどを自己分析で言語化した自分の特徴や将来像・就活軸と照らし合わせ、その企業の特性が合致していそうかを判断していたのを覚えています。
また選考中ではES作成時や面接対策の情報収集として活用することが多かったです。書かれている口コミの一部を抜粋してESを作成したこともあります。「エンゲージ 会社の評判」を利用することで企業の強みや弱みの部分だけでなく、どのような人が働いているのかの理解につなげられるのでOB訪問を行う感覚で活用していました。
まとめ
本記事では小売業界の仕事内容や現場の声について解説しました。消費者である私たちになじみ深い小売業界について理解を深められたと思います。現場の声からも職種によって必要な能力や得られるやりがいは違いますが、日々活き活き働いていることが現場の声から伝わってきますね。
この記事が小売業界を志望している就活生にとって就職活動の役に立てば幸いです。現時点では小売業界を志望していない就活生にとっても視野を広げることは重要になってきますので、他の業界についても調べて理解を深めてほしいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます。皆さんの就職活動がうまくいきますように、心から応援しています!
企業の口コミを確認して就活で活用!入社後のミスマッチも防げます!
就活のあらゆるシーンで口コミは活用できます!
- 企業評価を参考に、人事の目に留まるエントリーシート作成
- 先輩社員の口コミを元に、セミナーや面接で質問
- 気になる企業比較で、志望企業の強みと弱み分析
- 入社1年目の先輩社員の口コミチェックで、入社後をイメージ
※自社調べ(2024年3月時点 口コミ掲載数・口コミ掲載企業数)