IT・テクノロジーが急速な発展を遂げて以降、IT業界の人気は年々高まり続けています。就活生の中には「とりあえずIT業界を受けておこう」と考える方も多いのではないでしょうか。しかしIT業界と一口にいっても、「ソフトウェア」や「通信インフラ」など種類はさまざまであり、これらを理解するのには十分な業界研究が必要です。
筆者も就活当時は「とりあえず」「なんとなく」でIT業界を志望していましたが、イマイチどのような業界なのか把握できずにいました。ですが、ITとは→IT業界とは→IT業界の企業とは、と順番に研究を進めていくことで、最終的にはITコンサル系企業の内定を獲得するまでに理解を深めることができました!
ここでは、「ITとは何か」「IT業界の分類」といった大枠の情報から、「IT業界の企業口コミ」「IT職種」といった具体的な内容まで解説しています。「将来はIT業界で働きたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい!
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- ITとは何か
- IT業界はどんな業界か
- IT業界5つの分類
- 【分類別】代表的なIT企業と社員の口コミ
- もっと詳しく企業を調べたいなら「エンゲージ 会社の評判」
- IT業界に向いている人
- IT業界の職種と求められる能力
- IT業界で働くメリットとは
- IT業界のオススメ資格
- 最後に
ITとは何か
IT企業、ITコンサル、IT機器といったワードを就職活動やニュースでよく耳にするかと思いますが、そもそも「IT」とはどのような意味なのでしょうか?
実は就活生の中でも、きちんと意味を理解せず口にしている人も少なくありません。「なんとなく知っている」だけの状態でIT業界を志望するのは危険です。以下で、ITとは何か解説していきます。
ITとは「Information Technology」の略
ITとは、「Information Technology」の略で、日本で訳すと「情報技術」という意味になります。情報技術とは、簡単に言うと「情報を発見・保存・伝達する技術」のことです。
例えば皆さんが普段使っているスマートフォン。筆者はたまに、TikTokやTwitterで見つけた面白い動画をダウンロードし、友人に共有することがありますが、これはスマートフォンを使って「発見・保存・伝達」を行っている、すなわち「IT(情報技術)」によって実現された行為です。
他にも、電子書籍、WordやExcel、ICカードといったものは、IT(情報技術)によるものです。こうして見てみると、私たちの身の回りにあるものの多くは、ITによって稼働していることが分かります。人間社会において切っても切り離せないもの。それが「IT」なのです。
IT業界はどんな業界か
IT業界は成長率が高く、就活生から人気である一方、日本においては「国際競争力の低下」「人材不足」といった課題も存在しています。表面的なイメージだけで決めるのではなく、業界についての理解を深めた上で、自分に合う業界かどうか考えてみましょう。
ここでは
- IT業界の現状と将来性
- 課題点
- 近年注目されている5つの技術
- IT業界における5つの分類
について解説していきます。
現状と将来性
IT業界は1990年代にインターネットの利用が普及して以来、急速な成長を遂げています。業界動向サーチの調査によると、IT業界2021-2022年国内の市場規模は17.2兆円、総売上高は15.2兆円と、2012年以降は右肩上がりの推移。(参照:IT業界の動向や現状、ランキングなどを研究-業界動向サーチ)
ITは様々な業界や分野で活用されており、今後も影響力は増加すると考えられます。例えば、「AgriTech(アグリテック)」。これは、Agriculture(農業)とTechnology(技術)を掛け合わせた言葉で、農業領域におけるIT活用を意味します。ドローンを使った農薬散布・植林といった農業の効率化や、優れた農家のノウハウの保存・共有など、AIを活用して生産性を高めていこうというものです。
このほかにも、FinTech(金融×IT)やHRTech(人事領域×IT)といった「XTech(クロステック)」は近年勢いを増しており、ITの活用範囲は拡大し続けています。
課題点
日本のIT産業における「国際競争力の低さ」は重要な課題です。スイスの国際経営開発研究所が公表している「世界デジタル競争ランキング2022」で日本は64カ国中29位と、先進国の中ではかなり後れている現状。デジタル・技術スキル、DX推進の遅れが浮き彫りになっています。
米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、中国のBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)のように、世界レベルの大企業が日本に生まれないのはいくつか原因があると言われています。
例えば性格。海外から学びに来た外国人に対して日本人は技術をすべて伝授しまうなど、いい人すぎるがゆえに競争で勝てないのではないかという声がありました。その他にも、保守的な組織風土や人材不足など、さまざまな要因が挙げられます。このような現状に対し、「未来はない」と考えるのか、「伸びしろがある」と考えるのかは、みなさん次第です。
近年注目されている5つの技術
近年IT業界で注目されている5つの技術は次の通り。
- AI(Artificial Intelligence)
- IoT
- 5G
- クラウドサービス
- ブロックチェーン
AIとはArtificial Intelligence(人工知能)の略で「自ら学習し判断する」ことが大きな特徴。自動運転やお掃除ロボットなどに活用されています。IoTはInternet of Things(モノのインターネット)の略で、家電や車、機械をインターネットにつなげて情報を収集・送信する技術。AIが「データを分析して学習・判断する知能」だとすれば、IoTは「データを収集するモノ」と表現することができます。
5G(5th Generation)とは第5世代移動通信システムのことで、「高信頼・低遅延通信」「高速大容量」「多数同時接」という3つの特徴があります。近年はこの5Gの普及により、VR・ARといったリアルな映像体験や遠隔技術が様々な場面で活用されるようになりました。
クラウドサービスとは、オンライン上でソフトウェアやデータを利用することができる技術のことです。今まではWordやExcelといったソフトをパソコンなどにインストールする必要がありましたが、クラウドを利用すればインストールなしで文書や表作成が行えます。
ブロックチェーンはかなり複雑な技術ですが、簡単に言うと「一度作られたデータを改ざんできないようにし、信頼性を担保する仕組み」です。情報の信頼性が担保されるという特性があることから、金融サービスにおける個人情報の確認業務の効率化、デジタルアートへの価値の付与など、様々な方法で活用されています。
IT業界5つの分類
IT業界はさらに次の5つの業界に分類することができます。
- インターネット・Web
- ソフトウェア
- ハードウェア
- 通信インフラ
- 情報処理サービス
インターネット・Web業界は、「インターネットを介して便利なサービスを提供する」ことでその対価を得ています。検索エンジンや音楽のサブスクリプション、ECサイトなどを運営している企業は、全てインターネット・Web業界に含まれます。
ソフトウェア業界とは、コンピュータ上で処理を行うプログラムである「ソフトウェア」の開発・販売を行う業界です。ソフトウェアにはWordやExcelといった個人向けのソフト、経営管理やバックオフィス用などの法人向けソフトが存在。近年は、インターネット上でサービスを提供するクラウド型ソフトウェア、「SaaS」が勢いを増しています。
ハードウェア業界とは、コンピュータの触れられる部分である「ハードウェア」の開発・販売を行う業界のこと。パソコンの本体やマウスなどの周辺機器、内部の処理・記憶装置などを「ハードウェア」、WindowsやPower Pointなどの画面の中で動くプログラムが「ソフトウェア」と言います。
通信インフラ業界は、簡単に言うと「ネットへの接続や通信を行うため必要な電波・サービスを提供している業界」です。基地局や回線などのインフラを整備し、個人消費者や通信事業者から利用料を得ています。
情報処理サービス業界とは、企業活動を支える情報システムの企画、構築、運用、保守などの業務を顧客から一括して請け負う情報通信企業のことを指します。
例としてSIer(システムインテグレーター)が挙げられます。SIerはクライアントの課題分析を行い、コンピュータシステム・ソフトウェアを選定・活用することで、最終的に顧客企業の課題解決を行うことでその対価を得ています。
【分類別】代表的なIT企業と社員の口コミ
IT業界における5つの分類の中で、代表的な企業とはどこなのでしょうか?各業界のリーディングカンパニーの紹介と、それぞれの社風・企業カルチャーの口コミを、日本最大級の口コミサイト「エンゲージ 会社の評判」からいくつか抜粋して掲載します。
インターネット・Web業界の代表的な企業と口コミ
①楽天
「楽天市場」などのECサイトをはじめ、金融やモバイル事業を主軸としている大手企業。
<社風・企業カルチャーの口コミ>
スピードはとても速く、任せてもらえる仕事の裁量は大きいため成長を求めるのであればお勧めできる。一方で、現場が把握している顧客需要の真逆のトップダウンの決断も多く、また方向性も頻繁に変わるため、数年かけて準備してきたものが一晩で白紙に変えることもある。
②GMOインターネット
「ベンチャースピリット宣言」を理念に掲げているインターネット企業。暗号資産事業なども手掛ける。
<社風・企業カルチャーの口コミ>
以前のセンター長のときはベンチャー気質で雇用形態問わず、意見を言いやすくそれを汲み取って貰いやすい環境でした。 風通しは非常に良いと感じます。 またSVやリーダーの方も高圧的な方はいなくて誰もでもフラットに話してくれるところはすごく好きでした。また、人柄重視で採用していた為人間関係も良好だと感じておりました。
③Zホールディングス
ヤフー、LINE、PayPayとなどを子会社とするソフトバンク傘下の持ち株会社。
<社風・企業カルチャーの口コミ>
部署によると思いますが、人が相談しあいながら仕事を進めていくため、コミュニケーションが難しいと感じる部門もあれば、円滑に進む部門もあります。人次第で充実して仕事をできるかどうか決まる所があると思います。 社風はいい意味でウエットな職場です、ただ事業判断などを行う際にはファクトに基づいてドライに判断されると思います。
ソフトウェア業界の代表的な企業と口コミ
①日本オラクル
米国のオラクル・コーポレーションを親会社としており、クラウドサービスの提供と、それらの利用を支援する各種サービスの事業を展開している企業。
<社風・企業カルチャーの口コミ>
自由な働き方を推奨しています。 ワーク・ライフ・バランスを配慮しています。 役員にも自由に発言できる雰囲気があります。 人種、信条、思想、障害の有無による差別を行わない方針が徹底されています。
②トレンドマイクロ
「ウイルスバスター」をはじめとするウイルス対策ソフトを提供。ITインフラやデジタルライフにおける脅威に立ち向かうことを信念としています。
<社風・企業カルチャーの口コミ>
企業文化・社風・組織体制:外資系のような雰囲気もあり、業績能力給などもあるためやる気のある人によっては、やりがいのある会社かと思います。組織体制は日本的なものですが、社員間のコミュニケーションはどちらかというとサバサバしている感じがあります。また、組織体制は部門によっても考え方や体制が変わってきたり、部門のカルチャーがかなり違っていることが多くあります。人は優秀な人材が多いので刺激になったり、切磋琢磨しながらすることができるので向上心があるひとはよい仕事環境です。
③オービック
統合業務ソフトウェア(ERP)OBIC7は20年間で20,000社に導入されるなど、中堅企業における基幹業務システムの実績で圧倒的な実績を誇ります。
<社風・企業カルチャーの口コミ>
お客様を重視するところは非常に魅力的だと思います。 お客様にどれだけ価値を提供できたのかを真剣に考えているメンバーも多かったと思います。 風通しの良さは高いです。高役職者の方や他部門の方とのコミュニケーションも取りやすいと思います。
ハードウェア業界の代表的な企業と口コミ
①ソニー
家電、半導体、ゲーム・エンタテイメントまで、幅広い分野で高いシェアを誇るグローバルカンパニー。
<社風・企業カルチャー>
自由闊達の文字通りです。年功序列などやはり日本企業らしさが残っているところもありますが、年次が若いうちから裁量権ある仕事を任せてもらえ、またとにかくやってみろ精神なところがあります。キャリアパスも社内で手を挙げることができ、それがきちんと尊重されます。
②日立製作所
世界有数の総合電機メーカーであり、製品×OT(制御技術)×IT(情報技術)により価値を生み出せることが強み。
<社風・企業カルチャー>
優しく穏やかな人が多いように思います。私にはそれがあっていると感じていますが、周りと競争してバリバリ働きたい人にはもしかしたら物足りなくなく感じるのかもしれません。
③パナソニック
調理・AV家電をはじめとする「家電」、住宅設備やリフォームといった「住宅」、
電装エレクトロニクス、車載電池などの「車載」、そしてアビオニクスや決済システムなどの「B to B」が主な事業。
<社風・企業カルチャー>
開かれたオープンの社風であり創業者の強い思い入れがある研修なども数多くある。 とてもグローバルな企業であるため様々な部分に対して関与することで自身のスキルアップを目指すとともに若年層から年配の社員まで風通しが良く非常にコミニケーションが取りやすい社風である。
通信インフラ業界の代表的な企業と口コミ
①NTT
日本最大規模の通信事業会社であり、NTTグループは今や全世界で900社以上。通信インフラ事業は主に「NTT東日本」「NTT西日本」が担っています。
<社風・企業カルチャー>
コンプライアンスやハラスメントに関しては定期的に研修も行われており温度感も高いく働きやすい環境。 近年ではリモートワークがメインとなってきており、社員同士のコミュニケーションに課題が感じられるが、部署によって色々な取り組みで社員同士のエンゲージメントを高めている。
②ソフトバンクグループ
通信事業はもちろん、eコマース、デジタルメディア、コミュニケーションサービス、キャッシュレス決済など、様々な事業を展開。
<社風・企業カルチャー>
コンプライアンスやハラスメントに関しては定期的に研修も行われており温度感も高いく働きやすい環境。 近年ではリモートワークがメインとなってきており、社員同士のコミュニケーションに課題が感じられるが、部署によって色々な取り組みで社員同士のエンゲージメントを高めている。
③KDDI
固定通信、移動体通信、グローバル通信の3つすべてを手掛けている国内唯一の会社。モバイル通信サービスでは「au」が有名。
<社風・企業カルチャー>
インフラという業界の特性も影響しているのか、スピードよりも確実性を重視するカルチャーである。同じIT業界といえども、Webサービス系の企業等から転職される方は、文化に馴染むのにある程度の時間が必要と思われる。日系大手SI等の転職であればギャップは少ないかもしれない。
情報処理サービスの代表的な企業と口コミ
①富士通
ICTサービス市場で国内1位、世界でも5位の売上高を誇る。大規模で先進的なシステムを構築してきた実績と技術力が強み。
<社風・企業カルチャー>
自由闊達で個人が自立した考えや行動が求められる。 部署変更にも公募ポスティングだけでなくFA制度もあり、個人のタレントが求められるタレントに合致していればいろいろなシゴトにチャレンジできる。 このような制度が整えられる前も異動は比較的容易。 受け入れ先が求めれば異動できるイメージ。 みんなで助け合うことが多く、一部の足を引っ張る人たちをさければストレスない社風。
②NEC
元々はハードウェアの製造・販売をメイン事業としていたメーカー系SIer。自社のハードウェアを活かしたICTソリューションが強み。
<社風・企業カルチャー>
社風としては優しくて穏やかな人が多いです。PJ RISEという組織変革に5年ほど取り組んでおり、社内の業務改革、制度の抜本的な見直し、風土改革、経営層からのメッセージングがされており、情熱をもって仕事に取り組む人が少しずつ増えている印象です。
③NTTデータ
NTTの社外向けSI事業を行っていた部門が独立して誕生。実績と技術力に支えられている「信頼性」、ハードウェアに依らないマルチベンダーとしての「柔軟性」、AIやブロックチェーンなど最先端の領域に精通した「先進性」が強み。
<社風・企業カルチャー>
部署(担当顧客)によって大幅に雰囲気が異なる。自担当では、技術面でも人柄面でも優秀な人が多く、考え方も柔軟である。また、物事を合理的に進めたい人が多く、日系企業特有の存在意義の分からない雑用・企画をするようなカルチャーはあまりなかった。
もっと詳しく企業を調べたいなら「エンゲージ 会社の評判」
現役・OB社員による口コミは、就職活動において非常に価値のある情報です。知名度や業界内の地位で企業を決めるという人は少なくありませんが、表面的なイメージだけで判断すると、社風や人間関係が合わず早期離職につながるケースがあります。そのような事態を避けるためにも、「口コミ」というリアルな声を知り、後悔しない会社選びをすることが大切。
「エンゲージ 会社の評判」には、現役社員・元社員による2000万件以上のクチコミが集まっており、それぞれの企業が求める人物像・活躍している社員の特徴など細やかな情報を閲覧することが可能。
筆者は就活当時、年功序列や社内政治というものが苦手であったことから、口コミでそのような文化が無いか確認するために利用していました。「もっと志望企業について詳しく知りたい!」という方は、ぜひ活用してみて下さい!
IT業界に向いている人
「5つも分類があるし、結局自分はIT業界に向いているのかわからない!」と思った方もいるかもしれません。ですが、はっきりと言えることがあります。
それは、IT業界に向いているのは
- 好奇心
- 論理的思考力
がある人だということ。その理由を以下で解説します。
好奇心旺盛
IT業界で働く上で、「好奇心旺盛」という特性は大いに活かされます。
というのも、常に進化し続けるIT業界において、知識をアップデートしていくことは重要な仕事の1つであるためです。ブロックチェーンやそれの応用である仮想通貨・Web3など、日々新しい技術やアイデアが創出され続けている中で、それらの知識を吸収していくことはIT業界において欠かせないこと。
「仕事のため」と割り切って勉強するのも素晴らしいことですが、興味のないことを勉強し続けるというのは苦痛です。そうではなく、好奇心にもとづいて主体的に学ぶ方が、知識やスキルの定着スピードは早くなりますよね。以上のことから、好奇心が高い人はIT業界で成功しやすいと言えるでしょう。
論理的思考力がある
論理的思考力も、IT業界で働く上では重要な能力です。
例えばシステムエンジニアやプログラマーに求められるスキルである「プログラミング」。これはコンピュータをうまく作動させるために動きを1つ1つ打ち込んでいく作業ですが、全てのプログラムの整合させるためには高い論理的思考力が必要になります。
営業の場合も複雑なシステムを売り込み、システムを活かした課題解決の方法を提案するなど、網羅的に論点を整理して考える力は欠かせません。論理的思考力は努力で身につくものですので、IT業界を志望している人は、今の内から磨いておいた方が良いかもしれませんね。
IT業界の職種と求められる能力
IT業界には少なくとも15以上の職種があります。ここですべてを紹介することはできませんが、6つの職種と仕事内容、求められるスキルについて以下で解説します。
システムエンジニア
システムエンジニアとは、クライアントの要求に最適な仕様のシステム設計・開発・テストを行う職種のこと。システム開発とは、IT技術を用いてさまざまな仕組みを構築し、業務効率化や生産性向上を図ることを目的としています。
システムエンジニアはクライアントへの「ヒアリング」、要望を整理・検討する「要件定義」、機能や表示方法、操作などといったシステムの「基本設計」、プログラマーが完成させたシステムの「テスト」、納品後の改修やサポートといった「運用・保守」など、さまざまな業務が存在します。
システムエンジニアは、システムやプログラミングに関する前提知識を備えた上で、
- ヒアリング
- 提案力
- 論理的思考力
- マネジメント力
などのスキルが必要だと言えるでしょう。特に上流SIerのシステムエンジニアは、プログラミングよりもマネジメントやプロジェクトの推進役を担うことが多いようです。
営業
IT業界における営業とは、システム・ソフトウェアの導入、デジタルマーケティングやWebサイト制作の委託提案など、ITビジネスに関連する営業活動を行う職種のことです。
クライアントへの提案を行っては、受注後のプロジェクト推進や販売・契約後のアフターフォローまで担当する場合が多いです。クライアントと直接関わる機会も多いことから
- コミュニケーション能力
- プレゼン能力
- 誠実さや明るさなどの人間性
などのスキルが求められます。ITの知識を駆使した営業活動は高度な仕事であり、他業界の営業と比べて市場価値が高まりやすいと言えるでしょう。
ITコンサルタント
ITコンサルタントはシステムエンジニアの上級職として位置づけられており、ITを用いてビジネス・経営上の課題を解決する職種。システム構築を実行するだけでなく、システム全容の整理・IT構想の立案など、全社的な戦略と近接した上流部分も支援するというのが特徴です。
システムエンジニアが要望に基づいてシステムを構築するのに対し、ITコンサルタントは要望や理想も一緒に考える、というのが大きな違いと言えます。
- 経営全般に関する知識
- 金融、エネルギーなどそれぞれの業界知識
- 実行力
- 問題解決力
など、知識から実行力まで、幅広い能力が求められます。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは主に、システム開発やデジタルマーケティングの委託など、IT分野でのプロジェクトの管理を行う職種。実行計画の作成、チームの編成から予算管理、リスク管理などプロジェクトを成功させるためにあらゆる業務をこなす必要があります。
- 全体的視点(プロジェクトの俯瞰)
- 課題発見・解決力
- マネジメント力
- 柔軟性(臨機応変さ)
など、抽象的な問題に対する解を発見し、チームを率いて成功に導くための能力が求められるといえるでしょう。
プログラマー
プログラマーとは、システムエンジニアの設計したシステムの仕様書に基づいて、システムがうまく作動するようプログラミングを行う職種。
家電製品や電子機器にソフトを組み込む「組み込み系プログラマー」、Webサイト・サービスのシステム開発を担う「Webプログラマー」など、さまざまな種類のプログラマーが存在します。
- プログラミングに関する高度な知識
- 論理的思考力
- 柔軟な発想力(エラーやバグへの臨機応援さ)
- ものづくりへの熱意
など、開発現場の最前線を担うためのスキルが求められるでしょう。業務の性質上、個人で開発に没頭し、のめりこめるタイプの人が向いているかもしれませんね。
テクニカルサポート
テクニカルサポートの役割は、販売・契約した自社のIT機器やネットワークにおけるトラブルの発生など、クライアントからの問い合わせ・相談に対応することです。ヘルプデスクが不具合内容などのヒアリングや一次対応を行うのに対し、テクニカルサポートはより専門的なITの知識を必要とする問い合わせを中心に対応。
- コミュニケーション能力
- 視野の広さ(解決に向けてあらゆる専門知識を駆使する)
- 人の役に立ちたいという思い
- IT・製品に関する知識
など、「相談に乗る」「疑問の解消」という役割を遂行するためのさまざまな能力が求められます。近年IT技術の複雑さは増しているため、専門性を備えたテクニカルサポートの需要は高まると考えられます。
IT業界で働くメリットとは
今後更なる拡大が見込まれるIT業界に身を置くことには、以下のようなメリットがあります。
- 自身の市場価値を高められる
- 柔軟な働き方ができる
- 独立しやすい
それぞれ詳しく解説します。
(1)市場価値を高められる
IT業界で働くことは、自身の市場価値の向上につながります。現在日本の労働市場において、IT人材の需要に供給が追いついておらず、経済産業省の発表ではIT人材は2030年には最大で79万人不足すると予測されました。このことが示しているのは、ITの専門知識や経験を備えた人材は重宝されやすい=価値が高まりやすいということです。
実際に、厚生労働省が発表する令和3年賃金構造基本統計調査では、平均年収で情報通信業が保険・金融業に次いで4位の座につくなど、IT人材の価値の高さは給与水準にも表れています。(令和3年 賃金構造基本統計調査)
また、転職で有利になる、独立しやすいなど、キャリアの幅が広がるのもIT業界の魅力と言えますね。
(2)柔軟な働き方ができる
柔軟な働き方ができるのも、IT業界で働くメリットの1つです。例えばヤフーやメルカリといったテック企業、他にもIT系ベンチャー企業の中には、フルリモート勤務を許可している会社が存在。
近年は、「ワーケーション」という観光先やバカンスで過ごしながらリモートワークができるという働き方も話題になっており、「地元にいながら働きたい」「親の介護と仕事を両立させたい」という方にとってIT業界はオススメの業界だといえるでしょう。
(3)成長産業であり、ビジネスチャンスが多い
IT業界は常に進化しており、日々新たなビジネスが生まれています。独立して自身で新たなITビジネスを始める、また、社員としても新規事業や職種変更の機会が増えるなど、挑戦できるチャンスが多いのもIT業界の特徴。ベンチャーやユニコーン企業にはIT・テック系企業が多く、イノベーションが生まれる余地の大きさが魅力的とも言えますね。
IT業界のオススメ資格
この記事を見てIT業界に興味を持ったという方もいるかと思います。そのような方は、これから紹介する
- ITパスポート
- 基本情報技術者
の取得を検討してみて下さい。それぞれ詳しく解説していきます。
ITパスポート
ITパスポートとは、パソコンの仕組みや情報処理についての基礎的な知識を学ぶIT系資格。独学が可能で、勉強時間は平均して150時間ほど。このITパスポートですが、基礎レベルのITリテラシーを証明するもので、事務系職種の就職に有利になると言われています。高度な専門性を示すものではないにしろ、ITへの興味や熱意を評価されることもあるため、取得しておくことをオススメします。
基本情報処理技術者
基本情報技術者資格は、システムエンジニアやプログラマーが理解しておくべき、基本的な知識を身に着けたことを証明する資格。勉強時間は、ITの素養がある人であれば50時間、ほとんど知識がないという人であれば200時間程度と言われています。
IT系企業で1~3年目の社員が身に着けるべき内容が出題されており、就職活動においては有利になる可能性が高い資格と言えるでしょう。筆者の周りにはITパスポートをとばしてこの資格を取ったという人もいましたので、時間がある方はいきなりこの資格に挑戦してみても良いかもしれませんね。
最後に
IT業界は年々人気を増しており、就活生からは憧れの業界でもあります。ITの専門性を身に着けることは、自身の価値を高め、キャリアの幅を広げることにつながるでしょう。しかし、複雑な技術を理解することや、知識を駆使して成果を上げるには、それなりの努力が必要になることも理解しておくべきです。
実際に筆者の先輩の中にも、「イメージだけが先行してしまった」と早期退職してしまった人が何人かいます。ITコンサルタントへの憧れで入社したものの、研修のプログラミングで挫折してしまったとのことでした。
このような理想と現実のギャップは、プログラミングだけでなく他のIT職種・業務でも起こりうること。「なんとなくイケてるから」と安易に判断するのではなく、きちんと理解を深めた上で最終的な進路を決定しましょう。
企業の口コミを確認して就活で活用!入社後のミスマッチも防げます!
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- 気になる企業比較で、志望企業の強みと弱み分析
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