いつの時代においても“面接”は、就活生の頭を悩ませる関門です。特に企業説明会や就職面接では、質問にただ答えるだけでは終わらないこともあるでしょう。
「仕事内容について何か気になる点はありますか?」など、面接官から逆質問をされることが多く、その度に「どんな内容を聞けばいいのかわからない」「聞くと失礼になる質問はあるのだろうか…」といろいろ考えてしまう方も多いはず。
「逆質問をしてくる意図や、どんな風に応えるのが正解なのか知りたい」と考えている方のために、この記事では面接官の意図や、逆質問に対する対応の仕方、避けるべき内容などを解説しています。逆質問の例なども紹介していますので、実際の説明会や就職面接などでぜひ参考にしてみてください。
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就活での逆質問とは?
まず、就活での逆質問とはどんな内容なのかを説明します。逆質問とは、面接の場で人事や採用担当者などの面接官から就活生に聞かれる質問のことです。原則として面接は、人事や採用担当者が質問を行ない、面接を受ける側の就活生が答えて行くという流れで進んでいきます。そして、面接の終盤で「最後に何か質問はありますか?」などと、聞かれることが多く、この質問が逆質問です。本選考に限らず、企業説明会やインターンシップ面接などでも逆質問をされることがあります。
逆質問は、入社への不安や疑問点などを直接聞ける貴重なチャンスですが、答え方が難しいと感じる就活生も多くいるようです。「何か質問はありませんか」という問いに対して「特にありません」と答えてしまい「御社に興味がありません」と受け止められる懸念も…。
「ぜひ入社したい」と考えている企業であれば、その想いを伝えるためにも、逆質問に対してしっかり対応できる準備をしておくことが大事です。面接や説明会の前に、逆質問されたら聞きたいことをまとめておきましょう。
就活の面接で逆質問をされる理由は?
逆質問はほとんどの就活面接の中で行なわれますが、なぜ人事や採用担当者は、逆質問をするのでしょうか。主な意図を4つ紹介します。
意欲や興味を見極めるため
面接官が逆質問をする1つ目の理由は、応募者の意欲や興味を見極めようとしているからです。
たとえば、興味や関心を持った企業のインターンシップに参加したい場合、事前に企業について知るために企業ホームページや求人サイトなどを調べるなど、準備をしっかり行なうはず。その中で「これはどういう意味なんだろう」という疑問や確認したい事項が出てくるのは、当たり前のことです。
だからこそ面接官としては、「自社についてどれくらい調べてきていて、何をもっと知りたいのか」を知るために逆質問をするのです。そのため、逆質問に対して「知りたいことは特にありません」と答えてしまうのは、少し残念な印象。「うちの会社に興味がないのだな」と受け止められてしまうことも考えられるので、注意が必要です。
社風との相性を確認するため
2つ目は、自社の社風と応募者の性格が合うかどうかを判断するためです。
逆質問では応募者が自分で質問を考えて発言するため、性格がよく表れます。たとえば、「積極的に行動するこが大事」とされている企業に対して、「イチから丁寧に教えてもらえる雰囲気ですか?」という質問は少々的外れ。「この応募者は自社の社風とマッチしないかもしれない」と思われてしまう可能性があります。
能力が高い人材であっても社風と合わないと判断されると不採用になりやすいため、企業がどのような人物を求めているかをしっかりチェックし、逆質問を考えることが大事です。ただ、ここで注意しておきたいのは、社風に合わせて自分自身の性格や考え方まで変える必要はないということ。自分を偽って企業好みな逆質問を用意して採用されても、入社してからミスマッチを起こして早期退職してしまっては元も子もありません。あくまでも自分が長く活躍できそうな会社に出会えたときに、企業が求める人物像に沿った逆質問を用意しましょう。
コミュニケーション能力を知るため
3つ目は、応募者のコミュニケーションスキルを確認するためです。
聞かれたことにしっかりと答えるスキルも重視されますが、自発的な発言が求められる逆質問には、高いコミュニケーションスキルが必要です。回答によってはさらに質問されたり自分の考えを述べたりと、会話を重ねることが求められる場合があります。
また、「自分の考えを持っていて、人前で自身の意見を発言できるか」など、いろんな視点から応募者を見ていることも考えられます。
入社前の不安を解消するため
4つ目は、逆質問を通して応募者の不安を解消するためです。そして、応募者が入社前に抱えている不安をなくすことで、応募者の入社意欲を高める狙いもあります。
人事や採用担当者からしてみると、応募者が複数の企業の選考を受けていることは想定内です。そのため、逆質問をすることで、できる限りの不安や疑問を解消し、自社の魅力を知ってもらいたいと考えています。結果、自社の志望度をアップさせたい想いがあるのです。
就活の逆質問で知っておきたいポイント
それではここで、実際の就活面接や選考会で逆質問に答える際や、事前に準備をしておくときに押さえておきたいポイントを解説していきます。
質問を事前にしっかり準備しておく
逆質問のメリットは、あらかじめ答えを準備できる点です。面接までの期間を使ってきちんと企業研修を行ない、逆質問に対する答えを考えておきましょう。
また、逆質問は割とざっくりした内容になるため、答えの自由度も高めです。基本的にどんな質問をしても問題ないので、不安や疑問点は率直に質問するのがベター。「よくある質問をすると、やる気がないと思われそう…」と不安に思うかもしれませんが、質問した内容が採用の成否に影響することはありません。安心して、知りたいことを聞きましょう。
自己PRと合わせて質問をする
逆質問は自分自身をアピールするチャンスでもあります。ただ質問をするのではなく、自分のアピールにつながるような質問内容をおすすめします。
たとえば、教育体制について質問したい場合は、「どんな教育体制ですか」と聞くよりも、「御社の一員となれたら、早期にスキルアップし業績に貢献したいと考えていますが、どのような教育体制ですか」などと質問をすれば、成長意欲の高さをアピールできます。
このように自己PRにつながる逆質問をするためにも、事前準備の段階で逆質問を通して何を相手に伝えたいかを明確にしておくことが大切です。意欲をアピールしたいのか、自分の長所を伝えたいのか、あらかじめ軸を決めておくことで、質問も考えやすくなります。
Yes/Noで答えられる質問は避ける
逆質問をする際に、注意する点としてはい、いいえで答えられる単調な質問は避けた方が良いでしょう。
せっかく自己アピールできるチャンスなので、はい、いいえで答えられるような質問をしてしまうと、会話はなかなか続きません。たとえば「仕事は楽しいですか」という質問は「はい、楽しいです」で終わってしまい、もったいない時間となることも。
コミュニケーションスキルをアピールするためにも、人事や採用担当との会話をうまくつなげられるような質問を考え、投げかけることが大事です。「仕事をしていて、楽しいと感じるのはどんな時ですか?」など、会話は弾み、ラリーが続くような逆質問ができれば、面接官の印象にも残るでしょう。
無理に逆質問しなくても良い
少し意外に感じるかもしれませんが、逆質問に対して必ず質問をしなければならないルールはありません。「特にありません」と答えることが、絶対に間違っているわけではないのです。
逆質問をされるタイミングは、基本的に面接の最後です。そのため、最後に至るまでの過程で用意していた質問への答えがすべて得られることもよくあります。逆質問をしなければならないという想いに囚われてしまい、的外れな質問をしたり考え込んでしまったりして、面接の貴重な時間をムダにしてしまう方が面接官からの印象は悪くなってしまいます。
質問したい内容の答えが面接で出た場合は、「ここまでに十分な説明をいただいたので、特に質問はありません」「お話をうかがって納得できました。さらに御社に入社したい気持ちが強くなりました」などと答えるのが良いでしょう。
就活の逆質問で避けるべき内容は?
実際に面接で逆質問をする際に気をつけるべき点について説明します。
ホームページや募集要項に記載がある質問はしない
逆質問をする際に、気を付けておくべきなのは、事前に調べればわかるような質問はしないことです。
たとえば、企業のミッション、ビジョン、バリュー、事業内容、応募要項など、ホームページや採用サイトに記載されているような内容はしっかりと把握し、質問をするようなことはないようにしましょう。もしも知らずに質問してしまえば、入社意欲が低いとみなされてしまう可能性が高いです。
質問をするのであれば、「募集要項には●●と記載されていましたが、具体的にどのようなことを指しているのですか」など、事前に企業研究を行なった上での疑問点だと分かるように質問します。
それまでに話した内容を質問するのはNG
また、面接過程ですでに話した内容について再度質問するのも避けるべきです。
事前に説明された内容の質問を繰り返すと、「こちらの話を聞いていない」「注意力散漫な応募者だ」と思われてしまう可能性があります。どうしても確認したい内容がある場合は、「先ほどのお話の確認となり恐縮なのですが、●●という認識で間違いないでしょうか」など、前置きして確認するようにしましょう。
ただ、すでに話した内容をさらに掘り下げて質問するのは大丈夫です。「先ほどお聞きした仕事内容について、●●と伺いましたが、もう少し詳しく伺ってもよろしいですか」など、追加の情報が欲しいことを伝えて質問しましょう。
漠然とした質問をしない
漠然とした質問は、明確な答えができず面接官が対応に困ってしまうため、避けるようにしましょう。
たとえば「どうすれば活躍できますか?」「入社してどのくらいで出世できますか?」など、状況や人によって違う抽象的な質問も控える方が懸命でしょう。
また、人事・採用担当、現場マネージャー、経営層など、面接官の立場によって答えられない質問もあります。経営層に対して「現場の1日のスケジュールを教えてください」「組織はどんな雰囲気ですか?」などを聞いても、答えにくいはずです。
逆質問の時間は、コミュニケーションスキルを確認する場でもあるため、相手の立場によって質問の内容を変えたり、答えにくい質問を避けたり、臨機応変に対応することも必要です。面接官が答えやすい逆質問をすることもマナーといえるでしょう。
給与・待遇面にのみ特化した逆質問をしない
仕事内容や求める能力などに触れることなく、給与や休日休暇、福利厚生などの待遇面について直球な質問を投げかけるのも避けましょう。「待遇についてばかりで仕事への意欲がない」と受け止められてしまう可能性があります。
待遇面に関しては、基本的にホームページや採用ページに記載があるので、それ以上の質問をするのはマナー違反です。
下記のような質問は控えた方が良いでしょう。
- 入社1年目の平均年収はどのくらいですか?
- 前年度の賞与支給実績を教えてください。
- 残業は月平均どのくらいありますか? など
受け身・消極的な印象を与える逆質問はNG
仕事や成長に対して受け身に感じるような質問をするのも良くありません。たとえば、「入社後じっくりと勉強できますか?」「研修などで育ててもらえますか?」などの質問は、会社に対する依存心が強く、自ら成長する意志がないと判断される可能性があります。消極的な印象につながる質問は注意しましょう。
下記のような質問は要注意です。
- 入社後にスキルを伸ばしてもらえるような研修はありますか?
- 御社の教育制度があれば自分でも第一線で活躍できるようになれますか?
- 売上ノルマはありますか?もし達成できなければどうなるかも教えてください。 など
【就活のシチュエーション別】好印象を与える逆質問の例
インターンシップ面接や企業説明会、本選考など、逆質問を受ける可能性がある場面はさまざまです。そこで段階ごとにおすすめの逆質問例や、コツなどを説明していきます。
インターンシップ面接での逆質問
インターンシップ面接では、選考する意欲・熱意が何よりも大事です。
インターンシップ面接では以下のような質問例が好印象につながるでしょう。参考にしてみてください。
- インターンシップまでにどのような準備をしておけば良いですか?読んでおくべき本などがあればぜひ教えてください。
- インターンシップでは具体的にどの部署に配属となり、どのような業務を担当させてもらえるのでしょうか?
- 今活躍している社員の方たちのインターンシップでの印象的なエピソードがあれば参考までに教えていただきたいです。 など
企業説明会での逆質問
企業説明会では質疑応答の時間を設け、就活生から一斉に質問を受け付けることが多くあるため、シンプルな質問を意識するようにしましょう。また、人事や社員から直接情報を聞けるチャンスなので、ホームページの情報をもとに、さらに深堀りした質問をするのがおすすめです。
企業説明会では以下のような質問例が好印象につながるでしょう。参考にしてみてください。
- 企業ホームページには求められる人物像について○○や◎◎とありましたが、現在活躍されている社員の方はどのような方ですか?
- 今の仕事のやりがいは何ですか?印象的なエピソードがあれば、ぜひ教えてください。
- 現在リモートワークがほとんどだと伺いましたが、社員の方同士のコミュニケーションはどのように取られているのですか? など
一次面接・二次面接での逆質問
本選考における一次・二次・最終面接では、面接官の役職などが異なる場合がほとんどです。そのため、面接官に応じて質問の内容を変える工夫をした方が良いでしょう。
一次・二次面接では人事や採用担当者など、現場に近いポジションの人が面接官を務めることが多く、仕事内容や入社までに準備すべきことなどの質問をするのがおすすめです。
一次・二次面接では以下のような質問例が好印象につながるでしょう。参考にしてみてください。
- 入社後、活躍するために今準備しておくことはありますか?
- 御社は現在、グローバル展開を進めておられますが、私はTOEIC900点台です。御社に入社後、グローバル案件に携われるチャンスはありますでしょうか? など
最終面接での逆質問
最終面接では一次・二次面接とは面接官が変わり、社長などの役員が担当することが多くなります。そのため、現場の細かな情報ではなく、会社のビジョンや全体の課題などを聞くと好印象でしょう。
最終面接では以下のような質問例が好印象につながるでしょう。参考にしてみてください。
- 御社の○○という理念に感銘を受けました。御社にとって理想的な社員像を教えてください。
- 御社が現在新規事業に注力されているということですが、今後はどのような領域で事業展開する予定ですか?また、海外で活躍できる機会もありますか? など
まとめ
就活面接における逆質問について、理解を深めていただけたでしょうか。さまざまな企業で選考を進める際に、面接はなくてはならない過程です。そして逆質問の時間は、ただ質問をするだけでなく自身のアピールができるチャンスでもあるのです。
この時間は、あくまでも儀礼的なもので重視されないと思っている方もいるかもしれませんが、それはあなたの答え方次第ともいえるでしょう。今後面接に臨む際には、ぜひ逆質問の時間を有効活用してみてください。この記事があなたの就職活動において、役に立つ内容となれば幸いです。
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