最終面接は選考における最後の関門。「役員と話すのは緊張する…」「どんなことを聞かれるのか不安…」そう感じている方は多いと思います。
私も最終面接の前日、「明日の30分で人生が決まってしまう」などと考えすぎてしまいその夜は一睡もできず、寝坊しそうになった苦い経験があります。
極度に緊張や不安を感じてしまうと本番でのパフォーマンスに影響します。こういった事態をさけるためにも、最終面接の目的やポイント、想定質問やオススメの逆質問を理解し、自信をもって最終面接に臨めるよう万全の準備を行いましょう。
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- 最終面接と、1次・2次面接の違いは?
- 最終面接の評価ポイントは?
- 最終面接で落ちる人の特徴
- 最終面接までに準備・対策しておくべきこと
- 最終面接でよく聞かれる質問と回答例
- 最終面接での好印象な逆質問
- 最終面接後にやるべきこと
- まとめ
最終面接と、1次・2次面接の違いは?
1次・2次面接では主にその人の実務能力をみています。素直さや向上心、または営業職におけるコミュニケーション能力など、業務を遂行し利益を上げるだけの能力。適性があるかを判断されます。
能力の有無は、事前に用意された判断基準のチェックシートを元に判断するなど比較的簡単なため、面接官は人事や現場の若手社員であることが多いです。
一方最終面接では、その人が社風に合うか、事業に貢献してくれそうか、理念に共感し志望度が高いかどうか、といった抽象的な観点で判断されることが多いです。
会社のことを深く知っている人でないとこれらの判断を行うのは難しく、そのため面接官は社長や役員、または現場の責任者クラスであることが多いです。
最終面接とは?油断は禁物!内定を勝ち取るための注意点やポイントを解説 - エンゲージ 会社の評判
最終面接の面接官は経営層や現場責任者クラス
最終面接には会社の経営層や現場の責任者クラスといった、地位の高いポジションの人がでてくるのが一般的です。この方達は百戦錬磨のビジネスマン・起業家であり、人と向き合う力やコミュニケーション能力に長け、会社を誰よりも深く理解した上で面接を行ってもらうことができます。
しかし、このような方々と面接をするにあたっての1つ留意点として、「ジェネレーションギャップ」が存在することを知っておくべきでしょう。経営者や責任者のようなプロのビジネスマンと大学生では経験の量や考え方に多少の違いがでてくることがあり、そのため、時には意見否定されることや理解しあえないこともあるかと思います。
ですが、そこで反抗するのではなく、あくまで価値観や考え方の違いとして「おっしゃる通りですね。そういう考え方もありますね。」と、一度受け入れてから自身の意見を述べると良いでしょう。
最終面接の所要時間は?
所要時間とその意味については、企業によってことなるため一概には言えません。ですが、一般的に最終面接の所要時間は、意思確認の意味合いが強い場合は10分~20分程度、意思確認に加え志望度やパーソナリティを判断する場合は30分~1時間と1次・2次面接の長さと変わらないことが多いです。
1つ注意していただきたいのが、面接時間が短いからと言って「意思確認だけだから大丈夫だろう」と気を抜いてはいけないことです。事前に意思確認だけだと申告されていない限りは評価の場であると考えるべきであり、十分な対策と緊張感をもって最終面接に臨む必要があります。
最終面接の通過率は”2人に1人”?
最終面接の通過率もまた企業によって異なるため一概には言えません。経験上や聞いた話によると、実際に最終面接が雑談だけで終わったという人もいますし、逆に最終面接で落ちたというひとも珍しくありません。
通過率は2人に1人、50%と声高々にいう人もいますが、その主張には根拠がないもしくはその会社の話であると考えられるため、信用する必要はありません。
また、最終面接はESや1次・2次面接という長い選考ステップで能力を見極め、最後に会社に合うかなど採用の是非を判断するために会社のトップが時間を設けて行われるものです。そのため、「内定は確実だろう」考えてしまうのは非常に危険だと言えます。通過率がどうであれ万全の準備を整える必要があると考えるべきです。
最終面接の評価ポイントは?
最終面接では実務能力よりも会社へのマッチ度がみられると申し上げましたが、具体的な評価ポイントにはどのようなものがあるでしょうか?
以下、ポイントを解説していきます。
①志望度
評価ポイントの1つ目は、志望度です。なぜ志望動機が重要になってくるのか。理由は内定辞退や早期の退職は会社にとって大きなダメージになるからです。
人材を採用するには、大きなコストと労力がかかるもの。内定を出してから辞退されてしまうと、また1から採用をやり直なければなりません。このような事態をさけるため、面接官は「なぜ業界の中でもウチか?」や「ほかの会社ではダメな理由は?」などと志望動機を聞いてくるのです。
それ以外にも面接を担当するにあたって「少しでも志望度の高い学生を採用したい!」という純粋な気持ちがあります。面接官も人である以上、これまでの面接を通じてある程度能力が同じぐらい高い学生の集まった選考であれば、入社に対する思いが強い学生を採用したくなるもの。
そのため最終面接では、「この子はウチに入社してくれそうだ」と思ってもらえるよう、熱意や志望度の高さをアピールすることが大切です。とはいってもただ「入社したい」と口で言うだけでは説得力が足りません。入社したい人であれば相応に実行するに違いない企業研究・逆質問といったアクション、話し方や姿勢などの態度も大切です。
②パーソナリティ
2つ目に、パーソナリティです。能力が高くても、性格や人間性が会社にマッチしていないと活躍できる可能性は低くなります。職種の向き不向き、人間関係、これらは仕事の成果に直結してきます。
会社にもよりますが、実際に社内で活躍している社員とのパーソナリティの類似度合で評価する場合が多いです。性格適性検査のように定量的に評価されることもありますが、最終面接においては、経営者・責任者の経験や主観に基づいて評価されることが多いでしょう。
OB訪問など事前に活躍している社員の特徴やパーソナリティを聞き、自分と共通している部分をアピールするようにしましょう。アピールする際は担当する面接官にどうしたら伝わるか・記憶に残るかも意識しましょう。
③ビジョンやキャリアプランのマッチング
3つ目に、ビジョンやキャリアプランのマッチングです。就活生が将来会社で成し遂げたいと思っていることや、考えているキャリアプランを確認するというものですが、この確認には2つの目的があります。
1つ目は、入社してからのイメージや具体的な計画を立てられているかどうかで志望度を測るという目的です。入社後の計画を立てるためには会社について深く理解し、実際に社員と話さなければ難しいことも多く、具体的なプランがあり実現できそう=それだけ企業研究に時間を費やせている=志望度が高いかというロジックで評価されるということです。
2つ目は、就活生と企業のミスマッチを防ぐためです。仮に就活生が携わりたいと考えている事業が、実は撤退する予定であることが経営計画でも発表されていたり、営業職からエンジニア職への移動ができないのに就活生がそれを望んでいたりといったケースです。このミスマッチは企業・就活生にとって避けたいことであるため、むしろミスマッチを指摘してもらえるのはとてもありがたいことだと言えます。
志望度をアピールする、またミスマッチを防ぐためにもできるだけ事前に徹底した企業研究を行うようにしましょう。
④対応力・ストレス耐性
最終面接官によっては、対応力やストレス耐性を見られることがあります。思いもしない突飛な質問や、あなたの話の矛盾点を指摘するような質問をされるかもしれません。考える時間が必要であれば「少し考える時間を頂いてもよろしいでしょうか」と正直に伝え、落ち着いて回答しましょう。
最終面接で落ちる人の特徴
最終面接で落とされてしまう人の特徴とはどのようなものなのでしょうか?以下で解説していきます。
①発言に一貫性がない
1つ目に、発言に一貫性がないというものです。エントリーシートで書いた就活の軸が最終面接では違うものになっていたり、学生時代に取り組んだことの内容が変わっていたりという例がありますが、このような一貫性のない発言は必ず避けるようにしてください。なぜなら、今までの選考データはすべて採用関係者に共有されており、矛盾が生じた時点でかなり印象が悪くなってしまうためです。
就活の軸が変わってしまう場合もあるのでは?という声もあると思いますが、今まではその軸が評価されて通過していたわけであり、急にそれを変えてしまうと評価が変わってしまう恐れがあるためリスクが高いといえます。また、軸に合わないのであれば辞退すれ良いのであって、内定が欲しいのであれば無難に変えない方が良いでしょう。
以上、一貫性を保つことは大事という話でしたが、自己分析を徹底的に行えば後で軸が変わるといったことは起こりませんので、選考が始まるまでに入念に対策を行うようにしましょう。
②熱意が伝わってこない
2つ目に、熱意が伝わってこないというものです。熱意を伝えるというと少し抽象的ですが、言い換えると「絶対に入社して活躍したい」「この会社でしか成し遂げられないビジョンがある」という気持ちを伝えるということです。
すでに述べた通り、最終面接は実務能力が基準を満たしている人を最後ふるいにかけるための場であるため、その中で選ばれるためには熱意や志望度の高さをアピールしなければいけません。具体的に熱意を伝える方法は次のようなものがあります。
- その企業でないといけない理由を伝える
- 活躍できる根拠を伝える
- 抑揚や表情を意識して話す
- 何をやりたいのか、その理由も話す
ココでのポイントは、企業のことが「好き」ということをアピールするのではなく、「何をやりたいか・実現したいか」をアピールする必要がある点です。企業は自社の「ファン」ではなく、共に会社を成長させてくれる「仲間」を求めているため、入社後どのように活躍できるかを想像させることが重要になってきます。
③情報収集ができていない
情報収集ができていないということはすなわち、企業研究が浅いということです。志望動機同様、浅い企業研究は経営層クラスの面接官には見透かされてしまうため、しっかりと情報収集を行う必要があります。
浅いと思われてしまうときのよくあるパターンの1つ目は、競合との比較ができていないケースです。
例えば、「素晴らしい商品やサービスを世に広める仕事がしたいため、御社を志望しております。」この志望動機は企業ではなく業界の志望動機になってしまっており、「ウチじゃなくても良いのでは?」と言われてしまう可能性大です。そのため、「圧倒的なリーディングカンパニー」や「新しい商品を開発するイノベーター」といった業界内でのポジションや、競合他社のサービスや製品との違いは最低限把握しておきたいポイントになっています。
その上で、なぜその企業に魅力を感じどのような経験に起因しているかなどと、過去の経験や自身の価値観と志望動機を結びつける必要があります。
④意思確認程度だと油断して気を抜いてしまう。
4つ目に、意思確認程度だろうと気を抜いてしまうことです。会社によっては意思確認だけで終わるケースもありますが、全ての会社がそうとは限りません。
最終面接は、コストをかけて育てていくのに値する人材かどうか見極める場です。就活生の気の抜けた態度は面接官に伝わりますし、気が抜けている状態ではとっさの質問に対応できないこともあります。意思確認の可能性が高いと感じていても、真剣に面接に臨むようにしましょう。
⑤最終面接官の意見に対する態度がよくない
面接中に、最終面接官からアドバイスや指摘をもらうかもしれません。その際に「いや、そうじゃなくてー」と言い返してしまうのはNGです。「仰る通りです」など話を受け入れる姿勢を心がけることが重要です。また、「これから~~のように改善していきたいです」など改善しようとしている姿勢をアピールできるとなお良しです。
このような受け答えをすることで、面接官は「この学生は他人のアドバイスをもとに改善・成長できる人材だ。」と好印象をもってくれます。
また、最終面接官は学生よりも20~30歳以上年上ですし、社会経験も段違いです。その中で学生が言い返してしまうと、面接官から良い印象は持たれません。素直に指摘やアドバイスを受け入れる姿勢を意識しましょう。
⑥過度に取り繕ってしまう
最終面接へ臨むにあたっては万全の準備が必要です。しかし、あまりにも作りこみすぎて、あなたの「素」を隠してしまうような言動を取ることは避けましょう。なぜなら、最終面接官は「人を見抜く力」に優れている人が多いので、建前ばかり話したり、取り繕ったりしても見抜かれてしまうからです。もちろんすべて本音で話すわけにはいかないでしょうが、ある程度「素」で話すことを心がけましょう。
最終面接までに準備・対策しておくべきこと
最終面接の評価ポイントや落ちる人の特徴を解説してきましたが、具体的にどのような準備・対策をおこなうべきでしょうか?ここでは、最終面接本番までにやっておきたいこと3つを紹介します。
自己分析を見直す
1つ目は、自己分析をもう一度見直すということです。その理由は、すでに述べてもいますが、発言の一貫性を保つためです。発言の矛盾は故意的ではなくても面接官に悪い印象を与えてしまうため、自己分析内容を確認するべきです。
また、ロジックが正しく面接官が納得できそうかなど、改善を行うためにも再度自己分析を行うようにしましょう。
想定質問への回答・逆質問を用意しておく
2つ目は、想定質問への回答・逆質問を用意することです。あらかじめ過去の頻出質問を調べ、最終面接での逆質問を考えることは重要な対策項目です。
また、経営者や役員の中にはユニークで就活生を試すような質問をしてくる場合も多く、とっさに回答することが困難な場合もあります。後でも紹介しますが、「希望年収とその理由は?」という質問は大手IT企業の面接で実際に聞かれたものであり、それを真似して使っている会社も多いと聞きます。そのため、余裕があればネットで調べられる範囲でユニークな質問を探し、それに対する回答を用意してみても良いかもしれませんね。
企業・役員の情報を収集しておく
3つ目は、企業・経営者・役員の情報を事前に収集することです。企業の情報に関してはすでに述べた通り、企業研究の度合=志望度という評価をされるため準備を行う必要があります。経営者・役員の情報に関しても、意欲や志望度の高さをアピールできるため調べておくべきでしょう。
例えば、逆質問の時に「~さんは~事業の責任者として~という功績をあげられたと思うのですが、その時はどのような工夫を行ったのですか?」などと質問すると、「事前に伝えていないのによく勉強できているな」と感心してもらえる場合があり、評価としてもプラスになります。
経営者や役員の情報は会社の記事や有価証券報告書の中で得ることができるため、本番までにチェックしておきましょう。
企業の情報・口コミは「エンゲージ 会社の評判」で
企業や役員の情報はHPや報告書でも収集できますが、口コミサイトを使って調べるのも非常にオススメです。
というのも、口コミサイトには実際に働いている社員から見た会社の情報(強み・弱み、社風、評価聖子、課題など)が掲載されており、これらは公式HPなどでは得られない情報であることが多いです。
そのため、逆質問の際に具体的な質問をすることで企業理解度をアピールでき、話題にも困らなくなるなどたくさんのメリットを得ることができます。
最終面接でよく聞かれる質問と回答例
次に、最終面接で聞かれる質問と、それに対する回答例をいくつかご紹介いたします。
未来に関する質問
1つめは「未来」に関する質問です。すでに述べたように、将来のキャリアプランやビジョンは志望度の高さ・会社とのマッチングの2つの観点で評価されることが多く、ポイントとしては過去~未来の一貫性(ビジョンが自分の過去に起因しているのか)や、具体性が重要になってきます。
当社で実現したいことは?
【回答例】
将来は、ICTの力と貴社の強みである~のクラウド技術を用いて、日本の観光産業の高度化を果たすべく地域の個人経営店および中小企業の業務効率化の実現に貢献したいと考えています。
というのも、私は京都で和菓子店を営む両親のもとで生まれ、子供のころから仕事の手伝いをしていましたが、人手不足で業務が回らなくなり、不景気の影響を受け廃棄が大量に発生するなど苦労していました。
その時に、タブレット一つで決済や顧客データを管理できるシステムを紹介していただき導入したところ、業務が回るようになり口コミサイトでの評判も向上しました。
この経験からICTやクラウドに興味を持ち、個人経営店や中小企業の支援を通して観光産業の隆興につなげたいと考えるようになりました。そして、御社の現場を理解した機能と顧客に寄り添ったアフターサービスを強みとした製品を普及させることで、自身の夢を実現させることができると考えております。
ココでのポイントは主に2つです。
①なぜその業界(企業)でないといけないのか。
ここでは、あなたはどのように中小企業を支援したいのか?が論点になってきます。中小企業を支援したいということであれば、コンサルティングや人材紹介、または金融機関に勤め融資するという形でも支援は行うことができますが、その中でもどのような形で支援したいのかをアピールできている必要があります。
この例では、クラウドやシステムによって効率化や需要予測につなげるといった具体的な内容に加え、製品の特長についても触れられているため、なぜその業界(企業)でないといけないのかが明確になっていると言えます。また、理念が一致していることも述べられており、企業との方向性が同じであることもアピールできています。
②なぜあなたが実現したいのか。
業界(企業)の志望動機を述べることは重要ですが、なぜあなたがそう考えるのか?という理由を説明する必要もあります。この例では、実際に観光産業の中の個人経営店を営む両親の元に生まれ、実際にIT の力で課題を解決できた「実体験」を元に実現したいことが述べられています。
これにより話の説得力が増し、「これは本当に実現したいことなのだな」と思ったもらうことができます。この例ほど直結する経験ではなくても良いですが、説得力を持たせる要素は何か1つ取り入れるようにしましょう。
5年後、10年後のビジョンを教えてください。
【回答例】
私は企画職として化粧品のモノづくりに携わりたいと考えています。御社にはローテーション制度があり様々な部署で経験を積むことができるとお聞きしていますが、私は特に商品企画の仕事で、自身の考えを形にする行動力を生かしていきたいと考えています。
というのも私は学生時代、服のリメイク作品の制作を始め、同じ活動をしている仲間を集めて展示会・フリマを行うというアイデアを実現させたことがありますが、理想を現実にできたときにやりがいと大きな喜びを感じたことから、商品企画のようなアイデアを現実にする仕事がしたいと思うようになりました。
そこでまず、5年後には自分のアイデアをプロジェクトの中で採用してもらえる存在になれるよう努力をし、10年後には、リーダー職としてチームをまとめ企画を推進し、やり遂げることができるようになりたいと考えています。
さらに、このキャリアを実現させるためにデータ分析やマーケットリサーチといったハードスキルと、コミュニケーション能力やリーダーシップといったソフトスキルを、業務の中で~といった風に培っていきたいと考えています。
ここでのポイントは3つです。
①できるだけ明確で実現可能な目標を設定する
数字を用いた定量的な目標まで掲げる必要はありませんが、リーダーやマネージャー職としてチームを推進したいという現実的で実際にあるキャリアパスを提示することがポイントです。
また、データアナリストのようなスペシャリストとして社内コンサル的な動き方をするのか、ジェネラリストとして1つの製品・部署の統括をするポジションにつくかなども、明確に述べられると良いですね。
②そのビジョンを考えた理由を述べる
人が何か目標や理想を掲げるのには、必ず背景となる出来事やきっかけがあるはずです。今回のビジョンに関しても同じで、例文のように「アイデアを現実のものにしたときにやりがいを感じたから、将来も企画職でやりがいを感じながら働きたい」という、納得できる理由が述べられている必要があります。
③目標までの道のりを述べる
単にビジョンを話しただけでは納得してもらえません。本気度を伝えるためにも、例文のように具体的なキャリアパスと、それに向けてどのようなスキルをどのように身に着けていくのかを述べるようにしましょう。
志望度に関する質問
最終面接では、志望度に関する質問もよく聞かれるでしょう。
志望度を測るポイントは、
- 過去と未来の一貫性
- 競合比較
です。簡単に言い換えると、「あなたはなぜそのような軸やビジョンがあり、なぜウチの会社で実現できるのか(したいのか)」ということを問われています。以下で例文を紹介していきます。
業界の中でも当社を志望する理由は?
私は「ヒト」という視点から企業を支援したいと考え人材業界を志望していますが、その中でも御社の「収益性と社会正義性の両立」という理念に強く共感しました。
転職サイトを口コミと連携させ、企業に不都合になりかねない情報も記載することで求職者にとって本当に良いサービスを作るといったように、利益だけでなく社会性を追求している点が競合他社との大きな違いであり、正直で嘘を付けない性格の私にとって、誠実さを求める御社の事業・企業姿勢は非常に魅力的であると感じました。
そのため、利益はもちろん利用ユーザーに誠実な御社のサービスを、営業職として社会に広く普及させたいと考えております。
業界の中でもその会社を志望する理由に関する質問ですが、この例ではしっかりと競合との考え方・製品の特長の違いを分析できており、さらにそれに魅力を感じた理由を自身の性格・価値観に結びつけることができています。これにより説得力を持たせることができており、企業研究はやはり重要であると言えます。
面接官オリジナルの質問がとんでくることも
最終面接では、経営・役員クラスの面接官からユニークな質問がとんでくることがあります。
入社前後での行動について
「この場で内定を出したら入社する?」「希望部署に配属されなかったらどうする?」といった質問をされることがあります。いずれも無難な回答は肯定的な反応になりますが、一方で嘘をついたり意思を偽ったりしないことも大切。状況を見て可能な範囲で率直な意見を伝えましょう。
想定の難しい質問もある
例えば、「年収はいくらを希望しますか?理由も教えてください。」といったものや、「あなたの親友を今この場に連れてきて、あなたについて語らせるなら友人は何と答えますか?」といった質問です。
これらは実際に大手IT企業であった質問ですが、基本的にこれらの質問に対する正解はないと考えてください。即興での思考力が試されており、質問の意図を瞬時に予測し回答内容と根拠が論理性を保った形で述べられているかなど、「思考の深さ」やその人が普段からどのように物事を考えているかといった「思考のクセ」を見極めるという側面が含まれています。
そのため基本的に事前対策を行うことは難しい質問ですが、自己分析や論理的思考力を鍛えることで回答の質は高めることができるでしょう。
1次・2次で聞かれた質問も忘れずに
以上、最終面接での頻出質問と回答例を紹介しましたが、1次・2次面接で聞かれた質問も再度対策しておく必要があります。
というのも、最終面接では事前にその就活生の懸念点や課題、パーソナリティが共有されており、それらの再確認を行うことがありますので、1度振り返り対応できるように準備しておくことをオススメします。
そのため、1次・2次面接の質問内容をメモしておく、できていない場合はネットで過去の質問を調べてノートにまとめておくと良いでしょう。
最終面接での好印象な逆質問
最終面接にも最後に逆質問の時間が設けられますが、実はこの質問内容も評価対象になりうるのです。経営者・役員クラスと話す貴重な機会なのにも関わらず現場の業務に関する質問をするのは適切とは言えませんし、HPに乗っていることを質問してしまっては企業研究が浅いと思われてしまいます。
そういったことを避けるためにも、以下で紹介する最終面接で評価される逆質問の例を参考にしてみて下さい。
①面接官の武勇伝を引き出す質問
1つ目に、面接官の武勇伝を引き出す質問です。
既述の通り、最終面接に残るのは実務能力の評価をクリアした就活生で、志望動機も入念に作り上げてきます。そんな拮抗した中で最後に決め手となりうるのは「フィーリング」です。面接官に「なんか、今の面接楽しかったな」と思わせれば内定を出してもらえる確率は確実に上がりますし、多少評価が悪くてもそれをひっくり返すほどフィーリングは大切な要素です。
そして、逆質問でそのフィーリングでポイントを獲得することが可能で、数多くの修羅場をかいくぐり競争を勝ち上がってきた経営層クラスの方に「今のポジションにつくまでにどういうことを大切にしてきましたか?」や「苦労したことはどのような点ですか?」と聞けば、熱く語ってもらえる可能性は高いでしょう。
もちろん、そんな貴重な話を聞けることは自分にとってもプラスになりますし、面接の場を盛り上げ良い印象を与えるためにも有効的な質問になりますので、ぜひ使ってみてください。
②今までにあった会社の危機や困難を聞く質問
2つ目に、今までにあった会社の危機や困難を聞く質問です。
これも先ほどのフィーリングにもつながりますし、長年会社に身を置いてきた経営層の方は自社の過去について深い思い入れがあります。
倒産の危機があったかもしれませんし、逆に革命的なアイデアで勢いに乗った話もあるかもしれません。そのため、経営層の会社に対する熱い思いを聞ける貴重な機会にもなりますし、会社の過去に興味を持ってくれたことに対して良い印象を抱いてもらえる可能性もありますので、良い質問と言えるでしょう。
③入社を前提とした質問
続いて、入社を前提とした逆質問です。
例えば、「私は御社の~の事業部で~の職種として~のようなキャリアを歩みたいと考えているのですが、実現可能でしょうか?また、そのために今から何をしておくべきですか?」などと質問をすることで、すでに入社の意思が固まっていることを伝えることができ、志望度の高さをアピールすることができます。
「正直競合他社Aと迷っており、比較した時の御社の強みを教えてください」と質問してくる就活生よりも、入社前提の質問をしてくる就活生の内定獲得の確率が上がるのは明白でしょう。
また、提示したキャリアプランやビジョンが具体的で実現可能性の高いものであれば、企業研究ができているとしてさらに高い評価を得ることができます。
④事業の今後を問う質問
最後に、今後の事業について問う逆質問です。
例として、「私自身、入社後は~に携わりたいと考えています。この点で、御社では~事業に現在力を入れていると伺いましたが、今後、伸ばしていこうお考えの事業はありますか?」といった質問です。
これは入社の意思を伝えることに加え、会社への理解を深める姿勢を見せることで志望度をアピールすることができます。
上場している企業であれば有価証券報告書や中長期経営計画、そうでなければコーポレートサイトやOB訪問など情報源は多くありますので、事業や経営方針について経営層と話ができるレベルまで事前に企業研究を行っておくことをオススメします。
最終面接後にやるべきこと
ここまで、最終面接の概要や質問・回答例など本番前の対策法を解説してきましたが、最終面接終了後は何をすればよいのでしょうか?以下で解説していきます。
①落ち着いて連絡を待つ
次に、落ち着いて連絡を待つということです。選考が終了した時点で結果を後から変えることはできません。先ほどのようにメールで印象アップを狙うことは可能ですが、それ以降は心を落ち着けリラックスしてください。
上手くいかなかったとしても就職活動はあくまでファーストキャリアを決めるものであり、転職が当たり前になりつつある世の中ではあまりファーストキャリアに固執しすぎる必要はありません。好きな映画を見るもよし、友人と食事に行くもよし、自由に楽しんでください。
②切り替えて他社の対策を行う
まだ選考が残っている人は、リラックスの時間を設けた後切り替えて他社の選考対策を行いましょう。いくら前の選考で手応えがあったとしても内定は確実だと思い込むことは危険であり、結果が出ていない限りは安心できませんので次の対策を始めてください。
まとめ
これから皆さんは最終面接を控えていると思いますが、私が思う一番大切なことは、自身を持って臨むことです。
やはり経営層の方はこれからの会社を担う人材を採用するわけですから、ネガティブで自信のなさそうな人は一緒に働きたいと思いません。そしてこの自信につながるのがそれまでの努力であり、面接対策なのです。
私が就活を始めたばかりの頃は「自信がなさそう」と言われることが多かったのですが、1年間努力を続けた結果自信を持てるようになり、キャリアセンターの人をはじめ多くの人に「目が変わった」と言ってもらえるようになりました。そして、ある最終面接で「ギラギラしていて良いね」といってもらえた時は、ネガティブで自信のない自分の殻を破れたような気がして本当に嬉しかったです。
方法を間違えず、量を重ねれば努力は裏切りません。ですので、今回の記事を参考に、皆さんも自身を持って最終面接に臨んでください!
企業の口コミを確認して就活で活用!入社後のミスマッチも防げます!
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