10数年後を見据えて
ー経営環境が大きく変化するー
新型コロナウイルスが世界中に蔓延して2年が経過しましたが変異株が次々に発生し、未だ収束の見通しが立っていません。コロナ禍は世界経済の大きな痛手となっています。また、世界各地で100年に1度と言われるような大洪水・干魃、大規模な火災・竜巻など未曽有の自然災害が毎年のように起きています。石炭や石油などの化石燃料の大量使用による地球温暖化が進んだことによる異常気象は、コロナ禍以上に深刻な事態と言われています。また、日本における少子化はさらに加速しています。現在の中高生の1学年は約115万人ですが、2021年の出生数は約76万9,000人と推定されています。19年に90万人を下回ってから、わずか2年で80万人を割り込むことになります。
ー市場規模は激減ー
少子化は個人消費を押し下げ多くの産業にマイナス要因となっています。当業界におきましては、通塾率・生徒1人当りの売上単価がほぼ上限となっているので10数年後の市場規模は現在の7割前後となることが予想されます。学習塾・予備校の市場規模は半世紀近く1兆円産業と言われていましたが7,000億円まで下がることになります。かつて経験したことのない厳しい経営環境です。こうした環境において企業として存続・発展していくにはどうしたらいいのでしょうか。
ー進化してこそ存続・成長できるー
(1)市場規模が「7,000億円しかない」、ではなく「7,000億円もある」、と楽天的・肯定的に考えることです。企業の存在価値が問われ、今まで以上にニーズに十二分に応えられるところに顧客が集中する、ということだと思います。顧客に選んでいただける存在に進化し続けることです。逆境こそ成長できる環境と考えています。
(2)商品としての教育サービスを質量ともに高めていくこと。製造業において商品の性能は常に進化させていかなければ競合関係の中で生き残ることはできません。サービス産業においても全く同じです。当社におきましては、20年以上前からオンライン映像授業を提供してきました。コロナ禍によって、にわかに認知されたオンライン授業とリアルの授業との併用、融合によって競合他社との差別化戦略の大きな柱の一つとしていく計画です。
(3)顧客それぞれのニーズに対応した教育サービスを提供していくこと。首都圏・大都市と地方都市、家計収入、小中高生、学力状況などによって、顧客のニーズは大きく異なります。当社が校舎展開しているエリアのほとんどは地方都市です。大都市においては、ある特定の顧客層にターゲットを絞った教育サービスを提供するビジネスモデルが成り立ちます。大都市に比べて市場規模の小さい地方都市においては幅広い顧客層のニーズに対応したサービスを提供しなければ企業として成り立ちません。それぞれのニーズに対応した教育サービスを提供するには、対応できる組織体制が不可欠です。当社におきましては逸早くそうした体制を整えております。
当社は、アフターコロナ、少子化と市場規模の縮小という10数年後の経営環境を見据えたビジネスモデルを確立していきます。逆境こそ成功の絶好のチャンス、民間企業が成長できるのは競争原理の中に置かれているから、と考えています。「学力をつけるなら学習塾、秀英」と評価される企業として成長していきます。
