食の未体験ゾーンへ
社名の「食文化」は当社の商いと創業理念の基本を表しています。
日本人の食は、地域性・歴史・宗教・自然環境・外国からの渡来物など、様々な要素が折り重なり、混じり合い、単に腹を膨らませる食から、文化と呼ぶに相応しい高いレベルにまで進化し、現在も進化を続けています。一方で日本の食文化は、伝統を軽んじる戦後の風潮に地方経済の疲弊、さらには全国的な少子高齢化と人口減少、経済のグローバル化などのため、各地で衰退しています。狭いように見えて、日本の国土は気候的にも多様で、単一民族と信じ込んでいるにもかかわらず、明治維新前までは多くの国に分かれ、独自の習慣や儀礼や文化を構築してきたのです。つまり、日本各地の食文化は各地の日本人の生命の源でもあったのです。日本人の食の欧米化で生活習慣病が蔓延し、がんなどの重大疾病もその顔つきを変えてきています。日本人のDNAは縄文時代、弥生時代、それ以降も長い年月を掛けて、選抜されてきたものです。数千年の年月で形作られて日本人が、そう簡単に変わるわけがないです。日本の自然が育む水や海山の恵みや発酵食品が、日本人の世界に冠たる長寿のバックグラウンドにあります。
欧米的な食生活に漬かり、加工食品と添加物まみれの食事で、日本人の免疫力はどうなのだろうか?腸内環境はどうなってしまったのだろう?国民的な問題になってしまったアレルギーだって昔はほとんど無かったはずなのに・・・今こそ、日本人の伝統的な食文化を見直し、動物としての日本人を見つめ、原点に立ち返るのが最善策なのではないかと考えます。また、観光資源としての街並みや神社仏閣同様に、地域の伝統の食はもてなしの最強の武器です。かつ、持続可能で、リピーター戦略の要でもあります。
旬の美味 季節が来れば食べたくなる。はれの食は、まさにエンターテイメントの主役であり、幸せの中心にある。そういう日本人ならではの食文化を守り育て、持続可能とするために、生産者と消費者を繋ぐのが当社のミッションです。そのために最新のIT技術を駆使し、価値を伝えるコンテンツを生み出し、生産現場の価値を消費者の食卓の価値として実現するべく、産地と商品をプロデュースし、物流ソリューションを考える。さらに、様々な業種に股がり、多種多様なアライアンスを構築して、多くの日本人に楽しんでもらう。そして、元気で長生きで、働き続けられる日本人を作るのがビジョンです。
(株)食文化 代表 萩原章史