誰もが当たり前に生きるために
私達の取り組みは1989年、「施設で暮らす障害者の外出サービス」から始まりました。
当時、障害者の入所施設では外出できる機会も少なく、
入所者の「外に出たい」の声に気づかされて、
ボランティアを募って外出介護に取り組み始めました。
その後、「地域に戻りたい」という入所者の想いを実現するために、
施設を出て地域で共に暮らす「地域移行」の活動へとつなげてまいりました。
現在、障害者の自立生活を支える「一拠点」として、住吉区を中心に、
日中活動やグループホーム、居宅介護、委託相談支援、当事者活動といった事業を行い、
はじめ大阪市・大阪府とも連携しながら、制度や基盤の充実に取り組んでいます。
「あいえる」とは「Independent Living(=自立生活)」の頭文字です。
私自身も生まれつきの障害があり、入所施設で過ごした時期があります。
そこで知ったことは、幼い頃から施設に入所し、大人になってからも
別の施設でずっと暮らさざるを得ない「障害者の現実」でした。
今なお多くの障害者が、他の人と同じように
「地域でふつうに暮らす」ことは叶えられていません。
障害者が大人になっても親がみるのがあたりまえとされ、
親が介護できなくなれば施設で暮らすしかない現実があり、
中には何十年も施設で暮らし続けている方もいます。
地域では利用できる福祉サービスが増えてはきましたが、
未だに何のサービスにもつながらず、
何十年も家の中で孤立している障害者、家族もいます。
また、障害者が地域で暮らすには入居拒否や入店拒否といった差別も数多く
障害者の存在そのものを否定するような傷ましい事件も起こっています。
そのような現実があるからこそ、地域で共に生きる取り組みが一層必要とされています。
私達が目指すものは、
「どれほど重い障害があっても、地域でふつうに暮らせる社会」です。
それは障害者だけでなく「誰もが暮らしやすい社会」につながると信じています。
これまでの“障害者のあたりまえ”を、“他の人のあたりまえ"と同じになるように変えていきたい、
障害のある人もない人も共に力を合わせ、そうした夢を一つひとつ実現していきたいと
強く願っております。