税理士法人オーケーパートナー
代表社員 大久保 俊治
大学卒業後、1995年に千葉銀行へ入社。
1998年に大久保会計事務所に参画。1999年に税理士登録。 2010年に事業承継により所長就任。
2017年に法人化し、税理士法人オーケーパートナーに社名変更。
Q.創業16年で親族が始められた事務所とのことですか、もともと承継することは考えられていたのでしょうか?
創業者は叔父で、父親も一緒に経営を担っていたのですが、私自身は次男でしたので後を継ぐことは考えていませんでした。
大学の時にアメフトをやっていたのですが、大学1年の時に怪我をして運動ができなくなってしまいましたので、商学部だったことや親や親族がこのような商売をしていましたので、資格の勉強を始めました。
将来的に税理士になるという意識はなかったのですが、就職活動もして銀行に入行することとなり、銀行での業務として融資先の様々な業界をみて知ることとなり、仕事をしながら資格の勉強を進めていました。
バブルもはじけて後ろ向きの仕事が多く、この先どうなるのか不安を抱いていた時に、父親が大きな手術をして、大久保会計事務所の将来を真剣に考えるようになった時に、継ぐというよりもまずはどのような仕事なのかみるという観点で参画しました。
Q.実際にこの業界にたずさわることとなり、魅力がたくさんあったのでしょうか?
そうですね。銀行は2、3年で転勤することが多いので親身になりにくいというところがあったのですが、会計事務所はずっとお客様とつながっていますので、家族みたいなところがあり、何でも正直に教えて下さり相談をお受けできるというところがやりがいとなる仕事だと感じました。
銀行は、お客様に商品などを売らなければならないですが、事務所では、顧問料をいただいて本当に必要なものを提供することができますので、正直でいられることができました。
Q.代表を担うようになってから、苦労されたことはありますか?
事務所の中でも「銀行あがりの坊ちゃんが入ってきたぞ」という雰囲気があり、若干お高くとまっていたところもありましたし、番頭さんみたいな方もいて、どのように対応したらいいか分からない時期もありました。
あとは採用も苦労はしました。このような仕事も、やる気と素直さがあれば伸びると思いますので、高度なスキルよりもお客様の相談にのれる人が一番だと実感しました。
Q.そのような時期をどのように乗り越えたのでしょうか?
お客様から教えていただくことが多いですが、最終的には感謝をすることだと考えています。どんなトラブルがあったとしても、採用したのも自分であり、すべて自分が蒔いた種ですので、入ってきてくれた人には感謝をしなければならないと思っています。
そのため、自分がしたことだと捉え、失敗しないためにはどうするか考えるようにしています。何もやらないと成長もしませんので。
そう思えるのも、父親がくれた印象に残っている言葉があります。それは『頼まれごとは試されごと』という言葉で、「人から試されるために頼まれている、それがあってからこそお客様に認められる」というメッセージで、まさにその通りだなと思っています。
Q.代々受け継いでこられた事務所としての強みは、どのようなところにありますか?
長年営んでいるからこそ、お客様から信頼していただけているのだと思います。だから、お客様のことを考え、危ないと感じることやどう転ぶか分からないことについてはお客様と何度も検討を重ねます。
また、これまで地域密着でやってきたこともありますので、担当一人あたりの件数を少なめにしています。お客様とのコミュニケーションがきちんととれないと、本当にベストな提案ができないと思いますし、当社は「最高のパートナー」を目指していますので、良き相談相手として聞き、時間をかけて提案をしていきたいと思っているからです。密着度は高いと思います。
また、当社は税務業務だけではなく、経営全般のサポートをしたいと思っていますので、「ゆめをつむぐ経営サポート」として、5年先までの経営計画やそれを達成するためのアクションプランをつくり、毎月予算と実績の差を月次で振り返っています。
経営者と当社の担当の間で、数字という共通の物差しをつくり、多忙の経営者でも振り返りの時間をつくることで、強い会社の体質づくりをしています。
Q.今後、どのようなことを目指していますか?
今後相続などは、個人でも法人でも発生し増えていくと思いますので、経営とお金にまつわることは当社に相談すれば安心していただけるようなサポートをしていきたいと考えています。
また、「オーケーパートナーに頼んでよかった」という言葉をどんな担当者がついてもいただけるようにしていきたいです。「最高のパートナー」というのは、お客様にしていただく評価だと思っていますので、どんなことでも経営者が相談しようと思う第一位になりたいです。
Q.それらのことを実現するために、今後どのような人と働きたいですか?
お客様の相談に親身にのることができ、素直な人です。素直な人は吸収するのも早いですし、なんでも聞く耳を持つことができると思いますので。
その上で、本気で「最高のパートナー」でありたいって思える人を育てていきたいです。
Q.最後に、メッセージをいただけますか。
業界的にAIに代わる話も出ていますが、まったくそのようなことはないと考えています。お客様と膝を突き合わせて相談にのり踏み込むことができますので、お客様に価値を理解してもらえればとても良い仕事だと思っています。
そのため、業界としても安売り競争ではなく、お客様に親身になって相談にのり、価値を提供できるようにしていきたいです。
税理士は中小企業の経営者にとっては重要なポジションだと思いますし、もっと活躍して、目指す人が増えたらいいなと思っています。