株式会社 萬乗醸造の採用・求人情報

最終更新日: 2025年03月31日
すべては田んぼから
はじまります
フランスのワインは、素材の栽培から醸造まで、醸造家が心血を注ぐ。では、日本酒はどうか。米を栽培段階から語れる醸造家は、日本にどれだけいるだろう。暗雲が立ち込めていた日本酒業界で、日本酒造りそのもののあり方を、根底から見つめ直した男がいる。
MESSAGE
15代目久野九平治
日本酒造りを、世界基準に。
【フランスで感じたのは、後ろめたさ】
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元々演劇の世界にいた久野九平治――。父が病に倒れたことを機に、30歳手前で「萬乗醸造」を継ぐことになった。久しぶりに実家の酒蔵へ戻った九平治は、愕然とする。蔵には機械が所狭しと並び、酒を大量生産する日本酒工場となっていたのだ。

当時は、新しいアルコール飲料の台頭、消費者の酒離れなどにより、日本酒消費量が低迷していた時代。萬乗醸造もまた売上不振に苦しんでいた。このまま「安く大量に造って売る」を続けても、きっと売上は戻らない。悩んだ末に向かったのは、ワイン造りの本場・フランスだった。

世界で愛されるワインの本場に、ヒントはある。そう信じ、現地のシェフやソムリエに自社の日本酒を勧め、感想を聞いて回った。そこで、あることに気づく。彼らの質問は決まって、原料である米の産地や作り方のことばかりだった。フランスでは、醸造家がブドウの生産からワイン製造まで一貫して携わる。ゆえに、原料の質が商品の質に直結することを知っているのだ。

日本酒造りは伝統的に「米は農家が、酒は蔵元が」という考えが主流。萬乗醸造も例に漏れず、創業時からそれが当たり前だった。だからこそ、米について聞かれても、話せるのは農家との会話や本で得た表層的な知識だけ…。感じたのは、後ろめたさだった。

【世界でもっと日本酒が飲まれるようになりたい】
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その思いから酒に合う米を自ら育て、職人の手で醸す日本酒造りにさらにこだわりを持つようになる。

2010年、自社での稲作が始まる。もちろん、社内に米の栽培ノウハウは全くない。兵庫県黒田庄町の現地農家の方々に協力を仰ぎ、社員総出で、イチから米作りを学んだ。さらには、醸造工程も一新。米を洗う、蒸すなど、一般的に機械でなされる工程も、職人の手作業にこだわるスタイルを確立。こうして、どこよりも時間、労力をかけて完成したのが、『醸し人九平次 黒田庄生まれて、』だった。

職人たちの熱量がこもった日本酒の評価は海を越え、フランス・パリの三ツ星レストランにも並ぶように。そして国内でも脚光を浴びることができた。
当然、職人たちの苦労も並大抵ではありません。しかし、それだけ情熱を注ぐからこそ、世界基準の日本酒は生まれます。
一切の妥協なく、人の手で造られる日本酒で、世界で、ワインと渡り合う。真の「醸し人」になりませんか。
MORE INFO
山田錦の故郷、兵庫県での米造り
【米から育てるのは、世界と肩を並べるため】
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これまで使っていた米に、不満があったわけではありません。しかし、世界にも愛される日本酒を造るには、酒造りを世界水準にする必要がありました。「こんな土壌・気象条件のもと、こんな米が出来上がり、こんな特徴の日本酒になった」・・・それを語れなければ、世界の醸造家と同じ目線には立てない。ゆえに、コスト度外視で、私たちが求める米をとことん突き詰める道を選んだのです。

【お米も、故郷の土が嬉しい】
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愛知発の酒蔵である私たちが、兵庫県での栽培にこだわるのは、そこが「山田錦」の発祥の地だから。「酒米の王様」と称される山田錦ですが、実は80年以上前に兵庫県にて交配・開発された品種。だからこそ、最高品質の山田錦を育てるためには、原産地である兵庫県の土壌や気象条件が最適なのです。土壌選びにおいても、酒造りへの妥協なき姿勢が息づいています。

【完成した酒は、その1年を映す鏡】
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自社で育てた米を醸造して出来上がるのが、KUHEIJIブランドのフラッグシップ商品『彼の岸』。2020、2021というように、酒のラベルにはヴィンテージ(米の収穫年)が記載されています。収穫年によって気候は異なり、そうなれば当然、育つお米の風味も、その後出来上がるお酒の風味も変わります。私たちが造るお酒は、年ごとに変わる田んぼでの物語を、そのまま表現する作品でもあるのです。

本質的な意味で、毎年同じお酒を造ることはできない・・・その醍醐味を知ることができたのも、自分たちで栽培を始めたからこそ。もっと良い酒を造るために、次の年はもっと良い米を育てる・・・終わりなき戦いに、身を投じたのです。
  • ■土づくりから、勝負は始まります
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    田植えが始まるまでの土づくりは、米の品質を左右する大切な役目です。

    また、兵庫県西脇市は昔から牛舎が多く山田錦の藁は牛のエサとなります。そして牛糞は田んぼの堆肥になると言う循環型農業にも取り組んでいます。
  • ■種から育てるのが、こだわりです
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     土の準備と並行し、稲の準備も。横30cm縦60cmの苗箱に、山田錦の種を蒔いていきます。既製品の苗を買うのではなく、種から発芽させていくのもこだわりのひとつです。

     その後、苗代(なわしろ)という、水稲の苗を育てる苗床に数千枚の苗箱を手分けして並べ、ビニールシートを被せ、水を注ぎます。田植えができるまでに成長するまでは、約25日間。その間もこまめな水管理を欠かしません。
  • ■苗の重みに、生命を感じながら
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    苗が成長し、田んぼの土を均一にして機械で田植えをするのですが、繊細な作業が必要です。田植え機のスピード、植える高さなどはしっかり調節しなければ、うまく根が張らず浮き苗になってしまいます。経験やスキルがものを言う工程です。
  • ■雑草は枯らせばいい、わけではありません
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     稲を植え終えた田圃にはすぐに水を張ります。その後は、雑草との戦い。水場に根付くヒエなどの雑草は、稲が必要とする栄養を奪うため、手作業で抜いていかなければなりません。

     また、畦の雑草の管理も重要。田んぼへの風通しを悪くし、虫害や稲の病気の原因となるからです。ただし、畔は雑草の根のおかげで形を保てている部分もあるため、除草剤をまけばいい、というわけではありません。ここでも、人力での草刈りが大事になります。
  • ■穂を出してからが、正念場です
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    水を張った後は、稲の生育調査や土の状態の管理などを、毎日欠かさず実施。そうして九月上旬頃、田圃一面に穂が出揃い、美しい景色を見せてくれます。

    この後の期間の気候は、米作りの成果を大きく左右します。偏西風に乗って大陸からウンカが飛来しないか。イナゴやカメムシの被害が発生しないか・・・人を気にかけるのと同じくらい、稲たちに思いを傾けるのです。
  • ■いよいよ、収穫の時
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    穂が黄金色に色づいてきたら、いよいよ収穫の時期です。刈取りは、コンバインに一人、もう一人は機械が刈れなかった株を手で刈ったり籾の運搬をします。

    稲は刈り取ってすぐに乾燥機に入れ二日かけてゆっくり乾燥させます。籾殻を外し、その後ふるいにかけ、大きさにより小米、中米、玄米と分類。この玄米が等級検査を受けて「山田錦」となります。
  • ■醸し人の探求は、永遠に続きます
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    こうしてできた米は、私たちの手で日本酒に生まれ変わります。お酒になって初めて、その年収穫した米の評価がわかる。その酒の味を見て、もう一度米作りにフィードバックする・・・トライ&エラーの繰り返しで、最適解を探し続けています。

    挑戦できるのは一年に一度だけ。自然を相手に自らの無力さを痛感させられることもあります。しかし、その苦労を知ってこそ真の醸し人。最良の酒造りを追求し続ける、終わりなき旅の始まりです。
PHOTOS
日本の「ドメーヌ」の先駆者として。
【火が付いたのは、フランスから】
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“ドメーヌ”はフランス・ブルゴーニュ地方で使われる言葉で、自分でブドウの栽培から醸造、熟成、瓶詰めまでを行う生産者のことを指します。15代目当主の手で生まれ変わった萬乗醸造は、日本酒のドメーヌのパイオニアとして、まずはフランスの地で評価を集めました。

三ツ星レストランを含む、パリの多くのホテルやレストランが『醸し人九平次』をワインリストに追加。なかには『醸し人九平次』に合うコース料理をメニューに取り入れるホテルが出てくるほど。また、活躍はフランスだけでなく、2007年にはアメリカのニューズウィーク誌による「世界が尊敬する日本人100」に、当主の久野が選出される快挙も。日本の「SAKE」を、より世界に広める足掛かりとなったのです。

【再び、フランスへ】
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2015年、ブルゴーニュはモレサンドニ村に自社醸造所を取得。2017年には自社畑を入手し、ここに念願の「Domaine Kuheiji」が誕生します。

萬乗醸造が目指すのは「日本酒とワインの化学反応」。日本酒とワインは同じ醸造酒で、原料は違うものの発酵のメカニズムは共通しています。ワインの哲学・伝統・技術を学ぶことで、日本酒のそれを見つめ直すことに繋がり、さらに両者をミックスさせることでイノベーションを生み出せると考えています。

確固たる地位を築いた萬乗醸造ですが、まだまだ現状には満足していません。もっと自分たちの目指す日本酒に近づきたい・・・飽くなき探求心のもと、職人たちはまた、田んぼへと戻っていくのです。
  • ■日本酒とワインの化学反応
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    ブルゴーニュの「テロワール、畑の差がブドウの違いを生み、ワインの個性が生まれる」という考えは田んぼ、米でも同じことです。

    KUHEIJIという同じブランドが同じ思想でワイン、日本酒を造る。その上でなお現れる個性。だからこそ我々は職人として品種・テロワールの個性をより鮮明に表現できると信じています。
  • ■世界に挑み続ける、若き職人たち
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    当社で働く35人のスタッフは20代~40代の比較的若い世代が在籍しています。もれなく全員が酒造りの現場に携わる「職人」。入社後は早い段階から担当部署を持ってもらい、1on1ミーティングを通して活躍の場を広げて貰えるよう連携を図っています。

    現在、原料に向き合う酒造りに回帰したことでより多くの職人の手が必要になっています。「不易流行」時代は変化・進化しています。伝統を踏まえ、進化し続ける「SAKE」を一緒に生み出しましょう!
  • ■ナチュラルさを大切に
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    『醸し人九平次』は、五味の立体感を楽しめる日本酒です。五味のなかでもナーバスなイメージの苦味や渋味、そして酸味をあえて大切にしています。素材に敬意を払い、過度なテクニックに依存せず醸された日本酒には成熟した果実味と気品・優しさ・懐かしさが宿ります。

    日本酒がもっともっと“幸”多き品となるよう、 今後も尽力して参ります。
  • ■田んぼの中で、新たな挑戦を
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    海外のワイン畑を巡り、いつか「田んぼのすぐそばに酒蔵があればいい」と思うように。そこで完成したのが、当社の新しい酒蔵となるDomaine Kurodasho(ドメーヌ黒田庄)。ワインの本場、フランスの生産体制により近づきました。

    今後はこの酒蔵発の新ブランドも、大々的に売り出していく予定です。
COMPANY
会社情報
会社名 株式会社 萬乗醸造
事業内容 日本酒、ワインの製造販売
酒米の育成
企業
WEBサイト
https://kuheiji.co.jp
所在地 愛知県名古屋市緑区大高町字西門田41
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