「ピグマリオン効果」ってどんな現象?人材育成での活用方法もご紹介

あなたはスポーツなどの場面で、周りからの「応援しているよ」といった言葉に背中を押されて普段以上の成果を出せたことはありませんか。「誰かに期待を持たれている」という実感は個人のモチベーションだけでなく、時に実際の取り組みの結果までも左右してしまうものなのです。

 

この記事で紹介する「ピグマリオン効果」とは、そんな期待が与える心理的効果を指す言葉です。実はこの「ピグマリオン効果」、上手く活用することでビジネスの場においても会社や人材にプラスの影響を及ぼしてくれるものであることが知られています。

 

よって今回は、そんなピグマリオン効果のメリットとデメリット、活用方法などについて詳しく解説していきます。この機会にピグマリオン効果への理解を深め、ぜひあなたの会社の人材育成にも活かしてみてください。

 

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「ピグマリオン効果」とは?

ピグマリオン効果とは、周りからの期待によって実際の成績が上がる現象を表す教育心理学用語です。この概念は「教師の期待は学習者の成績に影響を及ぼすか」という実験を根拠として提唱されたことから、教師期待効果とも呼ばれています。

 

1964年にサンフランシスコの小学校で行なわれたその実験では、ある学級の中から無作為に選ばれた生徒たちを「今後成績が伸びる生徒」として担任教師に教えたところ、指導の中で実際にその生徒たちの成績が向上したことが確認されました。このことから、教師が生徒へ期待を持って接し、生徒がその期待を意識することには実際の成績を伸ばす効果があるという考察が生まれたのです。

 

しかしその一方で、この実験の再現性には疑問を示す声も多く、教師による無意識のえこひいきがそうした結果を生む可能性も指摘されています。

ピグマリオン効果の逆は「ゴーレム効果」

期待が成績にプラスの影響を及ぼす一方で、「期待されていない」という実感が逆に成績の低下につながるという心理効果も提唱されています。こちらは負のピグマリオン効果として、「ゴーレム効果」と呼ばれています。

 

ビジネスにおいては、教育やマネジメントを行なう側の「この人材は能力が低い」という評価が相手に伝わり、その人材の実際の業務成績がさらに下がってしまうといった現象がこのゴーレム効果にあたります。ピグマリオン効果の期待が結果につながる好循環だとすれば、こちらは悪い印象がさらに悪い結果を生んでしまう悪循環であるといえます。 

期待の「かけ方」が重要

ピグマリオン効果はあらゆる場面で発生しうる普遍的な心理効果ではありますが、その一方でただ期待を伝えさえすれば発生するものではありません。実際に期待が人材にプラスの影響を与えるかどうかは、期待の「かける方法」によっても左右されるのです。

 

期待は伝え方を間違ってしまうと、時に相手にとって重圧になってしまったり、業務へ臨むモチベーションを不安定にさせてしまう可能性があります。そのためピグマリオン効果を正しく発生させたい場合には、どのような方法で期待を伝えるかについても意識することが大切となります。

 

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なぜピグマリオン効果が注目されているのか?

近年、少子高齢化の影響により、あらゆる業界で働き手の減少が大きな課題となっています。その結果としてビジネスの現場では今、限られた人材一人ひとりの能力をいかに高めていくかが問われています。

 

そんな中、この課題におけるヒントとして、現在注目を集めているのがピグマリオン効果です。人材を育成するにあたっては、人は誰しも育てる相手に期待を持って接します。そんな普遍的な期待を人材の成長の糧にできるピグマリオン効果は、人材のパフォーマンスを最大化させるという点において大きな可能性を秘めているのです。

ピグマリオン効果を生み出す期待

人材に対する期待の中には、やる気の向上などといったピグマリオン効果を生み出しやすい期待と、逆にプレッシャーになってしまったり、あまりプラスの効果にはつながらない期待が存在しています。そのためピグマリオン効果の発生を狙うには、どういった期待が良い効果を生みやすいのかを把握した上で期待をかけることが重要となります。よってここからは、ピグマリオン効果を基準とした上での「良い期待」と「悪い期待」の特徴を紹介していきます。

プラスの効果につながる期待

良い効果に発展しやすい期待において多く見られる傾向としては、期待をかけられる側の「主体性」を大切にしているという点が挙げられます。良い結果を望む感情が強すぎると、人は悪意がなくても時に相手を急かしてしまったり、結果が出ない現状にイライラしてしまうことがあります。しかし、そうした反応は、期待をかけられる相手にとってはモチベーションを妨げる大きなノイズとなってしまいます。

 

そのためピグマリオン効果の発生を狙う場合には、例えすぐに結果が出なくても落ち着いて接し、なるべく相手のしたいことやその方法を尊重することが望ましいでしょう。また、だからといって完全に放任はせず、相手が助言などを求めている時にはそのつど親身にサポートを行なうことも大切です。

効果につながりにくい・マイナスの効果につながる期待

一方で、好ましくない結果につながりやすい期待は、期待をかける側のエゴが強く表れている場合が多いです。また、相手のためを思っていない、自己満足の期待もあまりよい効果は生まないでしょう。

 

例としては、相手が思い通りにならないからといって細かく指示を出したり、「あなたのためになるから」と言って相手が望まないことを無理矢理させるといった行為が該当します。このような期待は成績の向上につながらないだけでなく、相手にとって余計な負荷になってしまう可能性があります。

 

また、結果がまだ伴っていない段階で過剰に相手を褒めたり、大きすぎる期待を与えることも避けた方がよいでしょう。実態にあまりにそぐわない期待は、逆に受け手の思い上がりや手抜きを誘発することとなります。

ピグマリオン効果を引き出す方法

ピグマリオン効果を発生させるには、成績を伸ばしたい相手に対して期待をきちんと「伝える」必要があります。また、この期待を「伝える」方法は必ずしも常に一定ではないため、状況に応じた適切な方法を選ぶことでその後の効果をさらに向上することができるでしょう。そのためここからは、期待を相手に実感させる方法をいくつか紹介していきます。

①言葉で期待を伝える

期待を相手に感じてもらう上でもっとも手っ取り早いのは、言葉で期待を伝えることです。とはいえ、単にこちらの都合で一方的に「期待しているよ」と伝えるだけでは、相手にとってはそれほど大きな支えにはなりません。

 

よって効果的なのは、相手が不安になったり迷っているタイミングで「君なら大丈夫」「今までやってこられたのだから心配はいらない」といった言葉をかけ、期待を伝えつつ相手を安心させる方法です。言葉での伝達はそのストレートさゆえに、言葉選びを間違うと押しつけになってしまう可能性もあります。そのため、相手が欲している言葉を見抜き、そっと背中を押すようなイメージで期待を伝えるのがよいでしょう。 

②具体的な目標を与える

直接声をかけるだけでなく、仕事に取り組むにあたっての具体的な課題を与えることも期待を伝えるひとつの方法です。なぜなら、到達すべき目標を相手に提示することは、「この人ならクリアできるはず」という期待の上に成り立つ行為だからです。

 

しかし、期待が強すぎるあまりに極端に難易度の高い目標を与えてしまうと、人材にとって負担になったり、達成できないことが原因で逆に挫折を経験させてしまうかもしれません。そのため課題を設定する際は現在の相手の能力を加味し、本当に達成できそうな現実的な目標から提示していくことが大切です。 

③裁量を与える

ピグマリオン効果の発揮に向けた取り組みとしては、相手に大きな権限を持たせ、自らの判断や能力によって主体的に成果を出せる環境を提供することも効果的です。

 

この方法をとる上で注意したいのは、与える裁量を「見せかけのもの」にしないことです。どれだけ自由に活躍していいと言われていても、実際の業務で上から細かく指示をされるようでは、相手は「自分はあまり期待されていないのか」「本当は誰でもいいのではないか」といった疑念を抱いてしまう可能性があります。そのため、人材が自らへの期待をきちんと実感できるよう、一度権限を与えたのなら結果が出ない間もしっかりと本人の意向を尊重して仕事を任せましょう。 

④待遇への反映

仕事に対する評価や待遇といった要素も、会社から従業員に期待を伝える材料となります。成果が評価にきちんと反映され、仕事に対して十分な待遇が与えられていれば、従業員は自分たちが期待されていると実感します。その意識があれば、従業員たちはより高いモチベーションで業務に臨むようになるでしょう。

 

もちろん、会社が期待を理由に実態にそぐわない評価を下すのは良くありませんが、日々の努力に見合った範囲であれば、待遇に期待を反映することは生産率の向上にプラスの効果を与えてくれるはずです。 

ピグマリオン効果を活かせる場面

ここからは、実際にビジネスの中でピグマリオン効果を活用するのに適した場面を紹介していきます。場面によって異なるメリットが存在するため、発揮させたい効果に合わせて最適なシーンを選択しましょう。

①研修・オリエンテーション

採用時などに実施する研修やオリエンテーションでは、実施担当者が参加者に期待をかけることでピグマリオン効果を発揮させることができます。この場合に生じるメリットとしては、知識や技術の習得スピードが早まるといった点が挙げられます。

 

また、そうしたプログラムの一環として期待を伝えることには、指導を担当する先輩社員と指導を受ける新入社員のコミュニケーションが活発化されたり、関係構築が進むといったメリットも存在します。

②業務の任命・振り分け

すでに活躍中の人材に期待を伝えたいのであれば、仕事や担当領域を割り振ったり、役職を任命するタイミングを活用するのもよいでしょう。与えられた役割が責任の大きいものであれば、それだけで自分に対する期待を実感することにつながります。

 

また、任命にあたってはただ機械的に割り当てるのではなく、各人の特性や能力に合ったものを用意することが大切です。「この人だからこそこの仕事を任せた」という会社側の意図が伝わると、仕事に臨むモチベーションもより一層高まるものです。

③評価・マネジメント

従業員の出した成果に対する評価や、この先の活躍を見据えたマネジメントなどもピグマリオン効果の発生を狙うよい機会であるといえます。普段はあまり会話を行なわない上司と部下でも、こうした場面を活用すれば普段の業務に対する期待を直接伝えることができるはずです。

 

特におすすめしたいのは、部下に対して面談を実施し、これまでの努力に対する評価や今後に向けた期待を対面で伝えることです。ここでしっかりと上司からの期待を実感できれば、部下はその期待に応えようと今後もさらに努力を重ねていってくれることでしょう。また、このような面談を定期的に実施して十分な信頼関係をつくっておくことで、部下が気軽に報告や相談をできるようになるといった効果もあります。

ピグマリオン効果にはデメリットも

ピグマリオン効果を研究する学者の中からはその活用に対して懸念を抱く声も多く、デメリットもいくつか指摘されています。そのひとつが、相手への期待が裏目に出てしまう危険性です。

 

ある特定の分野について強く期待を寄せることは、その分野においてはプラスの効果を発揮するかもしれません。しかしその一方で、偏った期待はそれ以外の分野に関して「別に期待されておらず、頑張らなくても良い」という誤解を与えてしまう可能性もあります。

 

また、ピグマリオン効果には「必ずしも狙った通りに発生させられるとは限らない」という側面も存在します。そのため、ピグマリオン効果による成績の向上に対し、過度な期待を抱くことは危険であるといえるでしょう。これらのことからも分かるように、ピグマリオン効果をビジネスに活かす際には、批判的な視点も持ちつつ多角的に判断を行なっていくことが大切です。 

ピグマリオン効果とハロー効果

ピグマリオン効果について考える上で、もうひとつ知っておきたい心理現象が「ハロー効果」です。ハロー効果とは、特定の分野に対する評価が別な分野への「期待」を生み、本来全く関係ない項目の評価にまで影響を及ぼす現象を指します。つまり、期待がその人物への評価を歪めてしまうのです。

 

そのため、期待をかけるという行為はピグマリオン効果を発生させるだけでなく、同時にハロー効果を発生させてしまうリスクを秘めているといえます。従業員に対して誤った評価を下さないためにも、ピグマリオン効果を狙う際にはハロー効果に対しても気をつけなければなりません。 

ピグマリオン効果には「人材との相性」が大切

ピグマリオン効果をビジネスに活かす上で忘れてはならないのは、「期待がどのような影響を及ぼすかは受け取り手次第」という点です。たとえば、何人もの人材に同じだけ期待をかけたとしても、その全員に同じ効果が発生するとは限りません。その期待を受け止めてやる気が出る人がいる一方で、期待されただけで満足してしまい、逆にやる気が損なわれてしまう人がいたとしてもおかしくはないのです。

 

そのため、期待をかける際には相手の特性を見極め、その人材ごとに最適な期待のかけ方を選択することが重要となります。ピグマリオン効果の発生を望むのなら、まずはその人材にしっかりと向き合うことから始めていきましょう。 

まとめ

期待が成績にプラスの影響を与える「ピグマリオン効果」は、上手く活用すれば人材の成長やパフォーマンスの向上に役立つ優れた心理現象です。しかし、その効果を正しく発揮させるためには、相手がどのような期待を求めているかを把握し、適切な方法で期待を実感させる必要があります。

 

また、ピグマリオン効果の発生は人材との相性などに左右されやすく、逆効果に陥ってしまう可能性などといったデメリットも抱えています。そのため、実際に活用する場合にも決して過信したりはせず、あくまで補助的なものとして考えるのがよいでしょう。

この記事の内容を通じて得た知識が、あなたの会社にとって大きな利益につながれば幸いです。

 

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