「ピーターの法則」とは?優秀な社員が昇進で活躍できなくなるメカニズムを解説!


人事に関する話題で、「ピーターの法則」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。聞いたことがないという方でも、「現場で活躍していた人が、管理職に昇進したら以前のように力を発揮できなくなってしまった」という事例なら心当たりがあるかもしれません。

 

「ピーターの法則」とは、そのように有能な人材が出世によって活躍できなくなってしまう現象を指す経済用語です。実はこの法則、決して特殊な状況でのみ起こるものではなく、あらゆる企業で発生しうる普遍的な現象なんです。

 

そのため、人事や採用活動に携わる方は自社の人材を守るためにピーターの法則の危険性をきちんと把握し、対策を講じる必要があります。この記事では、そんなピーターの法則が発生する要因や回避方法について詳しく紹介していきます。

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ピーターの法則とは?

「ピーターの法則」は、アメリカの教育学者ローレンス・J・ピーターが提唱した「人材の無能化」に関する法則です。この法則でピーターは、「あらゆる人材は、昇進によっていつかは無能になってしまう」と説いています。

 

たとえば、ある分野で優秀な能力を持っている従業員が、その能力を評価されて上の役職へ昇進したとします。しかし、昇進後の役職で任される仕事が今までと異なるものであれば、かつての能力が通用せず以前のような活躍ができなくなってしまうでしょう。するとその人材はこれ以上昇進することができなくなり、今の立場で「無能化」することとなります。

 

また、もし仮に昇進後の立場で活躍できたとしても、その成果を評価されてどんどん昇進していけばいつかは自分の能力が及ばない役職に到達して同様に活躍できなくなってしまいます。ピーターの法則はこうしたプロセスを繰り返すことで、最終的に組織は能力を発揮できない人材で溢れてしまうと指摘しているのです。

「ピーターの法則」は組織にどのような影響を及ぼすか

ピーターの法則が示す無能化のプロセスはあらゆる組織で現実に起こっている問題であり、組織運営に関わる人を悩ませ続ける大きな課題のひとつです。また、ピーターの法則の発生は単に人材の能力を奪ってしまうだけでなく、その他にもさまざまなリスクを組織にもたらすこととなります。ここでは、そんなピーターの法則の発生が組織に与える悪影響についてまとめていきます。

生産性の低下し、業績が低迷する

ピーターの法則を理解するうえでのポイントとして第一に把握すべきなのが、「ある仕事で有能な人材が、別な仕事でも有能とは限らない」という点です。一見当然のことのように思えますが、ピーターの法則の発生するメカニズムにはこの点が重要な影響を及ぼしています。

 

例として、営業スタッフとしてセールストークを得意とする従業員が、その成績を評価されて現場のスタッフたちをまとめる管理職に昇進したケースを考えてみます。この場合、「顧客へのアプローチ能力」は疑うまでもありませんが、「スタッフをまとめる能力」はどうでしょうか。

 

すでにお分かりのように、この二つの能力の因果関係は薄く「顧客に好かれるから、スタッフの管理もできるに違いない」と断言することはできません。もし実際に「スタッフをまとめる能力」を持ち合わせていなければ、その従業員は昇進後に無能化してしまう可能性が高いでしょう。

 

このことから考察できるのは、「採用の時点で有能な人材だけを獲得できたとしても、昇進によって求められる能力が変われば結果として無能な人材が生まれてしまう」という事実です。無能な人材が増えることはそれだけ有能な人材が減ったということでもあり、その分組織の生産性は低下することになります。

 

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人材流出につながるリスク

ピーターの法則が最初に提唱された著書『ピーターの法則~創造的無能のすすめ』では、組織において有能な人材が有能であり続けるための方法として「創造的無能」になることを提案しています。創造的無能というと、意味が分からなくなりそうですが、カンタンに説明すると、昇進しないように実力をセーブしながら仕事をする人材のことです。

 

一見すると「無能化」への対策として優れているようにも思えるこの方法ですが、本来正しく評価されるべき優秀な人材がわざとデキないフリをすることは本人にとって大きな負担となります。能力や努力を認めてもらえないストレスはもちろんのこと、昇進を避けようとした結果「昇給」まで遠のけば、仕事に取り組むモチベーションも損なわれてしまうでしょう。

 

そのため、従業員に創造的無能でいることを強いるのは「人材の流出」のリスクを高める行為でもあるといえます。こうした負荷が生じる点も、ピーターの法則がもたらす問題点のひとつです。

 

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評価制度が無意味なものになってしまう

「無能な人材が発生する」プロセスが組織の中で繰り返されていくと、次第に部下を正しく評価できない人材が上位の役職を占めていくことになり、組織はどんどん良くない状態になってしまいます。

 

人材を評価する能力がないということは、昇進にふさわしい人材を見抜けないだけでなく、逆にふさわしくない人材を昇進させてしまう可能性が高いとも言えるでしょう。そんな上司が自らの判断で役職者を選べば、その役職者は同様に「無能な上司」となり、その無能な上司がさらに無能な上司を生むという負のサイクルが発生してしまいます。この悪循環が常態化すれば、組織の評価システムはやがて機能しなくなっていくでしょう。

なぜ「ピーターの法則」は発生してしまうのか

ピーターの法則の回避に向けて動く前にまず理解しておきたいのは、その発生原因が必ずしも「人材ごとの特性」にあるとは限らない点です。人材が無能化するプロセスには組織自体の構造や体質も大きな影響を及ぼしており、対策にあたっては自社の体制にそうした潜在的なリスクがないかを確認することが重要です。ここでは、そんな「ピーターの法則」を誘発する組織側の要因について解説していきます。

降格などポストの固定化を防ぐ仕組みがないから

日本の企業では従業員の「昇進」を決める制度と比較して、不適格な役職者を「降格」する制度が整っていない傾向にあるといわれています。この「無能化した人材を降格・排除するシステムが存在しない」という点こそが、組織がピーターの法則の悪循環を防げない原因でもあります。

 

たとえば、ある従業員が上位の役職に就くことで「無能な上司」になってしまった場合、その役職から解任することができれば従業員は少なくとも無能な“上司”ではなくなります。しかし、降格制度がなければ従業員はいつまでも現在の立場に居座り、無能な上司として組織に悪影響を及ぼし続けることになります。

 

こうした状態に陥っている組織は、ピーターの法則を予防する以前に「すでに無能化した人材への処置」が行なえていないという点に大きな問題があるといえるでしょう。

役職に求める能力が明確化されていないから

組織がふさわしい人材のみを見抜いて昇格させることができない背景には、評価を担当する立場の人間の能力が低いだけでなく「評価制度・昇格基準があいまいである」ことが原因として存在するケースも多く見られます。組織側が「その役職にどんな能力が求められるか」を決めていないが故に、上司が部下を正当に評価できないのです。

 

たとえば、役職別に「この部署の部長は○○ができなければ駄目」「この責任者には○○への適性が必要」というきちんとした条件が設定されていれば、昇進を決める側も人材のどこを評価するべきかがすぐに分かります。しかし、その選考基準すらも人事担当者自身の判断に任せてしまえば、全く無関係な能力をもとに役職者を決めてしまうかもしれません。

 

そもそも「今の役職に必要なスキル」と「次の役職に必要なスキル」は異なる場合が多く、優秀なプレイヤーがマネジメントでも活躍できるとは限りません。関係のない能力を基準に役職者が選ばれていると感じたら、一度昇進の条件を見直すことが必要です。

育成の機会が提供されていない

もし昇進後に仕事の内容が変わって今までの能力が役に立たなくなったとしても、その都度新しい仕事内容に適したスキルを身につけられれば現時点での無能化は回避することができるでしょう。つまり人材の無能化が頻発する組織では、各従業員の仕事内容に合わせたスキル育成の場が整っていない場合が多いのです。

 

特に、マネジメントに関する能力は昇進によって初めて求められる場合も多いため、現場での経験しかない従業員を抜擢する際は組織側が事前に学ぶ機会を用意することが重要となります。また、業務内容が社会状況によって変化しやすい役職の場合も、こまめに研修を行なわなければ人材の無能化が進行してしまうでしょう。

 

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どうすれば「ピーターの法則」を防げるのか

これまで紹介した原因を踏まえて適切な対策を行なえば、ピーターの法則の指摘する「組織が無能な人材ばかりになる」プロセスは十分に防止・抑制することが可能です。ここでは、そんなピーターの法則を回避するための方法をいくつか紹介していきます。

マネジメント研修など階層別の教育制度をつくる

ピーターの法則の発生を防ぐ対策として、特に効果的なのはやはり「役職ごとのスキル育成に注力する」ことです。人材ごとの向き・不向きはあれど、仕事内容に対する教育制度がきちんと機能していれば多くの役職者は最低限の働きをこなすことができるでしょう。

 

また、人材が無能化に至る背景には「今の時点で活躍できていないから、これ以上昇進しなくていい」という意識による向上心の低下も要因として存在しています。そうした意識を解消して人材に再び成長意欲を与える上でも、組織側が積極的に教育を行なうことには大きな意義があります。

 

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降格条件を明確に決める

教育制度を充実させても人材の無能化が発生する場合には、そもそも組織が無能化の可能性の高い人材ばかりを昇進・残留させてしまっている可能性が考えられます。そのため、評価体制や降格条件といった人事制度を見直すこともピーターの法則の防止には効果的です。

 

中でも、降格条件をきちんと定めておくことは従業員の未来を考える上でも非常に重要な取り組みです。処分としてマイナスのイメージがつきがちな「降格」ですが、もし無能化した人材を降格し元の立場に戻すことで再び有能な人材にできるのであれば、その降格は本人のキャリアに対してもプラスの影響をもたらすはずです。

 

また、選定した人材に本当に適性があるかを見極めるため、正式な昇進を決定する前に昇進後の業務を体験できる数ヶ月間のテスト期間を設定するのもよいでしょう。その結果を踏まえて改めて登用の可否を決めれば、昇進後のミスマッチを大きく減らすことができます。

マネジメントだけではない、多様なキャリアを用意する

これはつい見落としがちなポイントですが、プレイヤーの最終目標が必ずしも管理職である必要はありません。マネジメント適正のないプレイヤーには、別なキャリアの選択肢を用意するのもひとつの手です。

 

本来、人によって適性に差があるのは当然のことですし、進む道がひとつしかなければそこに適合できない人材は必ず発生してしまいます。しかし、ゼネラリストとスペシャリストといったようにキャリアパスに幅があれば、全ての人材が存分にスキルを発揮しより上のポジションを目指すことが可能となります。

 

特にこれからの時代において、キャリアの多様性を確保することはあらゆる企業に求められる努力となっていくことでしょう。管理職だけでなく、現場で専門性を発揮するスペシャリストも組織に欠かせないピースのひとつなのです。

 

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キャリアについて、しっかり話し合うことが大事

これまで紹介してきたピーターの法則への対策を実施する場合には、まず始めに本人の希望をきちんとヒアリングしておくことが大切です。「管理職に就きたいのか、現場の仕事を突き詰めたいのか」「最終的な役職はどこを想定しているか」といった内容を面談などで定期的におくことで、組織も人材のニーズにより合った対応をとることができるでしょう。

 

従業員のキャリア形成は、本人だけでなく組織の未来も左右する大きな問題です。ある人材に誤った役割を任せれば、組織運営が成り立たなくなり他の従業員にまで影響が及ぶかもしれません。そのため、人事担当者は従業員の将来像にしっかりと耳を傾け、その実現に向けて積極的に協力していくことが求められます。

終身雇用・年功序列が時代に合わなくなっている

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これまでの日本では終身雇用・年功序列を掲げる企業が一般的でした。しかし、転職が当たり前になりつつある今の社会では、こうした旧来の考え方は組織の新陳代謝に向いておらず、結果として多くの企業でピーターの法則にあてはまる状況を発生させてしまっています。

 

そのため、これからの時代においては成果主義への移行を加速させ、よりフェアな評価制度を導入することが組織運営のひとつの指針となっていくと考えられます。成果を出している役職者には正当な評価を与え、そうでない人材には降格を行なうという「当たり前」を徹底することが、現代の企業にとっては重要なのです。

 

また、組織の将来を考えるうえでは「いかに限界に到達していない人材を増やすか」「いかに一人ひとりに適した役職を与えられるか」といったことも同様に意識していかなければなりません。従業員自身の希望にも耳を傾け、適切なキャリアパスを提案していくことが、人材だけでなく組織の成長にもつながるのです。

 

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役職があがったら、今まで以上に学ばなければいけない

マネジメント職への昇進に関する誤った認識として、「現場を離れたからもう学ばなくていい」というものがあります。たしかに高い専門性が求められる業種の場合、一見すると管理職は現場で活躍する職種よりも覚えることの少ないポジションに思えるかもしれません。

 

しかし、以前と求められるスキルが変わったことに気づかず、学ぶことをやめてしまえばその人材は途端に無能化してしまうでしょう。むしろ管理職は、絶えず新たなことを学んで組織を発展させていくべきポジションなのです。

 

そのため、マネジメントの担当者を育成する場合には、現場の知識も把握しつつ部下の教育や運営戦略に関するノウハウを主体的に学び続けられる人材を登用することが大切です。「何を基準に役職者を決めるべきか迷っている」という場合には、そうした学習意欲を正しく評価するところから始めてみるのもよいでしょう。

まとめ

「昇進によって人は無能化する」と指摘したピーターの法則は衝撃的な内容ではあるものの、そこで指摘された現象は実際に多くの組織で発生しており、人事を行なうにあたっては避けることのできない課題であることが分かります。

 

しかし、その内容を正しく理解し原因を見つけることができれば、「人材の無能化」そのものは決して防げない現象ではありません。よって組織にはその防止に注力し、有能な人材が末永く活躍できる環境を整えることが求められます。そんなピーターの法則への向き合い方を考えるうえで、この記事がお役に立てれば幸いです。

 

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