採用人数を適切に導くために、人事が押さえるべき情報とは?

あなたの企業では採用活動を行なう際、採用人数をどのように決定していますか。予算、業務量、今後の事業計画など、判断材料となる要素は企業によってさまざまでしょう。とはいえ、中には慣例に習ったり、あいまいな根拠で決めてしまったりしている企業も多いのではないでしょうか。

 

しかし、実は採用人数は採用活動の成功を左右する極めて重要な要素のひとつであり、時としてその内容は採用の目的である「事業目標の達成」にまで影響を及ぼすこととなります。そのため、採用活動を行なう際はさまざまな視点から多角的に判断を行ない、先んじて適正な採用人数を導き出すことが欠かせないのです。

 

よってこの記事では、採用人数を算出する上で必要な情報や具体的な算出方法、気を付けるべきポイントを紹介しています。ここで得た知識をもとに、あなたの企業が正しく採用人数を決定できているか確認してみてください。

 

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採用人数はどのように決まる?

一般企業の採用活動における採用人数は、原則として会社の人材管理に関する方針である「要員計画」、および「人員計画」をもとに決定されます。

 

ちなみに、要員計画と人員計画は同じものとして扱われることも多いですが、厳密には別のものとされています。具体的には、要員計画は主に事業計画の遂行に必要な人数のみを示したものであるのに対し、人員計画はさらに「どんな人材が」「いつ」「どの部署に必要なのか」まで詳細に示されたものを指します。

 

とはいえ、要員計画や人員計画が定める「必要な人材」を確保する方法には配置転換や育成なども含まれており、必ずしも採用ばかりではありません。つまり、必要な人材の人数=採用人数ではなく、必要な人材のうち「何人を採用によってまかなうか」を考えることで採用人数が導き出されるのです。

なぜ採用人数が重要なのか

企業にとって従業員は事業を展開する上で欠かせない重要なピースの一つであり、その数が不足することは事業運営に深刻な影響を及ぼします。しかし、その獲得に向けた採用活動には多くの費用や手間がかかり、足りなくなったからといって即座に補充できるものではありません。

 

特に、中途採用を行なわず新卒採用のみで人材を確保している企業の場合、採用のチャンスは年に1回しかなく、一度にその年の採用人数のすべてを獲得しなければなりません。そんな非常に重要な採用機会にあって、そもそも採用人数が不確かなようでは採用活動の成功はあり得ないでしょう。

 

また、中途採用を積極的に行なう企業であっても、採用人数があいまいなまま採用を繰り返していけば、いずれ人数の過不足が出て事業計画の遂行に支障が出てしまいます。こうした事態を防ぐためにも、採用活動を行なう際には要員計画や人員計画を参照し、事業目標の達成に向けて的確に採用人数を決定することが大切なのです。

採用人数を決める上で把握すべき情報

これまで紹介してきた通り、採用人数を決定する上では先に要員計画および人員計画の策定が必要です。しかし、これらの計画はただ「こんな人材が欲しい」とニーズのみを書き連ねればいいわけではなく、企業の実態にもとづいた実現性の高い内容で策定しなければなりません。

 

そのため、要員計画の策定にあたってははじめに自社に関するデータを収集し、「なぜ人材を欲しているのか」といった詳しい実態を把握することが重要です。よってここからは、要員計画を立てて採用人数を決定するにあたり、最初に確認・調査しておくべき要素を紹介していきます。

会社の事業計画

要員計画および人員計画は、本来「事業計画を遂行する」という目的のもとでの人材の扱いを定めた計画です。よってその作成にあたっては、まずは会社の事業計画を把握する必要があります。

 

事業計画は事業をどのように運営していくかを示した計画であり、事業が掲げる目的やビジョン、その達成に向けて企業が実行していく戦略などが記されています。これらの情報を確認することで、「どのタイミングでどんな人材が何人必要か」といった人員に関する具体的な見通しを立てることができるのです。

 

なお、事業計画は広く公開することが義務づけられているわけではないため、その内容を確認する手段としては事業計画の決定権がある経営陣との直接的な話し合いなどが挙げられます。また、自社でIR情報を公開しているといった企業の場合には、そちらを参照することでも事業計画に対する理解を深めることができるでしょう。

現在の各部署の構成

採用人数を定める上では、現在の社内の各部署が「何人のどんな人材によって構成されているか」といったデータも重要な判断材料の一つとなります。例えば、もし「適任者がその部署にいないから新たに採用したい」と考えていたポジションであっても、社内の人員構成を広く確認すれば、別な部署に適した人材が見つかるかもしれません。

 

こうした気づきを得るために大切なのは、ただ部署ごとの在籍人数のみを調べるのではなく、各人員の年齢や勤続年数、役職など同時にデータ化し、表などにまとめることです。この表があれば各部署の状況を一目で比較することができ、採用だけでなく配置転換などを進める際にも貴重な資料となるでしょう。

 

また、作成した表は現在のニーズを割り出すだけでなく、「今後いつどの人材が担当業務や部署を離れ、採用ニーズが発生するか」を予測する際にも活用できるはずです。

人材に関する社内のニーズ

企業が人材を必要とする際のニーズの内容は、大きく「業務上のニーズ」と「事業上のニーズ」の二つに分けることが可能です。これらのニーズはいずれも「新たな人材が欲しい」という点では一致しているものの、その目的と調査方法が異なります。

 

業務上のニーズは、主に現場で業務を遂行する中で発生する「この仕事ができるあのスキルを持った人材がほしい」「業務量が増えているから人数を増やしたい」といった短期的なニーズを指します。これらを把握するには、実際に勤務している各部署のスタッフやマネージャーへの聞き取りやアンケートなどの実施が有効です。

 

一方で、事業上のニーズとは経営層が会社や事業の将来を考える上で生じる、「新事業の開設に向けてメンバーを集めたい」「定年を迎えた人材が退職する前に若手を増やして、人員構成のバランスをとりたい」といった中長期的なニーズのことです。こちらは経営層との直接的なミーティングや、事業計画の参照によって確認できるでしょう。

採用コスト

新たな人材を採用するには必ず一定のコストがかかるため、要員計画・人員計画の策定においては採用活動の費用対効果にも目を向けなければなりません。そこでポイントとなるのが、人材一人を新たに採用する場合にかかるコスト、「採用単価」です。

 

採用単価は採用する人材の能力や経歴によって変動し、採用市場においてより貴重な人材であればその額は高くなります。そのため、新卒採用と中途採用の二つの採用方法を比較した場合、一般的に採用単価が低い傾向にあるのは人材ごとの条件が横並びとなる新卒採用の方だとされています。

 

しかし、新卒採用の場合は教育にかかるコストが大きくなりやすいため、採用方法を選ぶ際には採用後の育成も視野に入れて決定するのがよいでしょう。また、近年では既存従業員の紹介を通じて採用を行なう「リファラル採用」といった新しい採用手法も広がっており、それらを活用することで中途採用でも採用単価を抑えられる場合があります。

 

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自社の採用実績

もし、自社で過去に採用活動を行なった実績があるのであれば、そこで得たデータは要員計画・人員計画を策定する上で大切なヒントとなります。例えば、過去に行なった求人募集の応募数、書類通過率や面接合格率、採用目標達成率などの情報は、「新たに採用を行なった場合に何人が獲得できそうか」を予測する上で大いに役立つでしょう。

 

その他には、過去に採用した人材がどれだけ事業にプラスの影響を与えたかを表す「採用効果」も、採用活動の結果を判断する指標となります。こちらは業務内容によっても異なる抽象的な概念ではありますが、生産性という側面に絞って考えれば「生産量÷人員数」の計算式で求めることができます。

 

仮に採用効果の値が一人あたりの人件費を下回っているようであれば、その人材が採用コストに見合った働きができていないという一つの根拠となります。そのため新たな人材を採用した場合の成果を前もって予測したい際には、ぜひ一度過去の採用効果を割り出して参考にしてみてください。

採用人数の算出方法

各要素の把握が済んだら、それらの情報をもとに採用人数の算出を行ないます。なお、採用人数の算出には重視するポイントごとに2つの方式が存在します。ここでは、その2つの方式の特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

トップダウン方式

「トップダウン方式」は売上高や人件費率、付加価値などから採用コストの適正な総額を割り出し、その額を予算として「何人までの採用なら予算の範囲に収まるか」という観点から必要人数を算出していく手法です。

 

この方式の特徴は、現場の業務上のニーズよりも経営陣による事業上のニーズが強く反映される点にあります。そのため、社内の現在の人員構成に比較的余裕があり、採用活動を行なうにあたって、中長期的な事業計画の遂行を優先したい場合には、こちらの方式で導き出された採用人数が特に参考になるはずです。

 

また、先に予算を決めてそれを振り分けていくという形式上、採用コストを想定した範囲に確実に収められることから、「採算」を重視した場合の採用人数を算出するのにも適した手法といえます。

ボトムアップ方式

一方で、「ボトムアップ方式」は現場スタッフへのヒアリング内容などから「業務の遂行には何人の人材が必要か」を部署単位で割り出し、それらを合計した数を全体の採用人数とする手法です。

 

こちらは今現場で発生している人材のニーズがダイレクトに反映されるため、短期的な視点で採用人数を決定する場合に適しています。「現時点ですでに社内の人員構成に余裕がなく、早急に新しい人員を補充しなければ事業運営がままならない」といった状況であれば、この方式で算出された採用人数を優先するのがよいでしょう。

 

他には、実際に業務を行なう現場の意見に深く寄り添うことができるというメリットにより、全体の予算枠ではなく業務の質や効率を重視して採用人数を導き出したい場合にもこちらの算出方法が効果的です。

両者を組み合わせることが大切

これまで紹介した二つの算出方法はそれぞれに重視する要素が異なることから、どちらか一方のみを使用して採用人数を導き出すと偏った結果になりやすい傾向にあります。そのため、実際に採用人数を算出する場合には両方の方式を活用してその結果を互いに組み合わせ、多角的に結論を出すことがよりよい結果につながります。

 

例えば、トップダウン方式は人件費を抑えやすい一方で業務上のニーズよりも経営的観点が優先されることから、各部署にとっては不満の残る結果になってしまう可能性も高いです。そのため、ボトムアップ方式で汲み取った現場の意向とも照らし合わせ、本当に必要としている部署に人員が行きわたるよう採用人数の調整を行なうことが大切です。

 

また、ボトムアップ方式は各部署の要望を細かく反映できる分、業務の大幅な質の向上が見込める一方で採用人数が膨れ上がりやすく、人件費も増大しがちです。したがってトップダウン方式により総合的な採用コストの適正額も併せて導き出し、その範囲にどれだけ収まっているかを一度確認することが望ましいでしょう。

採用人数を満たせない場合に考えられる原因

上記の方法で採用人数を決めた後は実際の採用活動に移ることとなりますが、気をつけなくてはならないのはこの場合の採用人数は、あくまで採用活動に取り組む上での目標人数であるという点です。採用活動にはさまざまな要因が絡むため、必ずしも予定していた人数の人材を獲得できるとは限りません。もし、十分な人数の人材を獲得できないようであれば、以下のような原因が考えられます。

要員計画に無理がある

要員計画で定めた採用目標と実際に採用できた人数の数を比較した際、その差があまりにも大きいようであれば、採用計画そのものに何らかの問題があるケースが考えられます。例えば、採用活動の準備期間があまりに短く設定されていたり、採用活動の規模と欲しい人材の数が合っていなかったりする場合には、目標とする結果を実現することは難しいでしょう。採用活動は多くのコストと時間を要する取り組みのため、スケジュールや予算に無理がないかをしっかりと確認することが大切です。

 

同様に、あまりに多くの人材を一度に獲得しようとすることは採用活動に伴う負担を増大させ、結果として失敗につながる可能性が高いです。もし「定年退職などにより、この先多くの欠員が発生する」という予測ができているのであれば、前もって少しずつ人材を補充していくような計画を立てることをおすすめします。

要員計画の急な変更

仮に採用できた人数が当初の予定人数に満たなかった場合でも、その穴埋めのために要員計画そのものを途中で変更することは避けた方がよいでしょう。なぜなら要員計画は「事業計画の遂行」を目的に定められた計画のため、要員計画の内容だけを変更しても根本的な解決にはならず、むしろ事業全体に混乱を生んでしまうためです。

 

そのため、要員計画と実際の結果との間でギャップを感じた場合には、まずは要因計画を変えずとも行なえる対処法から考えることが望ましいでしょう。例えば、業務の負担を軽減するための採用が上手くいかなかった場合には、設備の刷新といったその他の負担の軽減策を試すことで、採用に成功した場合と同等の成果が得られるかもしれません。

 

また、要員計画を変更して急きょ予定にない採用活動を行なおうとしても、事前の準備に割ける時間が限られ、結果としてまたも予定した人数を獲得できずに終わってしまう可能性が高いです。もし要員計画を遂行する中で新たな採用が必要と感じた場合には、再び要員計画を立てるタイミングで正規の手順を踏んでその内容を決定していきましょう。

採用人数を満たした後は、その人材を定着させることが重要

採用活動に取り組む上では予定した採用人数を獲得することも大切ですが、同様に大切なのがその人材を「定着」させることです。仮に採用活動を通じて十分な人員が確保できたとしても、その人員が業務を遂行できるまで育たなかったり、すぐに離職してしまったりするようでは事業目標の達成には結びつきません。

 

そのため、採用できた人材が入社した後は、その人材が本当に活躍できているのか、働く中で不安を感じていないかなどの調査も行なってみましょう。具体的な方法としては、本人またはその配属部署に向けたアンケートの実施や、面談形式でのヒアリングなどが有効です。

 

なお、調査を通じて得られた情報はすでに採用した人材の定着率向上だけでなく、次なる採用活動に活かせる場合もあります。例えば、採用間もない人材の早期退職が頻発している場合、採用活動時の募集要件や採用人数などに問題がある可能性も考えられるでしょう。無理のない採用の実現に向け、ぜひ入社した人材の声にも耳を傾けてみてください。

 

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採用人数の決定後は、「engage」での採用活動がおすすめ

無事に採用人数が決定した後は、その採用を「どのような方法で行なうか」についても考えなくてはなりません。そこでおすすめしたいのが、採用ツール「engage」を用いた採用活動です。

 

なぜなら、engageでは基本的な求人広告の掲載であれば無料で行なえるため、採用にかかるコストを大幅に削減することが可能です。また、engageに掲載された求人広告はIndeedやGoogleしごと検索といった話題のサービスにも自動で掲載されるので、複数の媒体に個別に求人募集を掲載する手間も省くことができます。

 

さらに、一部有料の採用候補者管理やDM機能などのオプションを利用すれば、採用活動のさらなる効率化も実現できます。一般に新卒採用より採用コストが高くなりやすいとされる中途採用も、engageを用いれば予算内で無理なく行なうことができるでしょう。

まとめ

採用人数は採用活動を成功させる上で重要な要素であり、採用人数の算出にあたってはさまざまな要素から多角的に判断を行なうことが大切です。しかし同時に忘れてはならないのは、社内で生じた要員ニーズを解決する方法は決して「採用」だけではないという点です。

 

というのも、要員計画が定める人材不足への対応策には採用以外にも配置転換や育成、業務効率化なども含まれており、ニーズによっては採用を行なわずともその他の方法で解決が可能な場合があります。そのため採用人数を決定する際には採用以外の方法も考慮に入れつつ、広い視野で最適な人数を導き出すのがよいでしょう。

 

人手不足が叫ばれる昨今ですが、適切に採用人数を定めて効果的にアプローチを行なうことができれば、きっと満足のいく人材の確保を実現できるでしょう。あなたの企業の採用活動が、よりよい結果につながることを願っております。

 

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採用ガイド編集部

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