管理職に求められるインテグリティとは?能力より大事な理由を徹底解説

最近、耳にする機会が増えてきた「インテグリティ」についてご存じでしょうか?インテグリティとは、組織作りやマネジメントに欠かせない資質のひとつ。これからの時代、特に重要視されていく資質に間違いありません。


そこで本記事では、そんなインテグリティの意味から丁寧に解説。今後の組織作りに役立つ情報も合わせてご紹介します。

※この記事は2021年5月11日に公開した記事を再編集しています

 

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インテグリティとは

インテグリティの意味

「完全体」「潔白な」といった意味を持つラテン語”integer”が語源であるインテグリティ(integrity)。日本語では「誠実さ」「高潔さ」「真摯さ」と訳され、企業経営や組織作りにおける重要な資質とされています。

インテグリティの日本語翻訳
  • 誠実さ
  • 高潔さ
  • 真摯さ
ビジネスにおけるインテグリティの意味・定義

そんなインテグリティは、もともと欧米企業の経営方針や従業員に必要な価値観を示す際に使われていた言葉。それがのちに経営やマネジメント分野でも使われるようになりました。そして今では、管理職をはじめ組織をマネジメントする立場の者たちに欠かせない「誠実さ」を表す言葉として広く使われています。

 

なお、経営学者であるピーター・ドラッガー氏もインテグリティの重要性について触れており、著書『現代の経営』では「インテグリティ(真摯さ)に欠ける者によって、大切な人材が損なわれ、業績の低下にもつながる」「真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる」と断言しています。

コンプライアンスとの違いは?

コンプライアンスとインテグリティの違い

インテグリティとよく混同されがちなのが「コンプライアンス」ですが、この2つは非常に関連性が高い言葉です。

 

まず誠実・真摯さを表すインテグリティに対し、コンプライアンスは「法令遵守」や「法律や倫理観を守ること」を表します。インテグリティがある状態には、この”コンプライアンスを遵守できること”も含まれているのです。

 

企業や従業員の誠実・真摯さが高ければ、法律を破り、常識を逸脱するような不正行為・違反行為には繋がりません。つまりコンプライアンス遵守は、インテグリティがある状態でなければ達成できないといえます。

なぜ経営層、マネジメント層にインテグリティが求められるのか?

経営層・マネジメント層にインテグリティが必要な理由

インテグリティの欠如は、企業にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 

インテグリティの欠如。それは正義感や誠実さが失われた組織の状態を指します。過度なノルマの設定、不正会計、虚偽情報の記載など、企業への影響を顧みない”不誠実な姿勢”は、やがて従業員の問題行動にもつながります。


その結果、それらの不正行為が明るみになり、さらにはSNSの炎上へと繋がり、ついには企業として信頼を失ってしまうことも。このように目先の利益だけを追う姿勢は非常に危険であり、企業として成長し続けるためには「インテグリティ」が欠かせないのです。

 

世の中から信頼される企業になるには、まず組織の根幹が”誠実”でなければいけない。だからこそ、社内で決定権を持つ経営に近いポジションや、組織をまとめるマネジメント層、従業員を教育・指導する立場の人間は、特にこのインテグリティを持つ必要があるといえるでしょう。

インテグリティを浸透させるメリット

それでは、”インテグリティの浸透”は企業にどのようなメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

インテグリティを浸透させることは、自社の利益になる。これがインテグリティの1番大きなメリットです。先ほどインテグリティが欠如した状態を説明しましたが、仮にそういった状態で売上を立てていたとしても、綻びが出るのは時間の問題です。うまくいっていたとしても、不正が明るみに出たり、不正により組織が崩壊してしまっては意味がありません。インテグリティが浸透していれば、社員一人ひとりが誇りを持って仕事をし、それが積み重なり、やがて大きな利益を生みます。またそういった誠実で真摯な姿勢が社外、顧客からも評価されるでしょう。サービスの親切さ、顧客を大事にする姿勢、こういったところにもインテグリティが表れます。誠実に、真摯に仕事に向き合うことで、まわりまわって自分たちが、評価され、利益になるのは、これまでに証明されています。

企業経営に欠かせないインテグリティ

インテグリティマネジメントとインテグリティな組織

ここまで説明したように、インテグリティは管理職や、マネジメントを行なう立場の従業員、さらに企業全体が持つべき資質です。こうしたインテグリティを重視した企業経営の実現は、多くの人から信頼を獲得することになります。そこで、インテグリティを取り入れた具体的なマネジメントや組織作りについても詳しく見ていきましょう。

インテグリティマネジメント

「法令や法律、倫理観を守るだけでなく、さまざまな社会的責任を果たす努力をし、積極的に実践すること」がインテグリティマネジメントです。


このマネジメントを実行するにあたって、企業が意識すべきポイントは「法令の遵守」はもちろんのこと、「組織的な責任」「企業の社会責任」を持つことや、「真摯で正直なコミュニケーション」を取ること、「公平な視点での処遇や競争」を実施することなどが挙げられます。


インテグリティマネジメントの実践は、従業員および顧客との信頼関係構築や、組織の生産性アップが期待でき、それがよりクリーンな人間関係・顧客関係へとつながっていきます。

インテグリティな組織作り

組織をまとめるリーダー自身がインテグリティを意識した行動を取ることが、第一歩となります。リーダーの誠実な行動と業務姿勢は部下の指針となります。そのためには会社として誠実さ、高潔さ、真摯さを重んじていることを、しっかり周知する必要があるでしょう。


たとえば、役職者はインテグリティがある人でなければ、登用されないという方針などもこうした取り組みになります。

 

大きな成果をあげている人を昇格させるのが一般的かもしれませんが、成果が出せる人が、インテグリティがあるかどうかは別問題です。しっかり見極めなければ、組織を崩壊させてしまう可能性も。


スキルだけではなく、考え方がしっかり身に着いているか、真摯で誠実な姿勢で仕事ができるか、周りからの評判、面談など様々な観点から見極めていく必要があります。会社としたこうした考え方を大事にするかどうかで企業のインテグリティは変わっていきます。

インテグリティのある人材の特徴

では、「インテグリティのある人材」とはどんな人を指すのでしょうか?

 

それは、「正しさ」に重きを置く、正義感がある人です。「たとえ自社の売上につながる施策だとしても、顧客のためにならないものであれば実行しない」という選択ができるかどうか。正しさを一番に考え、判断できるような方はインテグリティのある人だと言えるでしょう。


責任のある仕事を担うようになると、求められる目標を達成しなければならないプレッシャーと向き合うことになります。そんな時こそ、インテグリティが求められます。たとえ相手が上司であっても、正しくないことは正しくないとしっかりNOと言える人材。それこそ真のインテグリティのある人材と言えます。

 

もう一つが、利他的な考えができる人。こういった人もインテグリティがある人材です。自分のためではなく、人のため、世の中のためを考えることができる人は、インテグリティが高いと言えるでしょう。


上と同じように、高い売上目標を設定されたときに、手段を選ばずに達成させて自分が評価されることを望むのか、それとも顧客のためになっているか、世の中のためになっているか考え正しいやり方を選ぶのか。周りにどのように影響するのか、社会にどう影響を与えられるか、こういった部分に立脚して物事を考えられる人は、インテグリティがあると言えます。 

インテグリティがある人材を採用・育成する方法

採用活動を行なう際、たとえ知力や活力に富んでいる人材だとしても、本人にインテグリティが備わっていなければ、将来会社に大きな損失を生んでしまう可能性があります。またインテグリティは後天的に身に着けるのは難しいと言われているだけあって、なかなかすぐに身に着くものではありません。


だからこそ、育成するのではなく、そもそもインテグリティがある人を採用することが重要です。そこでインテグリティのある人を採用するポイントをご紹介します。

採用するうえでのポイント

インテグリティのある人であるかどうか、誠実さや真摯さがある人であるかどうかは、外見からでは判断できません。そこでお勧めしたいのが、本人の「価値観」にスポットを当てた質問をすることです。まずは、面接・面談時に下記のポイントを意識した質問をしてみましょう。

  • 自分を優先(利己的)するタイプか、相手を優先する(利他的)タイプか
  • 仕事に取り組む際、「ビジョン」を持っているかどうか

質問を通し、相手がどれほど正直か、誠実かをたしかめることで、インテグリティの有無を見極めやすくなります。

育成するうえでのポイント

そもそも、なぜインテグリティを重要視しているのか、その理由や背景を従業員が理解できていないと、インテグリティの浸透はもちろん、インテグリティのある人材の育成は難しいもの。


そこでまずは、「企業としてインテグリティを重要視していること」を社内に発信することが何よりも大切です。企業理念・バリューにインテグリティを取り入れるなど、企業の在り方とインテグリティをセットにして発信できる状態を整えると、より有効的でしょう。

 

またマネジメント層が「インテグリティの大切さ」を発信することも重要です。たとえば、判断基準をユーザー、顧客にとってどうかにする。売上をあげることを正にするのではなく、お客様の役に立って収益化させることを正にする。こうした価値観について日々の業務の中で触れることで、部下・メンバーにも考えが浸透していきます。 

en-gage.net

まとめ

SNSが普及し、企業の情報や動きが見えやすくなった昨今では、「インテグリティ」がますます重要視される時代になっていくでしょう。インテグリティは一言で言い表すことのできない、やや定義の難しい概念ですが、正しく理解し取り入れることで、企業はより健全な経営体制へと変わっていきます。そして、それがゆくゆくは企業の信頼やブランディングへとつながり、企業のたしかな財産となっていくはずです。ぜひこの記事を参考に、貴社も誠実さを育む”インテグリティの育成”に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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