辞退を防ぐ!心をつかむ内定者フォロー【5分で分かる】

説明会、書類選考、面接…と長かった選考が終わり、内定者が決まってホッと一息。しかし、安心しきるのはまだ早いかもしれません。なぜなら内定者が辞退してしまう可能性があるからです。

 

説明会や膨大な数の書類選考、複数回の面接と、時間とコストをかけて内定を出した学生から辞退されるのは、企業にとって大きなコストですよね。そうならないためにも大事なのが「内定者フォロー」です。

 

このフォローの仕方によって、内定者の企業に対する印象は良くなり、内定辞退を防ぐことができますし、さらには入社後のモチベーションにも影響します。

 

この記事では、内定者フォローについて徹底解説!内定者が辞退する背景、タイミング、辞退する理由、活躍に至る内定者フォローの内容などを紹介しています。この情報を活かして、効果的な内定者フォローにつなげていただければ幸いです。

 

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内定者フォローとは?

内定者フォローとは、内定を出した学生からの内定辞退防止、新入社員の活躍・定着といった目的で行なう施策の総称です。

 

内定を出しても、内定者が入社するかどうかはまだ分かりません。まだ内定者の心は揺れ動いているのです。だからこそ、内定者が抱く不安を取り除くためのさまざまな施策を行なう必要があります。内定者フォローをいかに丁寧にできるかどうかが、入社につながるかどうかの分かれ目になる。このことを覚えておきましょう。

内定者フォローが必要になっている背景は?

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そもそも、なぜ内定者フォローが必要なのでしょうか。

有効求人倍率が上昇、求職者が選ぶ立場になっているから

コロナによって状況は変わりつつありますが、長く景気は上向きでした。景況感を測る1つの指標となっていた有効求人倍率(1人に対しての求人数)は、1.6倍を超えているなど、企業は人手不足状態です。日本は少子高齢化を迎え、働く人口が減少しています。

 

こういった背景から、企業が求職者を選ぶのではなく、求職者が企業を選べる優位な状況、つまり売り手市場が生まれました。内定を複数持っている人も珍しくなく、より良い企業を選んでいく立場になったのです。つまり人材の奪い合いが起きているのです。

 

日本はこの先も少子高齢化が進む見込みなので、働き手の数は減少傾向にあり、この先も人材獲得競争は続くとみられています。だからこそ企業は、他の会社ではなく自社を選んでもらわなければなりません。

 

求職者は選ぶ立場にあるので、内定を出したとしても入社するとは限りません。だからこそ内定後のフォローを手厚くすることで、入社まで進んでもらうように工夫する必要が出ているのです。

会社に対する依存度がそこまで高くなくなっているから

デジタル化、グローバル化に伴い、新卒一括採用、一括教育、終身雇用の採用手法が崩壊しかけています。そんな中、単一的な雇用のあり方ではなく、多様な個の能力開発に注力していることが、企業の採用力に影響を与えています。

 

いっぽう、ゆとり世代、Z世代と言われる現代の学生は、内定先の会社に対する依存心は弱く、自分の志向や価値観にマッチする環境かどうかを常に考えていると言われます。少子高齢化に伴う学生の売手市場が加速する今、学生1人ひとりの志向や価値観にマッチした事業や風土を発信するだけでなく、きめ細やかな内定者フォローがより重視されているのです。

世間では、内定辞退がどれくらい発生している?

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新卒採用、中途採用でも選考辞退を課題視している企業が多くなっています。エン・ジャパン調べによると、中途採用において選考辞退が起きた企業は実に86%。内定後の辞退は56%にも及んでいます。新卒採用においても、毎年50~60%の学生から内定辞退をされていると言われており、内定辞退は対策する必要があることが分かります。

 

選考辞退のアンケート

選考辞退のアンケート②

 

出典:エン・ジャパン株式会社『人事のミカタ』 選考辞退について

内定辞退が起こる理由

どうしてここまで内定辞退が増えてしまうのでしょうか。内定者フォローについて理解する前に、内定者辞退についての理解を深める必要がありそうです。そこにはさまざまな要因が隠されています。1つずつ説明していきましょう。

内定辞退の理由

会社に対する不安があるため

社会人経験のない学生からすると、長く働けるかどうか、一緒に働く人はどんな人か、自分にマッチできるかなど、不安を抱えていることが多いです。これは、社会人経験がある中途採用であっても同じです。むしろ前職と比べてどうなのか気になるものです。会社に対して不安が残っていれば、当然志望度は下がってしまいます。

他社のほうが志望度が高いため

就職活動では、1社だけ応募する求職者は少なく、複数の企業を受け、その中で優先順位をつけることが当たり前になっています。志望する企業から採用されなかった場合を想定し、「面接の練習として」「滑り止めとして」受ける企業が多くなるのです。結果、志望度のあまり高くない企業からも内定をもらうことになるのです。内定者自身が練習として選考に臨んだり、滑り止めとしての応募だったりする場合、内定を獲得しても志望度が低い場合が少なくありません。

応募時と実際のイメージが合わなかったため

応募時は志望度が高かったものの、内定が決まり、色んな情報を得ていくことで、「イメージと違った」というミスマッチが発生してしまうことも。たとえば、「求人では1年目から企画の仕事に携われると聞いていたのに、選考で3年目以降からでないと携われない」といったケースも出る可能性もあります。こうしたギャップが発生すると、志望度が急速に下がってしまうでしょう。

クチコミなどでネガティブな意見を見つけたため

「クチコミサイトを見てみたら、選考時には知らなかった既存社員からのマイナスな意見が多かった」「親から強く反対された」といった第三者からの意見によって志望度が下がるケースもあります。今のは透明性の時代と言われ、企業が見せようとしても、クチコミサイトなどがあるため、実態が分かってしまいます。そもそも、企業の中から変わっていく必要があるのが今の時代です。

大切なことは、コミュニケーション

 「内定者は常に不安である」という話をしてきました。色んな施策を実行していても、入社までのコミュニケーションが不足していては、内定者を不安にさせてしまいます。些細なことでもすぐに内定者が質問でき、すぐに回答してあげられるような体制をつくることが、内定者を安心させるポイントです。

 

たとえば「質問があれば24時間以内で返信する」と約束してあげることで、「親身に考えてもらっている」と評価も高まるでしょう。定期的なコミュニケーションをとることで、会社への愛着も高まり、そして手厚いフォローを繰りかえすことで、志望度も高まっていくはずです。それを踏まえて、次の項目をご紹介していきます。

志望度アップ!効果的な内定者フォローとは?

ここでは、効果的な内定者フォローを紹介していきます。あなたの会社で実施している内容はいくつあるでしょうか?

内定者フォロー例

内定者懇親会を開催する

内定者はどんな人と働くのか、実際に働く人はどう感じているか、といった具体的な情報を欲しがっている傾向があります。それを払しょくするのに有効なのが懇親会です。内定者同士の懇親会はもちろん、現場社員との懇親会なども好評です。飲食をしながらフランクな形で質問ができるというのも人気のポイントですね。

 

「内定をもらえた日にインターンでお世話になった社員の方からお祝い会を開いてもらった」「交通費や宿泊費、懇親会参加費をすべて会社で負担してくれた」といった声も挙がっています。

 

また質問会や座談会などの形式で開催する場合もあります。現場社員や人事、そして内定者が集まり、「納得するまで何でも質問してください」といった機会を与えるものです。目指すキャリアや入社後の活躍イメージ、会社の風土、待遇など、色んな角度からの質問を解消することにより、不安の解消、魅力づけにつながります。

現場社員との面談で、不安払しょくと魅力付けをする

こちらも人気があるのが「現場社員との面談」です。選考ではないため、なかなか質問しにくい現場のリアルな情報を得られます。不安を解消するだけでなく、「この人と一緒に働いてみたい!」と魅力づけの効果も期待できます。活躍しているエース級の社員にお願いすると良いでしょう。

 

上記で記載したような懇親会や座談会は、大人数の中で行なわれるため、自ら積極的にコミュニケションをとれる学生にとっては有意義でしょう。しかし、優秀である反面人見知りな学生もいます。人前で話すことが苦手な学生のためにも、少人数での面談は有効といえます。

 

社内見学をして働くイメージを持ってもらう

実際に働く会社をまわり、働く人、環境をイメージしてもらう目的です。自分の目でリアルな職場を見ることで、自分が働いている姿をイメージできるようになります。たとえば、社内見学をしていたら社員が元気に挨拶してくれたことが入社を後押しすることも。同日に懇親会、質問会、座談会につなげていくことも有効でしょう。

社内SNSで定期的にコミュニケーションを取る

1人ひとりにメールや電話を送ることはなかなか大変ですし、内定者にとってもストレスになってしまう可能性があります。そこで、社内SNSに内定者のグループをつくることで、人事担当者と内定者のコミュニケーションが円滑にできます。掲示板として使用することはもちろん、個別チャット、ビデオ通話も可能です。内定者同士でもコミュニケーションがとれるため、関係性を深められることもメリットです。

社内イベントの参加

会社で働く人の雰囲気を伝えるには座談会や懇親会も良いですが、社内イベントに内定者を参加させるのも有効です。オフの状態の社員に会えるので、既存社員も内定者も開放的な気分になり、より密接な関係になれるはずです。運動会、社員旅行、バーベキューなど、チャンスがあれば誘ってみてはいかがでしょうか。

内定者アルバイト

内定者によるアルバイトを通して、事業や業務、風土の理解を進められます。先輩と関わる機会が増えますので、よりリアルに会社のことを理解できるようになるでしょう。結果、配属後のギャップを埋めることができ、早期離職防止にもつながるでしょう。

課題などを通じてコミュニケーションをとっていく

内定者に一括して課題を出すことで、内定者の会社や事業への理解が進むでしょう。またSNSなどのコミュニケーションも活用することで、内定者同士の横のつながりも強まります。進捗や課題内容に対して個別にフィードバックをすることで、よりケアされている実感が湧くでしょう。

 

※アルバイト、課題提出などは、学業を阻害しないような配慮が大切です。雇用契約をしていないこともあり、参加を強制したり、賃金を支払わなかったりすることは法に抵触する可能性があるので、注意が必要です。

ダメ絶対!内定辞退につながる内定者フォロー 

内定者フォローの仕方によっては、企業の印象が変わってしまいます。ここでは「こんな内定者フォローをするべきでない」という内容を紹介します。心当たりのある行動があれば、改善していきましょう。

注意点

内定後に内定者に連絡をしない

内定者は不安を抱えているという話は理解いただいていると思います。連絡がないほど内定者の不安が高まり、「自分は必要とされていないのでは?」と思ってしまうのです。内定後であっても定期的にコミュニケーションを取り、相手の現状を聞くなどは、内定者フォローでは不可欠です。

会社の雰囲気が内定者に分からないままになっている

「選考がすべて貸会議室だった」「オフィス見学を断られた」といった声もあります。会社や働く人の雰囲気をイメージできないことで、不安につながってしまうでしょう。また何か見せられないものがあるのではないか?という疑念を生んでしまうことにもつながります。できるだけ社内の雰囲気が分かるような工夫を取る必要があります。

現場社員と接点がない状態になっている

内定者と実際に働く社員との接点がないと、リアルな体験談が得られず、内定者への魅力づけや不安払しょくにつながりません。「人事や役員との面接しか実施されなかった」「入社までの研修も人事だけだった」という内定者の声も一部あるようです。働くイメージを持ってもらえるように、現場社員と接点を持ってもらうように工夫しましょう。

強制的にイベント参加を促している

交流や懇親を目的としたイベント開催は良いと思いますが、強制するのはストレスや会社に対して疑問が生じやすいところなので注意が必要です。任意の参加にするなど、できるだけ印象が悪くならないようにするのが良いでしょう。会社に対して、良くないイメージをもたれてしまったら本末転倒です。

 

内定者フォローの流れ

企業ごと、内定者の状況に応じて、内定者フォローの実施計画は異なりますが、一般的な内定者フォローの流れや概要を紹介していきます。以下の図を参考にしてみてください。

 

もちろん上記の通りに行なう必要はありません。中途採用でしたら内定者は1人ということもあるでしょう。その場合は懇親会は行なわず、職場見学を行なうなども有効です。大事なのは、どういったやり方があるのか、また自社では何ができるのかを考え、実施していくことです。

コロナ禍での内定者フォローとは?

新型コロナウイルスによってこれまでのような対応が難しくなりました。たとえば、職場見学もなかなかやりづらくなっていると思います。こうして変化で企業はどのように内定者フォローをしていけばよいのでしょうか。この変化を受け、早期にオンライン研修やオンラインによるフォローアップに移行した企業も多くあります。

 

こういった対応によって、危機管理や内定者を大切にしている企業として、志望度が上がったという声もあります。また社内の様子や先輩社員の声を動画でアップしたり、社内報をPDFで送付したり、Zoomなどを使った懇親会を開催したり、工夫次第で従来と変わらない内定者フォローを実施することができているようです。

 

さらに、内定者フォローからオンラインを使用しておくことで、新入社員研修でもオンラインが利用しやすくなるメリットもあります。コロナ禍だから内定者フォローができない…と諦めるのではなく、何か良い方法はないか?とチャレンジすることが大事です。

意欲的な内定者をつくるフォロー事例

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エン・ジャパン株式会社のある部署では、内定者アルバイトを実施し、高い成果を上げています。その一部を紹介します。それは、営業支援業務(メールマーケティングなど)、人事業務(採用、教育)といった「非定型業務」を、内定者に任せるというもの。

 

たとえば、採用であれば、どんな学生を採用すべきか、どんな内容のスカウトメールを学生に送るか、学生との面接で何を伝えれば魅力に感じてもらえるかなど、内定者が主体となって業務をしているのです。もちろん社員からのフォローもセットで実施し、成果が出れば社員と同様に賞賛しています。

 

単純作業などの定型業務ではなく、自分たちで裁量権や責任を持ち、業務にあたっていることがポイント。他社にはない仕事のやりがいが得られ、結果的に志望度もアップしたのは言うまでもありません。

 

www.en-soku.com

まとめ

さまざまな内定者フォローの内容を紹介してきました。現在は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの企業が採用スケジュールの見直し、採用枠の縮小、採用の取りやめなどに迫られています。これまで少子化に伴う売手市場だった新卒採用の関係性が一変する可能性があるとも言えます。

 

だからこそ、新卒採用を検討している、実施している企業としては、今がチャンスとも言えるかもしれません。今回ご紹介した情報をもとに、より良い内定者フォローを行なうことで、優秀人材の活躍、定着につなげていただければ幸いです。

 

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採用ガイド編集部

engage採用ガイド編集部は、人材業界で長く活躍している複数のメンバーで構成されています。人材業界で営業や求人広告ライターなどを経験したメンバーが、それぞれの得意領域を担当し、専門的な知識に基づき執筆を行っています。

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