フォローアップ研修とは?長く活躍してもらうためのポイントも解説

少子高齢化による人手不足が深刻化するなか、人材育成は企業の急務となっています。そこで今、関心を集めているのが「フォローアップ研修」。フォローアップ研修とは、「研修の復習や振り返りを行なうもの」とイメージされがちですが、実はそれだけが目的ではありません。フォローアップ研修には従業員への成長を促すだけでなく、モチベーションの向上や離職抑制などさまざまな目的があります。

 

そこで本記事では、フォローアップ研修が注目を集める背景や実施するメリット、実施の際に気をつけるポイントまで詳しく解説しています。フォローアップ研修の導入を検討している、または既に導入しているけれどうまく活用できていない方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

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フォローアップ研修とは?

フォローアップ研修とは初回研修の後、一定期間が経ったタイミングでもう一度受講者を集めて行なう研修のこと。これまでの業務を振り返り、自身の課題や改善点を確認した上で、より高いスキルや知識を身につける目的で実施されます。ある程度の実務経験を積んで参加することができるため、学んだことを業務に落とし込みながら、より高い教育効果を期待できる点がメリットとして挙げられます。

 

時期としては一般的に、初回研修の3ヶ月後ないしは6ヶ月後などに開催する例が多いです。フォローアップ研修を実施することで、企業としては研修の効果をより向上させ、また次回以降の研修内容をブラッシュアップすることにもつなげられます。研修受講者の成長だけでなく開催する側にもメリットがあるため、研修とフォローアップ研修はセットで考えるべきでしょう。

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新入社員だけに行なうものではない

フォローアップ研修は新入社員向けに行なわれていることが多いですが、若手社員や中堅社員、管理職に向けても実施できます。どの年次においても、自分の仕事に対する姿勢や知識などを見直す良いチャンスとなるでしょう。年次が上がるほど課題発見や改善に向けたアクションを打つまでのサイクルが早くなるため、開催時期や研修の進め方はそれぞれの年次に合った方法で行なう必要があります。中堅社員〜管理職はディスカッションや事例共有の時間を多く設けるなど、研修の構成にも工夫するとよいでしょう。

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なぜフォローアップ研修が注目されているのか?

では、そもそもなぜフォローアップ研修が注目を浴びているのでしょうか。実はフォローアップ研修にはスキルや専門知識の定着以外にも、従業員の早期離職を防止する目的も含まれています。本章で詳しく見ていきましょう。

人手不足の深刻化により、従業員の教育が急務に

少子高齢化による人手不足が懸念されるなか、従業員の生産性向上や業務効率化がこれまで以上に重要視されています。企業が競争力を保つためには、従業員一人ひとりが最大限の力を発揮することが必要不可欠。従業員教育への注目度は、よりいっそう高まっているのです。

 

特に新入社員研修に言えることですが、初回の研修は会社や業務の実態がわからないまま受講するため、学んだ内容に対して実感が持ちにくいことも。実際に現場に出てみて初めて浮かぶ疑問や課題もあり、フォローアップ研修を設けることで、より本質的な理解やスキルの習得を行なうことが可能になります。従業員がフォローアップ研修で学んだことを実務に活かせれば生産性はおのずと上がり、結果的に企業の大きな成長につなげられるでしょう。

従業員の離職防止にも役立てられる

少子高齢化により人材不足が問題視されている中、新入社員の早期離職もまた深刻な問題です。入社3〜6ヶ月で実務をある程度経験したタイミングは、理想と現実のギャップを感じたり、なかなか成果が出ないことに不安を感じたりと、大きな悩みを抱える時期に当たります。これをケアできないと、「この仕事はやっていけない」と感じさせてしまい、最悪の場合休職や離職につながる恐れも考えられます。

 

フォローアップ研修には同じ立場の受講者が集まるため、似たような課題を抱えていることも多く、それを共有することで課題解決に向けたフォローや心の支えにもなります。フォローアップ研修は業務の振り返りや知識の定着はもちろんのこと、現場で従業員が抱えている悩みを解消する場にもなるのです。

フォローアップ研修導入のメリット

フォローアップ研修のメリット

フォローアップ研修が注目される背景を踏まえた上で本章では、フォローアップ研修を導入することによるメリットを解説していきます。

成長や課題を発見することができる

日々の業務に追われていると、自身の状況を客観的に把握することは難しいもの。フォローアップ研修を行なうことで改めてじっくりと自分に向き合い、これまでの業務でどんな成長をしてきたか、そして今後に向けた課題などを明確にできます。イメージしやすくするために、紙に書き出したり、数値で現状の自己評価を行なったりすることもオススメ。また、振り返りや課題の明確化は次のアクションのヒントとなるため、抽象的な内容にならないよう気をつける必要があります。

業務経験を活かした知識習得が行なえる

現場で実務を経験してから研修を行なうことで、より実践的かつ具体的な知識を深められることもフォローアップ研修のメリット。最初の研修ではピンとこなかったことがわかるようになったり、より業務に絡めた学びを得られたりするなど、フォローアップ研修を通じてより本質的な理解につなげられます。また、研修では理解したと思っても実際の現場で活かせなかったり、現場に出たことで新たな疑問や課題が生まれたりすることも。フォローアップ研修に参加することでそれらの疑問を解消し、より自信を持って実務に活かせるようになるでしょう。

従業員の意欲向上につながる

思うように成果が出ない時期が続くと、業務に対する意欲が落ちてしまう従業員もいるでしょう。そんなとき、フォローアップ研修が解決の糸口になるかもしれません。課題に向き合い、足りない部分を補うことももちろん必要ですが、従業員に「成長」を自覚させ、自信を持たせることもフォローアップ研修の目的のひとつ。できていないことだけに焦点を当てるのではなく、以前に比べて成長したことや新たに挑戦して成功したことを実感させることで、モチベーションの向上につなげられます。

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フォローアップ研修の基本的な流れ

フォローアップ研修の基本的な流れ

次に、フォローアップ研修の基本的な流れを紹介していきます。企業が抱える課題により、研修内容や構成はさまざまですが、おおまかな流れとしてぜひ参考にしてください。

フォローアップ研修の目的を確認する

フォローアップ研修を価値のあるものにするには、まず従業員に「何のために行なうのか」といった目的をしっかりと理解してもらう必要があります。業務の貴重な時間を割いて行なうため、ただ参加するだけにならないよう「研修参加後どうなってほしいか」を明確にすることが重要です。研修と実務とをしっかりと結びつけて、業務に戻ったときに学んだことをすぐに実践できるよう、意識させましょう。

個人でこれまでの業務を振り返る

初回研修で学んだ内容を復習することで、より深い理解につなげられます。また、研修では知識面だけでなく、行動面の振り返りを行なうことも重要。「初回の研修で学んだことを実務に活かせているか」「目標の達成に向けた行動ができているか」などの観点で、振り返りを行ないましょう。この際、振り返りがしやすいよう、数字を用いて目標設定をしておくことが重要。たとえば、「1日1回は上司に提案をする」や、「始業前の30分は読書をする」ことなどが想定されます。「意識をする」「努力をする」だと振り返りの際に評価基準が曖昧になり、有効的な課題設定ができなくなってしまうからです。

少人数で振り返りの内容を共有する

従業員同士で振り返りの内容を共有することで、自分だけではたどり着けなかった新たな気づきが生まれることも。悩みやつまずきを第三者に話すことは、客観的なアドバイスや解決に向けたヒントを得るきっかけになります。また、悩みは案外ほかの人も同様に抱えているもの。その悩みに対して、すでにほかの人が乗り越えていていることもあるため、乗り越え方を共有し、支え合う仲間意識の醸成も期待できるでしょう。

好事例や成功体験を参加者に共有する

業務における好事例や研修参加後の成長の事例などを全体に共有するのも有効な方法です。成功体験を共有することは、ほかの参加者にとって貴重な情報となるほか、「自分もこんな風に成果を残したい」と他のメンバーのモチベーションにもなりえます。発表者にとっても発表内容の構成組み立てや、自分の経験をわかりやすく伝える方法が学べるなど、よい経験となるでしょう。

今後の目標を設定する

一度実務を経験したからこそ、初回研修より具体的かつ明確な目標を立てられる点もフォローアップ研修のメリット。目標を新たに設定することで、研修で学んだことを業務で即座に実践しやすくなります。達成への意欲やスピードを意識させるため、目標は期間を区切って細かく設定するとよいでしょう。また、講師や参加者同士で意見交換をしながら目標を決めるのもオススメ。他者と共有することで達成への意識が高まり、さらなるモチベーションアップにつなげられます。もちろん先述したように、目標設定の際には数字を使って振り返りやすいようにしておきましょう。

フォローアップ研修の際に気をつけるポイント

フォローアップ研修の際に気を付けるポイント

ここからは、フォローアップ研修を導入する際に注意すべきことを紹介していきます。ポイントを押さえてより効果的な研修にするために、ぜひお役立てください。

アイスブレイクの時間を設ける

フォローアップ研修は同じ立場の受講者が集まり、業務における悩みや不安を打ち明けられる貴重な場でもあります。ディスカッションを行なう場面も多いため、参加者がざっくばらんに話せるよう、はじめに10分ほど雑談の時間を設けましょう。より密度の濃い学びのある研修とするため、参加者同士が考えや心の内を隠さず話せるような雰囲気づくりが重要です。アイスブレイクで参加者の緊張が適度にほぐれれば、より活発な意見交換を行なえるようになるでしょう。

参加者全員に当事者意識を持たせる

研修は大人数で行なうことも多く、なかには消極的な姿勢で受ける従業員もいるかもしれません。全員が貪欲な気持ちで参加し、ひとつでも多くの学びを持ち帰れるようにすることも、フォローアップ研修において重要なポイントです。ディスカッションやグループワークの際に「聞いているだけ」の参加者が出ないよう、必ず全員が発言できる仕組みにしましょう。また研修の最後に、気づきや意識の変化を話してもらうのも効果的。これを行なうことで、参加者同士でモチベーションを高め合うことにもつなげられます。一人ひとりが「自分ごと」として参加できるよう、さまざまな工夫をしましょう。

研修の内容が画一的にならないようにする

フォローアップ研修の内容は、適宜アレンジを加えていくべきです。仕事をとりまく環境が大きく変化しているなかで、毎回同じ内容の研修をしていても、従業員の本質的な課題解決や成長にはつながりません。コロナ禍でリモートワークが導入されたことで先輩から直接学べる機会が減っていたり、社内コミュニケーションの減少により業務についての相談がしにくくなっていたりと、その時々で従業員の抱える悩みは変わるもの。事前に学びたい内容や現状の悩み、課題についてアンケートをとることもひとつの手です。そういった事前準備がより研修の価値を上げ、従業員に最大限のパフォーマンスを発揮させるきっかけとなるでしょう。

充実したフォローアップ研修は求職者へのアピールにもなる

丁寧な研修制度があることは、従業員だけでなく、求職者にとっても働く魅力につながります。フォローアップ研修を導入していることで、「仕事を覚えられるのか」「つまずいたときのフォロー体制はあるのか」といった不安を払拭できるため、採用活動において大きなアピールポイントになるからです。面倒見がよく、フォロー体制がしっかりとしている会社だと求職者に訴求することで、他社との差別化も図れるでしょう。新入社員の生の声をインタビュー形式で届け、実際に一年目の時にフォローアップ研修がどう役に立ったのかを伝えると、求職者にとってよりイメージがわきやすくなるはずです。

まとめ

研修で学んだことは業務に活かして初めて、その価値を発揮することを忘れてはいけません。フォローアップ研修を有意義な時間にするには、参加者に「研修を研修として終わらせない」ことを意識してもらい、成長のチャンスと捉えてもらうことが何よりも重要なのです。研修修了後に実務へ戻ることが楽しみになるよう、学びの多い研修とすることはもちろんですが、研修中もできるだけ一人ひとりに目を配り、声をかけることを意識するとよいでしょう。期待をかけていることが伝われば、従業員もより意欲を持って研修に参加するはずです。従業員の意欲向上や意識改革にもつながるフォローアップ研修。この記事が導入の際の一助となれば幸いです。

 

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