デジタルネイティブとは?その世代の特性や組織での活かし方を解説


「デジタルネイティブ」とは、インターネットが普及し、物心ついた時からパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に親しんでいる世代のことをいいます。

 

現在は世代を問わずインターネットを使って買い物をしたり、わからないことを調べる手段として浸透していますが、デジタルネイティブ世代にとっては人との出会いやコミュニケーションの手段でもあり、彼らの生活になくてはならないものです。「リアル」に現実とインターネット上の区別がない彼らの考え方や価値観は、それ以前の世代とは全く異なります。

 

この記事ではデジタルネイティブ世代の特徴や組織での活かし方、デジタルネイティブ世代との付き合い方で気を付けたいポイントなどをわかりやすくご紹介。ぜひ貴社の採用や教育などに参考にしてみてください。

この記事は2021年5月12日に公開した記事を再編集しています

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、求人ボックス 、スタンバイ、Googleしごと検索などの求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、40万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

デジタルネイティブとは?

一般的に「デジタルネイティブ」と呼ばれるのは、日本にインターネットが誕生した1992年以降に生まれた若者です。幼少期からインターネットが当たり前にあり、デジタル機器などが身近な環境で育ち、中でも1995年以降の生まれは「Z世代」ともいわれています。この世代が社会人となって接するのが、1960年~1974年生まれの「X世代」、そして1975年~1990年代前半生まれの「Y世代」です。

 

「X世代」とは、20代~30代でインターネットが普及し、大人になってからデジタルに触れるようになった世代のことで、今まさに社会を担っている層でもあります。時代の変化の中で育ってきているので、インターネットや流行のものなど、新しいものを柔軟にとらえる積極性があるといわれています。

 

「Y世代」は、デジタルネイティブ世代と年齢層が近く、インターネットの普及と共に成長しているため、特徴も似た部分があります。ですが、スマートフォンやSNSが普及する2000年代後半まではインターネットは閲覧するのがメインの世代です。そのため、「Z世代」と比較すると、デジタルに対しての価値観や付き合い方が深い傾向にあります。

生まれた時から「当たり前」にインターネットがある世代

各世代の特徴の図

デジタルネイティブ世代は生まれた時からインターネットが当たり前にあったため、物心ついた時にはすでに生活の一部であり、欠かせないライフラインです。情報収集だけでなく、人とのコミュニケーションや買い物など、ありとあらゆるものに使用しています。幼少期から自分用のスマートフォンを与えられているケースも多く、同世代の友人とのコミュニケーションはもちろん、SNSで顔も知らない他人と出会い、気兼ねなく関係性を築けるのもこの世代ならではといえるでしょう。

デジタルネイティブの特徴

では、デジタルネイティブ世代にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは代表的な「インターネットを使って情報を取り入れる」・「インターネットで対人関係を築ける」・「スピーディーに情報発信できる」の3つについて、1つずつご説明していきます。

インターネットを使って情報を取り入れる

幼少期からスマートフォンやタブレットを使いこなし、デジタル環境に慣れているこの世代。昔は、「わからないことを調べる=辞書」が一般的でしたが、彼らはどこにいても瞬時にインターネットで検索するなど、デジタルを駆使して即座に調べた情報を取り入れます。

 

仕事においても同様に、わからないことをすぐに周りの人に質問するのではなく、まずは自分でインターネットで検索するという人も多いため、解決できる力を持っているといわれています。しかし一方では、たくさんの情報の中から間違った情報を取り入れてしまう危険性もあるため、真実か否かを見極める能力が必要です。

多様な価値観をもっている

同世代の友人はもちろん、顔も知らない他人も含めオンラインとオフラインの区別を付けずに出会っている人も少なくありません。TwitterやInstagramなどでコミュニケーションを取ることに慣れ親しんでいる人も多く、インターネットで人脈を広げることに抵抗がないことが強みといえます。その一方で、顔が見えないコミュニケーションに偏ってしまう人も少なくなく、対面での意思疎通や会話が苦手な人がいるとも言われています。

 

インターネット上で様々な年齢層や価値観を持っている人との交流を重ねることで、デジタルネイティブ世代の価値観も多様化しています。それは仕事に対する価値観も同様です。一昔前のような「社会人になったら会社に全てを捧げる」というような価値観を持つ人は少なく、仕事が終わった後の時間や休日など、プライベートを充実させることに重きを置いている人も多い傾向にあります。

スピーディーに情報発信できる

幼少期から自分用のスマートフォンを与える家庭も多いため、早くからTwitterやInstagram など複数のSNSのアカウントを開設し、自由に自分の考えや意見を発信するなど、自己表現ができる場を持っている人も。思いついたらすぐに自分の考えをテキストで発信したり、作品を画像や動画でインターネット上に発表することができます。

 

そうしたスピーディーな情報発信は仕事においても活かすことができます。企業や商品の魅力を発信して集客するといった仕事や、情報発信の方法を知っていることから、どうやって知名度を上げるのか、ブランドを売っていくのかを考えるといった仕事とも親和性が高いでしょう。

組織でデジタルネイティブ世代を活かすには?

企業のデジタル化推進、効率化など、デジタルと親和性の近い仕事を任せる

学校の授業以外にも自宅や塾などでタブレット学習を行なうなど、デジタル機器の扱いに慣れているこの世代。デジタル機器の便利な使い方を理解している人も多いので、IT関連職への適応も高い傾向にあるでしょう。

 

また、様々な機能やアプリなどに詳しい人も多いため、そういった知識を活かして業務効率を上げるプロジェクトなどでも活躍が期待できます。また前述したように、不明点についても自分でネットで調べて解決できることも少なくないので、ツールの使い方などは、比較的早く身に着けることができるでしょう。コロナ禍になり、企業のDX化が叫ばれていますので、デジタルに強いという特徴を生かして、ビジネスのオンライン化の推進にも期待できます。

デジタルネイティブ世代との付き合いで気を付けたいポイント

デジタルネイティブ世代コミュニケーション注意点

 効率性を重視することを理解しておく

人とのコミュニケーションだけでなく、情報収集や買い物などにもオンラインとオフラインの区別がないデジタルネイティブ世代。必要なことはスマートフォンやタブレットなどを利用して行動を完結させることができるため、効率性を重視する傾向にあります。仕事においても同様で、デジタル機器を駆使し、できるだけ無駄を省いて効率的に業務を進めたいと考えます。 

 

たとえば、会議で新入社員がスマホをいじっているという場面に遭遇したことはありませんか。会議中に新人がスマホをいじるというのは、X世代、Y世代からすると、違和感があるかもしれません。

 

しかし、デジタルネイティブ世代からすれば、スマホでメモを取るのは珍しいことではありません。理由もスマホでメモを取ったほうが、整理していつでも簡単に取り出せるからという最もな理由の場合もあるでしょう。これを理解せず、頭ごなしに注意したら、彼らの気持ちは離れていくことは間違いありません。

 

すべてデジタルネイティブ世代のやり方を正とする必要はありませんが、前提として上記のような考えがあることを理解し、そのうえでの伝え方なども考えていかなければならないでしょう。 

残業を美徳とせず、成果で判断する

仕事に対する価値観が多様化し、一昔前のような「社会人になったら会社に全てを捧げる」といったモーレツに働く価値観を持つ人は少なくなってきています。さらに、『ブラック企業』などの言葉が流行し、以前まで存在していた残業を美徳とするような考え方が変化したことで、仕事だけに全身全霊を傾けるのはどうなのか、という価値観も増加しています。

 

特にデジタルネイティブ世代は仕事が終わった後の時間や休日など、プライベートを充実させることに重きを置いている人が多く、効率性を重視する傾向にあるため、職場の雰囲気や働きやすい環境を好みます。これは、ぬるくするということではありません。成果を出すことを重視することが大事だということです。

 

ムダな残業などは確かに意味がないので、そういった過去に美徳とされていたような価値観が蔓延していないか、チェックし、より効率性を求めていく風土をつくっていくことも大事です。

デジタルネイティブ世代を採用し、定着させるために意識すべきこと

次に、デジタルネイティブ世代を採用・定着させるための有効な方法についてご説明します。

オープンな組織であることを心掛ける

商品を購入する際や食事をするためのお店探しなど、興味があるものをインターネットで検索し、すでに利用した経験のある人たちの口コミなどを見て生の情報を得ることに慣れているデジタルネイティブ世代。

 

1つの物事に対して、人によってポジティブな意見とネガティブな意見があることを理解しています。そのため、企業が一方的に発信する魅力のみのメッセージを100%信用することはありません。

 

だからこそ、彼らとのコミュニケーションはオープンであることが求められます。評価する際にも、「ここが良かった」といったポジティブな意見と、「ここは改善すべき」といったネガティブな意見の両方を伝えるなど、偽りのないメッセージを届けることを意識すると良いでしょう。上下関係ではなく横のつながりを大切にする世代だからこそ、お互いに正直に話せる関係性を築くことが大切です。

年々増える新しい採用手法をキャッチアップし、最適な採用手法を選ぶ

企業が採用を行なう際、これまでは新卒採用・中途採用共に、多くの企業の情報が集まる就職サイトや転職サイトなどへの掲載が一般的で、「掲載さえすれば母集団が集まる」と、それ以外の方法を利用しないという企業が大多数でした。

 

しかし情報発信や収集方法が多様化し、採用を行なう企業にとっても求職者にとっても、「これ1つで万全」という時代が変わりつつあります。企業の情報収集や比較のためにも就職サイトや転職サイトへの掲載は有効ですが、自社専用の採用サイトを作成し、自社の魅力や働く人のリアルな姿を見せる方法も増加しています。

 

また、採用サイト以外にもSNSで自社アカウントを開設して採用活動をするなど、よりデジタルネイティブ世代に身近な方法で情報発信することも有効です。これまでのやり方に固執せず、新しい採用手法を試してみるのも良いでしょう。思いがけないところで採用ができるかもしれません。

 

en-gage.net

フラットな関係性を保ち、心理的安全性を確保する

出会いやコミュニケーションなど、対人関係においてオンラインとオフラインの区別がないため、先輩・後輩、上司・部下などの上下関係よりも、フラットな横のつながりを大切にする傾向が強い世代です。そのため、上の立場から一方的にやり方や考え方を押し付けられることに窮屈さを感じたり、苦手意識を持つ人も少なくありません。

 

また自分の意見をしっかり受け入れてもらえる心理的安全性の確保も重要です。若いから意見を聞いてもらえないということがあると、ネットでのコミュニケーションと比べると、窮屈に感じがち。年齢に関係なく意見を尊重される、自分の意見が言える環境であることがこれまで以上に大切と言えそうです。

 

こうした特徴を理解して、会社としては、今までの決まったやり方や基本など、必要不可欠なことはしっかり伝えつつ、新しいやり方や考え方を柔軟に取り入れていけるかどうかは重要です。最終的に大事なのは、成果が出るかどうか。これまでのやり方に固執せず、デジタルネイティブ世代がやりやすいように環境を整え、力を発揮させる方が大きな成果を得られるかもしれません。

デジタルネイティブ世代採用の意外な落とし穴

デジタルネイティブ世代採用の意外な落とし穴

デジタルネイティブ世代を採用する時に知っておかないと、後々面倒が起こりそうなのがこの落とし穴です。「デジタルネイティブ世代なのにパソコンが使えないの!?」など、意外な点があるので、組織に参加してもらう前に固定概念を覆しておきましょう。

スマホは使えるがパソコンは使えない

デジタルネイティブ世代は生まれた時からインターネットが普及しており、物心がついた時にはスマートフォンが普及していた世代です。グラフの通り90% 以上がスマートフォンをインターネット接続端末として利用しています。

デジタルネイティブ世代 スマホ利用率
引用:総務省|平成30年版 情報通信白書|インターネット利用の広がりの情報をもとに採用ガイドで編集

次に利用率が多いのはパソコンですが、スマートフォンと比較しても20%以上差が開いており、10代後半においては、50%台と約2人に1人しかパソコンを インターネット接続端末として利用していないことがわかります。


このことからも、デジタルネイティブ世代では、日常的なインターネット利用にはスマートフォンを利用していることがわかります。パソコンは学校の授業程度でしか使ったことがないデジタルネイティブ世代も多いため、「スマホは使えるが、パソコンは使えない」人が意外といると言えます。

 

情報収集能力は高いが情報リテラシーが低い

わからないことがあればスマートフォンやタブレットを使ってインターネットで検索し、スピーディーに情報収集を行なう彼ら。手間や時間をかけることなく、たくさんの知識を身に付けることができます。

しかし、インターネットで1つのキーワードを検索すれば世界中から非常に多くの情報が得られますが、中には間違った情報が紛れ込んでいることも。得た情報をそのまま鵜呑みにし、正しいかどうかを確認せずにその情報を用いて発信してしまう可能性も少なからずあります。


個人のSNSであれば本人だけの問題ですが、会社に所属する一社員として情報発信した場合、個人だけでなく会社の信用に傷を付けることにもなりかねません。良い面もある一方で、リスクも一定数あるのです。


入社後は情報リテラシーの研修を実施し、情報が正確であるかを確認することの重要性や、発信する際の慎重性を伝え、ルールを明確化するなども検討しておいたほうがいいでしょう。

 


対面コミュニケーションに苦手意識がある

デジタルネイティブ世代は非対面(オンライン)でのコミュニケーションに慣れている一方、対面(オフライン)でのコミュニケーションが苦手だという声もあります。というもの、デジタルネイティブ世代は物心ついた時からスマートフォンが浸透しており、日常的なコミュニケーションツールとしてSNSを活用しています。


そのため、「自分の好きなタイミングでゆっくり考えながら文章を打つ」ことには慣れていますが、「対面で相手の目を見ながらリアルタイムでの会話をする」コミュニケーションには慣れていません。


特にコロナ禍によって授業が非対面(オンライン)で行われ、対面(オフライン)でのコミュニケーションを制限されていたため、対面で会うと「どのように話したらいいかわからない」となってしまう若者も少なくありません。


デジタルネイティブ世代とコミュニケーションをとるときは、対面(オフライン)が必須だと考えず、相手に合わせて非対面(オンライン)でのコミュニケーションを取り入れることを念頭に入れておくといいでしょう。

まとめ

デジタルネイティブ世代は既成概念にとらわれない考え方や価値観を持っている世代です。今後の社会を担っていく人材として彼らの特徴を理解し、うまく活かしていくことで、企業としても新しい時代に適応しながら成長していくことができるでしょう。そのためには、デジタルネイティブ世代に選ばれる、成長できる会社であることが大切です。

 

会社では様々な世代が一緒に働いています。デジタルネイティブ世代に限らず、世代ごとに考え方や仕事に対する価値観が異なるため、コミュニケーションを取り合って、お互いを知ることが望まれます。ぜひデジタルネイティブ世代について理解を深め、どの世代でも働きやすい会社を作っていきましょう。なお「engage採用ガイド」では、このほかにも人事や採用に関する情報をわかりやすく発信しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

CHECK!

採用でお困りではないですか?

 

無料で求人を掲載したい方は、engage(エンゲージ)に無料登録を。Indeedをはじめ、求人ボックス 、スタンバイ、Googleしごと検索などの求人サービスにも自動で掲載されます各社の掲載条件を満たした場合

 

engage(エンゲージ)の導入社数は、40万社を突破。東証一部上場のエン・ジャパンが手掛けるサービスですので、安心して利用いただけます。(無料)

 

engage

採用ガイド編集部

engage採用ガイド編集部は、人材業界で長く活躍している複数のメンバーで構成されています。人材業界で営業や求人広告ライターなどを経験したメンバーが、それぞれの得意領域を担当し、専門的な知識に基づき執筆を行っています。

engage採用ガイド編集部は「採用に悩む経営者・人事担当者の頼れる相談先」としてこれからも日々情報をお届けしていきます。 ※engage採用ガイドはエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。