カルチャーフィットとは? スキル・経験だけで採用すると失敗する理由

187.5万円。この数字が何か分かりますか?

 

答えは、入社後3ヶ月で早期退職した際の企業の損失額です。

 

採用には、求人広告から面接、研修など様々な費用がかかっているため、早期に辞められてしまうと、これほど大きな損失になってしまうのです。では、早期離職しないために何をすればいいのか。そこで注目されているのが、「カルチャーフィット」です。

 

この記事では、カルチャーフィットについて徹底解説。カルチャーフィットの概要から、注目を集めている背景、メリットやカルチャーの醸成法まで、分かりやすく説明しています。この記事を通じてより良い風土づくりのきっかけになれば幸いです。

 

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カルチャーフィットとは?

カルチャーフィットとは、企業の文化になじめていること、会社の文化にフィットしていることを指します。どんな会社にも「企業文化」があり、これになじめるかによって入社後の定着度・活躍度が変わっていきます。実際、スキルの高い人材が企業のカルチャーに合わないために、思う存分力を発揮することができず、活躍できないケースは少なくありません。

 

たとえば、個人で結果を出すことがすべての会社もあれば、プロセスやチームワークを一番評価する会社もあり、こうした企業ごとの文化にフィットするかどうかで、社員の活躍度は変わってくるのです。

カルチャーフィットが注目される背景

どうしてカルチャーフィットが大切なのでしょうか。より詳しく説明していきましょう。

人材の流動性が高い時代に、社員に定着・活躍をしてもらうため

1つ目は、前述している通り、社員に定着・活躍してもらうためです。「社風が自分に合わなかった」と辞めてしまうことがありますよね。スキルや経験を積んだ社員が辞めてしまうのは、会社の成長にも影響を与えますし、採用コストもかさんでしまいます。

 

 

社員1名が入社後3ヶ月で離職した場合の損失概算

エン・ジャパンの調べによると、中途採用をした社員が3ヶ月で退職してしまうと、200万円弱の採用コストがムダになってしまうということが明らかになっています。入社後に定着してもらえるかどうかは企業にとっては無視できない問題。カルチャーフィットによるオンボーディングが欠かせなくなっています。

 

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事業を成長させていく必要があるため

もう一つは、事業を成長させていく必要があるためです。一般的に企業は、売上を拡大し、事業を大きくしていくことを目指します。その中で、モチベーションの高い社員が集まる企業、モチベーションの低い社員が集まる企業では、各社員のスキルは同じでも成果は大きく変わります。

 

企業が目指す姿を実現するためには、高いモチベーションで仕事に取り組んでもらい生産性を高めてもらう必要があります。カルチャーフィットした社員たちがいれば前向きに仕事に取り組み、ミッションを遂行してくれやすくなるので、事業成長につながりやすいのです。

 

特に今の時代は、ITなどの進化もあり、ビジネスのスピードが年々早くなっています。また終身雇用が維持できなくなり、人材の流動化が激しくなっているらこそ、人材を確保し、他社に負けない事業をつくる必要があり、そのためにも、こうしたカルチャーフィットの考え方が、より大事になってきているのです。

カルチャーフィットのメリット

カルチャーフィットしていると、どんなメリットがあるでしょうか。1つずつ紹介していきます。

自律して行動してくれるので、生産性を上げられる

企業のカルチャーがあり、社員同士の価値観がマッチしていれば、ムダなコミュニケーションコストが掛かりません。たとえば、「企業としてどのような考え方を優先すべきか」という判断が必要になった時、価値観が醸成されていれば、行動しやすくなります。Googleのユーザーを優先する考え方などが、これにあたります。

 

大枠の行動指針に沿って社員それぞれが自律して行動できます。また、会社の考え方やカルチャーにコミットしていれば、その価値観を信じ、モチベーション高く仕事ができるので、生産性もおのずと上がります。

価値観が合っているので、離職率を下げられる

性格や人柄は、考え方、人との付き合い方、仕事への向き合い方にも通ずる部分です。そのため、カルチャーフィットしていると、周囲との考え方もマッチしやすくコミュニケーションも円滑になります。また、入社後に「やっぱり違った」という点も回避できるため、早期離職を防ぐことにつながります。

 

エン・ジャパンの調べによると、退職理由のホンネを調査したところ、「人間関係が悪かった」という回答が1位で25%、また「社風や風土が合わなかった」という回答が11%(3位)と、カルチャーフィットしないことを理由に退職している人が多いことが分かります。

 

退職理由アンケート結果

出典:人事のミカタ『入社後ギャップ撲滅作戦』

 

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カルチャーフィットしていないリスク

カルチャーフィットのメリットを紹介しました。ではカルチャーフィットしていない場合、企業にどんなリスクがあるでしょうか。1つずつ紹介していきます。

価値観が合わないので、周囲とのズレが発生してしまう

互いの価値観や行動原理などが異なることで、相手の行動の意図が理解できず、コミュニケーションコストが増えてしまいます。同時に互いにとって大きなストレスが発生するのです。

 

たとえば、チームで成果を出すことを大事にしている会社に、個人プレーを重視する人が入った場合、コミュニケーションは、なかなかうまくいきそうにありませんよね。そもそに、両者は大事にしていることが異なるので、その結果コミュニケーションがズレたり、相手の行動を良いと思えなかったりと、いろんなところで軋轢が生じてきます。

 

その積み重ねにより、チームやグループ全体の取り組みの歯車が合わず、成果に結びつきづらくなることも。さらに悪化すると、前述の通り、早期離職、事業の進捗悪化につながってしまいます。

特定の会社で働く動機が薄いので、退職してしまうリスクがある

真にカルチャーフィットをしていないと、プロジェクトやミッションが終了した、ひと段落したというタイミングで退職者が発生したり、より良い環境・条件の企業があったらすぐに転職をしてしまう方が出る可能性があります。

 

その会社で働く強い動機がないので、本人にとって都合が良い話が舞い込んだ時に離れてしまいやすいのです。カルチャーフィットしていないことで退職リスクが増え、定着が期待できず、採用のコストがかさんでしまう…。こういった悪循環に陥ってしまうリスクがあります。

企業のカルチャーを醸成する方法

では社員全体のカルチャーフィットを進めるには、何が必要なのでしょうか。具体的な事例も交えながらチェックしていきましょう。

会社のカルチャーを言語化し、共通の認識をつくる

企業理念や価値観、行動規範などを文書化した「クレド」を作成するなど、どんなカルチャーがあり、どんな行動をしてほしいのかを言語化しておくことが必要です。よくあるのは、「会社の行動指針はあるけど、入社以来見ていない…」「行動指針が抽象的で行動に落とせない」「建前が書かれていて、心に響かない」というケース。

 

企業カルチャーは意図的に作ることが大事です。どのような企業になりたいのか、トップが自分の言葉で考える必要があります。ありきたりな言葉を掲げることに意味はありません。「真に考えていること」を言語化し、それを定期的に発信していくことで、会社のカルチャーは作られます。

 

特に中途入社者の場合、これまでの経験や自分の考えも色濃くなるもの。言語化し、可視化することで、カルチャーを理解しやすくなり、合わせる基準ができます。

言語化したカルチャーをきちんと発信する

カルチャーを社内に発信することも大切ですが、社外に発信することも大切です。たとえば、エン・ジャパンでは、社員1人ひとりが記者となり、会社のことを発信していくメディアをつくりました。エン・ジャパンを志望する求職者に見てもらうことによって、社風や考えを理解してもらい、そのうえで応募してもらうことが狙いです。こうした場所があると、企業の理解が進むため、入社後のミスマッチが減っていくのです。

 

www.en-soku.com

 

diginote.en-japan.com

 

 

カルチャーフィットの見定め・見極め方

カルチャーフィットした人材を最大化することが、事業運営的も有用であることを紹介していきました。ではどうしたら、カルチャーフィットした人材化を見分けられ、見極められるのでしょうか。3つに分けて紹介していきます。

選考・面接時に必要なカルチャーを定義し、選考ポイントに追加する

まずカルチャーフィットした人材かを見極めるには入社時が大切です。「当社らしい人材」であるかを見極めるためには、「当社らしさとは何か」を定義し、言語化する必要があります。もちろん、入社前からすべての項目が当てはまる人材はいません。そのため、選考や面接時にフィットしてほしいカルチャーと、入社後に醸成することで身につけられるカルチャーに分けていきましょう。

 

入社までに共感できるカルチャーを持っているかどうかを選考のポイントにすることで、カルチャーフィットが促進されるはずです。

人事以外に、配属先のメンバーや上司などに会う機会を設ける

選考時に、人事や社長だけでなく、現場で活躍している社員に会ってもらうことで、価値観がどれだけ合っているか求職者に知ってもらうことができます。また社員に会ってもらうことで、求職者に対する第三者の意見も得られますので、よりフィットさせることができます。

社内カルチャーについて積極的に発信していく

求職者は、より詳しい情報を入手するために様々なところから情報収集をしています。その中で一番よく見ると言われているのが、採用サイト・HP。エン・ジャパンの人事のミカタによると、約7割以上の求職者は情報収集で採用サイト・HPを見るとのこと。

 

採用サイトをつくって、自社の会社の雰囲気、カルチャーを伝えるコンテンツを用意し、詳しく伝えることで、求職者にどういう会社なのか理解してもらえるでしょう。

 

また、上述した『ensoku!』やブログ、SNSなどを積極的に活用するのもおススメです。最近では無料で情報発信できるようになっているので、こうしたサービスを積極的に活用していくのも良いでしょう。

 

en-gage.net

まとめ

カルチャーフィットしている人材が多いと、会社のミッションや方向性に共感しやすい人材の割合が多くなります。その結果、組織として一体感が生まれ、大きな成果を生み出すことができるようになるのです。

 

「リファラル採用は定着、活躍しやすい」という話を良く聞きますが、これは社員の紹介によって、会社の考えや価値観に近しい人を集めることができるため。つまり、カルチャーフィットしやすい人材を集められるので、定着・活躍しやすいのです。

 

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「スキルがあれば誰でもよい」という採用は危険です。

 

入社後の定着・活躍まで見据えた採用活動をしないと、あとで厳しくなるのは見えています。急がば回れ。時間はかかるかもしれませんが、丁寧にカルチャーを言語化し、それに合う人材を採用することが、結果として事業を大きくすることにつながります。ぜひ、参考にしてみてください。

 

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