コンピテンシーとは?意味を解説|大学教授が教える面接での活用法

近年、「コンピテンシー」という言葉がHR領域で普及・定着しつつあるのを知っていますか?

「何度か耳にしたことがあるけど、実はよく分かっていない…」

「なんとなく知っているけど説明はできない…」

もしこういった状態であるのであれば、ぜひこの記事をご覧ください。この記事では、コンピテンシーの意味や注目されている理由、人事評価や採用活動に活かす際のポイント、コンピテンシー評価やコンピテンシー面接のメリットなどを詳しく解説していきます。ぜひ貴社の組織の活用や採用活動などでご活用ください。

 

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コンピテンシーとは?

コンピテンシーとは、高い業績や評価されるような成果を出す人に共通してみられる行動特性です。会社の中でも優秀な成果を出す人には、何かしら共通する思考、行動などが見られるはずです。

 

たとえば、いつも営業で高い売上をあげている人は、センスで売上をあげているわけではありません。「目標達成するまでのプロセスを毎日のアクションにまで必ず落とし込む」「立てた計画を必ず実行する執着心をもっている」「分からないことは誰にでも聞き誰よりも吸収する」というような行動をとっているはず。

 

こうした高い成果を上げる人の共通する行動特性を分析し、一般化することで、企業内の生産性をあげたり、優秀な人材を採用するための見極めに使ったり、評価項目で使わたりすることが一般的です。

 

コンピテンシー

スキルや知識とは異なるもの

ここまで説明を受けて「コンピテンシーってスキルや知識と違うの?」と疑問に感じる方もいるかもしれませんが、両者の違いは「行動・思考」にあります。スキルや知識は、経理の専門知識のようなものが挙げられます。

 

たとえば、同じスキルをもつAさんと、Bさんがいた場合で考えてみましょう。より効率的な方法はないか考え、同僚を巻き込んでいこうと働きかけているAさんと、与えられたことだけをこなすBさんでは、同じスキルを有していたとしても、成果には大きな差がつくものです。

 

スキルや知識は、成果を上げる大前提として必要なものにはなりますが、成果を出すためには、行動・思考などコンピテンシーが重要になってくるのです。

スキル・知識とコンピテンシーの違い

なぜ、コンピテンシーが注目されているのか

コンピテンシーが近年注目を集めていますが、その理由は大きく2つあります。

コンピテンシーが注目されている理由

成果主義を導入する企業が増えているから

これまでの日本では、多くの企業が年功序列型の人事評価を取り入れていました。しかし、最近は、成果主義の人事評価を導入する企業が増えはじめています。成果主義では、業績や成果だけを評価基準とするのではなく、その業績や成果をあげることにつながるとされる能力も評価基準にする必要があると考えられています。そして、その能力を評価する基準にコンピテンシーが採用されているのです。

 

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企業としての生産性を向上させるため

現在のビジネス環境は、新しいテクノロジーの発展が次々と生まれ、非常に環境変化のスピードが早くなっています。競争が激化する社会で企業が生き残っていくには、一人ひとりの社員の生産性を高め、会社を成長させていくことがこれまで以上に求められています。そこで、高い成果を出す社員を増やしていくために、コンピテンシーが注目されているのです。

コンピテンシーの活用方法とメリット

 コンピテンシーという言葉の意味や注目されている理由がわかったところで、続いては、コンピテンシーがどのようば場面で活かせるのか説明していきます。

コンピテンシーの活用方法とメリット

行動特性を一般化し、従業員に周知させ、生産性をあげることができる

コンピテンシーは高い業績や評価される成果を出す人に共通するものです。そのため、行動特性を把握することができれば、好業績を出す方法がわかります。さらに成果を出す方法を一般化できれば、従業員の生産性をあげ、会社として成長することができるのです。

 

優秀な成果を出している社員から丁寧にヒアリングをし、「どのような思考で、どのように行動を心掛けていたのか」を聞き出し、共通してみられる特性を把握していくことがおススメです。ただし丁寧に進めていかないと一般化がうまくいかず、うまく生産性をあげることができないので注意が必要です。

採用活動の見極めに活用することで、優秀人材を採用できる

優秀な人材の行動特性が分かれば、採用活動にも活かすことができます。特に見極めが難しいとされる面接などで、発揮できるようになります。たとえば、スキルがまだ足りない人材でも、コンピテンシーと共通するものが見いだせれば活躍できる可能性は十分にあります。逆にスキルがあるものの、コンピテンシーと共通する部分が見られなければ、採用しないという判断もできます。曖昧だった見極めがより明確になり、優秀人材を逃さない面接が可能になるでしょう。

評価項目に追加することで、納得感のある評価ができるようになる

行動特性が把握できれば、評価項目にも入れていくことができます。たとえば、実績は目標の数字に届かなかったが、行動はコンピテンシーと共通するものがあった、などという評価もできるようになります。またこれまで曖昧に評価していたものも、より明確な基準で評価できるようになるでしょう。また、こうした評価基準を設けることで、従業員に対して納得感のある評価ができるようになります。

 

コンピテンシー面接のポイント

続いては、コンピテンシーを面接に活用する際のポイントをお伝えします。心理学的視点からの新しい人材論について、大学教授の川上真史氏にお話を伺いました。

川上真史教授プロフィール

よくある面接の問題点

研究結果に基づいて、多くの企業に対して、人事・人材制度のコンサルティング、研修講演などを実施されてきた川上教授によると、よくある面接の問題点は次の2つ。

1)入社後の活躍と結びつかないポイントを見極めていること
2)面接での見極めのほとんどが 「直観」で行われていること

1つ目は、保有している専門知識や思考力、出身大学などで人材を見極めている企業が多いということですが、近年ではそれらだけでは仕事の成果につながらないことがわかってきています。

 

人事としては優秀な人材を採用したと思っているのに、配属先の部署からは「人事は現場で役に立つ人材を採用していない」と言われてしまうというケースが、多くの企業で発生しています。

 

2つ目は、「この人はなんとなく良いな」という感じで人材を見極めている企業が多いということです。面接官が目的のない質問をして、被面接者が話す雰囲気などで直観的に判断しています。

コンピテンシーを活用した、具体的な面接の方法

面接でのよくある問題点を解消するためには、面接でコンピテンシーを見極めることが有効だと川上教授はおっしゃっています。ポイントは下記の2点です。

1)知識を保有しているだけでなく、知識を活かして行動に移していること
2)今生み出すべき成果を最も効果的に創出できるための工夫がなされた行動であること

そして、上記のポイントを満たしているかどうかを判断するには、「行動事実」を集めることが大切だとおっしゃっています。

見極め方


具体的な面接の方法としては、質問への回答に「本人が工夫を加えながら発揮した行動事実の事例」の話が含まれていなければ、「なぜ?」ではなく「たとえば?」を用いて質問するということです。

 

たとえば、「あなたの強みはなんですか?」という質問への回答が、「リーダーシップです」だったとします。この回答には、「いつ、どこで、どのような効果的なリーダーシップ的行動をしたのか」という、具体的な行動事実がありません。

 

そして次の質問の際には、「なぜ?」を用いてはいけません。「なぜ?」と聞いても、その場しのぎの考えや意見を回答するケースが多いからです。

 

「なぜ?」ではなく、「たとえば?」を用います。「たとえば、強みであるリーダーシップを発揮した具体的なエピソードを教えてください。いつ、どこで、誰に対して、どのような効果的なリーダーシップを発揮しましたか?」というような質問です。

 

このように面接を進めていくことで、コンピテンシーを発揮したエピソードを多く集めることができます。そしてその集めたエピソードが自社が求めるものにどれだけ合致しているのか、または、コンピテンシーを発揮したエピソードの特徴から、自社で求められる業績や成果をどれだけ生み出せそうかなどを判断していきます。

 

参考:エン・ジャパン 入社後活躍研究所 『高い精度で、活躍人材を見極められる面接方法』数多くの企業で「採用面接」を指導してきた川上教授に聞く!

まとめ

コンピテンシーを把握することは、企業が効率的に、スピーディーに成長していくためには重要です。優秀な人材を採用し、社内でより高い生産性を出せる社員を増やし、納得した評価で長く定着してもらう。こうした好循環をつくるためにも有効活用できますので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

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