1on1で話すことは何が適切?有意義な時間にして成果につなげる方法

組織力の向上を促すとして、日本国内でもいくつもの有名企業で導入されるなど、注目度の高いミーティング手法である1on1。しかしいざ始めてみようと思うと、「何を話すべきか分からない」「上司が話してばかりで部下には苦痛な時間になっている」というような壁にぶつかる場合も珍しくありません。

 

従業員のパフォーマンスを高め、組織を強くしていくために、1on1のコミュニケーションは重要。そこで今回は、1on1の導入で失敗しないために、何を話すと良いのか、具体的なテーマ例やミーティング方法のポイントについてご紹介していきます。

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大前提、1on1は上司が話す場ではない

そもそも1on1を実施する上で忘れてはならないのは、あくまで部下の話を聞くミーティングの場であるという点です。大前提として1on1の目的は、部下の自発的な姿勢を養って成長を促すこと。部下自身に何か自分なりの意思で意見や考えを発信してもらうミーティングだからこそ、上司側があまりに話してしまうようでは意味がありません。

 

そのため部下にとって自発的に話せる場、考える場となるよう、簡単な質問をしたり話題を振ったりすることが大切です。1on1では「部下の話を聞く姿勢」でいることが基本なので、上司から何か指示したり考え方を押し付けたりすることのないように、十分に配慮しておきましょう。

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1on1で話すことや、質問すると良いテーマは?

1on1で話すことや、質問すると良いテーマは?

それでは実際に1on1では何についてミーティングするのが効果的なのか、具体例について次から紹介していきます。

担当している仕事や組織における課題について

担当業務について困っていることや、組織に属する中で悩んでいることなど、現状の不満・不安の解消につなげることができるのも1on1のメリットです。具体的には、次のような質問例があります。

  • プロジェクトの進捗はどうか?
  • プロジェクトの進行がスムーズに行かないと感じることはないか?
  • 何か仕事を進める上で躓いているところはないか?
  • 業務フローの中でやりづらいと感じているところはないか?
  • 何かしらの行動の妨げになっていることはないか?
  • 社内でのコミュニケーションが取りづらい場面はないか?
  • チーム内での人間関係で悩んでいることはないか?

1on1ではなるべく上下関係を気にせずに、本音を話してもらうことも重要です。ただし単純な愚痴やストレス発散で終わらないように注意することが欠かせません。

 

「なぜそう思うのか」「どうしたら改善できるのか」というように、きちんと自分自身が向き合えるように促す必要があります。課題を解決するためにどうすればよいのか、その示唆を与える場が1on1になります。

描いているキャリアや目標について

1on1では、各自が目指したい未来志向をテーマにするのも有効的です。具体的には、次のようなテーマ例が挙げられます。

  • 将来はどのようなキャリアを歩みたいか?
  • 今後身につけていきたいスキル・能力はあるか?
  • 何か取得してみたい資格はあるか?
  • 今最も興味を持っている仕事は何か?
  • これから挑戦していきたい業務にはどんなものがあるか?
  • 特に社内の中で目指している人材はいるか?
  • 何年後までにどのようなポジションになっていたいか?

部下にとっては自分の本来の目標を見直すきっかけになり、上司にとっては今後どんな仕事を任せていくか方向付けができるメリットがあるでしょう。部下の意向が分かれば、今後のキャリアをサポートすることにもつなげられます。

 

たとえばビジネスに限定するのではなく、ライフプランを含んだ人生全体の見通しや夢についてのテーマでも問題はありません。その中で、現状の仕事がどのような位置付けにあるのか把握してもらい、その後どう動いていくべきか考える時間にするのも効果的です。本人のことを把握し、今後パフォーマンスを高めていくためにはどういったやり方が適しているのか理解しあう時間にしましょう。

プライベートについて

あまりに雑談になり過ぎないための注意は必要ですが、部下にとってフランクに話しやすい雰囲気のミーティングにする意味では、以下のようなプライベートな話題をテーマにするのも良いでしょう。

  • 普段の休みでは何をしていることが多いのか?
  • 長期の連休はどのように過ごしているのか?
  • 最近何かハマっていることやマイブームはあるか?
  • 仕事以外で何か私的に活動していることはあるか?
  • プライベートで何か辛い思いをしていないか?
  • 直近で楽しかったことはあるか?

アイスブレイクを挟むことで、話しやすい雰囲気を出すことができます。また、プライベートでの悩みなどが見つかる可能性も。プライベートでしっかり息抜きできているか、パフォーマンスに影響している部分がないかなど把握するために有効的です。

健康状態について

部下・メンバーにとっての適切な労働環境を守り、疲弊しすぎていないか確認するためにも、健康状態をテーマに聞いてみるのも有効です。

 

たとえば、疲れが見えたり少し変わった様子が感じられたりする場合は、その変化について問いかけてみるのもよいでしょう。どんなに些細なことであっても話してもらうことで、今部下・メンバーがどのような状態に陥っているのか、しっかりと把握できるミーティングにつながります。具体的には、次のような質問をしてみると良いでしょう。

  • 風邪を引いていないか?
  • ちゃんと眠れているか?
  • 最近調子を崩したのはいつ頃か?
  • 少しでも何か不調に感じる部分はないか?
  • ここ数年で体調面が変化したと思うことはあるか?
  • 何か日々の生活で悩んでいることはないか?
  • 終業後や休日にはしっかりと休めているか?

体調や生活環境もきちんと確認することで、仕事によるストレス感をチェックできます。あまりに負担がかかっている様子が見られる際には、業務分担の見直しをしてみましょう。

1on1で話すことに困った時の対処法

たとえば、1on1を進める中で会話が止まってしまうなど、時には実際にその場で話すこと自体に困ってしまうケースも考えられるでしょう。そうした際にはどう対処すると良いのか、覚えておきたいポイントについて解説していきます。

簡単に答えられる些細な質問から投げかける

部下の今までの行動や業務状況について、どんなに些細なテーマでも良いので上司側から問いかけてみるのも1つの方法です。何か少しでも変わったことがあれば、様子を伺ってみるのも良いでしょう。

 

たとえば営業スタッフであれば、「今週は先週よりも訪問件数が増えているけど、何かあった?」「見積もりの処理がいつも早いけど、何か意識していることはある?」など。

 

わずかな変化や良かった部分でも、それに対して部下自身がどんな考えを持っているのか投げかけることで、意見を発信してもらいながら話題を広がることにつながります。こうした客観的な変化についてコメントするだけで、部下・メンバーのやる気も高まりやすいので、パフォーマンスが上がることにも期待できます。

上司が自分のことを開示する

何かしら上司から質問をしてみても、なかなか話してもらえなかったり、会話が単発的になってしまったりするケースもあるでしょう。その場合には、1on1で話すこと自体にハードルの高さを感じている可能性が考えられます。

 

たとえば、「どこまで話して良いか分からない」「わざわざ話すまでもない内容かもしれない」というように、テーマ選びそのものに困っていることも少なくありません。

 

そのためまずは、上司側から軽く自分の話をしてみましょう。具体的には、「実はプライベートでこんなことに悩んでいる」「仕事のこういう部分で行き詰っている」など。部下にとって「この話題をテーマにしても良いんだ」と思ってもらえれば、よりスムーズに話してもらいやすくなります。

 

なるべく互いの距離を縮めることが大切なので、何か分かりやすい身近なテーマを投げかけてみると良いでしょう。こうして自己開示することで、部下にとって話しやすい雰囲気にするのも上司の役目。

 

また、気軽に話してもらいやすいミーティングにするためには、どんなに些細なことでも聞く姿勢を示すことも重要です。言葉を遮ったり委縮させたりする発言には注意しなければなりません。

前回の1on1の内容を確認する

どうしてもうまくテーマが見つからない時には、前回の1on1で話し合った内容を再確認する方法もあります。もし何か課題や悩みがあった場合には、実際に対応したことはあるか・何か変化はあったかなど、状況を見直すミーティングにするのも1つの手です。

 

そこから課題が見つかることもあるでしょう。逆にうまくいっていた報告でも、前回時点から何か変わりはないかと問いかけてみるのも良いでしょう。毎回、進捗・状況を話すことが習慣化されれば、その時抱えている課題も話しやすくなり、効果的な1on1につながります。

1on1で話すことを引き出すためのポイント

そもそも1on1で部下から積極的に話を進めてもらうためには、上司としてどのような姿勢を持っておくべきなのか、実のあるミーティングにするためのコツも紹介していきます。

部下・メンバーの日常的な行動を観察する

1on1でのミーティングをスムーズに進めるためには、部下が何のテーマを話したがっているのかを上司側が汲み取ってこくことも重要です。話を聞く側がある程度の想定を持っておけば、その話題を理解するのも早く、テーマが広がりやすくなります。

 

上司側からの問いかけの糸口も多くなるため、より深いミーティングができる効果も見込めるでしょう。また、日頃の動きをしっかりと見てもらえていることは、部下にとっての大きな安心感につながります。信頼できる相手だと分かってもらえれば、「こんなことを話しても良いのかな」という迷いもなくなり、どんなテーマでも話してもらいやすくなるでしょう。

1on1の内容は必ず記録する

毎回の1on1でのミーティングの傾向をしっかりと掴んでおけば、たとえば「今回は話すことがない」という場合でも、その部下が好みそうなテーマを投げかけるなどの対処もできます。

 

きちんと1on1によって部下のことを理解していけば、話すテーマに困ることも少なくなっていくはずです。個々の性格や価値観をできるだけ把握するためにも、毎回の内容は必ず詳細に記録して、さらに事前に確認しておくことで、各回のテーマを引き出すことにつながります。

1on1の優先度は高くして、スケジュールのスキップは禁止する

1on1のミーティングでは「自由に何でも話す」という特性もあって、どうしてもただの雑談に思われがちです。しかし部下の成長を促すためには、非常に重要な取り組みであり、決して疎かにすべきものではありません。

 

そのため、上司側の都合で予定を変更したり、スケジュールをスキップさせたりするなど、優先順位を下げることを原則禁止にするのも1つの方法です。仮に通常業務が忙しいからといって、元々予定していた1on1を上司側に何度も後回しにされてしまったら、部下側としてはどう思うでしょうか?

 

「自分とのやり取りはあまり大事にしてもらえない」などのように、信頼をどんどん失ってしまうリスクも出てきてしまいます。その反対に、部下一人ひとりとの1on1を優先して実施している様子が見られれば、従業員としては各自の存在意義が高まり、組織に対する安心感にもつながります。

 

そして、部下自身でも1on1の時間を大切に感じてくれる効果も見られるでしょう。1on1のような、通常業務との直接的な関連性が分かりにくい施策こそ、まずは定着させることが重要。さまざまな面から従業員の能力を伸ばして人材を育成し、最大の成果を出すことがマネジメントの仕事です。そのため、「話すだけだから」と軽視せずに、きちんと欠かせないタスクとして認識しておくことも大切です。

リモートワーク時代、1on1はますます重要に

リモートワークが普及し、オフィスで働いていた時よりもコミュニケ―ションが減っているという人もいるのではないでしょうか。このリモートワーク時代、ますます1on1は重要性を増してくるでしょう。

 

ベテラン社員や仕事に慣れている人はある程度、社内の人間関係も構築されているので、リモートワークでも問題なくコミュニケーションをとることができ、仕事が進められるかもしれません。しかし、入社したばかりの新入社員やまだ仕事に慣れていない新人などは、不安を抱えている可能性もあります。

 

オフィスであれば隣の先輩に聞いて解決できることが、リモートワークだと話しかけづらく自分で抱え込んでしまう。こうした状況が続くと、仕事で思うようにパフォーマンスを発揮できなくなる可能性もあります。

 

だからこそ1on1を習慣化し、小さいことでも話せる環境を作り、仕事で成果を出せるように、パフォーマンスを発揮できるように示唆を与えていくことが重要になるでしょう。

まとめ

日常的に行なう1on1では、何度も続けるうちにテーマがなくなりそうなどの心配があるかもしれません。しかし、信頼関係を構築できていれば、必ずミーティングすべき内容は見つかります。

 

また、上司と部下という上下関係があると、なかなか部下側からはテーマにしにくいこともあるかもしれませんが、そうした部分を気軽に話せるミーティングにするのが1on1です。

 

なるべく対等な話し合いをするためには、上司側が部下に寄り添うことが重要なので、意識的に話しやすい雰囲気を作っておくことが大切でしょう。そしてこのような配慮をすることで、部下側の安心感にもつながり、より良い組織を生み出す効果にも期待できます。

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