感謝と成長の輪を広げ世界を変える
「慢心はしません。弱みを理解した上で改善し、スタッフの働きやすい環境を作ってきました」と語るのは大阪に二店舗を展開するアズヘアー代表・香西武志だ。
十六歳でアズヘアーに入社し、二十二歳で店長へ。そして六年前にオーナーから店を引き継いだ二代目オーナーだ。
「弱みを知っている」と語る根拠は、スタッフとしてもオーナーとしても働い
た経験があるから。実際、オーナーになった頃は問題点が山積みだったという。
「正直、経営状態は良くありませんでしたね。原因はスタッフの労働環境。休みも少なく、給料も少ない。技術講習の支援も無ければ、福利厚生も整っていませんでした。スタッフの満足が顧客満足に繋がると信じて、スタッフが安心して働ける環境づくりに着手し始めました」
地域密着のスタンスを大切に「地域ナンバーワンサロン」を目指すからこそ、お客様に愛される前にスタッフに愛されなければならない。
香西はサロン改革に踏み切り、自らの給料を大幅にカット。
代わりにスタッフの給料を二万円以上もアップさせた。さらに改革は続き、休日も月六日から八日へ。産休・育休制度や社員旅行など各種労働環境を優良サロンレベルにまで引き上げた。
技術面でも作品撮りや技術講習を行い、クリエイティブ活動にも積極的に力を入れ始めた。
「次々と変化するサロンに、当初スタッフは驚きや戸惑いを隠せなかったようです。中には自分は関係ないからと他人事だった人も。でも、サロン改革を継続したからこそ、私の本気がスタッフにも伝わり、一体感のあるサロンに生まれ変わりましたね。
まだまだ弱みはありますが、今はそれ以上にスタッフとの強い絆がります。これからはスタッフ一緒にサロンを作っていきたいですね」
どうすれば良いかではない。どうしていきたいか、サロンはどうあるべきか。
香西は一切のルールに縛られることなく、自分の信じた道を切り拓いた。
そしてその先には、スタッフの笑顔が確かにあった。
サロンとしてのベースが整った今、
香西が目指すのは「みんなが戻れるサロンづくり」である。
その根幹には人とのつながりを大切にする香西の信念がある。
「お客様とは何世代にも渡って付き合っていきたいです。もちろんスタッフとのつながりも一生モノ。独立は成長の証として応援するし、独立後もこのサロンがある限りつながりは途絶えません」
現在は地域密着サロンとしてファンを集めるアズヘアー。しかし香西は現状に対して、絶対に満足していない。
「もっとサロンを良くしたい」「もっとスタッフの笑顔を作りたい」
という想いは、今後次々とサロンに新しい強みをもたらすだろう。